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「九州と関東の群発地震のリレー」が始まった中、関東大震災の再来的な展開は回避できるのかどうなのか
http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/175.html
投稿者 taked4700 日時 2017 年 8 月 27 日 06:14:21: 9XFNe/BiX575U dGFrZWQ0NzAw
 

http://indeep.jp/earthquake-swarm-is-hitting-in-japan-its-like-1923/
「九州と関東の群発地震のリレー」が始まった中、関東大震災の再来的な展開は回避できるのかどうなのか
2017/08/10

2016年8月1日の気象庁による「誤報」だった緊急地震速報より

・緊急地震速報 2016/08/01

今日の午前(8月10日)、お風呂に入っていてボーッとしていましたら、風呂の水面にさざ波が立ちまして、

「おお、風もないのに優雅にさざ波が……って、違うわ、これは地震だ」

と思いつつも、そのまましばらく入っていて、出た後に気象庁などで記録を見てみました。

震源は文字上では「千葉県北西部」となっているのですが、場所は下のように、マグニチュードがもう少し大きくて、震源の深さがもう少し浅ければ(今回は震源の深さ 70km)、なかなか厄介だったかもしれない場所といえるところでした。

・地震情報

冒頭に載せました昨年の「誤報」の場所とも似た、いわゆる都市直下型の瀬戸際的な感じも漂う場所ですが、私の住んでいるところは、ふだんあまり揺れない場所ではあり、今日もお風呂に入っていて気づかないほどのものではあったのですが、どうしてこんな小さな地震を気にしたのかというと、以前から書くこともありましたが、

・日本の地震の群発化が1923年と相似し続けている

というようなことがあるのです。これは科学的にどうこういう話でもないですので、あくまで個人的な感想の見地から簡単にご紹介させていただこうと思います。

最近は「日本中が群発地震化しそうな雰囲気がある」ということは言えるのです。

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関東と九州での群発地震のリレー的な動きがあるこの夏

「群発地震」という表現は正確なものではないのですが、わかりやすいといえば、わかりやすいですので、そういう書き方をさせていただいています。

これは今に始まったことではないですが、昨年より今年のほうが地震に関しては顕著に見えることと、そして、この夏さらに顕著に見えるような「気がする」のです。

過去との比較の正式なデータをとっていないですので、「気がする」という以上は何も言えないです。

ところで、現在、日本で頻繁に地震が起きている場所がどこかご存じでしょうか。

「現在」という括りは大ざっぱですので、この8月ということにして気象庁のデータを見てみますと、少なくとも以下の四カ所で連続して地震が起きているといえます。

・茨城県の北部と南部
・長野県南部
・熊本県熊本地方
・鹿児島湾

連続した地震の定義は難しいですが、「2日に1度以上起きている」という場所での地震をピックアップすると以下のようになります。これはあくまで「この 10日間だけ」の記録ですので、1ヶ月単位で遡ると、さらにすごいことになるはずです。

ちなみに、この期間(8/1〜8/10午前)の日本でのすべての有感地震の回数は 81回でした。

地震が群発化しているように見える地域

茨城県の群発地震(2017年8月1日 – 10日)

2017年8月8日 19時25分 茨城県南部 M3.4 最大震度 1
2017年8月5日 07時55分 茨城県北部 M4.1 最大震度 3
2017年8月3日 22時41分 茨城県北部 M3.2 最大震度 1
2017年8月3日 15時23分 茨城県南部 M3.2 最大震度 1
2017年8月3日 13時45分 茨城県南部 M4.5 最大震度 3
2017年8月3日 12時58分 茨城県北部 M3.2 最大震度 1
2017年8月2日 12時46分 茨城県北部 M3.5 最大震度 2
2017年8月2日 07時16分 茨城県南部 M4.6 最大震度 4
2017年8月2日 05時22分 茨城県北部 M3.2 最大震度 1
2017年8月2日 04時32分 茨城県北部 M3.1 最大震度 1
2017年8月2日 03時24分 茨城県北部 M2.8 最大震度 1
2017年8月2日 02時02分 茨城県北部 M5.5 最大震度 4
2017年8月2日 00時38分 茨城県南部 M3.6 最大震度 2

