しんぶん赤旗　１月１０日　８面

　英国の歌手レペッカ・ファーガソン氏がこのほど、今月20日に米ワシントンで行われるトランプ次期米大統領の就任式で歌を披露するよう招待を受けたことに対し、人種差別告発の歌として知られる「奇妙な果実」を歌ってよいなら招待を受けると応じました。
 　「南部の木々は奇妙な果実をつける」という歌詞で始まるこの歌は、リンチを受けて木につり下げられた黒人のことを歌ったもの。アメリカの伝説的な黒人ジャズ歌手ビリー・ホリデイが1939年に歌い、世界的に有名になりました。

　ファーガソン氏は２日夜、招待を受けたことをツイッターで公表。「奇妙な果実」について「無視され、虐げられたすぺての米国の黒人に訴える歌。この世界で愛だけが、あらゆる憎しみに打ち勝つということを思い起こさせる歌」だと述べ、これを歌ってよいのであれば「丁重に招待をお受けし、ワシントンでお会いしましょう」と結んでいます。

　「奇妙な果実」を作詞・作曲したエーベル・ミーアポル（筆名、ルイス・アラン）の養子ロバート・ミーアポル氏はこのほど、米独立系ニュース番組「デモクラシー・ナウ」で、「この曲は葬送曲ではない。死者を悼む曲ではない。攻撃する曲だ」と述べています。

　米メディアは、トランプ陣営がファーガソン氏の条件を受け入れそうにないと報じています。米国の音楽業界は、大統領選で民主党のヒラリー・クリントン候補支持が多数派。トランプ陣営は就任式への招待者選びに苦労していると伝えられています。　　　　　　（山崎伸治）

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