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日本は80年周期の大変動、世界的にも「幕末」か 天変地異と歴史の関係を指摘した第5代気象庁長官の説とは 
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投稿者 うまき 日時 2018 年 10 月 01 日 11:24:49: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

日本は80年周期の大変動、世界的にも「幕末」か
天変地異と歴史の関係を指摘した第5代気象庁長官の説とは
• 市岡 繁男 バックナンバー
2018年10月1日(月)

9月6日には北海道胆振東部地震が発生、大きな被害が出た(写真=朝日新聞社)
 2018年も残り3カ月。日本では大きな災害が相次いでいます。6月に発生した大阪府北部地震はマグニチュード6.1、大阪北部の最大震度は6弱に達しました。西日本を中心に大きな被害が出た7月豪雨は死者200人を超える惨事となりました。9月初旬には大型の台風21号によって関西国際空港が水没し、その1週間後には北海道で最大震度7の地震が発生。大きな被害をもたらしました。
 災害は社会を経済を、そして歴史をも変えるインパクトがあります。株式から金のような貴金属、コメに代表される農産物まで、各種の相場にも大きな影響を及ぼします。筆者は、長らく住友信託銀行(現三井住友信託銀行)の資産運用部門で勤務した後、内外金融機関やシンクタンクで資産運用や調査研究業務に携わってきました。現在は相場研究家の肩書きで講演や執筆を行うほか、財団や金融機関の投資アドバイザーをしています。歴史を振り返ると、日本では80年周期で大きな変動に見舞われていることが分かります。
享保の改革、寛政の改革の背景に地震や飢饉
 天変地異は歴史の流れに大きな影響を及ぼします。第5代気象庁長官だった高橋浩一郎氏(1913〜91)は、その著書『気候変動は歴史を変える』(1994年刊、共著、丸善)のなかで、日本は80年ごとに大変動に見舞われると指摘しています。いわく、「1620年の江戸幕府の確立を起点と考えるなら、1700年は享保の改革、1780年は寛政の改革、1860年は幕末、そして1940年の戦争の時代である」というのです。振り返ると、確かにその通りなのです。
中心年 日本 海外
1620年 1615年:大坂夏の陣→豊臣家が滅び江戸幕府が固まる 1620年:宗主国スペインの金融危機で伊ジェノアの低金利が終焉
1700年 1703年:江戸大地震 1707年:イングランドとスコットランドが合併
1707年:宝永大地震、富士山噴火→元禄時代の終わり、享保の改革へ
1780年 1783年:浅間山噴火、天明の大飢饉→寛政の改革(1787年)へ 1775年〜83年:米国独立戦争
1783年:アイスランド・ラキ山噴火、1789年:フランス革命
1860年 1853年:黒船来航、1854年:安政東南海地震、1855年:安政江戸地震 1853〜56年:クリミア戦争→ロシア農奴解放など近代化
1868年:明治維新 1861〜70年:イタリア統一戦争
1861〜65年:南北戦争→奴隷制廃止
1870〜71年:普仏戦争→ドイツ統一、フランス第三共和政に
1940年 1931年:満州事変、1937年:日華事変、1941〜45年:太平洋戦争 1933年:ルーズベルト政権、ヒトラー政権が誕生
1939〜45年:第二次大戦
1950〜53年:朝鮮戦争
2020年? 2011年:東日本大震災

