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北朝鮮危機の裏にひそむ「もう一つのロシアゲート」疑惑 すべてはプーチンの「演出」なのか(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/385.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 8 月 22 日 09:23:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


北朝鮮危機の裏にひそむ「もう一つのロシアゲート」疑惑 すべてはプーチンの「演出」なのか
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52656
2017.08.22 近藤 大介 『週刊現代』特別編集委員  現代ビジネス


「悲惨な運命の分秒を争って疲れ切った時間を過ごしている愚かで未練がましいアメリカの奴らの動態を、もう少し見守ることにしよう」(8月15日、金正恩委員長)

「北朝鮮の金正恩は非常に賢く合理的な決定をした。他の道を選んでいたら、カタストロフィと受け入れがたいものになっていただろう!」(8月16日、トランプ大統領)

あわやそのまま開戦かと思われた米朝だったが、ようやく小康状態に入った。それでも21日から米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」が始まり、情勢は依然として予断を許さない。

そもそも、なぜここまで危機が高まってしまったのか。北朝鮮問題を語るとき、いわゆる「周辺関係国」と呼ばれるプレイヤーは、当事者である北朝鮮も含めると、計6ヵ国である。すなわち、北朝鮮、アメリカ、中国、ロシア、日本、韓国だ。

その中で一見すると、いまの北朝鮮問題に最も縁遠そうな存在に思えるのがロシアだ。アメリカと韓国は北朝鮮と対立している当事者で、中国は北朝鮮の貿易の9割を占める伝統的な「後見国」。日本も朝鮮中央テレビから「島根県、広島県、高知県」などと名指しされるミサイルの通過国、かつ標的国だ。

これらの国々に較べて、ロシアは何なの?と言われると、はてと考えてしまう。

だが、昨今の北朝鮮を巡る複雑な方程式を解いていくと、実は最重要な存在がロシアなのではとさえ思えてくるのである。つまり、「主演」は金正恩委員長やトランプ大統領かもしれないが、「演出」はプーチン大統領なのではないかということだ。

今回はその仮説について、大胆な憶測も含めながら検証してみたい。



■ロシアからのラブコール

そもそも朝鮮民主主義人民共和国、すなわちいまの北朝鮮は、ソ連が建国した傀儡国家である。

1945年8月の日本の敗退によって、朝鮮半島に「力の空白」が生まれた。すでに東西冷戦は始まっていて、すぐに南からアメリカ軍が、北からはソ連軍が入ってきた。

その際、ソ連軍は、極東の卑賊に過ぎなかった金成柱(キム・ソンジュ)という33歳の男に目をつけた。そして「抗日の英雄」として伝説になっていた金日成(1937年に死去)の名を語らせ、元山港を経由して平壌に連れてきたのだ(そのあたりの歴史に興味がある方は、拙著『北朝鮮を継ぐ男』で詳述してあるので、参照してほしい)。

それから約半世紀が経ち、20世紀の終わりに冷戦が終結。衛星国ばかりか本家のソ連までもが1991年に崩壊してしまった。だがソ連が産み落とした北朝鮮だけは、21世紀に入ってもいまだ健在なのである。

統治するのは、金日成の孫の金正恩。そこでロシア復権を目論むプーチン政権は、この極東の物騒な小国をどう利用すれば自国の国益を極限化できるかを考え抜いたというわけだ。

ロシアにおける分岐点は、ソチ冬季五輪を開催した2014年である。この年の3月にロシアはクリミア半島を奪還して(奪って)、プーチン大統領は英雄となった。だが、そのために欧米を完全に敵に回し、経済制裁を喰らった。さらに石油価格が最盛期の3分の1以下に下落したことが、ダブルパンチとなった。

こうしたピンチを迎えて、ロシアは東方に目を転じた。そこにあるのは中国、日本、そして朝鮮半島だ。

まず最重要の中国とは、同年5月に、2018年から30年で計4000億ドルという史上最大規模の天然ガス契約を結んだ。これによってロシアは、当面の経済危機を脱出することに成功したが、同時に国家経済の命脈を中国に握られることになった。過去100年続いてきた「ロシア>中国」という力関係が逆転した瞬間だった。

