★阿修羅♪ > 国際20 > 257.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
崩壊ベネズエラに迫る内戦の危機(ニューズウィーク)
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/257.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 8 月 08 日 21:28:44: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

首都カラカスをはじめ、国内各地で相次ぐ反政府デモでは治安部隊との衝突で多数の死者や負傷者が(6月19日) Christian Veron-REUTERS


崩壊ベネズエラに迫る内戦の危機
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8161.php
2017年8月8日(火)17時50分 アイザック・チョティナー(スレート誌記者) ニューズウィーク


<制憲議会選挙の強行で今や内戦勃発の恐れも――。チャベスの後継者マドゥロが広げた混乱の原因と解決策は?>

国内外からの反対と非難を押し切って、ベネズエラで7月30日に新しい憲法を制定する制憲議会の選挙が行われた。現行憲法で定められた国民投票の実施なしに強行された選挙の結果、ニコラス・マドゥロ大統領率いる与党・統一社会党が全545議席を獲得。マドゥロの権力掌握が進み、野党議員が逮捕される事例が相次いでいる。

選挙の実施を受けて、米政府はマドゥロに経済制裁を科すことを発表した。一方でベネズエラ検察当局は選挙の不正疑惑を理由に、制憲議会の招集差し止め命令を裁判所に請求している。

13年に死去したウゴ・チャベス前大統領の後継者マドゥロの下で、世界最大の原油埋蔵量を誇るベネズエラでは深刻な食糧・医薬品不足が進行。混乱と暴力が広がっている。

危機はなぜ起きたか。元祖ポピュリズム政治家と呼ばれるチャベスとマドゥロの違いは何か。アメリカは何をすべきか。産油国の問題に詳しいスタンフォード大学のテリー・リン・カール教授(政治学・ラテンアメリカ研究)に、スレート誌記者アイザック・チョティナーが聞いた。

***

――ベネズエラで起きていることをどう定義するか。

驚くべき点は、民主主義と独裁政治の両方を経験してきた豊かな近代国家が今や崩壊しつつあるということだ。ベネズエラは一触即発の状況で、最悪の場合は内戦勃発も覚悟すべきだ。

内戦になれば多くの難民が生まれ、政情不安が飛び火して中米やカリブ諸国で犯罪発生率がさらに上昇するかもしれない。ベネズエラ危機はほとんど注目されていないが、非常に重大な意味を持っている。

【参考記事】まるでソ連末期の経済破綻に向かうベネズエラ

――危機の主な要因は何か。チャベス時代に遠因があるのか、それともマドゥロの政策か。

根本的原因は(チャベス以前の)2大政党制と民主主義の破綻にあると思う。だが単純な答えを言うなら、原油価格の急落、原油収入への過剰依存、チャベスとマドゥロ両政権の浪費だ。加えて、行政に抑制と均衡の仕組みが存在しない。極めて強い権限を持つ大統領が非常事態宣言を連発して反体制派を抑え込み、汚職がはびこっている。

厄介なのは、こうした問題点が全て、民主主義時代のベネズエラにも存在していたことだ。

チャベスの台頭を招いた2大政党制の崩壊はなぜ起きたか。私に言わせれば、貧困層のために何もしなかったからだ。市民の不満がチャベス支持につながったが、そのチャベスも原油収入に過度に依存した。

ベネズエラでは輸出収入の96%を石油が占める。潤沢な原油収入で全てを賄えるという神話がこの国を支配している。民主主義時代もチャベス時代も、そして今も。


不正疑惑のある選挙でマドゥロは権限を強化 Carlos Garcia Rawlins-REUTERS

――つまり体制の在り方にかかわらず、石油への依存がさまざまな危機を生むと?

そのとおり。ベネズエラだけでなく、イラクなど石油輸出を生命線とする国はどこも(この問題に)直面する。価格変動が激しい特定のコモディティ(1次産品)のみに依存する経済運営は立ち行かない。

――具体的には、石油依存はどんな形でベネズエラの2大政党制の破綻を招いたのか。

チャベスが多くの国民に英雄視される理由に関わる話だが、2大政党制は非常に腐敗していた。予算もないのにカネを使い、多くの問題を引き起こした。

(2大政党制時代の)89年に再び大統領になったカルロス・アンドレス・ペレスは貧困層支援を公約していた。だが大統領に就任した途端に新自由主義的な緊縮政策に踏み切り、公共料金を値上げした。突然の転換に抗議する市民が(同年2月に)カラカス暴動を起こし、軍隊が投入されて大勢が死亡した。

事件を記憶するベネズエラ国民にとって2大政党制は敵で、チャベスこそが英雄だ。チャベスが(99年に)大統領に就任した当時、原油価格は高騰していた。チャベスは医療や教育を無償化し、さまざまな補助金を提供し、十分な予算があるかのように振る舞った。

ないカネをばらまくには借金をするか、紙幣を乱発するしかない。だが、ベネズエラの通貨ボリバルの需要はないため(紙幣乱発で)インフレが発生した。今年のインフレ率は720%に達すると予測されている。

【参考記事】中国マネーが招くベネズエラの破綻

―― チャベスとマドゥロには、特に反対派への対応や報道の自由の面で違いがあるのか。

重要な相違点が2つある。チャベスは正当な選挙で勝利するというプロセスなしには行動しなかった。新憲法を制定した際には、国民投票で圧倒的な支持を取り付けた。一方、マドゥロは選挙を道具にできていない。

