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トランプ米国の朝鮮半島政策がわかる「CFR北朝鮮問題タスクフォースの次期米大統領への政策提言」(2016年)
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/251.html
投稿者 あっしら 日時 2017 年 4 月 25 日 17:36:15: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


 昨年10月発売の「フォーリン・アフェアーズ リポート 11月号」に掲載されたものです。

 トランプ米国の朝鮮半島政策を考えるうえでの貴重な資料になると思われます。

「(北朝鮮が核開発計画を放棄するまで、交渉を閉ざす)オバマ政権の「戦略的忍耐」路線では、北朝鮮の挑発路線を止めさせることも、北東アジアの安定を維持することもできないと指摘し、経済制裁をさらに強化しつつも、一方で北朝鮮との交渉路線を提唱している。」

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CFR Events
次期米大統領への政策提言
CFR北朝鮮問題タスクフォース

スピーカー

マイケル・マレン  タスクフォース共同議長

サム・ナン 元米上院議員、核脅威イニシアティブ共同理事長 タスクフォース共同議長

アダム・マウント アメリカ進歩センター・シニアフェロー タスクフォースディレクター
プレサイダー

ジュディ・ウッドラフ PBSニュースアワー アンカー


A Sharper Choice on North Korea
Mike Mullen 元米参謀本部議長 タスクフォース共同議長。
Sam Nunn 元米上院議員、核脅威イニシアティブ共同理事長 タスクフォース共同議長。
Adam Mount アメリカ進歩センター・シニアフェロー タスクフォースディレクター。


「すべての提言は、平壌の選択次第で北朝鮮にどのような帰結が待ち受けているかを明確にするとともに、中国の北朝鮮への認識を変化させることを意図している。現状では中国は北朝鮮のことをアメリカの東アジアにおける影響力に対するバッファーとみなしているが、そうではなく、中国の安全保障や地域的な安定に対する脅威としての北朝鮮へと認識を見直させたいとわれわれは考えている」(A・マウント)

「中国との協調を模索しつつも、アメリカ、韓国、日本の3国間関係を強化しなければならない。リポートでは、1国への攻撃であっても自国が攻撃されたとみなす(北大西洋条約機構型の)集団安全保障態勢が必要になると提言した。・・・THAAD(終末高高度)ミサイル防衛システムを配備する必要がある。核弾頭を小型化させれば、北朝鮮はアメリカも攻撃できるようになる」(M・マレン)

「現政権の政策と今回のリポートが示す政策の大きな違いは、経済制裁の成果を待って、その後、交渉に移るのではなく、交渉と制裁を同時に試みる必要があると提言したことだ。・・・中国との率直な交渉も必要になる。中国の利益にも配慮する必要がある。中国なしで、北朝鮮問題を平和的に解決するのは難しい。(もちろん)韓国と日本の抑止力と防衛力を強化する必要がある」(S・ナン)


<今回のリポートについて>

2016年9月に発表された米外交問題評議会・北朝鮮問題タスクフォースリポートは、(北朝鮮が核開発計画を放棄するまで、交渉を閉ざす)オバマ政権の「戦略的忍耐」路線では、北朝鮮の挑発路線を止めさせることも、北東アジアの安定を維持することもできないと指摘し、経済制裁をさらに強化しつつも、一方で北朝鮮との交渉路線を提唱している。

中国との協調がその鍵を握ると指摘するリポートは「中国の北朝鮮に対する認識とアプローチを変化させること」が米次期政権の大きな課題になるとしている。

「(認識を変えた)中国が、アメリカ及びアメリカの同盟国とともに、北朝鮮に対して核開発計画を解体し、他を脅かす軍事路線を緩和するように圧力をかければ、中国とアメリカの同盟諸国が主導する安定し、繁栄する北東アジアが誕生する」

一方で、中国が協調に背を向け、北朝鮮が今後も交渉を拒み続ければ、アメリカは日本や韓国と共に「北朝鮮の体制と核・ミサイル能力を直接的に脅かす行動を含む、より積極的な軍事・政治行動の採用を検討せざるを得なくなる」。リポートは、北朝鮮が今後も挑発的な行動をとりつづけるようなら「その代価を大きく引き上げる」必要があると指摘し、一方で協調へのインセンティブを与えることで、「平壌の選択次第で北朝鮮が直面する帰結の違いを明確にする必要がある」と提言している。以下は、同リポートの公表を受けて実施されたミーティングにおける討論からの抜粋・要約。(FAJ編集部)


