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「スイス民間防衛」日本で売れ続ける理由(swissinfo.ch)
http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/773.html
投稿者 無段活用 日時 2019 年 10 月 29 日 22:41:43: 2iUYbJALJ4TtU lrOSaYqIl3A
 



https://www.swissinfo.ch/jpn/%E5%86%B7%E6%88%A6_-%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E6%B0%91%E9%96%93%E9%98%B2%E8%A1%9B-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%A7%E5%A3%B2%E3%82%8C%E7%B6%9A%E3%81%91%E3%82%8B%E7%90%86%E7%94%B1/45275000


冷戦


「スイス民間防衛」日本で売れ続ける理由


David Eugster & 宇田薫


2019-10-22 08:30




1969年12月、スイス連邦政府の「民間防衛」に反対する抗議デモがジュネーブで起こった。分離主義者や平和主義者を敵側勢力に近しい存在として取り上げたこの冊子は大きな批判を呼んだ
(Keystone)



冷戦期、スイス連邦政府は有事の際の備えを説いたハンドブック「民間防衛」を各家庭に配った。今や歴史の遺物と化し、存在すら忘れられたこの冊子が、意外な場所で売れ続けている。それは日本だ。

「Zivilverteidigung(民間防衛)」は1969年9月、連邦内閣の委託を受け、司法警察省がスイス国内の全世帯に無料配布した。その目的は主に2つ。国民に武力攻撃から身を守る備えをさせること。そしてもう1つは、国内に潜む共産勢力への警戒を高めることだった。

日本語編集部のツイッターに寄せられた質問

「日本でも販売されているスイスの危機管理マニュアル本『民間防衛 スイス政府編』についてとても気になっています」(鳥猫)

しかし、そのころ冷戦は緊張緩和、いわゆるデタントの時代に突入していた。このためハンドブックは強い反発を食らう。抗議活動が起き、軍事パレードにハンドブックが投げ込まれ、果ては路上で焼かれた。

暴動が起きた理由は、政治的に敵対する勢力を「民主主義の破壊分子」とした描写にあった。ハンドブックは平和主義者を含むあらゆる批判勢力を、ソビエト軍の侵入を許す赤じゅうたんだと決めつけた。

ハンドブックに敵視された人々以外は、その小冊子を笑いものにした。原子爆弾への備えを説いた部分は1960年代後半の社会には浅はかに映り「軍事的な稚拙さ」とこきおろされた。

「民間防衛」はスイス国内では、冷戦への風刺文学として扱われるようになった。だが日本では異なる地位を確立させた。

この記事は、シリーズ「冷戦時のスイス」の一部です。swissinfo.chは、東西対立のさなかのスイスを様々な視点で取り上げます。スイスは中立の立場を取りましたが、政治的には西側ブロックに組みこまれていました。



1970年に日本語版


ハンドブックにも挟まれていた政府発行の雑誌「Zivilschutz(民間救護)」は1971年、侮蔑と誇りが入り混じったこんな報告を載せている。笑いものになったハンドブックが「極東から予期せぬ支援」を受けたという内容だ。

日本では1970年、「民間防衛」の翻訳版が原書房(東京都)から出版された。



日本で翻訳・出版された書籍(左)とスイス連邦政府が各家庭に配った原書
(swissinfo.ch)



同社の成瀬雅人社長によると、翻訳したのは日本の若手官僚たちだった。官僚たちは私的な勉強会を開き、テキストを自ら翻訳。内容はもとより、構成、レイアウト、挿絵もすべて原書を忠実に再現し、ルートヴィヒ・フォン・モース司法警察相の序文も掲載した。

1960年代の日本は激動の時代にあった。冷戦に加え、安保闘争や学生運動が起こった時期だ。海外事情に詳しい官僚たちがこのハンドブックに目を付けたのも、自己防衛への関心を喚起したいという思いからだったという。

