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共和国の死(マスコミに載らない海外記事)
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投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 5 月 25 日 15:28:10: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

共和国の死
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/05/post-79c9.html
2017年5月25日 マスコミに載らない海外記事


Chris Hedges
2017年5月22日
Truthdig

2017年のアメリカ合州国とよく似た、肥大化した軍隊と、巨大な政治力を有するひと握りの腐敗した連中とに支配された古代ローマの陰の政府による、虚栄心が強い大ばかなコンモドゥス皇帝を浴室で絞殺するという192年の決定も、ローマ帝国の増大する混乱と急激な衰退は止められなかった。

多くの他のローマ皇帝たちやトランプ大統領と同様、コンモドゥスは無能で、虚栄心で頭が一杯だった。彼はヘラクレスに擬した彼の像を無数に造らせたが、治世にはほとんど無関心だった。彼は国家元首としての地位を、見せ物でスターになるのに利用した。アリーナでの八百長試合で、闘士として勝ち誇って戦ったものだった。コンモドゥスにとっての権力は、トランプの場合と同様、主として、その計り知れない自己愛、快楽主義と富への渇望を満たすためのものだった。彼は公職を金で売ったので、古代のベッツィ・デヴォスやスティーヴン・マヌーチンに等しい連中が、大規模な盗賊政治を画策できた。

コンモドゥスは、当時のバーニー・サンダースたる改革者、ペルティナックスにとって変わられ、ペルティナックスは、古代版軍産複合体たる近衛兵の力を削ごうと、むなしい取り組みをした。この取り組みの結果、権力の座について、わずか三カ月で、ペルティナックスは近衛兵に暗殺された。近衛兵は、皇帝の座を一番高値で売る競売にかけた。次の皇帝ディディウス・ユリアヌスは、たった66日しかもたなかった。コンモドゥス暗殺の翌年、A.D. 193年、皇帝は五人も変わった。トランプと、我々の腐敗した帝国には不吉な歴史的前例があるのだ。もし陰の政府が、無能さと愚かさが帝国を当惑させているトランプを置き換えても、その行為とて、コンモドゥスを置き換えても、ローマの民主主義が回復しなかったのと同様、民主主義が回復することはあるまい。我が共和国は死んでいる。

かつては開かれ、民主的伝統があった社会は、民主主義の敵にとって格好の餌食だ。これら扇動政治家連中は、かつての民主的政治制度の愛国的な理想や儀式や慣行や形式を、破壊しながら、敬意を払うふりをする。自らを“第一番の市民”と称したローマ皇帝アウグストゥスが共和国を去勢した際、彼はかつての共和国の形式を維持するよう配慮した。レーニンとボリシェビキも、権力を掌握した際に同じことをし、自治ソビエトを粉砕した。ナチスやスターリン主義者さえもが、彼らは民主的国家を支配していると主張した。トーマス・ペインは、専制政府は腐敗した市民社会から生えるカビだと書いていた。これが、かつてのこうした民主主義に起きたのだ。それが我々に対して起きている。

我々の憲法上の権利である、適正手続き、人身保護令状、プライバシー、公正な裁判、搾取からの自由、公正選挙や異議を唱える権利は、司法の専断により、我々から剥奪されている。こうした権利は、名目上しか存在していない。国家の価値観とされるものと、現実との間の余りの断絶ゆえに、政治論議はばかばかしいものとなっている。

大企業は連邦予算を食い物にし、自ら搾取し強奪する権限を合法的に付与している。ゴールドマン・サックスやエクソン・モービルの権益に反対して投票するのは不可能だ。医薬品と保険業界が、病気の子供を人質にし、息子や娘を救おうとして両親は破産する。学生ローンの重荷を負った人々は、破産宣告しても、借金は決して消し去ることができない。多くの州で、病気の家畜が屠殺のために倉庫に入れられる巨大な工場式畜産場の状態を広く知らせようとする人々は、刑事犯罪で告訴されかねない。大企業は合法的に脱税している。大企業は、小農や小企業を破壊し、アメリカ産業を空洞化させる自由貿易協定を画策した。空気や水や食品の汚染や高利の債権者や貸し手から国民を保護するために設けられた労働組合や政府機関は無力化されてしまった。ジョージ・オーウェル並みの権利の逆転で、最高裁は、政治運動似対する無制限の大企業献金を、政府に対する請願権やら、言論の自由の一形態だと定義している。大企業が所有するマスコミの大多数は、エリートのための音響室だ。州営企業や市営企業や公共事業は、料金を引き上げ、貧しい人々へのサービス提供を拒否する大企業に売却されている。教育制度は徐々に民営化され、一種の職業訓練へと変えられつつある。

賃金は横ばいか下落している。偽造された統計で隠された失業や過少雇用が、国民の半数を慢性的貧困に追い込んでいる。社会福祉は、緊縮政策という名目で廃止されている。文化と芸術は、性的商品化や陳腐な娯楽や生々しい暴力描写に置き換えられてしまった。無視されて資金不足のインフラは崩壊しつつある。破産や差し押さえ、逮捕、食糧不足や治療しないままの病気放置が早過ぎる死をもたらし、苦しむ最下層階級を悩ませている。絶望した人々は、薬物や犯罪や人身売買が蔓延する地下経済に、逃げ込んでいる。国家は、こうした経済的困窮に対処せず、警察を軍隊化し、非武装の一般市民に対し、殺傷力の高い武器を使用する権限を警察に与えている。警察は、刑務所を230万人の国民で一杯にしているが、そのうちの極少数の人々しか裁判を受けていない。刑務所内で、100万人の囚人が、企業のために現代の奴隷として働かされている。