チャベスはカリスマ性のある指導者だったが、マドゥロは違う。多くのベネズエラ人は自分たちと同じく貧困層の出身で、自分たちと同じような外見や話し方をしたチャベスを愛した。独裁者に国民の心をつかむ魅力があれば、負ける心配なしに選挙という手続きを踏めるが、マドゥロにはそれがない。

――今のところ米政府は、制裁でマドゥロを罰することを対応策としているようだ。内戦を回避しつつ、危機を解決する方法はあるのか。

重要なのは、ベネズエラに害を与えないことだ。誰も内戦は望んでいない。ベネズエラに内戦の恐れがあるのは銃所有率が高い上に、全く異なる主張がぶつかり合っているからだ。

マドゥロ派は「経済危機は富裕層のせいだ、アメリカが仕掛けている経済戦争のせいだ」と言う。反対派には、2大政党制の復活や市場経済の実現、政府への徹底抗戦を唱える人々がいる一方、憲法や制度の枠組みの中で解決策を探ろうと主張する人々がいる。問題は、自由経済派がアメリカとより強く結び付き、「社会主義vs資本主義」という構図を描いていることだ。

ならば、どうすべきか。まずアメリカは一方的な行動を避けるべきだ。アメリカが政府を倒すために介入したと、ベネズエラ国民に思われてはならない。

次に、ベネズエラを武器禁輸対象国にするべきだ。これ以上、ベネズエラ国内に流入する武器を増やしてはならない。

――石油部門への制裁は?

石油輸出の制限などは非常に危険だ。食糧も医薬品もないベネズエラで、人道危機が大幅に悪化することになりかねない。

ベネズエラはデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が高い。これは非常に懸念すべき事態だ。デフォルトは連鎖する。ベネズエラと同じく苦境にある産油国のアルジェリアやアンゴラも、後を追うかもしれない。



 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2017年8月08日 21:43:08 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[718]

トランプ政権、ベネズエラ当局者への追加制裁準備=米政府筋

[ワシントン 7日 ロイター] - 複数の米政府関係者によると、制憲議会選を強行したベネズエラ

のマドゥロ大統領に近い同国当局者に対して、トランプ米政権は追加制裁を準備している。トランプ政

権は既にベネズエラの当局者13人とマドゥロ大統領に制裁を科しているが、制裁対象をさらに広げる

ことになる。

新たな制裁は、米国に保有する資産の凍結や米国への渡航禁止のほか、米国人が制裁対象の人物とのビ

ジネス上の取引をすることを禁じる内容。米政府筋は、ロイターに、早ければ今週中に発動すると述べ

た。

米政府筋によると、新たな制裁の対象についてはまだ最終決定しておらず、発表の日程も未定。かなり

の数が対象になる見通しだという。

米政府筋によると、新たな制裁でも、ベネズエラの基幹産業である石油セクターは依然、対象外となる

見込み。米政府当局者は先月末、ベネズエラの石油セクターを対象とした制裁を検討していると話して

いた。

関係者の1人は、石油セクターをまだ制裁対象にしない理由として「マドゥロ大統領の行動が続いた場

合に新たな措置を講じる余地を残しておきたい。一度にすべての措置をとるのは賢明ではない」と語っ

た。

私たちの行動規範: トムソン・ロイター「信頼の原則」
ロイターをフォローする
あわせて読みたいRecommended by
米、ベネズエラに金融制裁検討 政権強権化阻止へ=関係筋

ベネズエラ制憲議会選、ボイコット拡大 反政府デモ激化で死者も
ベネズエラ制憲議会選挙、野党が反政府デモ 欧米諸国も非難
トランプ氏、ベネズエラへの制裁示唆 制憲議会選めぐり
http://jp.reuters.com/article/venezuela-politics-sanctions-idJPKBN1AO0BS


 


ベネズエラで軍が小規模な反乱 制憲議会は検事総長を解任
2017年8月7日(月)17時00分

53
2

8月6日、ベネズエラ当局は、同国バレンシア市近郊にある軍の基地で発生した小規模な反乱を鎮圧し

、マドゥロ政権への「テロ攻撃」を企てたとして7人を拘束した。写真はベネズエラ北部バレンシアで

催涙ガスを使う治安部隊(2017年 ロイター/Andres Martinez Casares)
ベネズエラ当局は6日、同国バレンシア市近郊にある軍の基地で発生した小規模な反乱を鎮圧し、マド

ゥロ政権への「テロ攻撃」を企てたとして7人を拘束した。

ソーシャルメディアには、4日の制憲議会発足に反対して「決起」した旨を軍服の集団が説明する動画

が6日に投稿されている。

国防省の発表では反乱グループの一部は武器を携帯して基地から逃走し、治安部隊が徹底的に捜索して

いるという。

バレンシアの住民の話によると、反乱を支持する数百人の人々が街頭に繰り出した。そのほとんどは催

涙ガスで追い払われたが、マドゥロ大統領の強権的な政治に対する国民の反発が広がっている様子が浮

き彫りになった。

5日には、マドゥロ氏への批判を続けてきたルイサ・オルテガ検事総長を制憲議会が解任し、オルテガ

氏に出廷を命令。制憲議会の権限が反政権勢力の締め出しに使われるのではないかとの懸念が現実化し

つつある。

今後の政治情勢で鍵を握るのは軍部の動向とみられており、野党は軍首脳部に対してマドゥロ政権とた

もとを分かつよう再三呼び掛けている。しかし、軍首脳部は政府への忠誠を維持。多くの軍関係者が政

府との旨味のある契約や汚職、密輸などに関わっており、野党政権になって糾弾される事態を懸念し、

マドゥロ氏が大統領の座にとどまることを望んていると指摘されている。

ただ、デモ鎮圧に実際に駆り出され、薄給に甘んじている軍の下級将校の間では、現状への不満が高ま

りつつある。


[バレンシア/カラカス 6日 ロイター]
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/08/post-8149.php