「Zivilschutz」の1971年の号でも、自国のハンドブックのおかげで日本人が初めて「緊急備蓄の概念」と出会ったと誇らしげに指摘している。

ただ当時の政治的状況から「防衛と名の付くものは敬遠された」(成瀬氏)といい、出版社探しは難航。結局、戦争関連の資料を主に扱っていた原書房が引き受け、3千部を刷って出版した。

「Zivilschutz」は「列島全体が大きな関心を寄せている」と自画自賛したが、実際はそうでもなかったようだ。成瀬氏は「当初はそれほど売れたわけではない。ただ、関心を寄せる人はいた」と振り返る。



日本語版は、文章はもとよりレイアウトや挿絵も原書を忠実に再現している
(swissinfo.ch)



しかし、1970年代に入ると、日本でスイス軍と民間防衛に対する注目が高まった。スイスの武装中立、国民皆兵の概念が関心を呼んだのだ。保守的な経済界や自衛隊の支持者たちは、スイスを防衛力に優れた「ハリネズミ国家」だと理想化し、もてはやした。

このイメージのあり方もまた、批判を浴びた。スイスに詳しい歴史学者の森田安一氏は「民間防衛」の本を「ショッキングなものだった」と指摘する。森田氏は、平和なスイスのイメージが日本の軍国化に利用されるのではと危惧したという。


自然災害の備えに


日本語版の「民間防衛」に大きな転機が訪れたのは、1995年1月17日の阪神・淡路大震災だ。

兵庫県淡路島を震源としたマグニチュード7.3の大地震は、住宅約25万棟が全半壊、6434人が犠牲になった。戦後初の大都市直下型の地震で、住まいやライフライン、道路・鉄道などにも大きな被害が出た。



阪神・淡路大震災では交通インフラにも甚大な被害が出た
(Keystone / Koji Sasahara)



その時、テレビ番組で防災のヒントに「民間防衛」の本を紹介したのが、ジャーナリストの木村太郎氏だった。視聴者から注文が数多く寄せられ、原書房は在庫切れだった本を緊急重版したという。イラク戦争が起こった2003年には、新装版を出版した。

「有事への備え」に「災害への備え」が購買理由に加わったのも、ちょうどそのころからだ。北朝鮮のミサイル問題はもちろん、2007年の新潟県中越沖地震、2011年の東日本大震災、福島原発事故など大きな地震や大災害が起こるたび、インターネットの口コミで再び注目が集まり、売れ行きが伸びるー。そんなサイクルが確立した。


「東京版」は720万世帯に配布


東京都もまた、「民間防衛」のアイデアを踏襲した災害対策マニュアル「東京防災」を2015年に作成。都内720万世帯に無料で配布した。



「東京防災」の表紙
(©Tokyo Metropolitan Government)



当時都知事だった舛添要一氏はパリ大学留学から帰国した1976年頃に、ハンドブックの存在を知った。都にはそれまで全戸配布型の防災マニュアルはなく「東日本大震災など災害が多発していたため、都民の命を守るマニュアルを無償配布することが有益だと感じた。そこでスイスの『民間防衛』の東京版を作れと役所に指示した」と振り返る。

「東京防災」は主に災害が起こった際の身の守り方、負傷者の手当て、簡易トイレの作り方などを図入りで詳しく紹介。家族の人数に応じた備蓄品の量にも触れている。テロや武力攻撃が起こった際の対応も指南している。

ただ、スイス版で重きが置かれた「内敵の脅威」は、東京版にはない。



備蓄品をどれだけ用意しておいたらいいか、詳しく解説されている(写真は英語版のもの)
(©Tokyo Metropolitan Government)



都外在住者向けには130円(税抜き)で冊子を販売し、これまでに約62万部が売れたという。アプリと電子書籍(いずれも無料)のほか、英語、中国語、韓国語版も作られた。都の担当者は「他の自治体や企業からも、防災マニュアル作成に活用したいと要望が来ている」と話す。


ロングセラー


日本語版の「民間防衛」は安全保障上の脅威にとどまらず、災害への備えというスイス版が想定しなかった目的でも価値が見いだされ、15万部を売り上げる静かなロングセラーになった。