<交渉と制裁を同時に試みよ>

ウッドラフ 今回のタスクフォースの共同議長は、マイケル・マレン元米参謀本部議長、そしてサム・ナン元上院議員が務めた。タスクフォースのディレクターは(米国の民主党系シンクタンク)アメリカ進歩センターのアダム・マウントが担当した。まず、マレン提督から。あなたが北朝鮮問題のタスクフォースに参加した理由を聞かせて欲しい。なぜ朝鮮半島問題を切実な課題だと考えたのだろうか。

マイケル・マレン 私が米軍を退役したのは2011年で、当時も今も、朝鮮半島は世界の他のホットスポット同様に、何が起きてもおかしくない状況にあると私は感じている。ここは、事態が急速かつ危険な形で悪化していきかねない場所で、政策的な対応が必要だ。アメリカの歴代政権が北朝鮮の非常に複雑な問題に対処しようと試みてきたが、問題は依然として解決していない。

北朝鮮問題に関する米外交問題評議会(CFR)タスクフォースの共同議長を引き受けるように打診してきたリチャード・ハース(CFR会長)の要請を、私が受け入れたのもこうした理由からだ。退役して以降、このタイプのタスクフォースに参加したのは今回が初めてだ。

ウッドラフ ナン上院議員、今回のリポートは現在の米政府の北朝鮮政策とどのように異なる路線や戦略を提言しているのか。そのアウトラインを示してもらえるだろうか。リポートのどの提言が特に重要だと考えているか。

サム・ナン ウィンストン・チャーチルがかつて語ったように、「戦略をいかにうまく描けても、その結果に目を向けなければならない」。だがこれまでの戦略の結果(朝鮮半島の現実)を見ると、「われわれ」は深刻な事態に直面していると言わざるを得ない。ますます危険は大きくなっている。ここで言う「われわれ」とは、日本、韓国、そして駐韓米軍の兵士たちのことだが、私はこれに中国も含めている。朝鮮半島問題を解決する上で中国の役割は非常に重要だからだ。

現在のアメリカ政府の北朝鮮戦略と今回の提言がどのように違っているか。たしかに、現政権の政策も大規模な戦争を抑止してきた。これは成果とみなせる。しかし、北朝鮮は公然と国連決議を無視し続けており、彼らの考えを変化させることには成功していない。核開発計画、ミサイル開発計画に関する国連決議を無視しているし、決議を無視した行動をますますエスカレートさせている。

現政権の政策との大きな違いは、今回のリポートで「経済制裁の成果を待って、その後、交渉に移るのではなく、交渉と制裁を同時に試みる必要がある」と提言したことだろう。

彼らが交渉テーブルに着き、核兵器の解体、ミサイル実験の停止などに向けた行動をとるのなら、北朝鮮にアメを与えるべきだろう。一方で、中国との率直な交渉も必要になる。これは、われわれの利益になるだけでなく中国の利益にもなる。中国の利益にも配慮する必要がある。中国なしで、北朝鮮問題を平和的に解決するのは難しいからだ。

次に、北朝鮮に(2016年1月の核実験及び、それに続く弾道ミサイルの発射をうけて、2016年3月に採択された)国連安保理決議2270号を履行させなければならない。この力強い安保理決議を新たに成立させたことについては、オバマ政権を評価すべきだろう。中国とロシアがこの決議を(全面的ではなくとも)支持したことは特筆に値する。決議は、各国が北朝鮮の港や空港を出入りする船舶や航空機を検査することを義務づけている。実施されれば、これは非常に重要なツールになる。中国もこの措置に参加しなければならない。アメリカが主導して、国連決議を履行させるために、この地域の同盟国や友好国のすべてに検査に必要な機器を提供し、(北朝鮮の輸出入監視を)多国間の試みとすることをわれわれは提言している。これも大きな違いをもたらすはずだ。

これらを試みる一方で、韓国と日本の抑止力と防衛力を強化する必要がある。

<交渉目的は何か>

ウッドラフ タスクフォースディレクターを務めたアダム・マウントに質問したい。サム・ナンが描写してくれた制裁強化の一方で、タスクフォースは交渉にも門戸を開き、「核開発計画の完全な凍結をアメリカが交渉に応じる条件から外すべきだ」と、実質的に交渉再開に向けたハードルを低くすることを提言している。この点についてコメントして欲しい。