<ベネズエラ>政情不安で国外脱出増加
8/7(月) 17:32配信 毎日新聞
<ベネズエラ>政情不安で国外脱出増加
早朝からポルトガル領事館の前で開門を待ち、行列をつくる人たち=ベネズエラの首都カラカスで20

17年8月3日午前6時20分、朴鐘珠撮影
 【カラカス朴鐘珠】マドゥロ大統領の専制体制が強まるベネズエラで、政情不安や不況を理由に国外

へ移住、または亡命する国民が増えている。4日には大統領派で固めた制憲議会を招集。「圧政」に不

満を抱く国民の国外脱出の流れが更に進むとみられる。

【動画】大統領退陣要求デモ 弾圧で死者80人以上

 今月3日の夜明け前。首都カラカスの高級住宅街の一角にあるポルトガル領事館前に、老若男女25

人が行列を作っていた。

 先頭は午前5時から待っている外科医の女性、ラニ・フィゲイラさん(33)。ポルトガル国籍と旅

券(パスポート)の取得手続きに来た。勤務先の病院で犯罪者集団に押し入られ、体を縛り上げられる

被害に2度も遭った。犯罪率の高さに嫌気が差し、移住を決意したという。「治安悪化の責任は貧困を

解消できない政府にある。制憲議会ができても不況と犯罪の悪循環が改善されるとは思えない」

 隣でうなずきながら聞いていた2児の父、ジルベルト・デフレイタスさん(38)も「(マドゥロ政

権の)強権政治は個人の自由を次々に奪う。どこの国でもいいから、私も早く移住したい」

 ベネズエラは移民の多い国だ。ポルトガルやスペイン、イタリアといった、祖先の母国との二重国籍

を取得するのは難しくなく、資金さえあれば国外移住のハードルは低い。

 今月に入り、カラカス空港発の航空便は空席がほとんどない。AP通信によると、欧州への移住だけ

でなく、米国への亡命申請も増加傾向にある。今年1〜3月の申請者は8301人で、前年同期350

7人の倍以上だ。

 一方、ベネズエラの隣国ブラジルでは国境の街の病院にベネズエラ人の患者が殺到し、地元住民の診

察が滞る事態が起きている。ベネズエラの不況に伴う医薬品不足が原因だ。

 ベネズエラの現地通貨ボリバルの価値は、市中で取引される闇レートが今年5月に1ドル=5500

ボリバル程度だったが、現在は1万9000ボリバルに迫る勢いで急落。自国通貨の価値が日に日に目

減りする現状を目の当たりにし、できるだけ早く外貨に両替して国外に資産を移そうとする国民の意思

が働き、移住を後押しする結果を招いている。

【関連記事】
【動画】治安部隊の車列が突然爆発
【写真】体に火薬を巻き付けた反政府デモ隊の若者
<政府のツイッター宣伝工作>支持発言あふれる
<ベネズエラの「独裁」に怒る群衆>財政は破綻寸前…

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170807-00000051-mai-s_ame



ベネズエラ、軍基地を襲った武装集団を追跡
2017年08月7日

https://ichef-

1.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/0D5F/production/_97232430_mediaitem97232429.jpg

バレンシア市の上空を警戒のため飛ぶ治安部隊のヘリコプターImage copyrightAFP

南米ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領は6日、同日朝に軍基地を襲った20人の武装集団のうち

、逃走した10人の行方を追跡していると述べた。
同国北西部のバレンシアの軍基地に対する襲撃では2人が死亡、1人が負傷し、7人が逮捕された。
これに先立ちソーシャルメディアに投稿された動画では、制服姿の男たちが「残虐な独裁」に対して反

乱を起こしたと語っている。
襲撃後もベネズエラ国内は大方鎮静を保っている。
マドゥーロ大統領は国営テレビで演説し、軍が襲撃制圧に「すぐに動いた」と述べ、「称賛の意」を表

明した。
マドゥーロ氏は、「雇い兵」による「テロ攻撃」だったとし、治安部隊が逃亡した襲撃犯を追跡してい

ると述べた。「我々は彼らを捕まえる」。
軍の車両がバレンシア市内や周辺を巡回しており、少なくともヘリコプター1台が出動している。
ベネズエラ政府によると、襲撃時の逮捕者には脱走兵の中尉一人が含まれるが、ほかの逮捕者は制服を