 もちろん、80年周期といっても実際にはプラスマイナス10年くらいの幅があって、高橋氏が指摘した年はその中心くらいだと考えるべきでしょう。たとえば「1860年=幕末」の混乱は、1853年のペリー来航から始まって1869年の戊辰戦争で一応の収束をみています。「1940年=戦争」は1931年の満州事変から始まって、1950年の朝鮮戦争勃発あたりまで混乱が続きました。
 筆者が思うに、この80年周期とは、安定の60年期と、混乱の20年期で形成されているのではないでしょうか。古来、中国では十干十二支=60年を一つのサイクルと捉えていますが、その新たな周期が始まる前に、一つの時代の終わりと再生に充てる約20年の準備期間が必要なのだと思います。
 それはともかく、江戸第8代将軍、徳川吉宗が主導した享保の改革(1716年)や、第11代将軍・徳川家斉の時の老中、松平定信が始めた寛政の改革(1787年)も天変地異が関係しています。高橋氏は「1700年は享保の改革、1780年は寛政の改革」と改革開始の年をラフに言っていますが、指摘したい主旨は変わらないと思います。
 享保の改革の前に発生したのは富士山の噴火と宝永地震(ともに1707年)です。寛政の改革につながったのは天明の大飢饉(1783年)です。つまり、いずれの改革も災害の影響で逼迫した幕府財政を再建するための措置だったのです。
次ページ「黒船来航と相まって幕府にダメージを与えた連続災害」
黒船来航と相まって幕府にダメージを与えた連続災害
 幕末もまた然りで、1854年に安政東海地震、その32時間後には安政南海地震が起きました。そしてその翌年には安政江戸地震と、連続して災害に見舞われています。これだけの天変地異に対処するだけでも大変なのに、黒船来航後の政治経済の混乱が重なって、幕府の財政は破綻したのです。相次ぐ天変地異と内憂外患、そんな大事が続けば、徳川260年の治世が終焉を迎えたのも当然だと言えるでしょう。
 興味深いのは、この80年周期の当該期間には、日本のみならず海外でも混乱の発生が目につくことです。たとえば1780年の前後10年には米国独立戦争(1775〜83年)、フランス革命(1789年)といった世界史上、特筆すべき出来事が起きています。フランス革命の原因としては、アイスランドのラキ火山の噴火(1783年)が飢饉をもたらしたことも指摘されています。
 1860年前後の世界の動乱はもっと大きいかもしれません。まず欧州では1853年にクリミア戦争が勃発し、敗れたロシアは農奴解放などの近代化に着手しました。また1861年にはイタリアが国家統一を果たしています。1870〜71年に起きた普仏戦争では、戦いに勝利したプロシア主導でドイツは国家統一を果たしました。一方、破れたフランスはナポレオン3世が失脚し、帝政から共和制に移行しました。米国では1861〜65年に南北戦争が起きて、南軍の敗北で奴隷制が廃止となりました。
 つまり、1860年を挟んだ前後10年の間に、ロシアを含めたG8のうち英国とカナダを除く6カ国が近代国家に脱皮しているのです。これは実に不思議なことです。
 次の1940年を挟んだ前後10年間は戦争の時代だと一括りにされがちですが、実際には1937年に始まった日中戦争と、ナチス・ドイツのポーランド侵攻が口火を切った1939年からの欧州の戦争は、当初、別々の戦争でした。それが最終的に米国をも巻き込んだ世界大戦となり、結果的に戦前と戦後では全く違う世の中になったのです。
サイクルからは次の転機は2020年
 高橋氏が指摘した事例はここまでですが、1460年代の応仁の乱(1467年)、1540年代のポルトガル商人の種子島漂着と鉄砲伝来(1543年)も付け加えると、「80年周期の大変動」はさらにさかのぼることができるかもしれません。
 こうした80年周期の“呪縛”が今も有効だとしたら、次の転機は2020年になります。筆者はいま財団や金融機関などに投資のアドバイスをさせて頂いているのですが、講演でそんな話をすると、一様に「あと2年ですね」という反応が返ってきます。しかし過去の事例が示すように、中心年に対しプラスマイナス10年程度の幅があるわけです。
 ですから、私はすでに今回の混乱期が始まっているように思います。おそらく2011年3月の東日本大震災がその始まりだったのでないでしょうか。
 とすれば、今後は我々の予想を超える大きな変化が起きる(すでに起き始めている)ことになります。幕末はちょんまげ姿がノーマルだったのに、数年後にはそんな人物は皆無になりました。戦前は男の子の憧れの的だった軍人が、終戦後は公務員の立場なのに 全員が失職してしまいました。あるいは経済面でも、1860年や1940年の事例をみると、古い国家体制が壊れる過程でインフレが猛威を振るい、わずか数年足らずの間に米価や商業地の地価が8倍になっています。

図1 1860年と1940年の事例、数年後には大インフレで価格が急騰している(出所:江戸物価事典、日本不動産研究所)
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226265/092600296/graph1.jpg


 ちなみに幕末は、幕府が外圧に屈して金銀交換レートを改定したことで、日本から金貨が流出、その代わりに海外から大量の銀貨が流入しました。理由は、金と銀の交換比率が日本では1:5だったの対し、海外では1:15だったためです。銀貨の大量流入は通貨供給量が急増するということなので、猛烈なインフレになったのです。当時の様子を記した文献に、日本からあまりにも多くの金貨が流出したので、海外では金銀の交換レートが銀優位に傾いたとあったので、調べてみるとその通りでした。
次ページ「トランプ大統領の登場は大変動を象徴」

図2 天変地異に加え、外圧による銀貨流入=通貨供給量の急増でインフレを誘発(出所:江戸物価事典、Global Financial Data、参考文献:野口武彦『安政江戸地震 災害と政治権力』ちくま新書、佐藤雅美『大君の通貨』文春文庫)
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226265/092600296/graph2.jpg
 
 話が横に逸れてしまいましたが、米国でも、1860年代の南北戦争や1930年代の大恐慌時には金価格が2倍以上になっています。もっと古くまでさかのぼれば、イタリア・ジェノアでも、節目の1620年に金利1%台という超低金利局面が終焉を迎えています。これは宗主国のスペインが経済破綻したことが原因でした。

図3 1780年前後の火山噴火と農産物価格の高騰(出所:イギリス歴史統計、江戸物価事典)
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226265/092600296/graph3.jpg
 
図4 米国の1860年と1940年前後における金価格高騰(出所:米国歴史統計)

 
図5 イタリア・ジェノアの超低金利は1620年に終焉を迎えた(出所:「A History of Interest Rates」S.Homer)

 
トランプ大統領の登場は大変動を象徴
 では、これから2030年に向けて、そんな「非常識」な変化が起きるのでしょうか。かくいう筆者も「今回は違うだろう」と思っていたのですが、英フィナンシャル・タイムズ紙に掲載されたキッシンジャー元米国務長官のインタビュー記事を読んで、考えが変わりました。いわく、「一つの時代の終わりにはその幕引きをする人物が現れる、それがトランプ米大統領だ」。つまり、「世界的な幕末」だからこそ、それにふさわしい「非常識」な大統領が登場したということです。
 もうおわかりでしょう。長らく続いた安定した時代は終わったと考えるべきです。今後は自然界はもちろんのこと、政治、経済、外交の全てが一変しても不思議はありません。
 幕末の庶民はあまりに急激な変化に耐えきれず、「ええじゃないか」と叫んで三日三晩踊り狂ったと言います。これまでは、なぜそんな集団ヒステリー状態が起きたのか理解できませんでした。でも最近は、そのうち現代の日本でも同じ現象が起きるのではないか、そんな気がしてなりません。
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226265/092600296

 

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コメント
1. 2018年10月01日 20:25:41 : iHxdjNnDoE : n@HzeCuCX3s[76] 報告
天災に 左右されるよ 政治こそ

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