マウント タスクフォースは北朝鮮と交渉すべきだと提言した。これは北朝鮮問題を長期的に解決するには交渉による解決が必要だという認識に基づいている。残念ながら、それしか方法はない。朝鮮半島の非核化は交渉でしか実現しない。他の提言も、北朝鮮を交渉の場に引きずり出すための圧力の形成を意図している。

交渉の枠組みも重要になる。われわれタスクフォースは、アメリカ政府は交渉に向けた立場を具体的に示し、北朝鮮を交渉に参加させ、核問題の永続的解決に向けたインセンティブを作り出すべきだと判断した。検証可能な核開発計画の凍結をまず交渉する必要がある。

一方で、中国を含む6カ国のすべてが交渉で何らかの恩恵を引き出せるように、例えば、軍備管理問題、北朝鮮との和平条約などもアジェンダとして取り上げることをリポートは提言している。

だが、重要なポイントは、アメリカと同盟国が核武装した北朝鮮を決して受け入れてはならないということだ。

<中国との交渉、日米韓の集団安全保障>

ウッドラフ マレン提督、(交渉と制裁を)同時に進めなければならないという指摘があった。理屈の上ではすべてを同時に前に進めなければならないとしても、そのメカニズムを動かすには、最初に何が必要だろうか。

マレン すべての措置を同時にとる一方で、一連の動きを連鎖させる必要がある。特に重要なのが、アメリカと中国が危機の解決を主導することだ。朝鮮半島問題に関わった経験があるが、中国側は「北朝鮮を従わせること、平壌の指導層の行動を管理することに関する自分たちの影響力には限界がある」とこれまで説明してきた。だが、平和的解決に向けた門戸を開き、今回の提言を実現へと向かわせるには、(われわれとともに)中国にその試みを主導させる必要がある。早急に北京と接触し、これを説得しなければならない。

そう試みる一方で、アメリカ、韓国、日本の3国間関係を強化しなければならない。リポートでは、1国への攻撃を同盟国への攻撃とみなす(北大西洋条約機構型の)集団安全保障態勢が必要になると提言した。もちろん、

これを実現するのは、口で言うほど簡単ではない。

この3カ国の関係も様々な局面を経験しているが、日韓はともに非常に重要な同盟国だ。対潜水艦戦争、サイバー戦争とそれが何であれ、その防衛力を強化すれば、3国間関係も強化される。

これに加えて、THAAD(終末高高度)弾道弾迎撃ミサイルシステムを配備する必要がある。北朝鮮がさらに技術を進化させ、小型化された核弾頭を装填したミサイルを配備する前に、早急に韓国にTHAAD迎撃ミサイルを配備することにすでに米韓は合意している。核弾頭を小型化させれば、北朝鮮はアメリカも攻撃できるようになる。このレベルまで、彼らが技術を進化させるのを放置することはできない。THAADならそうした能力が現実に運用されるのを阻止できる。これは攻撃能力とは逆の、自己防衛能力強化のためのシステムだ。

ウッドラフ ナン上院議員、中国から協調を引き出すには何が必要だろうか。中国はアメリカが長期的には好ましいと考えている朝鮮半島の統一には関心がないと公言している。韓国へのミサイル防衛システムについても、中国はこれに難色を示している。

ナン はっきりさせておきたいが、アメリカと同盟国は北朝鮮の崩壊を目的にすべきだとはわれわれは言っていない。個人的には、民衆の弾圧、人権問題、経済運営の破綻などによって、北朝鮮はいずれ内側から崩壊すると考えている。これは基本的に北朝鮮の問題だ。だが、北朝鮮をこの道筋から救い出すことが、中国との協調の道筋になる。

中国は東アジア地域に大きな利益を有しており、特に朝鮮半島の安定を重視している。もちろん、中国もこうした自国の利益は認識している。しかし、われわれがタスクフォースリポートで指摘したように、「アメリカとその同盟国は、北朝鮮の脅威がさらに拡大していくのを放置できない」と考えており、これを中国に理解させなければならない。

中国との新しい対話チャンネルを立ち上げるべきだし、北京がこれに前向きに応じることを期待する。そして中国の安全保障利益、そして国境地帯で何が起きることを心配しているのかを率直に話し合わなければならない。北朝鮮が軍事行動をとって自滅するか、あるいは、内側から崩壊した場合に生じるかもしれない(中国への)難民流入問題について、話し合う必要がある。実際、中国は国境管理問題を心配している。これまでの北朝鮮への投資がどうなるかも、彼らにとっては気になるところだろう。

