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地方自治体で非正規職員が急増、「絶望的な格差」は法改正で解消できない(ジネス+IT)
http://www.asyura2.com/17/hasan123/msg/841.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 10 月 03 日 08:59:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

執務中の鳴門市人事課の職員。鳴門市に限らず、非正規職員が占める割合はどの自治体も増える一方だ(写真:筆者撮影)


地方自治体で非正規職員が急増、「絶望的な格差」は法改正で解消できない
https://www.sbbit.jp/article/cont1/34089#image48164
2017年10月03日 ビジネス+IT


全国の地方自治体で非正規職員が急増している。総務省が2016年4月現在で実態調査したところ、都道府県、市区町村を合わせて64万人に達し、2005年に比べて4割も増えていた。退職者補充を非正規で対応してきた結果で、自治体が官製ワーキングプアを大量生産している格好。地方自治総合研究所の上林陽治研究員は「このままでは雇用の劣化が行政サービスの低下を招きかねない」と警鐘を鳴らす。5月に待遇改善を求めて地方自治法、地方公務員法が改正されたが、問題解決には悲観的な見方が出ている。
執筆:政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

■財政難で正規を非正規に置き換え、自治体も苦しい対応

 鳴門海峡の渦潮で知られる徳島県鳴門市。3階建ての市役所本庁舎には市民課や税務課、財政課、総務課など市の各課が机を並べているが、市役所で働く職員の3割が非正規だ。中でも窓口対応が多い部署ほど非正規が多くなっている。

 市は公営ギャンブル収入で豊かな財政を誇った時代もあったが、行政組織の肥大が財政を圧迫するなどし、財政健全化を推進してきた。その結果、退職した正規を非正規に置き換え、人件費を抑えるうちに非正規比率が高まった。2005年の14%が2016年で31%に上昇している。

 31%という数字は全国の政令市を除く市部で平均的だが、非正規の増加に世間の目は厳しさを増している。市人事課は「今までと同じやり方は難しくなった。国の方針に従い、見直さざるを得ない」と対応に苦慮している。

 徳島県市町村課は県内24市町村で働く非正規数を明らかにした。それによると、2016年は3,449人で、正規は8,947人。非正規が全体の28%を占めている。2005年の調査に比べ、正規が2,000人ほど減る一方、非正規は900人余り増えた。非正規比率も9ポイント上昇している。

 市町村別で最も非正規比率が高いのは、徳島市のベッドタウンとして人口増加が続く北島町の45%。ほぼ2人に1人が非正規で、北島町総務課は「人員をぎりぎりまで削減している。保育所や給食センターなどを直営で維持し、行政サービスを低下させないためには、非正規を増やさざるを得なかった」と苦しい胸の内を打ち明けた。

 沖縄県は県議会の一般質問に答える形で県と市町村の非正規数を公表した。答弁によると、2016年で県関係の非正規は6,587人で、全体の21%を占めた。2011年度から20〜21%台で推移しているという。これに対し、市町村の非正規は8,712人に達し、全体の42%に及んだ。2012年の39%から毎年、少しずつ増加を重ねている。

 沖縄は県、市町村とも非正規率の高い地域で、特に目立つ職種は公立幼稚園教諭の62%。ほかに、市町村に配属される子ども貧困対策支援員は全員が非正規だ。

 県内自治体の人事担当者からは「交付税を減らし、人件費を抑えるよう指導したのは国。それなのに、いまさら非正規を見直せといわれても財源がない。国に振り回されっぱなしだ」と恨み節も聞こえてきた。

■正規と非正規の給与に「絶望的な格差」

 総務省によると、2016年の全国自治体の非正規は2012年の前回調査から4万4,000人余り、7.4%増えた。過去3回の調査では、2005年が46万人、2008年が50万人、2012年が60万人だっただけに、右肩上がりの急増ぶり。これに対し、正規は274万人だから、いまや地方公務員の5人に1人を非正規が占める計算になる。


地方自治体の臨時・非常勤職員数の推移

 非正規は女性が75%と圧倒的に多い。職種は事務補助から保育士、図書館員、教員・講師まで広範囲にわたる。職種別で最も人数が多いのは事務補助の10万人、教員・講師の9万人、保育士6万人。特に教員・講師は2005年からの11年間でほぼ倍増している。

全国非正規地方公務員の内訳(単位・人)
職種    2005年 2008年 2012年 2016年
一般事務職員 112,315 119,810 149,562 159,559
技術職員 7,147 7,388 8,855 9,316
医師 9,955 9,335 8,743 8,138
医療技術員 7,216 8,637 10,969 11,851
看護師など 21,312 23,477 25,947 28,043
保育士など 78,261 89,563 103,428 99,958
給食調理員 35,313 37,305 39,294 37,985
技能労務職員 57,926 54,018 59,254 56,853
教員・講師 46,530 57,327 78,937 92,494
その他 79,865 92,442 113,988 138,934
出典:各年の総務省「地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査」から筆者作成

 自治体全体の非正規比率19%は国の17%をわずかに上回る程度だが、政令市を除く市区は32%、町村は35%と高い。小規模自治体には50%を超すところもあり、全国トップの長崎県佐々町は66%に達している。

 2005年からの11年間で正規は30万人も減った。逆に非正規は19万人近く増えている。正規の減少を非正規が補っているのが実態だ。正規と同様にフルタイムで働き、正規と同等の責任を負う職員も少なくない。