国民を暴政から守ることを目指している憲法修正は無意味だ。例えば、修正第4条にはこうある。“不合理な捜索及び逮捕・押収から、その身体・家屋・書類及び所有物の安全を保障される人民の権利は、これを侵してはならない。宣誓または確約によって証拠づけられた相当の理由に基づくものであって、捜索すべき場所及び逮捕すべき人または押収すべき物件を特定して記載するものでなければ、いかなる令状も発してはならない。”現実には、我々の電話会話、電子メール、テキスト、財政、司法や医療記録は、我々が見るあらゆるウェブサイトや移動とともに、追跡され、記録され、政府コンピューター・データベースに永久保存される。

国家による拷問は、アフガニスタンのバグラム空軍基地やグアンタナモ湾にあるような秘密軍事施設のみならず、コロラド州フローレンスにある、囚人が長期の独房監禁で精神衰弱をわずらうスーパーマックADX [最大監視]施設などでも行われている。囚人は国民なのに、24時間態勢で電子監視され、一日のうち23時間閉じ込められるのに耐えさせられている。彼らは極端な感覚遮断を味わっている。囚人は殴打にも耐えさせられている。彼らはカメラ監視下で、シャワーを浴び、風呂に入らなければならない。彼らは、週に一人の親族に、一通の手紙を三枚の紙でしか書けない。彼らは新鮮な空気を味わう、ハツカネズミの踏み車に似た巨大な檻での一日一時間のレクリエーションを妨げられることも良くある。

囚人から法的権利を剥奪するため、国は“特別行政措置”略称SAMsとして知られているものを利用している。SAMsは囚人の外部世界との通信を制限する。囚人は弁護士以外の誰とも、電話、手紙、面会ができなくなり、家族との接触も厳しく制限される。SAMのもとでは、機密情報刑事手続き法CIPAと呼ばれる法律のおかげで、囚人は自分に不利なほとんどの証拠を見ることが許されない。レーガン政権時代に始まったCIPAは、裁判での証拠が機密扱いされ、起訴されている人々に見せるのを控えることが許される。フランツ・カフカの小説“審判”のヨーゼフ・Kのように、自分が有罪になった証拠も全く見ずに裁判され、有罪判決を受ける可能性があるのだ。SAMsのもとでは、弁護士を含め、囚人と接触した人が、囚人の肉体的、心理的状態について話すと違法になる。

また囚人が釈放された場合には、投票権や公的支援を受ける権利を失い、罰金を支払う負担を負わされ、支払えなければ、牢獄に戻される。彼らは恣意的な捜査と逮捕の対象にされる。彼らは余生を、膨大な犯罪人カーストの一員としてのけ者にされて暮らすのだ。

行政府は、自らにアメリカ国民を暗殺する権限を与えた。国防権限法第1021条のもとで、行政府が、大衆暴動を鎮圧するために軍隊を街に出動させることができるようになり、軍隊を国内警察部隊としての活動禁止が終わってしまった。行政府は、テロリストである、あるいはテロリストと関係していると見なしたアメリカ国民を逮捕するよう、軍隊に命令できる。これは“特例引き渡し”と呼ばれている。軍隊によって拘留された人々は、適正手続きや、人身保護令の権利を否定され、軍施設に無期限拘留されかねない。かつては憲法修正第一項で、権利が守られていた活動家や反体制の人々は、無期限投獄に会いかねない。
憲法で守られている言論、信仰や集会は非合法化される。国家は、人々が行ったことに対してでなく、しようと計画していることでさえなく、煽動的だと見なす宗教、政治信条を持っているだけで、人々を拘留し起訴する権限を持っている。最初に標的にされたのは忠実なイスラム教徒だったが、彼らが最後の標的というわけではない。

民主的参加、投票、競合する政党、司法による監視や司法的立法といった外観は無意味な見せ物だ。絶えざる監視下で暮らし、どこでも、いつでも拘留される可能性があり、会話、メッセージ、集会参加、性癖や習慣が記録され、蓄積され、分析される、大企業の搾取を前にした無力な人々を、自由と表現するのは不可能だ。国家と、常時監視されている市民の関係は、主人と奴隷との関係だ。しかも、たとえトランプが消えたとて、手かせ足かせが外されることはないのだ。

クリス・ヘッジズは、中米、中東、アフリカやバルカン半島で、約二十年間、海外特派員として過ごした。彼は50カ国以上から報道し、クリスチャン・サイエンス・モニター、ナショナル・パブリック・ラジオ、ダラス・モーニング・ニューズや、ニューヨーク・タイムズで働き、15年間、海外特派員をつとめた。

記事原文のurl:http://www.truthdig.com/report/item/the_death_of_the_republic_20170521
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コメント
 
1. 2017年5月26日 19:00:23 : 3QRmhq2RwA : 38Q53HW4ZFU[338]
根っ子から 腐れ落ちてく 民主主義

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