長野県南部の群発地震(2017年8月1日 – 10日)

2017年8月10日 11時21分 長野県南部 M2.5 最大震度 1
2017年8月10日 09時58分 長野県南部 M1.9 最大震度 1
2017年8月10日 09時39分 長野県南部 M3.2 最大震度 2
2017年8月07日 20時24分 長野県南部 M2.5 最大震度 1
2017年8月03日 12時47分 長野県南部 M2.4 最大震度 1
2017年8月02日 21時06分 長野県南部 M2.8 最大震度 2
2017年8月02日 21時00分 長野県南部 M3.2 最大震度 2
2017年8月02日 20時49分 長野県南部 M3.1 最大震度 2

鹿児島湾の群発地震(2017年8月1日 – 10日)

2017年8月9日 12時14分 鹿児島湾 M2.6 最大震度 2
2017年8月9日 03時20分 鹿児島湾 M2.3 最大震度 1
2017年8月9日 01時59分 鹿児島湾 M2.4 最大震度 1
2017年8月8日 23時29分 鹿児島湾 M2.5 最大震度 1
2017年8月8日 04時54分 鹿児島湾 M2.3 最大震度 1
2017年8月7日 09時39分 鹿児島湾 M2.4 最大震度 1
2017年8月3日 09時49分 鹿児島湾 M2.3 最大震度 1
2017年8月3日 08時43分 鹿児島湾 M2.0 最大震度 1
2017年8月3日 05時18分 鹿児島湾 M2.6 最大震度 2
2017年8月2日 09時10分 鹿児島湾 M2.4 最大震度 1

熊本県熊本地方(2017年8月1日 – 10日)

2017年8月10日 05時19分 熊本県熊本地方 M2.8 最大震度 1
2017年8月09日 05時57分 熊本県天草芦北 M3.0 最大震度 2
2017年8月08日 21時28分 熊本県熊本地方 M3.9 最大震度 3
2017年8月06日 03時07分 熊本県熊本地方 M2.5 最大震度 1
2017年8月06日 03時06分 熊本県熊本地方 M2.7 最大震度 1
2017年8月04日 22時54分 熊本県熊本地方 M2.8 最大震度 1

この期間の間に、日本の領域で「マグニチュード 4.5以上」の地震は 6回起きていて、次の通りになります。この振り分けは、アメリカ地質調査所(USGS)が、「マグニチュード 4.5以上を大きな地震」として振り分けていることに合わせています。

マグニチュード4.5以上の地震(2017年8月1日 – 10日)

2017年8月10日 09時36分 千葉県北西部 M 4.9 最大震度 3
2017年8月08日 14時49分 沖縄本島近海 M 5.0 最大震度 3
2017年8月04日 20時19分 西表島付近 M 5.3 最大震度 3
2017年8月03日 13時45分 茨城県南部 M 4.5 最大震度 3
2017年8月02日 07時16分 茨城県南部 M 4.6 最大震度 4
2017年8月02日 02時02分 茨城県北部 M 5.5 最大震度 4

ここまで書いたことを地図に記しますと、以下のようになります。

ここで過去記事と照らし合わせてみますと、昨年の、

・「連鎖する地震」の渦中の環太平洋火山帯で、アメリカだけに起きない地震。そして、ますます関東大震災の年と似てきた雰囲気もないではない日本 (2016/11/22)

・鳥取の地震と「使者からいただいた33度線的偶然」から、関東大震災のあった1923年の「日本列島の地震と噴火」の状況と現在を比較するに至る (2016/10/21)

