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中国にぶつけるべき対北朝鮮政策 岡崎研究所(WEDGE)
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/329.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 8 月 17 日 11:00:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

中国にぶつけるべき対北朝鮮政策
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10356
2017年8月17日 岡崎研究所 WEDGE Infinity


 ゲーツ元米国防長官が、7月10日付のウォールストリート・ジャーナル紙のインタビュー記事の中で、中国に対北朝鮮政策の圧力をかけるべきで、北朝鮮の核の凍結や在韓米軍の再編等を提案しています。主要点は、次の通りです。

 北朝鮮問題の解決に重要なことは、不完全なオプションの中で最も望みがある戦略は何かということだ。会見でゲーツ元長官は、自分の提案を語った。

 ゲーツは基本原則から始める。第1は、良い純軍事的オプションはないということだ。全面戦争の危険を考えただけで純軍事的オプションは選択肢にならない。第2に、「中国がカギを握ることに変わりはない」ということだ。北朝鮮に影響力を持つ唯一の国は中国だ。ゲーツは、中国に対し今までとは違ったアプローチを取ることにより「現状を変えるべき」だとのトランプ政権の考えに賛同する。それは第3の原則になる。「外交と軍事を含む包括的な戦略を中国の高いレベルに突きつけることが必要である」と言う。金正恩と直接やる前に中国と手を打てと言う。

 ゲーツの提案は次の通りだ。中国に対して、米国は、キューバ危機の時と同じように、北朝鮮のレジームを認める、レジーム・チェンジはしない、更に北朝鮮と平和条約を署名する、そして在韓米軍につき一定の変更を検討する用意があると提案する。それと引き換えに、米国は北朝鮮の核・ミサイル開発に厳しい制限を要求する。それは核・ミサイル開発の現状凍結を基本として、国際社会と中国自らが実施を確保するというものである。

 ゲーツは、「北朝鮮に核兵器を放棄させることはできないだろう」、「しかしミサイルを短い射程に制限することはできるかもしれない」と述べる。加えて米国は中国に対して、北朝鮮が保有する核兵器は12〜24程度に制限されることを確保するための厳格な検証と、核兵器や運搬能力の追加的開発が行われないことを確保する検証が必要なことを伝えなければならない。

 最も大事なことは、いかなる外交的解決をするにしても中国自身がその実施を支援することを要求することである。ゲーツに言わせれば、「それを中国が受け入れないのであれば、米国はアジアで中国が避けたいと考えている措置を取っていく」。中国との合意ができない場合、米国はアジアで、韓国、日本、太平洋艦隊を含め、ミサイル防衛の展開を拡大する。更に北朝鮮がICBMらしきミサイルを発射すればそれを撃墜することを宣言する。米国は北朝鮮のレジームの封じ込めに必要なすべての措置をとる。「それらはすべて中国に敵対的な措置である。中国が軍事的に対応しようとすれば何十億ドルの経費が掛かるだろう」。

 米国は、交渉による解決ができない場合、これらの措置が不可避となると脅かすだけで事が足りる。「オプション1が作動しない場合はオプション2を発動する」。中国が同意した時にのみ、北朝鮮との直接交渉を始める。トランプは「正しい状況において」金正恩と会う用意があると述べたが、ゲーツはもっと賢いやり方を提案している。

出典:Wall Street Journal ‘What Would Gates Do? A Defense Chief ’s Plan for North Korea’ (July 10, 2017)
https://www.wsj.com/articles/what-would-gates-do-a-defense-chiefs-plan-for-north-korea-1499697227

 ゲーツ元国防長官の提案は、実務的な狡猾さも併せ持った興味深い考え方です。一言でいえばギブ・アンド・テイクを含む現状凍結論です。在韓米軍の再編の可能性も視野に入れる点でアリソンのシナリオと通じるところがあり、中国に解決策実施につき、より大きな関与を求めるとの点でビクター・チャ等の最近の論評にも通じます。

 ゲーツは中国にぶつけるべき外交・軍事を含む包括的な具体案として、@米国は北朝鮮のレジームを認める、Aレジーム・チェンジはしない、B北朝鮮と平和条約を署名する、C在韓米軍につき変更を検討するとし、それと引き換えに、@北朝鮮は核兵器保有を12〜24程度の現状に凍結する、A核・ミサイル開発を凍結する、B中国も合意実施に責任を持つこと、を提案しています。

 現下の困難な状況に至っていることについては、日米韓にも一端の責任はありますが、中国が北朝鮮の生命線を守っていることに最も大きな責任があります。中国が交渉上のドミナンスを握ってしまっています。そうである以上、中国に実質的な関与と責任を持たせようということでしょう。要するにゲーツは二つの交渉が必要だと言います。先ず中国と交渉し、その後、北朝鮮と交渉するというものです。中国との協議を前提と考えることが現実的か、また有利かどうかについては議論の余地はあります。いずれにせよ秋の共産党大会の後を睨んで対中交渉を粘り強く続ける必要があります。少なくともそれが終わるまで中国は動かないでしょう。

 中国が協力をしないのであれば、MDの大々的な展開など中国が嫌がる措置をとればよいとゲーツらしい提案をしています。ミサイル撃墜宣言も提案しています。中国が嫌がることとは何か、種々思考しておくべきでしょう。

 日米同盟の一体性を強化していくことの重要性を強調しすぎることはありません。日本は日本で防衛力の強化に努めるべきです。平和な時代が来れば、削減すれば良いのです。またトランプは、米国単独でも措置をとるとしていますが、ICBMを除き、米国が日韓の支持なくして動くことは考えられません。それだけに日韓の責任は大きいです。

 

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