着た民間人だという。
マドゥーロ大統領は、襲撃犯らは米国とコロンビアに拠点を置く反政府グループの指導者の後押しを得

ていると語った。
ベネズエラ国内では、襲撃を支持するデモが複数起きているもようだが、ほかの地域では鎮静が保たれ

ている。

https://ichef.bbci.co.uk/news/624/cpsprodpb/14CB/production/_97232350_1fd7f11f-bd92-45c9-

a871-49856e0df033.jpg
バレンシアでは襲撃を受けて反政府デモが起きたImage copyrightAFP


6日に投稿された動画で、フアン・カフアリパーノと名乗る武装集団のリーダーは、男が第41旅団と呼

ぶものが「残虐な独裁者であるニコラス・マドゥーロ大統領」に対抗すると語った。
男は、「これはクーデターではなく、憲法の秩序を回復するための民間と軍の行動だ」と語った。
ベネズエラは豊かな石油資源に恵まれるものの食料品や医薬の深刻な不足に直面し、年率700%を越え

るインフレに苦しんでいる。今年4月から続く激しい反政府デモでは、100人以上が死亡した。
5日には、先月30日の選挙を経て設置された制憲議会が初の会議を開いた。野党勢力は、新議会の設置

は左翼政権を率いるマドゥーロ大統領による政権維持を目指した動きだと批判している。
しかし、マドゥーロ大統領は制憲議会の発足がベネズエラに平和をもたらすと述べている。
制憲議会は憲法改正や、野党が多数を占める国民議会の立法権を剥奪する権限が与えられている。
制憲議会は初会議で、ルイサ・オルテガ司法長官の解任を可決した。オルテガ氏はマドゥーロ大統領の

盟友だったが、後に大統領批判の急先鋒となった。
(英語記事 Venezuela searches for rebels after deadly clash at army base)

ベネズエラ選管、投票者数の水増しを否定 制憲議会選挙で
2017年08月3日
米国、ベネズエラのマドゥーロ大統領に経済制裁
2017年08月1日
Video ベネズエラ制憲議会選挙 反対デモで複数の死者
2017年07月31日
ベネズエラで数百万人規模のスト 警察と衝突で少なくとも3人死亡
2017年07月21日
投票所に並ぶ女性が撃たれ死亡 ベネズエラ
2017年07月17日
ベネズエラで逃亡中のパイロット、反政府集会に姿現す
2017年07月14日
ベネズエラ国会に政権支持の群衆が乱入 議員ら一時閉じ込められる
2017年07月6日
警察ヘリで最高裁「攻撃」、手投げ弾と銃で ベネズエラ
2017年06月28日
Video ヘリが最高裁を「攻撃」 ベネズエラ 
2017年06月28日
世界的指揮者ドゥダメル氏、母国の混乱憂慮 「国民の声を聞いて」と政府に
2017年05月8日
Video ベネズエラで大統領派と反対派の対立激化 主要道路封鎖
2017年05月3日
ベネズエラ野党指導者、総選挙の早期実施求める
2017年04月28日
ベネズエラ、最高額紙幣を72時間以内に撤廃 密輸対策などで
2016年12月12日
ベネズエラ政府と野党、経済危機めぐる協議開始へ
2016年10月25日
ベネズエラで大規模デモ マドゥロ政権抗議と支持双方で
2016年09月2日
ベネズエラとコロンビア 国境通行を一部再開
2016年08月12日
ベネズエラ選管 大統領罷免求める署名の第1段階を承認
2016年08月2日
Video ベネズエラ緊迫 首都で市民と警察衝突
2016年05月19日
非常事態宣言下のベネズエラ、野党指導者が軍に選択迫る
2016年05月18日
http://www.bbc.com/japanese/40846904

まるでソ連末期の経済破綻に向かうベネズエラ
A Soviet-Style Collapse
2017年5月11日(木)10時00分
アンダース・アスルンド(大西洋協議会シニアフェロー)

98
28

首都カラカスなど各地で大統領退陣を求めるデモ隊が警察と衝突 Carlos Garcia Rawlins-REUTERS
<独裁に傾くマドゥロ政権下で反政府デモと政治的混乱が続く。経済も破綻寸前の石油大国がたどるの

はソ連と同じ末路>

南米の資源大国として、先進国の仲間入りも夢ではなかったベネズエラの経済が、今や破綻の危機に陥

っている。膨大な石油資源を抱えていながらなぜこんなことになり、一体これからどうなるのか。

原因を分析し、先行きを予測するに当たっては1980年代後半のソ連経済の惨状が参考になりそうだ。む

ろん国民にとっても政権にとっても、決して明るい未来ではない。

14年夏に原油相場の下落が始まってから、ベネズエラ経済は衰退の一途をたどってきた。原油価格はだ

いたい10年ごとに高騰と暴落を繰り返す。だから現在の原油安も当分続くだろう。

ソ連も、81年に始まった原油安で打撃を受けた。だがソ連崩壊後のロシアで改革派政治家として活躍し

た故エゴール・ガイダルの著書『ある帝国の崩壊』によれば、最悪だったのはそれ以前の経済政策だ。

石油の輸出で潤っていた当時のソ連政府は、この調子なら奇跡を起こせる、自分の国には経済学の法則

など当てはまらないと信じた。そして見境なく歳出を膨張させた。先のことなど考えなかった。

【参考記事】経済危機のベネズエラで大規模な反政府デモ、17歳死亡

今のベネズエラ政府はマルクス・レーニン主義を標榜してはいない。しかし愚かしい経済政策を進めて

いるという点では当時のソ連指導部と大差ない。主食のパンや肉など基本物資の価格統制を維持し、そ

のために必要な巨額の補助金も石油収入で賄えると信じ切っていた。

3年前の夏以降、原油価格は半分以下の水準に下がった。そのため収入が減っても政府は手を打たず、

原油の増産もしなかった。石油業界を牛耳る国営のベネズエラ石油公社(PDVSA)に増産能力がなかっ

たからだ。それでも政府は財政赤字を解消する方向へ舵を切らず、80年代末のソ連と同じ愚行を続けて

破滅に向かっている。

ソ連も、末期には財政赤字が急増していた。86年にはGDPの6%を超え、91年にはGDPの3分の1に達した

。輸入品の支払いに充てる外貨準備が減ると紙幣を増刷して国庫の赤字を埋めたものだ。必然的にイン

フレが激しく高進した。

どうやらベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領も、ソ連と同じ財政・金融政策に固執しているようだ