成瀬氏は「1970年の初版と内容は一文字も変わっておらず、表現に固い部分はある。だが、自らの身を守る上で大切な本質が書いてあるからこそ、今もなお読み継がれているのだと思う」と話している。


タグ 政治 文化 紛争 人道 スイスと日本をつなぐ





 

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コメント
1. 2019年10月30日 19:45:52 : bLbVVSfKBo : Q0txSzNoeHg1TG8=[385] 報告
姑息だね 内なる敵を 隠す手は
2. 2019年10月31日 13:49:42 : qJFwZrflOY : T1JsMEd5ZDFic1U=[89] 報告
※1
体制側が「内なる敵」そのものだからな・・・国民にとっての
3. 2019年10月31日 22:38:33 : Qk9rXjE55M : a0xxWU1yN29IM1U=[2] 報告
こんなものより

アメリカ海軍SEALのサバイバル・マニュアルの方がよっぽどまし

4. 2019年11月09日 13:06:02 : iFn8MDLkzI : MDE3MTROVWk5anc=[702] 報告
否定的なコメントをしている人はこの不都合な真実を読まれたくないからでしょうか?

> 「スイス政府民間防衛」より。敵国が侵略してくる際の戦争なき戦争

>第一段階「工作員を送り込み、政府上層部の掌握。洗脳」
>第二段階「宣伝。メディアの掌握。大衆の扇動。無意識の誘導」
>第三段階「教育の掌握。国家意識の破壊。」
>第四段階「抵抗意志の破壊。平和や人類愛をプロパガンダとして利用」
>第五段階「教育や宣伝メディアなどを利用し自分で考える力を奪う。」
>最終段階「国民が無抵抗で腑抜けになった時、大量植民。」 ←(外国人参政権・子ども手当て)

>スイス政府「民間防衛」に学ぶ 日本が中国や北朝鮮から武力以外による攻撃を受け、破滅へと導かれないように
h◆ttp://www.asyura2.com/0502/senkyo9/msg/207.html
投稿者 TORA 日時 2005 年 4 月 13 日 15:36:56: CP1Vgnax47n1s

>日本のジャーナリスト、作家、教授たちはどうでしょうか?政治家はどうでしょうか?なぜか中国、韓国、北朝鮮の擁護が多いですね。これはたまたま偶然でしょうか?それともスイスが想定していた敵国の攻撃の第一歩なのでしょうか?よく読んでください。

>加えて、日教組、日弁連、テレビ局、新聞社がすでに中国、韓国、北朝鮮に取り込まれています。
社民党はかなり中国、韓国、北朝鮮の勢力が入っているところもありますね。その残党が民主党にも来てますし、公明、共産、自民にも反日議員は混じっています。

>敵国がスイスの軍事力を縮小させるための、工作員が普及させているキャッチフレーズです。日本でもまさに同じキャッチフレーズが存在しているので絶句です。そのまま真似したの?とも思えます。

>誰も戦争なんて望んでいません。しかしながら、軍事力の放棄はできないのです。

>もともと日本の平和団体はほとんどがここで書かれている「にせ平和主義者」ですね。「自衛隊」とか「アメリカ軍」に対しては、何が何でも反対して抗議や署名を組織的に行う一方で、中国軍の軍事行動には全くノーリアクションです。また、日本や米国の核は猛反対するくせに、中国や北朝鮮の核は肯定してます。要するに本当に平和を願っているのではなく、この本で書かれている敵国の工作活動だということがわかりますね。

>他、ここでも書かれているように婦人は反戦活動のシンボルになりがちです。女性政治化、女性タレント、さらにはよく子供も利用されます。敵の策略にはまらないよう気をつけてください。

>このようにみると「民間防衛」に見るごとく、男女共同参画基本法や人権擁護法案や外国人参政権など民主党や公明党は積極的に推進している。自民党は世襲議員のボンボンが多いから、これらの法案が何を意味しているのか分からずに賛成して、気がついた時は”人民解放区”が日本全国に広がってしまっているだろう。私自身は政権交代が必要だと思うが今の民主党ではとても賛成できない。

(抜粋)



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