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生き残りのカギはここにある?全国地銀106行「収益力」ランキング 熾烈なレースが始まっている(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/17/hasan124/msg/355.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 11 月 02 日 14:38:06: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


生き残りのカギはここにある?全国地銀106行「収益力」ランキング 熾烈なレースが始まっている
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53362
2017.11.02 加谷 珪一 現代ビジネス


低金利と人口減少のダブルパンチによって、地方銀行が最大のピンチを迎えている。存続できる地方銀行は現在の半分以下という厳しい予想もあり、経営体力の強化を目指した経営統合が相次いでいる。

だが、地銀が抱える問題は、規模を大きくすれば解決するというほど単純な話ではない。生き残るのはどの地方銀行なのか、100行の経営状況を徹底的に分析した。

■人口減少の打撃はこれから

今年9月、ある衝撃的なレポートがIMF(国際通貨基金)のブログサイトに掲載された。日本の金融システム調査のために来日したIMFのエコノミストが、地方銀行の状況について調査を行い、「一部の地方銀行は今後、20年間で預貸率が40%低下する可能性がある」と指摘したのだ。

預貸率とは、集めた預金のうち何%が融資に回っているのかを示す指標のことである。現在、地方銀行の預貸率はおおよそ70%程度となっており、すでに預金の3割を余らせた状態にある。

だが、預貸率がここから40%低下するということになると、70%の40%なので最終的には30%まで預貸率が落ち込む計算になる。

これは、一部の地域では融資先が消滅し、仮に預金を集めることができたとしても、その3割しか貸付けできなくなることを意味している。これでは銀行の経営そのものが成り立たない。

日本が人口減少という大きな問題を抱えていることは、ほとんどの人にとって共通認識となっているが、実は日本の人口はそれほど減っていない。

2015年と2016年の比較ではわずか0.13%であり、もう少し過去に遡っても結果は同じである。厳密に言うと、これまでは「人口減少社会」ではなく「人口横ばい社会」だったと考えた方がよい。

だが今後10年は、いよいよ人口の絶対値が本格的に減り始める。本当の意味で人口減少の影響が出てくるのはこれからなのだ。

増え続けてきた人口が横ばいになっただけで、多くの業界に逆風が吹いたことを考えると、本格的に人口が減った時のインパクトは計り知れない。

この問題が地方にとって特に深刻なのは、人口減少が人口動態の変化を促すからである。具体的には、人口が減るにつれて都市部への人の移動が進み、地域経済を運営できないエリアが続出することになる。



■すでに存続の危機に陥った地銀も

地方銀行はこうした人口動態の影響をもっとも受けやすい。

日本の銀行は、全国展開を行うメガバンクと地域限定でサービスを提供する地方銀行に明確に区分されてきた。

大企業の多くが首都圏など大都市圏に集中していることから、実質的にメガバンクは大企業と取引を行い、地方銀行は各地域にある中堅中小企業と取引を行う形にならざるを得ない。

つまり地方銀行は、地域にある中小企業に融資する役割が当初から与えられていたことになる。

ところが、人口減少の影響から、エリアごとに棲み分けが出来ていた地域金融機関のバランスが崩れはじめた。商圏を維持できる銀行とできない銀行の差が大きくなり、経営の存続が危ぶまれる銀行が出てくるようになった。

このところ地方銀行が相次いで経営統合を発表しているのは、こうした事態への対応策ということになるが、地方銀行はむやみに規模を追求すればよいというものではない。異なる商圏で活動していた地方銀行を単純に合併させてもシナジー効果は小さいからである。

結局のところ、地方銀行は地域の実情に合わせた経営を模索するしか生き伸びる方法はなく、それができる銀行とできない銀行に明確に分かれてくるだろう。

地方銀行の経営は地域ごとに特色があり、一括りにはできないが、すでに地方銀行の「収益力」には大きな差がついている。

現時点で比較的高い収益を上げている銀行は、今後も有利に事業を展開できる可能性が高い。そこで全国の地銀約100行について、収益力の違いを比較してみた。

分析に用いたのは業務純益という指標である。業務純益は銀行独特の経営指標で、銀行が融資などの本業で得た利益のこと指している。一般企業でいえば営業利益に近いと思えばよいだろう。