という記事などで書かせていただいたこともあるのですが、関東大震災のあった 1923年は、非常に大ざっぱに書きますと、

「関東と九州で共に群発地震が繰り返され、その間にある火山が噴火し続けた年」

でした。

1923年地質的な動きは、下のようなものでした。

1923年の関東大震災までの日本の地震活動

1) 1923年01月14日
茨城 マグニチュード6.1 関東/茨城

2) 1923年01月14日
阿蘇山噴火  九州/熊本

3) 1923年02月
浅間山山麓地震 関東/群馬・長野(浅間山)

4) 1923年03月26日 – 27日
蔵王山東麓での群発地震 東北/宮城(蔵王山東麓)

5) 1923年04月 – 05月
那覇・和歌山群発 九州/沖縄(那覇附近)

6) 1923年04月23日
沖縄・東シナ海 マグニチュード7.2 九州/沖縄(東シナ海)

7) 1923年05月07日
茨城マグニチュード7.3 関東/茨城(鹿島灘)

8) 1923年05月
鹿島灘で小地震の群発

9) 1923年05月 – 06月
5月下旬から茨城沖で群発活動が始まり,6月2日にはマグニチュード7.3の最大地震が発生

10) 1923年06月02日
5月初旬より東海に地震が頻発し,その数 200〜300回にのぼる

11) 1923年6月2日
茨城県沖 マグニチュード7.3 津波が発生

12) 1923年6月2日 茨城県沖 マグニチュード7.1

13) 1923年06月26日 – 08月02日
焼岳噴火 中部/岐阜・長野(焼岳)

14) 1923年07月
長崎で群発地震 九州/長崎(千々石湾)

15) 1923年07月01日
霧島山噴煙 九州/鹿児島(霧島山付近)

16) 1923年07月13日
種子島付近 マグニチュード7.1 マグニチュード6.6 九州/鹿児島(種子島付近)

17)1923年09月01日
関東大震災 マグニチュード7.9 関東/神奈川(相模湾)

このようになっていまして、茨城県での群発地震というのは、現在起きているだけに、目につくところでもあります。

また、 1923年6月26日に「焼岳の噴火」というのがありましたが、これも今日噴火しました。下が報道です。

焼岳で小規模な噴気確認、気象庁が注意呼びかけ 北アルプス唯一の活火山

HuffPost Japan 2017/08/10

気象庁は8月10日、長野と岐阜の県境にある北アルプスの焼岳で、小規模な噴気が確認されたと発表した。今後も、噴気が出るおそれがあるとして、注意を呼びかけている。

気象庁によると、焼岳では9日午後11時50分頃から10日の午前2時頃にかけて、空振を伴う地震を6回観測。監視カメラではこの時間帯に、山頂の西側約400メートル付近の山腹で、白色の噴気を確認した。

というようなわけで、地震も噴火も小規模ではありますけれど、1923年とさらによく似てきているという部分もありそうです。

ちなみに、今が 1923年とよく似ていることがもうひとつあり、それは

「太陽活動最少期に近い」

ことです。

これは今回は詳しく書く気はないですが、日本でも世界でも「規模の大きな地震が比較的、太陽活動極小期近くに頻繁に起きている」ということはあります。

関東大震災は 1923年 9月1日でしたが、その時の第 15太陽周期(サイクル 15)の終わりは、その直前である 1923年8月でした。

現在の太陽活動周期であるサイクル 24は、まだ終了したというアナウンスはされていませんが、そろそろ終わる時期ではあります。おそらく来年までに終わると思いますが、では「なぜ、太陽活動が弱い時に地震が多くなりやすいか」ということについては、「宇宙線」ということを個人的にはポイントで置いていますけれど、複雑な話になりそうですので、いずれまた機会を作らせていただいて書かせていただくこともあるかもしれません。

そういえば、最近の TOCANA の記事で、以下のような記述を見かけました。

2012年のディスカバリーチャンネルの番組「地球は誇張しているのか?」では、地震発生のメカニズムとして、太陽から放射されるニュートリノが地球の核に影響を与え、日食時にはそれが増幅されることで地震発生の引き金になり得るという説を紹介していた。

