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「世界共通のインターネット」時代は終わりを迎えるのか 中国、ロシア、そしてグーグル(WEDGE)
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/455.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 8 月 29 日 18:55:55: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

「世界共通のインターネット」時代は終わりを迎えるのか 中国、ロシア、そしてグーグル
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10455
2017年8月29日 塚越健司 (拓殖大学非常勤講師) WEDGE Infinity


 前回は中国のシェアリングサービスを論じることで、制度設計が人々の行動習慣にどのような影響をもたらし得るかを論じた。本連載でも最近中国について論じる機会が増えてきたが、それほどまでに特殊なIT事情を有する中国は、やはり注目に値する。

 とはいえ中国は、世界をつなげてひとつにする「世界共通のインターネット」から離脱しようという意図がみえる。またグーグル検索においてもこの「世界共通」は複雑な問題を抱えている。

 そもそもインターネットは当初こそ軍事利用的な発想で生まれたが、一般的な普及にあっては世界中の人々がひとつにつながることで、対立から融和への道を示そうという思想的な側面が存在していた。この思想は現在に至り、多くの問題を抱えている。そこで今回は、インターネットが1つであることの困難やその問題について考察したい。

■国内から外国へのアクセスがますます困難な中国

 中国の積極的な「世界共通のインターネット」から離脱せんとする動きが問題となっている。以前本連載でも述べた通り、中国は海外のIT製品を締め出し、国内だけでまわるインターネット経済圏を構築しようとしている。また2017年6月に施行した「サイバーセキュリティ法」は、海外企業が中国国内で業務を行う際に当局の求めに応じた協力が要請されており(具体的な指定がないが故に、範囲はいくらでも拡張可能だ)、場合によっては個人情報の提出などが考えられる。このように海外企業への一層の取り締まりの一方、国内の統制も強化されている。

 よく知られている通り、独裁国家や抑圧的な国家は特定の情報などへのアクセスが禁止されたり、時に国民の通信回線を遮断することもある。中国はインターネットに関する有名な検閲システムがあり(いわゆる「Great Firewall」)、TwitterやFacebookといったSNSをはじめ、Googleのサービスや「ニューヨーク・タイムズ」といったメディアへのアクセスも不可能なばかりか、天安門事件などについては検索に表示されず、政府批判の発言は削除されてきた。

 中国は最近になって、VPNを2018年2月1日までに大手キャリアに禁止させる予定であると報道されている。VPNとは「Virtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)」を意味するもの。技術的な詳細を省きごく簡単に概要だけ説明すれば、セキュリティレベルを上げることで他者からの攻撃を阻止するとともに、設定によっては中国にいながら他国からアクセスしたようにみせかけることを可能とする技術だ。これにより、中国の人々も欧米からアクセスしたようにみせかけることで、欧米のSNSなどを利用することが可能であった。

 しかし先の報道によれば、来年からは中国の3大キャリア計13億のユーザーはVPNの利用ができなくなるという。その他のプロバイダーにも禁止措置が適応されるかどうかはわからないが、いずれにせよ大規模な禁止が実行されると、ますます中国はインターネットから孤立することになる。その結果、中国国内の研究者やビジネスマンへの影響もさることながら、仕事で中国に滞在する日本人を含む海外の人々にとっても大きな障害となるだろう。

 こうして中国が世界共通のインターネットから離れていく一方、中国が海外に圧力をかけていることも判明している。16世紀から続く最古の出版社であるケンブリッジ大学出版局は2017年8月、中国政府の要請に応じて、ケンブリッジ大学出版局が発行する中国研究の学術雑誌における論文300本あまりを、中国国内からアクセス禁止にすることを決定した。

 この雑誌は中国研究の世界的権威でもあり、300本の論文の多くは台湾やチベット、天安門など中国にとって好ましくない内容であるが、決定には多くの批判が生じた。内部のメールがネットに流出したこと等から判明しているのは、中国政府から政治的、経済的な圧力がかけられており、この300本の条件を飲まなければ最悪の場合すべての研究業績が中国の人々の目に触れることができなくなると、ケンブリッジ側が判断したということだ。しかしこの決定は中国政府の介入がその後増すこと、そして最終的に編集権を中国政府に握られることを意味しており、多くの批判の後でケンブリッジ大学出版局はこの決定を撤回した。

 中国はインターネットは国ごとに主権があるという考えをもっており、一国のインターネットに関する(アクセス制限などの)政策は国家が指導すべきとの立場を示している。だがこのケースから明らかになったのは、中国の政治的・経済的な権力によって他国のインターネットに介入しようとする態度であろう。

■ロシアにも見られるネットからの離脱傾向

 こうした動きは中国だけではなく、ロシアにも見られる。ロシアも中国同様に国内のインターネットに関する取り締まりが厳しく、特にテロ対策や違法サイトの取り締まりの名目で、言論弾圧や盗聴の合法化などが行われている。また企業活動に際して、データはロシア国内にサーバーを設置しなければならず、当局の求めに応じて個人情報を提出しなければならないことも法律で決まっている。そのため2017年5月から、これを拒否したLINEや中国のWe chatなどはロシア国内では使用できない状態となっている。

 さらに7月にはVPNを禁止する法案が上院下院でともに満場一致で採択。はやければ11月にも施行されるという。すでにVPNを利用しなければLINEも利用できないロシアにおいて、VPNの禁止はやはり大きな痛手となる。またこの法案に関しては、反対するデモが行われ逮捕者も出ているが、テレビなどでこの事実が報道されることはなかったという。 