銀行は預金という大きな資産を融資などの形で運用するビジネスなので、総資産がどれだけの利益を生み出しているのかがひとつの評価ポイントとなる。ここでは総資産に対する業務純益の割合(総資産業務純益率)について評価を行った。

■100行の経営状況を分析

2017年3月期における地方銀行106行(地銀協会、第二地銀協会加盟行に新銀行東京を加えた)の業務純益率の平均は0.29%(単純平均)だったので、0.3%という数字がひとつの目安となる。

106行のうち0.3%以上の業務純益率を確保していたのは、全体の約4割にあたる40行だった。

上位行にはいくつかの特徴が見られるが、これは今後の生き残り策にとって重要なヒントとなるはずだ。



上位行の中でもっとも目立つのは、首都圏や地方中核都市など大都市圏で展開する規模の大きい銀行である。福岡銀行、横浜銀行、千葉銀行、広島銀行などがこれに相当する。

地方銀行の中で資産規模が最大の横浜銀行は約850億円の業務純益を出しており、他行を圧倒している。同行の総資産(単体)は16兆円を突破しており、平均的な地方銀行の4倍以上の規模がある。千葉銀行と福岡銀行も資産規模が14兆円ほどあり、地方銀行としてはかなり巨大な部類に入る。

規模の大きい銀行は、コスト面でボリューム・メリットを生かすことができるので経営効率が高くなる。このところ地方銀行の再編が相次いでいる理由は、規模の追求が主な目的と考えられる。

だが、単純に規模を大きくすればよいのかというとそうとは限らない。その理由は、銀行の収益力は、営業活動を展開するエリアに依存するからである。

横浜銀行や千葉銀行は首都圏が営業基盤であり、当然のことながらこのエリアにはたくさんの優良企業が存在している。福岡も地方都市としては別格の存在であり、商圏の規模がそもそも大きい。

つまり、これらの地方銀行は、規模の大きさを追求したのではなく、商圏が大きいので結果的に資産規模が大きくなったと解釈するのが自然である。

こうした大都市圏の地方銀行は、一般的な地方銀行のモデルにはならないと考えた方がよい。逆に考えれば、単純に規模を追求しただけの経営統合はうまくいかない可能性がある。

■地銀経営の「正解」は何か

収益力が必ずしも規模と関係しないことは、鹿児島に拠点を置く南日本銀行が2位に、富山県にある富山第一銀行が3位に、そして徳島県にある阿波銀行が4位に入っていることからも、うかがい知ることができる。

南日本銀行は行員が約700人の小規模な地銀である。2009年に改正金融機能強化法に基づいて公的資金が注入された。資本注入時に策定した数値目標は下回っているものの、利ざや(預金金利と貸出金利の差分)は大きく、収益力は高い。融資も9割近くが鹿児島県内となっており、地域密着性が高い銀行である。

富山第一銀行も南日本と同規模の地銀で67店舗で営業を行っている。南日本銀行ほどではないが、貸出金の利回りが高く、これが収益を押し上げている。

規模が小さい銀行は、預金の絶対量も少なくなるので、利ざやを稼ぐには、ある程度のリスクを取る必要が出てくる。このあたりは貸し倒れとのバランスであり、両行の収益力はリスクとの引き換えであるとの解釈も成立する。

確かに、昭和の時代であれば、リスクを徹底的に回避し、100%安全なところにしか融資をしないという選択肢があったが、今後は地域経済の縮小という大波が押し寄せてくる。

手堅い経営をしているだけでは、市場規模の縮小に耐えることはできない。ある程度、リスクを取る経験を積んでいかなければ、生き残りは難しいだろう。このノウハウは一朝一夕に身に付くものではなく、後になってからの転換は難しいと考えるべきだ。

地域を限定せず、広域営業を行うことも収益拡大の有力な手段となる。阿波銀行は徳島市を拠点とする地方銀行だが、同行の預貸率は63%と低く、融資をかなり絞っている。

だが確実に金利を取れる案件を狙って、関西圏や首都圏への融資を積極的に伸ばしてきた。2017年3月期では融資全体のうち首都圏が占める割合は12%に、関西圏が占める割合は21%に達している。

地方銀行の究極的な姿を追求しているのは、何と言っても業務純益率トップのスルガ銀行だろう。スルガ銀行の収益力は他行を圧倒しているが、その秘密はどこにあるのだろうか。このあたりは次回でより詳しく言及したいと思う。



 

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