ロシアとしては、こうした状況に「保険」をかける必要に迫られた。そこで「北方領土」というニンジンをぶら下げて、日本との関係改善をはかった。中国との対立に悪戦苦闘していた日本の安倍晋三政権は、すぐさまこれに飛びつき、おまけに極東地域の経済開発までやってくれることになった。

ロシアが極東でもう一ヵ国、関係改善をはかったのが、旧ソ連時代の衛星国・北朝鮮だった。そして北朝鮮に与えたニンジンが、石油とICBM技術だったというわけだ。

北朝鮮もまた、中国との関係悪化とエネルギー不足、国内経済の低迷などに悩まされていた。そのため、ロシアからのラブコールに飛びついてきたのだった。



■北朝鮮の生命線

金正恩委員長は、2011年末に父・金正日総書記の急死を受けて北朝鮮の実質上トップに立った。以降、内政に専念してきて、一度も出国していない。だが、一度だけ出国しようとしたことがある。それは、2015年5月のロシア祖国解放70周年軍事パレードへの参加だった。

当時、それほどロ朝は蜜月関係を築いていたのだ。この時の経緯については、当時のこのコラムで書いたので重複は避けるが、金正恩委員長のモスクワ訪問ドタキャン事件の責任をとらされた玄永哲人民武力部長(国防相)が処刑されてしまった(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43354)。

北朝鮮の石油に関しては、中国の大慶油田からパイプラインを使って毎年50万トンの「友好援助」が、胡錦濤・金正日時代には提供されてきた。だが、習近平・金正恩時代になって、だいぶ減らされた。

今現在どのくらい供給されているのかについては、胡錦濤・金正日時代の55〜60%説、3分の1説、ゼロ説など諸説あって定かではない。いずれにしてもかなり減量されていることは確かで、かつ、いつ何時、完全にストップしてもおかしくない。

ある中国の外交関係者は、私にこう言った。

「習近平主席が大嫌いな政治リーダーが、アジアに3人いる。日本の安倍晋三首相、台湾の蔡英文総統、それに北朝鮮の金正恩委員長だ。だからこの3人が統治している限り、日本、台湾、北朝鮮と友好関係を結ぶことはありえない」

こうしたことから北朝鮮は、一も二もなくロシアを頼った。ロ朝間で合意したのは、「友好価格」で鉄道を使ってロシアから北朝鮮に石油を運び入れることだった。

2001年に金正日総書記がモスクワを訪問し、プーチン大統領との首脳会談で、両国間に鉄道を敷設することで合意した。日本植民地時代の線路を活用し、ハサン-羅先(ラソン)間54qを結ぼうという計画だ。

この計画は、その後ロシアが北朝鮮を無視したことで遅れたが、2008年10月、両国の国交樹立60周年記念事業としてようやく着工した。そしてそれから5年、2013年9月に、開通式典が羅先港第三埠頭で行なわれ、全吉寿(チョン・ギルス)鉄道相とヤクニン・ロシア鉄道社長ががっちり握手したのだった。

ちなみにこの事業の旗振り役だった張成沢党行政部長は、開通式典には参加せず、それから2ヵ月余り経った同年暮れに処刑されてしまった。

以来4年が経ち、かつて張成沢部長が主導していた中朝関係がいよいよ悪化してきた現在、この鉄道を使った石油供給は、北朝鮮の生命線となりつつある。

■ICBMに関する「ロ朝密約」

もう一つのICBMについては、先週14日に、IISS(英国際戦略研究所)のロケット技術の専門家マイケル・エルマン氏が、衝撃的な証言をした。

「北朝鮮の『火星14型』(ICBM)や『火星12型』(中距離弾道ミサイル)は、旧ソ連のロケットエンジンを改良して使っている。この2年余りで北朝鮮がICBMの技術を急速に発展させた背景には、旧ソ連のロケットエンジン入手があった」