。もはや補助金支給の原資はない。しかも事態は悪化する一方だ。

次のページ 膨らむ対外債務

迫るハイパーインフレ
このまま紙幣の増刷を続ければ、やがてハイパーインフレに襲われる。既にインフレ率は年700%とさ

れ、月間50%以上と定義される公式のハイパーインフレに近づいている。

歴史的には、ハイパーインフレの事例は少ない。ジョンズ・ホプキンズ大学応用経済学教授のスティー

ブ・ハンキーによると、世界史上まだ56例しかなく、その半数が共産主義体制の崩壊に伴う現象だった

。ソ連を構成していた15共和国の全てがソ連崩壊時に経験したという。

ハイパーインフレは国民の士気をくじく。いくら働いても意味はないと感じさせてしまう。稼いだ金額

に見合う買い物ができないから、労働意欲が湧くはずもない。一方で目先の利く商人は、安全資産の商

品や不動産の思惑買いに走る。

結果としてGDPは急激に縮小し、財政の安定が回復しない限り減少の一途をたどる。ソ連ではおそらく

91年にGDPが10%ほど減り、ソ連崩壊にかけての88〜95年に原油生産は半減した。ベネズエラでも似た

ようなことが起きているようだ。

ソ連政府は通貨ルーブルの法定平価を非現実的に高く設定しようとした。闇レートの5倍くらいの高さ

だった。目的は、国民に「豊かさ」の錯覚を抱かせることにあった。だがそのためには食品などと同様

に、外貨の購入に国費をつぎ込む必要があった。だから歳出が増えて財政赤字は膨張し、通貨の闇レー

トは急降下した。

【参考記事】ベネズエラへ旅立つ前に知っておくべき10のリスク
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/10-27.php

やがて国民は闇レートこそ現実の相場だと思い知るようになる。91年12月、ついにソ連崩壊という時点

で、ロシア人の月収は米ドル換算で平均6ドルという悲惨な状況だった。今のベネズエラもその方向に

進んでいる。

ソ連では同時に対外債務も急増した。今のマドゥロ政権同様、可能な限り多くを可能な限り長期で借り

た。貸し手は主として外国政府。ベネズエラの場合、最大の貸し手は中国だ。そして借金を返せない現

実を認めず、少しずつ返済を続け、それだけ赤字を増やしている。

もちろんソ連との違いはある。ベネズエラは複数の共和国を抱える連邦国家ではない。愚かな経済政策

を採用してはいるものの、共産主義を掲げてはいない。国内にはまともな野党勢力があり、教育水準の

高いエリート層もいて、ソ連よりずっと開放性が高い。

それでもベネズエラはソ連経済と同じ末路をたどる恐れがある。仮にマドゥロが政策の不備を認めて方

針転換を図ろうとすれば退陣を迫られる。おとなしく辞任はしないだろうから、危機は深まる一方だ。

平穏な政権交代が望めなければ、国民が力でマドゥロ政権を倒すか、大統領が国外へ逃亡する事態もあ

り得る。あるいは外貨準備を使い果たし、対外債務についてデフォルト(債務不履行)に陥る。つまり

何も輸入できなくなり、通貨ボリバルはただの紙くずと化す。

次のページ 救えるのはIMFだけ

紙おむつを買うためにも赤ん坊を抱いて行列に並ぶ Carlos Garcia Rawlins-REUTERS
いずれにせよ、マドゥロ政権は長続きしない。多くの国民が辛酸をなめる事態を回避するための対策を

講じないまま、遠からず権力の座を追われる。

後継政権が登場したところで選択肢は少ない。極端な経済危機に対しては政策の選択肢などほとんどな

いものだ。大事なのは予算の均衡を実現すること。短期的に税収増は望めないから、歳出を削減する。

決め手は物価補助金の撤廃だ。対外援助も切れば、政府の収支は均衡するかもしれない。

為替レートも変動制であれペッグ制であれ、市場に適合させるべきだ。外貨準備も回復させなければな

らない。そのために迅速に対応できる唯一の国際機関はIMFだ。ただしIMFの要請に従ってベネズエラ政

府がマクロ経済改革に応じることが条件となる。加えて国際社会の協力を得て、債務のリストラに取り

組むことも必要だ。

ソ連の状況は、ベネズエラよりずっと困難だった。15の共和国がそれぞれ独立し、独自の通貨を持つ必

要があった。それにしても、財政を安定させるまでに費やした7年の歳月は長過ぎた。新生ロシアが苦

しいときに、西側諸国は支援を出し渋った。だからその後のロシアは西側から離反していった。

ベネズエラ改革は抜本的かつ迅速であるべきだし、欧米諸国は全面的に財政支援をするべきだ。マドゥ

ロ政権の崩壊は決してきれい事では済まない。だが避けられるものでもない。

政治的な見通しはなかなか立てにくいとしても、深刻な経済危機の行く末は火を見るよりも明らかだ。

次の政権が迅速に、正しい政策を実行できるかどうか。時間は限られている。

[2017年5月16日号掲載]
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/05/post-7564.php