個人的に持っている理屈もこれと似た感じかもしれないです(太陽活動が弱い時期には、地球に到達する宇宙線の量が飛躍的に増加します)。

ただ、地震は複雑なトリガーの要素を持っているはずで、ひとつやふたつの理由ではほとんど何も説明ができないものだとも最近は思います。

月や重力や太陽の磁力や、あるいはもっとスピリチュアルな「何か」を含めて、さまざまな要因が重なり、そして地震は「起きる」。

その複雑なメカニズムを私たち人類が理解することは難しいことなのかもしれません。

しかし、現在の太陽活動周期が終わろうとしている今、また新たな地震の時代が到来しつつあるのかもしれないという気配は感じます。  

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コメント
 
1. 金太マカオに着く[234] i@CRvoN9g0qDSYLJkoWCrQ 2017年8月28日 08:57:11 : 7Mao2VQWW2 : E5G9pNPmu9I[299]
やっぱし宇宙線なんでしょう
九州の連続して震度7というのは断層の歪みとかでは説明がつかない
震度7レベルの歪みのエネルギーがあったとして、
その近辺で震度7の地震があったら耐えられるわけがない
一緒になって動いてしまうはず

鍋とかに水を張って水面を見ると気象庁が発表しないような微小な振動も見れる
水面にレーザー光を当てて微小地震も検出する地震計を商品化してスキ者に買わせる
それをネットで繋いで微小地震の震源の広がりや移動の有無を調べたいところ


[32初期非表示理由]:担当:スレ違い多数により全部処理

2. 2017年8月29日 21:05:10 : FjEcLXYuyU : dJnDHGpkIGM[111]

茨城県の群発地震 →→→ 房総沖の呼び水か!! それとも関東直下への布石!!

九州南部は、沖縄方面と共に活発化するでしょうね。
九州の火山群のマグマだまりはとっくに満タン状態ですから。

青森・岩手沖が大人しくなっちゃってる。様子見ないと急に南北で群発する事もあるし。

 =============

「太陽活動最少期に近い」 →→→ やっぱり小氷期に向かうのかいなぁ。温暖化詐欺?

 西ノ島の小笠原〜相模トラフもスタンバイだしで、大変ねぇ。

 ============

 これからは台風も集中豪雨も続くし、落雷や雹も半端無い。
 早く、より安全な場所へ引っ越せば。
 出来ない人は、さっさと最大限の防災・減災の努力を。


3. 2017年8月30日 18:17:21 : dvpzm8yYpU : 11SYdJVyF_c[1]
日本中が群発地震化しそうな雰囲気がある ← これならどこでどんな地震が起こっても的中する。

もういい加減にしておいたら。文中にもあるがスピリッチュアルな世界の人と好き放題に話をして盛り上がっておけば。


4. taked4700[6357] dGFrZWQ0NzAw 2017年8月31日 13:38:51 : qwTmpT0K4E : M1oC1eV9xnw[5]
>>02

>九州南部は、沖縄方面と共に活発化するでしょうね。
>九州の火山群のマグマだまりはとっくに満タン状態ですから。

九州の火山群のマグマだまりはとっくに満タン状態とお書きですが、その根拠はなんですか。

2001年の記事ですが、次の記事を読むと、まだ満タンとは言えないと考えますが。

http://www.kazan-g.sakura.ne.jp/J/koukai/01/ishihara.html
桜島火山の最近の活動状況

京都大学防災研究所教授  石原和弘

1.はじめに

 昨年(2000年)は,3月末からの有珠山の噴火,6月末からの三宅島の噴火,更に,秋からは,富士山において深い低周波地震が増加するなど,全国的に火山活動に対する関心が高まっています.特に,大量の火山ガスが噴出し全島避難が続いている三宅島の状況は,12月から噴火活動が高まった諏訪之瀬島など火山島を抱える鹿児島県民にとって他人事とは思えません.