この証言が世界を駆け巡って以降、ロシアとウクライナは、互いに責任をなすりつけ合っている。ウクライナ危機によって国内が混乱し、ウクライナからICBM技術が流出したというのがロシアの言い分。一方のウクライナは、「政府として北朝鮮に技術を流出させてはいない」とした上で、プーチン政権からの流出を匂わせている。

どちらの言い分が真実なのかは、いまだ審らかになっていないが、これまで述べてきた経緯からみて、ICBM技術に関する「ロ朝密約」が存在しないとは言い切れない。もしくは、ロシア側が北朝鮮に、ウクライナのこういうルートで入手できるとお膳立てをした、またはサジェッションしたことも考えられる。

いずれにしても、ロシアとしては北朝鮮にICBMを早急に開発してほしかったのである。なぜならそれによって米朝関係が悪化するのは確実だから、アメリカの目はイラン、シリアなど中東に向かなくなる。またロシアの最大の敵であるNATO(北大西洋条約機構)の強化も後回しされる。加えて、中朝関係も悪化するから、中国がロシアを裏切るリスクも軽減されるというわけだ。



ロシアにとって唯一の難点は、朝鮮半島危機によって極東地域の経済開発が遅れることだ。だが、それでも北朝鮮がICBMを振りかざすことによるロシアのメリットは、デメリットをはるかに上回るのである。

ロシアの「工作対象」は、北朝鮮にとどまらない。現在ワシントンを揺るがしている「ロシアゲート」疑惑が真実ならば、ドナルド・トランプ大統領は、ロシアが誕生させたようなものだ。前世紀末に冷戦に敗れたロシアは、ワシントンでゴジラのような「トランプ怪獣」を孵化させ、アメリカ国内及び世界を大混乱に陥れたというわけだ。

だが、いくつかの誤算も生じた。一つは、この「トランプ怪獣」が今年4月6日に、ロシアが支えているシリア政府軍を空爆したことである。そのためロシアとしては、トランプ政権の目を、直ちに北朝鮮に向けさせる必要が生じた。

もう一つの誤算は、ロシアゲートが急展開を見せたことで、「トランプ怪獣」の尻に火が点き始めたことだ。大怪獣(トランプ大統領)と小怪獣(金正恩委員長)を利用するなら、急ぐしかなかった。

■もう一つの「ロシアゲート」

ここからは私の想像である。

ロシアはまず北朝鮮に対して、ICBM開発に惜しみない協力をして、「実験をするならアメリカが中東でIS打倒に専念しているいまのうちだ」とそそのかした。さらに「アメリカの建国記念日(7月4日)に実験するのが一番効果的だ」とアドバイスした。もちろん「ICBM発射実験によって米朝関係が悪化しても、中国に代わってロシアが北朝鮮を必ず守る」との保証を与えた。

実際には、7月4日の発射を献策したのは、アメリカの建国記念日だからというより、ハンブルクG20(7月7日、8日)の直前だからだった。

このICBM発射実験を受けて、7月7日にハンブルクで初顔合わせしたトランプ大統領とプーチン大統領は、当初30分の予定だった米ロ首脳会談を、2時間16分に延長した。両首脳がこれだけ長く話す議題と言えば、北朝鮮とシリア問題くらいしか思いつかない。



怪しいのは、その翌日である。メルケル首相主催のG20首脳ランチミーティングの際、二人で抜け駆けして、再び約1時間会談したのだ。しかもロシア側の英語通訳だけをつけて、一対一のサシで会っているので、これは会談というより密談である。

そこではもちろん、公式な首脳会談では話せないロシアゲートの善後策を話し合ったのだろうが、北朝鮮問題に関しても当然突っ込んで話したに違いない。

再度断っておくが、以下の会話は私の想像である。

プーチン: 「北朝鮮は、失業したウクライナのロケット技術者たちを買収し、4日のICBM発射実験に続き、早ければ今月中に2度目のICBM発射実験をやろうとしている。金正恩の暴走は、もうロシアも止められない」