 それなのに、非正規の待遇は極端に低いまま。臨時の労働の対価として報酬が支払われ、ほとんどの自治体は手当などを支給していない。上林研究員は総務省のデータから非正規一般事務職の平均年収を162〜207万円と推定している。

 正規の平均年収は660万円程度。非正規の事務職は休みなくフルに働いても正規の3分の1以下の年収しか得られない。まさに絶望的な格差が存在する。

 その代わり、自治体の出費する人件費は大幅に抑えられる。自治体は2000年代前半、小泉内閣の三位一体改革で地方交付税や補助金が削減され、財政が火の車に陥った。その一方で行政サービスは拡大している。退職者の補充を非正規で対応することで人件費を抑えながら、行政サービスをどうにか維持しているわけだ。

 上林研究員は「非正規の賃金を外注より安く上がるように抑えているのが実情。このため、自治体は非正規の増加を止められなくなっている」とみている。

■全国で相次ぐトラブル、早急な待遇改善が必要

 非正規はおおむね1年単位で任用が繰り返されるため、多くが不安定な立場に置かれている。突然雇止めされ、トラブルに発展するケースも増えてきた。

 長崎県では、6年半にわたって県と外郭団体の間で2カ月おきに雇用主を切り替えられていた非正規の40代女性が県を違法と訴えた。長崎地裁は2016年、女性の訴えを一部認めて慰謝料40万円の支払いを県に命じた。2カ月ごとに雇用主を切り替えたのは、女性に社会保険に加入させず、有給休暇や退職手当の請求権を与えないためだ。

 京都府では、小中学校で働く教員の12人に1人を非正規の常勤講師が占める。「待遇が悪く、20年働いても結婚できない」「10年近く働いたのに突然雇止めされた」。京都市で開かれた常勤講師の集会では不満の声が相次いだという。官製ワーキングプアの現実はあまりにも厳しい。

 こうした現状を改善するため、地方自治法と地方公務員法が5月、改正された。自治体ごとにばらばらだった非正規の採用根拠を会計年度任用職員に統一し、期末手当などを支給できるようにする内容だ。

 しかし、会計年度任用職員をフルタイムとパートに分け、待遇に差をつけている。フルタイムは給料と期末・勤勉手当を含む諸手当を受けられるのに対し、パートは報酬と費用弁償、期末手当が入るだけだ。これではフルタイムの職員がパート化される恐れも出てくる。

 上林研究員は「今回の法改正は労働時間差別を認定しただけで、同一労働同一賃金につながりそうもない。専門的な職場では熟練した非正規なしに仕事が回らなくなっている。こうした職員の抜本的な処遇改善が必要だ」と指摘する。

 弱い立場の非正規にしわ寄せし、行政サービスを維持する現状は、自治体のあるべき姿とはいえないだろう。自治体は非正規の待遇を改善するとともに、中長期的な視野に立ってどのような人員体制が適切なのか考え直す必要がある。

政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)
1959年、徳島県生まれ。関西学院大学社会学部卒業。地方新聞社で文化部、地方部、社会部、政経部記者、デスクを歴任したあと、編集委員を務め、吉野川第十堰問題や明石海峡大橋の開通、平成の市町村大合併、年間企画記事、こども新聞、郷土の歴史記事などを担当した。現在は政治ジャーナリストとして活動している。徳島県在住。



 

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コメント
 
1. 2017年10月03日 15:07:56 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[4248]

雇用改善が続けば、いずれ非正規で低賃金の公務員をやりたがる人間などいなくなる

その時には、もっと増税するか

公的サービスを大幅に削減し

民間でできることは民間に任せるしかないだろう


2. 2017年10月03日 15:38:15 : fN49t61XCI : FElYK1RoPUo[156]
教科書通りの分断統治だよね。

3. 2017年10月04日 05:31:21 : tQaRJ70ek2 : @q4VZodc9HU[6]
バブル期入社組周辺までの高給与体系を維持するための仕組みで、奴らは年収1200万から1300万。
こいつらは退職しても、年金が超高額、月額50万以上。
それらを維持するための人身御供としての非正規。
現職員もバブル期までではないが、定昇も立派で1000マン超えに迫る。

4. 2017年10月05日 13:05:37 : aTcueBkZMs : 3Fnkh7wUFtc[1]
「小さな政府」を標榜し、公共サービスの過剰縮小化の一環として収奪主義政治層によって意図的に作り出された状況だろう。非正規雇用の増加・差別も折り込んでいただろう。サービスの質の意図的劣化は、サービス廃止の為のサービス提供側の常套手段である。

公共利益・公共サービスは、国民が共生を行うためのものである。公共利益の用途・公共サービスは、自然環境・社会環境において個々人の生命活動を無条件に守るという基準(生命尊重の基準)で定められなければならないものであり、この基準を第一として利益・サービスを提供する公共機関は必ず必要である。利己利益追求が第一の民間のみでは、必ずしも利益とならないこれらの提供は不適切・不可能となる。(日本の場合、昔から一部の収奪層が社会的権限を独占して来たような状態であるため、「民間」が良いイメージに映されているだけのように思える。また、公共利益の浪費や公務員の過剰な高待遇は別の問題である。)

各公共サービスや諸文化活動の財政難の元凶は、社会収奪層による巨大規模の公共利益の私物化、社会的問題を発生させる事になる使用や浪費、不正使用、不当な基準による分配等である。“国の財政難”の責任を国民側に押し付けるのは不条理極まりない。


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