★阿修羅♪ > 国際19 > 248.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
米朝直接交渉のすすめ 岡崎研究所(WEDGE)
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/248.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 4 月 25 日 16:52:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

米朝直接交渉のすすめ
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/9436
2017年4月25日 岡崎研究所 WEDGE Infinity


 元の米外交問題評議会のリチャード・ハース会長が、北朝鮮への対応について、Project Syndicateのサイトに3月17日付けで掲載された論説にて、現状受諾、軍事行使、レジーム・チェンジ、外交という4つのオプションを例示し、結局米朝で直接交渉をすべきだとして交渉の具体的要素を議論しています。要旨、次の通り。

 トランプ政権の最初の危機は北朝鮮(米本土に到達する核搭載ミサイル)になるだろう。核物質のテロ・グループへの売却、あるいは通常戦力による韓国攻撃も危機を引き起こす。浪費する時間はない。危機は向こう数カ月、長くても数年のうちに起きる可能性がある。米歴代政権が取ってきた戦略的忍耐という対北政策の結末がこの事態になっている。

 一つのオプションは、北の核・ミサイル保有の量的、質的拡大を不可避だとして受け入れることである。その場合米国、韓国、日本はミサイル防衛と抑止力で対応することになる。しかしミサイル防衛は不完全であり、抑止力は不確実だ。日韓は核武装するかもしれず、それは軍拡競争のリスクを高める。

 第二のオプションは、脅威の進展ないし切迫に対して軍事力を行使することである。しかしすべてのミサイルや核弾頭を破壊できるかどうか不確実であり、仮に出来たとしても、北は通常戦力により韓国に報復できる。ソウルや在韓米軍は北の何千という大砲の射程距離の内にある。また韓国の新政権はこのオプションに反対するだろう。

 レジーム・チェンジの考えもある。しかし北の閉鎖性を考えると、それは真面目な政策というよりは希望的観測だ。

 こう考えると次のオプションは外交ということになる。米国は、日韓と緊密に協議をし、理想的には安保理による新たな決議と経済制裁を取った上で、北朝鮮との直接交渉を提案する。北にすべての核弾頭・ミサイルの実験を停止させる。核物質を他の国や団体に売らないことを確約させる。これと引き換えに、米国等は制裁を緩和する。また北との平和協定署名に合意する。北には核オプションの保持は認める(イラン核合意と同じ)が、それを実現することは禁止する。この時点で北朝鮮の人権問題を強く求めることはしないが、人権抑圧が続く限り北との関係正常化はあり得ないことを理解させる。全面的な関係正常化には北の核兵器開発計画の放棄が必要である。

 米国の出来ることの限界も定めるべきだ。米韓軍事演習は中止しない。韓国等に展開する米軍に対する制限は受け入れない。交渉は期間を区切って行う。

 中国が極めて重要である。中国は北の崩壊と韓国主導による半島統一に反対である。米国として統一問題を戦略的優位のために利用することはしないとの確約を与えるべきだ。中国と引き続き朝鮮半島で有りうるシナリオへの対処につき意見交換をしていくことは有益である。

 外交が成功する保証はないが、成功するかもしれない。失敗したとしても、誠実な努力をしたことを示すことができれば、それは今後軍事力使用を含む政策を取る場合国内や世界への説明の難しさを軽減することになろう。

出典:Richard N. Haass ,‘Out of Time in North Korea’(Project Syndicate, March 17, 2017)
https://www.project-syndicate.org/commentary/north-korea-strategic-options-by-richard-n--haass-2017-03

 これは、米朝直接交渉の勧めです。ハースは、国務省政策企画部長も務めた、尊敬される米外交のプロであり、注意深く読む価値のある見解です。

 北の能力が現下のレベルに達した以上、オプションは限られています。また、ハースが正直に「浪費する時間はない」と言うのは、正しいです。特にICBM(大陸間弾道ミサイル)能力の向上が米国の危機感を高めています。トランプはICBMの発射実験はさせないと見栄を切りました(つまりレッドラインを述べた)が、受容可能なリスクの範囲内で大胆なオプションを見つけるのは容易ではありません。結局、ハースのいう安保理決議と制裁強化、加えて軍事姿勢の強化に裏打ちされた外交オプションは、現実味があるように思えます。しかし、それも中国の理解が前提となります。

 最初の三つのオプションについてハースが指摘する問題点は理解できます。特に軍事攻撃については、ハースが言うように今やクリーンな解決にはなりませんし、また大々的な報復を引き起こす可能性が高いです。実際の政策としては軍としても支持はしないでしょう。ただ、サイバー活動は、あり得るかもしれません。

■平和協定交渉も受け入れる?

 外交オプションに関してハースが議論する諸々の要素は非常に興味深いと言えます。核・ミサイルの実験の凍結等と引き換えに、米国が米朝直接交渉を受け入れ、平和協定交渉も受け入れるというのは、従来の立場から言うと、「大胆」な転換です。イラン核合意のように核オプションは認めるがその実現は禁止するとしていますが、北の場合は既に核兵器を保有しているのですから、少し違ったアプローチが必要ではないでしょうか。人権問題を当初はプッシュしないとするのはトランプ政権の考えを慮っているのかもしれませんが、関係正常化のためには人権抑圧の解決が必要です。そういうことで、ハースは、全面的な正常化のためには核開発の廃棄が必要だとして、段階的アプローチを提案しているのでしょう。

 中国は統一を含む朝鮮半島の今後について懸念を持っています。朴槿恵政権の初期、韓国では、中国は韓国主導の半島統一を受け入れるようになっているとの見方が盛んに言われましたが、問題はそれ程簡単ではありません。

 こうした状況下、日米韓の緊密な意思疎通が重要です。日韓も米国と共に考えることが大事です。日韓がきちっとした現実的な対応をしないと、北の既成事実がどんどん強まるか、米の一方的行動になるか、米中の取引になるかです。米国では5月の韓国の選挙で親北朝鮮の野党政権ができる可能性が高いとして懸念が強まっています。例えば、先般訪韓したティラーソン国務長官は野党の考えをけん制する発言をしています。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 国際19掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
国際19掲示板  
次へ