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ビットコインは「毎日がリーマンショック」だがバブルとは呼べない理由(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan124/msg/710.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 11 月 29 日 14:43:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

ビットコインは「毎日がリーマンショック」だがバブルとは呼べない理由
http://diamond.jp/articles/-/151182
2017.11.29 佐々木一寿:経済コラムニスト  ダイヤモンド・オンライン


  


 ビットコインの威勢が良いようだ。

 11月28日、ビットコインは基本的な単位である1btc当たり、一時9780ドルを越えた。これは日本円にして100万円を超えるプライスだ。11月12日からの約2週間で75%の上昇となる。

 もっと言えば、今年に入り加速の度合いを強め、価格は10倍(2017年1月1日時点で1btc=908ドル)、ここ数年で見れば50倍近くになっている(2015年1月1日時点で1btc=217ドル)といえば、この凄まじさが伝わるだろうか。

 これは、いわゆる”バブル”なのだろうか。

ビットコインの本質とは
仮想空間上の数量設定


 まず、ビットコインとはどのようなものなのか、基本的なことを確認しておこう。

 ビットコインとは、ざっくりと言ってしまえば「仮想空間上の数量設定」でしかない。ビットコインの有限の量が設定され、それが誰の持ち分か、また誰から誰に譲渡されたかが漏れなく記録されているだけである。

 もちろん、その「台帳」更新の仕組みは非常に精妙かつ画期的で、知的に刺激的ではある。ただ、本質的に数量の設定でしかない以上、ビットコインそれ自体は何の収益も産まない。そのあたりは金(GOLD)に似ているとも言われるゆえんだ。

 金もほぼ限られた数量であり、それを直接保有することがほとんどだからだ。ただ、金ですら触媒や合金に使用するなど、実用価値はある。しかしビットコインは、いろいろな便宜上のギミックこそあるものの、それ自体は純粋に数量としての存在だということは非常に重要なところであるので強調しておきたい。

「貨幣」としての資格を
問われている最中


 では、そんなビットコインが、なぜ価値を持つのだろうか。

 その前段で、「貨幣」の有用性について考えてみよう。経済学では、貨幣は三つの機能を持つものだと教える。それは、「価値尺度」「交換手段」「価値保存手段」だ。

 価値尺度とは、価値を数量的に測れること(ハンバーガーが200円など)、交換手段とは基本的になんでも買えること(物々交換よりも格段に利便性が上がる)、そして価値保存手段とはそれで蓄財ができるか(貨幣は基本的に腐らない)ということである。

 ビットコインは、これら三つを満たすとは言えるが、円やドルといった法定通貨ほど万全かと言われれば、疑問も残る。

 価値尺度としてビットコインは価値自体が変わりすぎるところがある(物差しとしての尺度間隔が変わってしまう。かつてはピザ1枚が1btcで買えない時代もあった)。交換手段として、送金や取引の手数料の安さを利点として指摘する人もいるが、他の主要法定通貨と比べて格段に有利かと言われれば限定的だし、使用可能な場所はまだ限られている。

 価値保存手段に関しても、かつてのマルタでの預金封鎖や、最近のジンバブエ有事では自国通貨の代替として高騰したが、そのようなケースはかなり稀であり、むしろ安全資産としての“資格”を問われている最中だと言うのが実情だろう。

 つまり、貨幣としては不安定さを見せるビットコインだが、なぜ人々はそれを求めるのだろうか。

期待収益率はゼロであり
ファイナンス理論では決まらない


 ビットコインを「資産」として見るなら、どのように考えることができるだろうか。

 経済学には「ファイナンス理論」という領域があり、将来的に生み出す収益を基に現在価値を求める、という考え方がある。厳密に計算をする場合、例えば金利状況などいろいろな設定を加味しながら算出する。

 だが、ざっくりと説明すれば、例えば株や不動産なら、毎年生み出されるキャッシュ(利益)の平均の20倍程度という一応の目安がある(年収益率を5%程度と仮定。株式ならPER20倍とも表現される)。年50万円を生み出す株式や土地なら、1000万円で売買取引される、という相場感だ。

 それに対して、ビットコインはどうだろうか。仮想空間上の数量の設定でしかないわけだから、そもそも勝手に増えてしまってはその根幹が揺るぎかねない。ビットコイン自体が、キャッシュを生んでいるのではないからである。

 というわけで、ビットコインの期待収益率は0であり、適正な価格はファイナンス理論でも決まらないことになる。

価格の根拠は
市場参加者の思惑のみ


 であれば、「マイニングのコストを根拠にする」というアイデアが出てくるかもしれない。マイニング(採掘)とは、ビットコインのプルーフ(信頼性)を支える作業(PoWと呼ばれる)に貢献した人に、有限量の未使用分の中からいくばくかのシェアが振る舞われる仕組みのこと。マイニングのコストは、主にプロセッサのパワーと電力だ。

 確かににコストがあるならば、金のように算定できるという考え方はできるように思える。ただ、金の場合は、どちらかというと市場価格が先行して決まるため、不採算になるようなケースでは採掘を止めるという判断があるだけと見ることができる。