従って、われわれは中国と膝を交えて話すべきだし、これらのアジェンダをめぐって忌憚なき意見交換を行う必要がある。彼らがわれわれの利益に配慮し、われわれも彼らの利益に配慮することが重要だ。北京の指導者は朝鮮半島がカオスに陥ったり、戦争が起きたりすることは望んでいない。


<米中交渉は実現するか>

ウッドラフ タスクフォースメンバーの多くは、なぜ中国側がこれらの問題についてアメリカと協調することに関心を示すと考えたのだろうか。

マウント 中国との協調を提言したのが今回のリポートの核心の一つだ。

すべての提言は、選択次第で北朝鮮にどのような帰結が待ち受けているかを明確にするとともに、中国の北朝鮮に対する認識を変化させることを意図している。

現状では中国は北朝鮮のことを「アメリカの東アジアにおける影響力に対するバッファー(緩衝地帯)」とみなしているが、そうではなく、「中国の安全保障や地域的な安定に対する脅威としての北朝鮮」へと認識を見直させたいとわれわれは考えている。

それぞれの提言は、北朝鮮問題が解決されるまでは、米中関係の深化があり得ないことを双方に認識させることを前提にまとめられている。北朝鮮問題のために米中は先に進めずにいる。北朝鮮問題は米中関係を抑制し、緊張させてきた。

アメリカや同盟国が、必要に駆られてとらざるを得ない措置は、現状では、中国の地域的利益を脅かすことになる。従って提言のすべては中国の北朝鮮認識を変化させることを意図している。北朝鮮問題を解決しない限り、安定し、繁栄する北東アジアが出現することはない。

<人権問題と国連加盟国の資格>

ウッドラフ リポートでは朝鮮半島における米軍規模の削減についても言及されている。これは非常にセンシティブな問題だ。どのような状況なら、半島における米戦力を削減できるだろうか。

マレン 半島の安定や非核化、脅威の排除という側面に戦力の削減がどのような影響を与えるかを考えなければならないだけに、これは非常にセンシティブな問題だ。だが、今後の展開を見て、いつかは米軍の規模をどうするかを議論することになる。

関係諸国がそれをどうとらえるかも考えなければならない。中国は、彼らの視点で、それをどのようにみなすだろうか。アメリカは、自分だけの視点で解決策を判断する傾向があるが、それではうまくいかない。部隊規模を削減するのは非常にセンシティブな問題であり、リポートでは、関係諸国の視点でもこの問題を検討した。米軍規模の削減は長期的な問題だが、いずれこれに対応しなければならなくなる。

ナン われわれはリポートで米軍規模の削減問題、米軍の戦力構成はアメリカ、韓国、日本と議論を重ね、合意をまとめる必要があると指摘している。

ウッドラフ リポートではアメとムチが示されているが、ナン上院議員は、ムチの一つとして、平壌が人権状況を改善しないのなら、北朝鮮を国連の場で追い込むべきだと主張している。しかし、このやり方に効果があるだろうか。

ナン その件についてはマイクから話してもらおう。

マレン 私は軍事政策の遂行を第1任務とするキャリアを送ってきたので、人権問題にはそれほど大きな優先順位を与えてこなかった。だが人権はアメリカの価値であり、これをアジェンダとして取り上げていくべきだ。リポートをまとめていくプロセスで、北朝鮮の人権状況の専門家から話を聞く機会があったが、この国の問題は軍事的アプローチだけでどうにかなるものではなく、北朝鮮の人権状況をどうにかしなければならない。現在の金正恩も、さらには彼の父親と祖父も、途方もなくひどい人権侵害をしている。平壌が人権状況を改善させなければ、国連で、北朝鮮の国家としての信頼性を失墜させるべきだろう。これはリポートでも提言している。単純な提言だが、論争を呼ぶだろうし、実際にそうするのも容易ではないだろう。

ウッドラフ だが、それでは、おそらく北朝鮮をさらに孤立させることになる。北朝鮮の孤立状況がそもそも問題なのではないのか。

ナン もちろん、彼らが人権問題について語り始めることをわれわれは期待している。膝を交えて、人権問題も話せればと望んでいる。これが理想的だ。だが、他に打つ手がなくなり、北朝鮮が誠実な対応をせず、状況が改善しないようなら、われわれは国連で行動を起こすべきだろう。北朝鮮の国連加盟国としての資格を停止するのと、抹消するのでは大きな違いがあるが、加盟国としての権利の停止でも非常にパワフルな措置になる。不思議なことに、国際社会でのメンバーシップを停止されることに北朝鮮が神経質になっている兆候がある。