「独裁」怒る群衆 財政破綻寸前
2017年6月6日
https://mainichi.jp/graphs/20170606/hpj/00m/030/001000g/2?inb=ys

「国家崩壊」寸前、ベネズエラ国民を苦しめる社会主義の失敗
Venezuelan apocalypse: Some Updates on the Epic Failure of Socialism in Oil-Rich Venezuela
2016年5月19日(木)19時06分
マーク・ペリー(米ミシガン大学教授)

663
68

隣国コロンビアから卵を密輸してきた男(手前)。モノ不足で高く売れる Girish Gupta- REUTERS
 原油の確認埋蔵量で世界一を誇るベネズエラの経済が、長年の社会主義政権のつけで崩壊寸前の危機

にある。「経済的崩壊」が現実味を帯びてきたと言っていい。以下に、ベネズエラの状況を伝えた各メ

ディアのレポートを紹介する。

1. ベネズエラ経済は、風が吹かれるクレーンのようなものだ。いつ倒れてもおかしくない。原因はた

だ一つ、同国の徹底した社会主義体制だ。米大統領選の自称社会主義者、バーニー・サンダースと彼の

支持者が、なぜ身近にある社会主義の末路を気にも留めていないのか不可解だ。

[参考記事]南米の石油大国ベネズエラから国民が大脱走
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/12/post-4278.php

 信じられないことだが、原油の埋蔵量で世界一のベネズエラが、今や原油を輸入している。ノーベル

経済学賞を受賞したミルトン・フリードマンはかつて「もし社会主義政権にサハラ砂漠を管理させたら

、すぐに砂が足りなくなる」と語ったが、ベネズエラの状況はその説明にぴったり当てはまる。

 社会主義政権の下、食料やトイレットペーパー、紙おむつ、薬などのあらゆる必需品の不足も深刻を

極めている。すべて政府による計画経済や通貨統制、物価急騰が原因だ。

 IMF(国際通貨基金)によると、社会主義体制下の18年間に政府が浪費を続けたおかげで、ベネズエ

ラのインフレ率は720%に達する。凶悪犯罪の発生率も世界最悪で、メキシコのNGOが発表した「世界で

最も危険な都市ランキング」では首都カラカスがワースト1位になった。(2016年2月5日付「インベス

ターズ・ビジネス・デイリー」)

『肩をすくめるアトラス』の世界
2. 「飢えをしのぐために犬や猫、鳩狩りをする国民:ベネズエラでは経済危機と食料不足で略奪や動

物狩りが横行」。(2016年5月4日付「パンナム・ポスト」見出し)

3. ニコラス・マドゥロ大統領が、操業を停止した工場の差し押さえや経営者の逮捕など、政府による

取締りの強化を表明。(計画経済に移行したアメリカが衰退していく模様を描いた)アイン・ランドの

小説『肩をすくめるアトラス』が現実に。(2016年5月15日付BBCニュース)

[参考記事]政府が商品を差し押さえて勝手に安売りの強引経済政策
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2013/11/post-3099.php

4. 「瀕死の乳児にも投与する薬なし:機能不全に陥ったベネズエラの病院」

 ベネズエラでは経済危機の影響で命を落とす人が後を絶たない。とりわけ医療が危機的状況にある。

ニコラス・マドゥロ大統領はついに経済緊急事態を発令し、国家崩壊の懸念もささやかれ始めた。

 医療現場は経済危機の影響をもろに受けている。治療に必要な手袋や石鹸がなくなる病院も出てきた

。がん治療薬は闇市場でしか手に入らなくなってきている。電力不足も深刻で、政府は節電目的で公務

員の出勤を週2日に制限した。(5月15日付「ニューヨークタイムズ」日曜版)

次のページ 社会主義とは血だまりで治療を待つこと

5. 「社会主義」とは、ベネズエラの惨状を伝える報道写真が象徴するように、衛生状態が最悪な手術

室や壊れた保育器、血だまりの中で横たわって治療を待つ患者、抗生物質が手に入らないために命を落

とす犠牲者など、国民を悲惨な結果へ導く精神的な毒を指す。

 これに対し「民主社会主義」とは、社会の一握りが富を独占していると不公平を訴えることにより、

富を富裕層から合法的に盗むことを指す。社会全体の貧困化させることによって格差是正が達成される

。政府に権力を集中させ、民間企業や個人の権限を抑え込む。(5月16日付「ウォール・ストリート・

ジャーナル」、ブレット・ステファンズのコラム)

6. 過去数十年間でベネズエラから国外へ逃れた医師の数は1万3000人に上ると推計される。医師不足解

消の助け舟としてキューバ政府がベネズエラに医師を派遣したが、派遣されたキューバ人の医師たちは

、ベネズエラからコロンビア経由でアメリカを目指す始末だ。だがそうなるのも無理はない。ベネズエ

ラでは医師も診療報酬を減らされ、料理に使う油や食料品を購入するのもままならない状況なのだ。(

4月26日付「リーズン」)

7. ベネズエラでは急激な物価上昇に対応するため貨幣を増刷しようにも、そのための紙代を支払う資

金すらない。(4月27日付「ブルームバーグ」)