 一方,桜島では,「近頃の桜島はおとなしい」という話をよく耳にします.実際には,2000年1年間で約150回の爆発が発生し,約270万トンの降灰がありました.また,10月7日のやや強い爆発では,1時間の内に30〜40万トンの火山灰を噴き出し,鹿児島市内中心部を降灰が襲いました.桜島港近くでは1〜3cmの噴石が多数落下して,車のガラスが破損する被害がありました.一昨年,取材にきたフランスの報道関係者からは,「このように危険な火山の周りで生活できる人々の神経が理解できない」といわれ,一瞬答えに窮しました.それでも,桜島周辺の人々が桜島の噴火活動に冷静に対応できるのは,過去の激しい火山活動,特に1972年から約20年間の激しい爆発と降灰の生々しい体験が多くの人々の記憶に残っていて,「終息」のない桜島の火山活動を現実と受け止め,住民と行政が一体となって,いざというときの備えや火山との共生についてさまざまな工夫を行ってきた結果と言えるでしょう.

 桜島では,1955年10月以来2000年までの爆発回数は約7600回に達しています(図1).特に,1974年からの20年間は毎年1000万〜3000万トンの降灰があり,集落まで大きな火山弾が落下する爆発や火砕流を伴なう爆発も発生しました.桜島が休みなく活動を続けてきた45年間に,三宅島では,1962年,1983年,2000年の3回の噴火が,有珠山では1977年,2000年の2回の噴火が発生しました.また,1990年からの雲仙普賢岳の活動も長期化したといわれながらも今や復興の道を歩んでいます.長くても数年で「終息」を迎えるこれらの火山に比べて,桜島は実に特異な存在です.特異な存在といっても,近い仲間はいます.日本では,阿蘇山や諏訪之瀬島,国外では,イタリアのエトナ山,インドネシアのメラピ山とスメル山,中米コスタリカのアレナル山などです.これらの火山では,桜島と同じように,火山の観測研究が続けられ,火山との共生の工夫が行われています.

図1 桜島南岳の爆発回数の推移.
 ところで,桜島の現在の比較的穏やかな活動はいつまで続くのか?これから何ヶ月,何年までといったはっきりした答えは出せません.桜島の火山活動の特徴と最近の活動状況について解説し,現在の活動状況の意味について考えたいと思います.

2.桜島の火山活動の特徴

 桜島では,1914年の大正大噴火を契機に数多くの研究者による調査研究が活発に行われました.その結果,火山活動の特徴や噴火のメカニズムが次第に明らかになってきました.桜島は,2万数千年前の巨大噴火によってできた姶良カルデラの南の縁で成長した火山です.この姶良カルデラの地下約10kmには大きなマグマ溜りがあって,そこへは,地下約100kmで生成されたマグマが上昇していると考えられています.桜島は,姶良カルデラのマグマ溜りからマグマの補給を受けて活動を続けてきました(図2).

図2 桜島マグマ供給システムのイメージ.
 桜島は,何故,1955年以来45年以上も南岳で噴火活動を続けることができたか?その理由を,これまでの桜島の火山活動を振返りながら解説します.

 2−1.涸れることのないマグマの泉(南岳山頂火口)

 桜島の爆発は,ブルカノ式噴火と呼ばれ,爆発音・空振とともに,多量の高温の火山弾や火山灰・火山ガスを放出します(写真1).桜島の爆発による火山弾の主な材料は,火口底から地下深くに伸びるマグマの通路(火道)から,マグマが火口に溢れ出してできた溶岩ドームです.溶岩ドームの下にたまっていた高圧の火山ガスが瞬時に大気中に開放されて,空振が発生し,ガスの圧力で火山弾が吹き飛ばされます.その直後に,火道からマグマが次々と噴き出て,火山灰や軽石となります.