マレン それに関連して付け加えたい。北朝鮮についての情報は多くない。北朝鮮全般、現在の若い指導者の性格など、よく分かっていないことは多い。但し、われわれの北朝鮮の情報収集が改善しているのも事実で、依然として分からない部分が多いとはいえ、これまでよりは多くのことが分かっている。とはいえ、国連のメンバーシップを停止するという可能性に平壌がどう反応するかは分からない。

ナン とにかく相手と話すことが大切だ。そうしない限り、彼らが何をするかは分からないし、仮に話し合っても、依然として分からないこともあるだろう。だが、意思の疎通をはかる必要がある。われわれは非公式の交渉を直ちに実施できると強調した。公式の協議とは違って、交渉に入るために条件がつけられることはない。その後、より公的な協議になれば、すべての関係国は(6カ国協議において、全ての核兵器、および既存の核計画を放棄することを約束した)2005年の合意に調印すべきだろう。いずれにせよ、交渉を続けることが重要だ。

1994年に、ジミー・カーターが北朝鮮を訪問した際、現在の指導者の祖父・金日成と交わした対話についての日記を見たことがある。金日成との対話をベースに、カーターは北朝鮮構想を練り上げた。だが現在は、そのようなことは起こり得ない。相手を疑ってかかるしかないからだ。何事にも検証が必要になる。だが、コミュニケーションを試みなければ、相手が何を考えているかさえ分からない。話し合う必要がある。

ウッドラフ 現在のアメリカ政府の北朝鮮政策がどのようなものかはっきりしない。インフォーマルな交渉なら、条件なしで行えるのだろうか。私の理解では、交渉に入るためには北朝鮮は核開発プログラムの凍結に応じなければならないと条件がつけられていると思う。

マウント 条件をつけない非公式交渉は、現状の路線の見直しに相当する。もっとも、この点でのアメリカ政府の立場は明快ではない。次期政権が誕生すれば、北朝鮮政策を全面的に再検証する必要がある。交渉に条件をつける現在のやり方も見直しの対象にされるだろう。北朝鮮、そして中国を含む6カ国協議のメンバーに、われわれが交渉に何を期待するか、何をオファーするつもりがあるか、そして、交渉を中断するとすれば、それはどのような状況かを明確にしておく必要がある。

ナン 北朝鮮が核やミサイル技術を進化させているだけにそれほど時間的猶予はない。私はかつての上院の同僚たちに、政府高官の承認プロセスで北朝鮮問題への対応を求め、中国や北朝鮮、そして同盟国である日韓との対話を続けるように促すつもりだ。これを優先課題とする必要がある。

ウッドラフ 北朝鮮がさらに核実験を行うだけでなく、駐留米軍、そして日本や韓国を脅かすような挑発行動をとった場合、アメリカはどのような反応を示すだろうか。軍事的対応を示すとすれば、それは、どのような環境においてだろうか。

マレン われわれはその問題の検討にかなりの時間を費やした。もちろん、軍事的対抗策をとる能力はもっているが、政治的対応という選択肢もある。どのような対策をとるかは、平壌の指導者が何をしたかに左右される。北朝鮮が韓国や日本をミサイルで攻撃すれば、この地域は急速に不安定化する。北朝鮮を標的とするかなり大がかりな報復攻撃が行われるだろう。そうしたシナリオに備えて、われわれは同盟諸国とこれまで長く協議してきた。われわれが平壌と話し合わなければ、そうした事態に唐突に直面する恐れがある。

ウッドラフ われわれによる先制攻撃はあり得ないということだろうか。

マレン 様々な選択肢があり、先制攻撃も選択肢に含まれるだろう。但し、先制攻撃という言葉は好きではない。自己防衛という視点からとらえるべきだろう。北朝鮮がわれわれを脅かす特定の能力を完成しようとするタイミングになれば、われわれを守るための手段をとらなければならなくなるだろう。例えば、ミサイル発射できないようにすることや、発射した後に、破壊することなどだ。

THAADも、北東アジアの海域を航行している米海軍船のミサイル防衛システムも、日本の海上自衛隊も対応の選択肢になる。北朝鮮の攻撃能力を相殺できるように地域防衛能力を進化させることをわれわれは働きかけている。だが、これはあくまで脅威が現実と化すのを避けることが目的だ。


 

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