[参考記事]ベネズエラの新聞に紙不足の危機迫る

8. 食料不足で苦しむベネズエラでは、食料品店を狙った略奪が日常茶飯事だ。(ロイター/ビデオ)

9. ベネズエラは原油埋蔵量が世界一であるにも関わらず、政府が国民の生存に必要な食料や医薬品す

ら供給できない事態に陥っている。(CNN)

稼いだ外貨を使いきった指導者
10. ベネズエラの経済危機は、1990年代末から続くウゴ・チャベス前大統領とニコラス・マドゥロ現大

統領による社会主義政権が掲げた約束がイリュージョンだったことを露呈している。

 外貨収入の96%を原油に依存しているベネズエラでは、原油価格が高かった時代には、住宅環境や食

料供給の改善、賃金上昇や福祉の充実によって国民も恩恵を感じることができた。

 だがベネズエラ政府は持続可能な経済への構造転換に失敗した。せめて石油で潤った外貨収入を蓄え

ておけば2014年に始まった不況による影響を多少なりとも抑えられたであろうに、政権はそれすらばら

まき政治に利用した。(5月17日付「ニューヨークタイムズ」社説、ベネズエラの経済危機の元凶は社

会主義体制だと批判して)

──ニューヨークタイムズはさらに、ベネズエラの殺人発生率は一日当たり52.2人、約28分ごとに一人

が殺害される計算だと指摘している。

次のページ 左派の論客は何を考えていたのか

 チャベスとマドゥロによる社会主義政権の終焉が近いことはしばらく前から明らかだった。それにも

関わらず、左派の論客のなかにはつい数年前まで、チャベスとベネズエラの経済政策を全面的に支持す

る意見があった。以下に興味深い例を2つ紹介する。

11. デービッド・シロタは「ウゴ・チャベスによる経済の奇跡」とした記事の中で、チャベスの経済政

策を絶賛した。(2013年3月6日付「サロン」)

12. 左派寄りの経済学者マーク・ウェイスブロットは、ベネズエラの経済政策に対する批判に反論して

「ベネズエラ経済はラテンアメリカ版の(財政破綻の危機にある)ギリシャではない。ベネズエラの経

済的崩壊はあり得ない」と主張した。(2013年11月7日付「ガーディアン」)

Mark J. Perry is concurrently a scholar at AEI and a professor of economics and finance at

the University of Michigan's Flint campus.

Reprinted with permission from the American Enterprise Institute.
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/05/post-5123.php

ベネズエラは100%独裁政権になりました
2016年10月24日(月)17時41分
野田 香奈子

66
13

一夜明けた10月21日、マドゥロ批判のデモをする学生たち(REUTERS/Marco Bello)
 10月20日の夜、ベネズエラの選挙管理委員会は大統領罷免の手続きを中止することを決定しました。

 ここ数ヶ月は特に大統領罷免を求める国民投票実施の手続きを中心に与野党の攻防が続いていました

 ベネズエラの憲法では明確に国民が大統領の罷免を求める権利を認めています。

 さらに、野党派内からは「罷免選挙を実施ないことは(大統領罷免を定める憲法を制定した)チャベ

スの遺産に反する」という意見も出ていました。

 この緊張状態が、20日(木)の夜に突然、何の前触れもなく、終わりました。

 というわけで、この日を境にベネズエラのチャベス派政権は正式に独裁政権となりました。


"この17年間、政治学者はウゴ・チャベスがベネズエラで作り出した中間的なシステムを表現する方法

を考えあぐねていた。通常の意味で言えば民主主義とは言いがたく、かといって通常の独裁政治でもな

い。 政府は憲法の規定に厳密に従ってはいなかったが、大きくみれば、人々には結社の自由も、言論

の自由も投票の自由もあった。これを何と呼ぶか?競合的独裁主義?ハイブリッド政権?反自由主義的

民主主義?どの呼び方もしっくりこないように思えた。ただ、完全には独裁政治とはいえないベネズエ

ラの中途半端さの余情だけがしっくりきた。

ベネズエラにいる民主化を求める活動家にとって、「ちょっとだけ独裁」体制を築きあげた政権との戦

いは、心身のすり減るような試練だった。憲法で定められた大統領罷免を求める権利の破壊に対する純

粋な怒りの中に、この明瞭さに対する感謝の念をかすかに感じ取ることができるのはそのせいだ。

我々は形容詞から解放された。これでようやく学問的な回りくどさと縁が切れる。

ハイフンでつないで表現する必要はもうない。ベネズエラはただの独裁政治なのだ。

It's official: Venezuela is a dictatorship

 ちなみに今回の選管の決定には、笑ってしまうほどに、正当性のみじんもありません。

次のページ ベネズエラ的にも、滅茶苦茶な

 争点となっていた罷免を求める20%の署名集めが始まる日まで1週間を切った時点で、チャベス派知

事が治める州の裁判所が「20%の署名集めを実施するための1%の署名は無効である」と次々と(実際に

は数時間の差でほとんど同時に、つまりは裏で示し合わせて)発表しました。

 憲法を扱う最高裁判所ではなく、刑事事件を扱う地方の下級裁判所の判断に基づき、選管は罷免選挙

実施の中止を発表しました。日本に比べればはるかにカオスなベネズエラ的にも、これは滅茶苦茶です

 さらにエンリケ・カプリレスや野党連合MUDのまとめ役チュオ・トレアルバなど野党派指導者の海外

渡航の禁止も発表されました。

 そして当のマドゥロ大統領はいずこに?現在外遊中です。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/10/post-6106.php