写真1 1990年2月26日の爆発による火山弾の飛跡.
 年間に数百回も繰り返して爆発を起こすには,火口直下の火道をマグマで満たし,火口底に火山弾の材料となる溶岩ドームを準備する必要があります.実際に,1956年以来,気象台や報道機関が撮影した火口の写真や観察記録を分析してみると,3回の内2回の割合で,火口に直径数10m〜250mの溶岩ドームができていることが確認されています(写真2).活動が穏やかであった今年2001年5月に撮影された写真でも,深くなった火口の底に直径数10mの溶岩ドームができていることが確認できます(写真3).桜島南岳の火口には,爆発によって溶岩ドームが破壊・消滅されても,次々と新たな溶岩ドームを生み出す,「マグマの泉」が45年間の噴火活動を支えてきたと言えるでしょう.

写真2 1981年5月8の桜島南岳山頂噴火.

写真3 1991年5月11日の桜島南岳山頂火口.
 2-2.安定したマグマの供給

 南岳山頂火口の涸れることのない「マグマの泉」にとっては地下からのマグマの補給が不可欠です.錦江湾の地下のマグマ溜りへのマグマの上昇が途絶えたり,大きく増減を繰り返すようでは,長期にわたり安定した噴火活動を継続することはできません.

 マグマ溜りにマグマがたまれば,ほんの僅かですが,地面が風船のように膨らみます.その僅かな膨らみを測り,マグマ溜りにたまったマグマの増減を知る方法にすいじゅん測量があります.錦江湾の周りでは,100年以上前から地面の高さを精密に測定する水準測量が繰り返されてきました.鹿児島市内を基準点にして,錦江湾の中心に最も近い鹿児島湾西岸の大崎鼻の地面の高さ変化(図3)をみると,噴火がない時期には,ほぼ一定の割合,1年に1cmの割合で上昇を続け,大きな噴火が起きると地面が下がることが分かります.約2km3の溶岩流や軽石を噴出した1914年の大正大噴火の直後には1m近く,また,約0.2km3の溶岩流・火山灰を噴出した1946年の噴火では約10cm地面が沈降しました.

図3 姶良カルデラの地盤(大崎鼻)の昇降.
 1955年以降の山頂爆発の期間についてみると,爆発回数が400回を越えた1960年からの2年間と,火山灰を毎年1000万〜3000万トン放出した1974年から1992年にかけては,隆起が停滞あるいはいくらかの沈降を示しました.地面の隆起がほぼ停止している期間は,地下からのマグマの供給と南たけからのマグマの消費がほぼバランスしている状態といえます.ところが,火山灰の放出が年間400万トン以下となった最近7年間は再び隆起に転じています.最近の「穏やかな活動」では,地下から上昇してきたマグマを使い切れず,使い切れなかったマグマが姶良カルデラに蓄積していると結論されます. このような地盤変動と噴火活動から,姶良カルデラのマグマ溜りへのマグマの上昇(供給)量は年間1000万〜2000万m3と推定されます.大量の安定した地下深くからのマグマ供給が,45年以上にわたる山頂噴火活動を支えたといえます.この安定したマグマの上昇は1779年の安永大噴火以前に始まったと考えられますので,近い将来に止まってしまうと期待することはできません.
 なお,雲仙普賢岳の活動では,地下からの急激なマグマの上昇が1991年に始まりましたが,約4年間でほぼ停止したため,普賢岳からの溶岩の噴出も終わってしまいました.
 2-3.動かざること桜島のごとし

 昨年の有珠山や三宅島の活動をみると,火山噴火は多数の有感地震や大きな地殻変動を伴なって発生すると思いがちですが,必ずしもそうとは言えません.

 桜島では,南岳の下で数多くの小さな火山性地震は発生するものの,有感地震はごく希です.震度3を越える火山性地震は,1968年5月の東桜島黒神付近を震源とした地震くらいしか記憶にありません.地面の変動も,10年かけて約10cmといったところです.大きな爆発の数時間前から南岳の山頂が隆起する地殻変動が観測されますが,山頂の地盤の隆起量は,昨年10月のような大きな爆発でも,0.1〜1mm程度です.「動かざること桜島のごとし」が27年間桜島に関わってきた実感です.大きな地震や地殻変動が観測されないのは,「今のところ」姶良カルデラのマグマ溜りから南岳山頂火口まで,マグマが比較的スムーズに移動・噴出できる通路ができているからと考えられます.桜島の噴火の前兆は微小なので,それを捉えるには,細心の注意を払い高精度の観測を続ける努力が必要です.