トランプ: 「そんなことは絶対に許せない。アメリカが早急に金正恩政権を転覆させてやる。中国が非協力的だから、米ロで金正恩亡き後の北朝鮮統治について考えようではないか」

プーチン: 「それはよいアイデアだ。米朝対立が進めば、アメリカ国民や議会はトランプ政権を支持するだろうから、ロシアゲート疑惑も雲散霧消するに違いない」

ざっとこんな調子ではなかったか。ポイントは、ロシアが北朝鮮を焚きつけて、マッチポンプの役割を果たしていることだ。旧ソ連がお家芸のようにしていた、前面の2国を戦わせて消耗させる“漁夫の利”戦術である。

(断るのは3度目だが)こうしたことは、私が取材したわけでも検証したわけでもなく、単に想像しただけである。だが、第一に米朝の対立がエスカレートしていくと誰が一番漁夫の利を得るかと言えば、それはロシアである。第二に、金正恩政権は大国の後ろ盾なくして、あそこまで世界最強のアメリカに歯向かっていけるとは思えない。

だが、普段中国の動向をウォッチしている私には断言できるが、習近平政権と金正恩政権の関係は最悪である。これまでは、1992年に中国が韓国と国交正常化した時が最悪と言われたが、いまや中朝両国の関係は25年前の比ではないほど険悪だ。消去法でロシアが北朝鮮のバックについていることが推定できるのだ。

言ってみれば、現在の北朝鮮危機の裏にひそむ「もう一つのロシアゲート」である。

■金正恩からのラブコール

北朝鮮の祖国解放記念日にあたる8月15日、朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は、金正恩委員長からプーチン大統領に宛てた「祝電」を公開した。その全文は以下の通りだ。

〈 モスクワ ロシア連邦大統領 ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン閣下

私は、朝鮮解放72周年を迎えて、あなたと、あなたを通して親善的な貴国の国民に対して、温かい挨拶を送ります。

私は、困難な抗日対戦の日々に共闘して培った朝ロ親善関係が、両国の国民の利益に合致し、変わることなく強化発展していくという確信を、表明するものであります。

私はこの機会に、強力なロシアを建設するための責任ある事業が、成果を得られることを、祈念しております。

朝鮮民主主義人民共和国 国務委員会委員長 金正恩

主体106(2017)年8月15日 平壌 〉


この金正恩委員長からプーチン大統領へのラブコールの意味するところは、今後とも軍事及び経済的に北朝鮮をバックアップしてください、という嘆願だろう。

ちなみに中国は8月14日、「8月5日に国連安保理で採択された『第2371号決議』に基づいて、北朝鮮産の石炭と鉄・鉄鉱石、鉛・方鉛鉱、海産物の輸入を禁止する」と発表した(中国商務部・税関総署公告第40号)。そのため中国に見捨てられつつある北朝鮮は、ますますロシアへの依存を強めているという構図なのである。

日本としては、当然ながら北朝鮮有事を望むものではない。それには、米朝間の日々の「丁丁発止」に注目し、同盟国のアメリカに働きかけることも大事だが、同時に北朝鮮とロシアとの関係についても、目を光らせておく必要がある。

先週18日、秋葉剛男外務審議官がモスクワを訪問し、ロシアのリャブコフ外務次官外務次官と北朝鮮問題について協議したが、これは時宜を得たものだった。

再三述べるが、いまの北朝鮮をバックで支えているのは、中国ではなくロシアである。だから北朝鮮問題はロシアと話し合うべきだ。その意味で、9月初旬の安倍首相とプーチン大統領との17回目の首脳会談は注目である。



 

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コメント
 
1. 2017年8月22日 10:19:51 : IwE7sEhKhs : 5V3nk3aYd3k[49]
じゃあなんでへいじょうに横須賀基地からの直通便が就航してるんだよ

何がロシアゲートだ
アメリカの傀儡じゃないか
でたらめ書いてんじゃないよ


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