ベネズエラで起きていること
意味不明な国ベネズエラを読み解きます

CaracasChroniclesの翻訳
べ日子のカラカス日記
翻訳者メモ
蛮行の記録

Maduro’s Barbarism, documented in granular detail
2014年5月5日 Francisco Toro


2014年3月22日 ベネズエラ、カラカスでの反政府派抗議デモでのAP写真

ベネズエラの出来事を終始見守っている私たちの中には、今年この国で見られた人権侵害のひどさに疑

いをもつ人はいないだろう。そうではなくて、これは後々のため、(いつか、その名前にふさわしいよ

うな)裁判が行われる時のためのものだ。漠然と気をもんでいるだけではダメだ。私たちはこれらの暴

力を事細かに記録する必要がある。

それこそ、この紛れもなく決定的なレポートの中でヒューマン・ライツ・ウォッチがやっていることだ

。103ページにものぼり、特定の45件の虐待の事例について被害者と目撃者から直接得た証言を元に記

録してある。

それは捜査官のようなアプローチの仕方であり、別々の情報源から裏付けをとって織り上げられた一つ

の詳細な物語には、事実を疑う余地はほとんど残されていない。

たとえば、3月20日バレンシアの抗議デモ中に起きた事例のほんの一部をここに記すと;

政府反対抗議デモに参加していたマルティネスは、国家警備隊のオートバイ群が近づいてきた時逃走し

たが、同じくそこにいたメンデスとロドリゲス[59]と共に路上で捕まった。バイクで通りかかった警備

隊員によって地面に叩き付けられ、10数名に囲まれ、無抵抗であったにも関わらず全身を繰り返し蹴ら

れる暴行を受けたと、ヒューマン・ライツ・ウォッチに語った。

暴行が一時静まった時、自力で立ち上がった彼は財布を差し出して今それしか持っていないと言うと、

隊員は「私の頭を掴み地面に叩きつけ、軍靴で顔を踏みつけ、それから私を撃った。」彼は至近距離か

らゴム弾でふと腿を撃たれていた*1。
ポケットに入っていた鍵の金属は粉々に砕け腿の部分に食い込んだ。あまりのショックで始めは痛みを

感じなかったが屈んだとき露出してる骨に触れた。

訳注*1
ゴム弾は一般に警察や軍隊によって暴動鎮圧などに用いられ、ベネズエラでも同様である。ゴム弾はあ

る程度の距離から発砲した場合、撃った相手を死に至らしめることはないが、至近距離で発砲された場

合は死傷することもある。

同じ場所で捕まっていたマルドナドはマルティネスとは知り合いではなかったが、何が起きていたかは

見ていた。彼はマルティネスがどのように殴られ至近距離から撃たれたかについての証言を裏付ける説

明をし、さらなる詳細情報を提供した。[60]

マルドナドの証言によれば、マルティネスを含む計4人が至近距離から軍人に撃たれた。彼は通りを真

ん中辺りまで離れたよく見える場所にいて、国家警備隊の1人が他の隊員に対して一人一人を撃つよう

命令するのを見た。誰も反抗もせず逃げようともしなかったのに、警備隊は「こいつにもくれてやれ」

と命令を下し一人一人が同じように撃たれた、とマルドナドはヒューマン・ライツ・ウオッチに語った

詳しくは全レポートを読んで下さい。*2

訳注*2
国際的なNGOヒューマン・ライツ・ウォッチが5月5日に出したレポート『抗議するために罰せられる

(Punished for Protesting)』のプレスリリースの一部の翻訳を先日の記事<ベネズエラについても

っと知ろう>に掲載済み。

https://www.hrw.org/report/2014/05/05/punished-protesting/rights-violations-venezuelas-

streets-detention-centers-and

2014年6月24日改訂済
https://venezuelainjapanese.com/2014/05/25/madurobarbarism/


 


2. 2017年8月10日 23:07:23 : nCB5BtahRA : nmmh8zhEt1E[261]
CIAがチャベス大統領以来の反米ベネズエラ政府を転覆させるのに躍起だということ。

3. 2017年8月12日 00:38:14 : Cc86B5yPxM : x4CJjBkGrDs[9]
>1. ベネズエラ経済は、風が吹かれるクレーンのようなものだ。いつ倒れてもおかしくない。原因はた
>だ一つ、同国の徹底した社会主義体制だ。米大統領選の自称社会主義者、バーニー・サンダースと彼の支持者が、なぜ身近にある社会主義の末路を気にも留めていないのか不可解だ。
>・・・(2016年2月5日付「インベスターズ・ビジネス・デイリー」)

金融屋どもは結局これを言いたいのだな。

>だがベネズエラ政府は持続可能な経済への構造転換に失敗した。せめて石油で潤った外貨収入を蓄えておけば2014年に始まった不況による影響を多少なりとも抑えられたであろうに、政権はそれすらばらまき政治に利用した。(5月17日付「ニューヨークタイムズ」社説、ベネズエラの経済危機の元凶は社会主義体制だと批判して)

その代わり貧困層への支援はそんなにはできなかっただろう。

サンダース叩き、社会主義叩きのネオリベラルどもの論調だな。

その点、元の投稿にある記事は比較的バランスが取れている。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 国際20掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
国際20掲示板  
次へ