 2-4.長期的な活動の見通し

 図3で示した姶良カルデラの地盤変動をみると,1914年の大正噴火前のマグマ蓄積量は取り戻していません.すぐに多量の溶岩を流出する活動に移行する兆候は観測されていません.

 しかし,火口底に溶岩ドームができていることから分かるように,既に,南岳の火口底までマグマを押し上げるだけの圧力がマグマ溜りに蓄積されています.しかも,地盤変動データが示すように,姶良カルデラの地下では,次の活動にむけて,マグマの蓄積が着々と進行しています.今後10数年の桜島の火山活動はどうなるか?現時点で考えられる最も可能性の高いシナリオは以下の二通りです.

 今の山頂噴火が順次弱まり,火道が閉塞状態になった場合は,1946年の噴火のように,中腹から溶岩を流出する危険性が高まります.一方,南岳山頂で噴火が続く場合でも,現在のような穏やかな活動がいつまでも続くとは考えられません.いずれ,1972年からの活動のように,今より激しい山頂噴火に移行すると予想されます. 研究者が予想したように火山が振る舞ってくれるとは限りません.やはり,粘り強い観測と研究が不可欠です.

3.最近の山頂爆発

 最近の桜島の噴火活動が穏やかになったと感じる理由として,爆発のパワーが弱くなったことが挙げられます.以前のように1mを越えるような火山弾が麓近くに落ちることもなく,たまに八合目付近に火山弾が落下する程度でおさまっています.また,大きな噴煙が勢いよく上がる爆発も希で,空振で家屋がゆれる事も少なくなりました.

 このように,以前に比べて爆発が弱くなったのは,火口が1995年頃から急激に深くなったことに関係しています.以前は,火口の深さが縁から100〜150mしかなく(火口底標高850〜900m),直径100〜200mの大きな溶岩ドームが頻繁に出現しました(写真2).溶岩ドームが大きいだけ火山弾が多くなり,また,溶岩ドームの下には多量の火山ガスが蓄積され,爆発力が大きくなります.更に,高い場所から火山弾が放出されるので,2〜3km先まで容易に到達します.

 ところが,1995年頃からは,火口の深さが400〜500m(火口底標高500〜600m)と深くなりました(写真3).また,溶岩ドームの大きさも小さくなりました.そのため,以前に比べて,火山弾が少なく,空振が弱くなったと考えられます.更に,火口が深くなったため,火口底から斜め上方へ飛び上がった火山弾は,火口壁に突き当たり火口外へ飛び出すことができません.そのため,火山弾が落下するのは頂上付近に限られています.

 火口が深い間は,大きな火山弾が集落近くまで飛ぶ危険性はないと言えます.しかし,10cm程度までのレキや軽石は噴煙とともに数km上昇し,風に流されて20km位先まで到達することがあるで注意を要します.また,溶岩上昇に伴なう火山性地震(B型地震)の群発が繰り返し発生すると,火口底が次々と堆積し,次第に火口が浅くなってくると予想されます.そうなると,麓まで大きな火山弾や火砕流が到達する危険性が高まります.火口の状態変化には今後とも注意を払う必要があると考えます.

 最近7〜8年,桜島の火山活動は穏やかになったといっても,1972年からの20年間の激しい噴火活動でエネルギーを消費した後の小休止であって,依然として,日本で最も活動的で危険な火山であることに変わりはありません
*****************************


5. 2017年8月31日 16:08:57 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[4141]

くだらんな

何度も言うように海溝型の巨大地震は必ず起こるし

直下型の断層型地震も、いつどこで起こるかはわからない

つまり、いつ起こるかを妄想したところで意味は無く

単に備えて覚悟しておくだけのことだ



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