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[FT]トランプ政権で上位1%のエリートはお祭りだ  日経新聞
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投稿者 ダイナモ 日時 2017 年 2 月 28 日 13:49:44: mY9T/8MdR98ug g1@DQ4Npg4I
 

 トランプ米大統領は本来、米国のエリート層に対する反乱を率いているはずだった。実際には、エリートの楽しみのための宴会を用意している。

 トランプ氏のホワイトハウスは全面的な規制緩和と減税、次世代の防衛契約を策定中だ。唯一の問題は、どんなスピードで実行するかにある。

 対照的に、中間層のためのトランプ氏の経済プランは、そもそも乏しかった内容がすでに後退している。大型インフラ法案が成立する見込みは、急激に薄れている。マーケティングの世界では、これを「ベイト・アンド・スイッチ(おとり商法)」と呼ぶ。トランプ氏の経済政策の効果は、同氏の大統領選出馬のきっかけをつくったさまざまな条件をさらに深刻にすることだ。

 最大の勝者は、ウォール街と化石燃料エネルギー産業、そして防衛産業から生まれる。トランプ氏に最も大きな影響を与えるバノン首席戦略官・上級顧問は先週、規制消滅を「行政国家の解体」として描写した。新たな規制が1つ設けられるごとに、既存の規制が2つ廃止されるという。今週、その第1弾が実施される見込みで、二酸化炭素(CO2)排出に上限を設けるオバマ前大統領の「クリーンパワー計画」と、クリーンな水に関する別の計画を取り消す大統領令が発令される。

 トランプ氏が大統領に選出されて以来、この対策への期待がエネルギー株ブームをあおるのに一役買ってきた。ダウ工業株平均はトランプ氏の就任から最初の1カ月で、フランクリン・ルーズベルト以降どの大統領よりも大きく上昇した。

■お祭り騒ぎ、まだ見込める

 金融株も大統領選以来、市場全体を上回って推移している。米リーマン・ブラザーズの破綻後にドッド・フランク法(米金融規制改革法)に盛り込まれた保護措置は、その大半とはいわないまでも、多くがトランプ氏の視野に入っている。保護措置には、銀行が他人のお金で投機するのを制限する「ボルカー・ルール」や、場合によっては、消費者――トランプ氏が「忘れられた米国人」と呼んだ人々――を無謀な売り込みから守るための対策が含まれる。トランプ氏は今月、そうした規則がウォール街の友人たちが融資するのを妨げてきたと語っている。

 ほかのところでは、解禁期に入ってもう久しい。バノン氏のいう「解体」はすでに、米連邦政府の活動分野の大半に及んでいる。先週は、刑務所を運営する民間企業の株価が急騰した。連邦法に基づく収監の外部委託に終止符を打ったオバマ氏の規則を、米司法省が廃止したのだ。こうした企業の株価はすでに跳ね上がっていた。その前にトランプ政権が不法移民を釈放せずに、連邦収容センターに拘束すると発表していた。

 同様に、米連邦通信委員会(FCC)の新委員長は、消費者を差別から守るために導入された「ネット中立性」規則の主要部分を廃止した。FCCは、ケーブルボックス市場を競争に開放する計画も破棄した。営利の高等教育セクターや防衛産業株、公営住宅の建設会社でも、同じようなお祭り騒ぎを見込んでおいたほうがいい。

 トランプ氏の減税の規模は、もっと曖昧だ。ムニューシン米財務長官は8月までに減税法案が成立することを望んでいる。法案に、輸入業者に打撃を与えつつ、理屈の上では国内生産に回帰させる動機を製造業者に与える「国境調整税」が含まれるかどうかは定かでない。輸入税は向こう10年間でおよそ1兆ドルの税収をもたらし、それがなかった場合よりずっと大規模な減税を実施する財源になるという。

 驚くまでもなく、トランプ氏が大統領に正式就任してから不調だった唯一の銘柄は、ウォルマート・ストアーズなどの大手小売店だ。20%の国境税に最も大きな打撃を受けるからだ。こうした小売店の顧客は、食料費の急騰に見舞われることになる「忘れられた米国人」に当たる。トランプ氏が通過させるのが大型減税でも中型減税でも、彼らにはほとんど関係がない。単純な計算では、減税の恩恵が流れる先が上位1%の富裕層に大きく偏ることは確実だ。

 トランプ氏はどうやって「忘れられた米国人」を満足させておくのか。唯一の具体的な公約は、インフラを整備することと、社会保障やメディケア(高齢者医療保険制度)などの給付金制度を守ることだった。実現の可能性が高いのは、2番目だけだ。インフラ投資を増やす計画は、リアルというよりは見かけ上のことだった。新たな資金とされる投資の大半は、支出ではなく、税額控除だったからだ。これでさえ、今年米議会を通過する可能性は低い。

■来る雇用の「偽発表」

 むしろ「米国製品を買い、米国人を雇う」計画を追求するというトランプ氏の壮大な約束に答えは見つかる。見事なのは、トランプ氏がこのディールの妙味を好きなように定義できることだ。トランプ氏いわく、同氏がオバマ氏から引き継いだ「大混乱」を盛んにアピールすることも、その一環だ。不法移民を強制送還することは、米国人を雇う行為に数えられる。企業をおだて、米国での雇用の創出や雇用の国内回帰を発表させることも、このストーリーをあおる。たとえ企業が単に、既存の計画を化粧直ししているだけだったとしても。雇用に関する「偽発表」が相次ぎ行われると思っておいたほうがいい。

 それより深刻な側面は、人々が不満を口にし始めたときにトランプ氏が誰を責めるかにある。

 トランプ政権の往年の敵は、バノン氏が「大きな野党」と呼ぶもの、すなわちメディアだ。悪いニュースは、グローバル主義者のプロパガンダ(宣伝工作)として一蹴される。

 バノン氏は、「経済ナショナリズム」を是とする主張も再び掲げた。中国やメキシコなどは、格好のスケープゴートだ。今後数カ月間で、大規模な反ダンピング措置が実施されると見ておいたほうがいい。そしてイスラム教徒、不法移民といった人々がいる。彼らは狙いやすいソフトターゲットだ。

 トランプ氏の戦術だけで「忘れられた米国人」は思い出してもらったと感じるだろうか。その可能性はある。何しろ大統領は、エリートを痛烈に批判しながら、エリートの私腹を肥やす才覚を持っている。トランプ氏を相手にする際のルールは、人生と同じように、彼の発言ではなく、行動に注目すること。発言と行動は往々にして、2つの異なるものだ。

By Edward Luce

(2017年2月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


http://www.nikkei.com/article/DGXMZO13424080X20C17A2000000/?dg=1
 

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