 さらに言えば、PoWがビットコインのプルーフを支えるとしても、そのコストがビットコインの価値を決めているとはどうしても思えない。例えば、紙幣の偽装防止技術が高度だったり、決済システムの堅牢さにコストがかかっていたりするとしても、価値のほとんどをそれらが決めるという説明はなかなか苦しいのではないかと思うからだ。

 それでも市場では、毎日ビットコインに価格が付いている。では、何を根拠に決まっているのだろうか。  シンプルに言えば、「需要と供給の力学」がほぼ全てだろう。「言い値」と「買い値」だけで決まっていると言い換えてもいい。もっと言えば、それは純粋に市場参加者の「思惑」のみで価格が決まっているということだ。

 その思惑にはいろいろなものがあるだろうが、かの有名なJ・M・ケインズの「美人投票」がそれをよく説明するかもしれない。

「皆がその価格が上がると思っているだろうから、私も投資する」というスタンスだ。大昔のオランダのチューリップバブル(チューリップの球根一つが馬車一式と同じ価格になった)もそのようなメカニズムが働いていたと主張する研究者も多い。であれば、ビットコインもやはりバブルなのだろうか。

バブルとは本来価格からの乖離だから
価格なきビットコインは当てはまらない


 チューリップの球根であれば、実現するのは「一輪の花」なのであり、ある程度の常識で適正価格からの乖離を感じ取ることも可能だろう。にもかかわらず、異常とも思える乖離が生じるわけだが、そのときは「陶酔」の中にいるのでなかなか我に返ることができない、という分析をする研究者もいる(J・K・ガルブレイスなど)。

 とはいえ、これまで見てきたように、ビットコインにはそもそもの“相場観”の働きようがないところがある。だから、ビットコインはいくらが適正か、という問いに真正面から答えられる人はいないのではないか。ノーベル賞級の経済学者だろうが、サトシ・ナカモト(ビットコインの仕組みの基になる論文に署名があり設計者といわれる)であろうが、それは原理的に難しいだろうと思う。

 私は、「バブル=本来的な価格からの乖離」だとすれば、ビットコインをバブルと呼ぶのはなかなか難しいのかもしれないとも思う。本来価値が想定できないのだから、乖離しているかどうかを参照できる基準もないからだ。

 ただ、市場のプライスのボラティリティ(価格変動)の大きさ、という視点もある(分野でいえばファイナンス理論、経済物理学)。これに関しては、大いに気にするすべきものだと私は思う。

 そのボラティリティの計測方法はさまざまで、日々変わるが(※1)、1日当たりの変動幅をおおまかにざっくりいえば、メジャーな通貨なら0.5%程度、株式なら1%程度、ビットコインは5%程度だ(※2)。つまり、ビットコインのボラティリティは、為替の10倍、株式の5倍ほどもある。

(※1 ボラティリティ計測には、過去の価格変動のデータを統計処理して使うヒストリカル・ボラティリティや、オプションなどの市場予想を使うインプライド・ボラティリティなどがある)
(※2 一般的には標準偏差(68%水準)として算出される。たとえば現在の日経平均で言えば、一日の価格変化が±1%の幅、つまり±220円の範囲に68%の確率で収まる程度のボラティリティ水準となる)

バブルではないが
「毎日がリーマンショック」


 また、極端なケースを挙げれば、あの100年に一度と言われたリーマンショック時の株式平均は8%の下落、そして、過去最大の株式下落であるブラックマンデーの下落率は22%だった。ビットコインは過去8年間の歴史で、1日に最大18%の急騰や最大13%の急落を見せている。

 ビットコインのボラティリティは、例えるなら日経平均が5%、つまり1日で1000円動くことが普通にあり得るという水準であり、それで言えば毎日がブラックマンデーだとは言わないまでも、「毎日がリーマンショックだ」ということは言える水準かもしれない。

「根拠なき熱狂」で有名なロバート・シラーは、急速な暴騰のグラフを見て、ビットコインは「バブルの最高の事例」だと言って警鐘を鳴らしているようだ。

 実際、今月に入って、11月8日に7720ドルを付け最高値更新し、いったん5637ドルまで下落してから、再更新の9480ドルを付けた、つまり3割ほど下げた後に7割上昇したという乱高下ぶりである。

 ただ、本来価格からの乖離が原理的に想定できない以上、私はバブルとは言いにくいと思う。結論として言えば、ビットコインはバブルとは言えないが「毎日がリーマンショック」であり得る、ということになろうか。

(経済コラムニスト 佐々木一寿)


 

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コメント
 
1. 2017年12月01日 01:26:20 : W4y5BlZJPE : 6ambZiawB74[12]
これが通貨ですか??
これ、通貨もどきは、球根コインと呼ぶんですか!?

こんな、ばくちを公衆で行ったら違法でしょ??
年金の損を取り戻そうとしてるんですか??
公金を投入しないでくださいね!

シランケド!

世界の皆様、
しっかりご照査ください!
よろしくお願いします。


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