 中国については日本においても多くの報道がなされているが、ロシアもまたインターネットの主権を国家ごとに認めるべきとの立場であり、結果的に欧米のサービスではなく自前のSNSなどをつくっている。中国もロシアも、世界から自国に都合の悪い情報をシャットアウトしようという意思がうかがえる。

■グーグル検索と「世界共通」

 しかし、「世界共通」であることが一般の人々の利害に反していることもある。グーグルは多くの訴訟問題を抱えているが、カナダで生じた事件は好例だ。事件を簡単に概観すれば、まずカナダの「Equustek」という企業が、自社のソフトウェア技術が盗まれ、同じ内容のものをパッケージを入れ替えただけで別の業者が違法に販売している事実を知り、この業者を訴えた。訴えられたのは「データリンクゲートウェイ」というEquustekの販売代理店で、当初は否定したものの国外に逃亡し訴訟を放棄。その後この違法行為を働いた張本人には逮捕状が出ているが、居場所がわからず海外で活動している状態だ。

 そこでEquustekはグーグルにデータリンクゲートウェイの情報を検索結果から削除してほしいと依頼し、グーグルは受け入れる。しかしグーグルが削除に応じたのは「Google.ca」、つまりカナダ版のグーグルのみだった。Equustekはこれを全世界に適応するよう訴え、2017年6月にカナダ最高裁でEquustekは勝利した。

 Equustekは何の罪もない被害者であり、訴えは最もだと思う読者もいるだろう。だがグーグルは7月にカリフォルニア州の裁判所に差し止め請求を行っている。検索結果の削除を全世界に適応するのはアメリカ憲法修正第1条(言論または報道の自由)に反しており、カナダ国内の判決が全世界的に影響が及ぶのはおかしい、という理由だ(事件について詳しくはこちらの記事やこちらを参照してほしい)。

 グーグルもデータリンクの活動を許容しているわけではない。しかし、一度全世界に削除を適応すれば前例をつくることになり、他の判断が難しい削除要求もまた全世界に適応されかねないという問題がある。例えば日本のアニメや二次創作コンテンツは、しばしば欧米においてポルノとみなされることがある。その際、特定の国家においてコンテンツに関する検索結果が削除されたとしても、それを日本や世界中に適応すると問題が生じる。なぜなら文化や地域によって性や暴力、あるいは政治をめぐる解釈は異なる場合があり、特定の国の基準で削除が全世界に適応されてしまえば、他国では問題ないコンテンツへの検索表示もできなくなる恐れがあるからだ。

 また一度全世界への適応を認めれば、ある国では検索結果を残すべしと逆に訴えられることにもなりかねない。ましてや世界全体共通の削除基準をつくることは、明らかな暴力など了解されやすいものでない限り難しいことは、上述のとおりだ。世界共通の削除基準は、逆にインターネット空間の縮小を招くことにもなるために、現状ではグーグルはなんとか個別の削除範囲に抑えようとしている(これに関してはアメリカの市民団体(EFF)などもグーグルを支持している)。

 この問題は、現在とは異なる過去の情報について削除を行う「忘れられる権利」についてグーグルが直面していることでもある。忘れられる権利については本連載でも議論したが、これもまた削除範囲をどのように決定するかは困難だ。削除が全世界に適応すればビジネスにも影響が出る他、これまで以上に削除依頼が殺到し、インターネットに恣意的な操作が可能になってしまうことが予想される。とはいえグーグルこそがインターネットを恣意的に牛耳っている、という指摘も他方で存在しており、Equustekの訴えが間違っているわけでもなく、ここでは困難なバランスが要求されている。

 最終的には経営的な判断からグーグルは諸国家の判断に従うことが予想されるが、特に忘れられる権利を巡ってはEUが削除範囲をEU以外の範囲に拡張することを目指しており、これもグーグルにとって深刻な問題だ。中国・ロシアがインターネットから離脱しかけているが、グーグルは逆に「世界共通」で情報が削除される恐れに直面している。

■「世界共通のインターネット」は終焉を迎えるのか

 グーグルにせよ中国・ロシア問題にせよ、結局のところ我々はもはやインターネットがひとつの共通空間であるという認識を持ち難くなっている。最後に、世界共通であることに何の意義があるかについて言及しておきたい。

 昨今は国家間対立だけでなく、国家内部の市民同士の対立はアメリカや日本においても激化している。特にアメリカの人種や政治をめぐる対立は、もはや市民同士が敵対する市民の個人情報をネットに晒し合う戦いにまで発展してしまっている。これらdoxingと呼ばれる晒し行為は最近、クラウドファンディングによって特定者に報奨金が払われるまでに至っている(これについては筆者が他媒体で論じている)。こうして共通の基盤をもって対立する両者が議論することがますます困難な時代となり、インターネットの「世界共通」という理念もまた維持が困難であることがわかる。

 こうした問題は日本や日本人にとっても他人事ではない。中国やロシアの人々との交流が難しくなれば、いたずらに対立感情を煽るような言説に接近したとき、人は対話への意思が挫かれてしまうおそれがある。また海外の判例によって日本人が必要とする情報が検索結果から消去されてしまえば、同じく歴史認識や政治的・文化的な共通意識を世界全体で構築していくことが困難となる。

 世界共通のインターネットには問題が多くあるのも事実だ。しかし、それでも共通基盤のもとで(時に大きな)対立と対話を行い続けるか、さもなければこの基盤から離脱し、対立を回避して棲み分けを行うかのいずれかの選択が要求されることになる。リベラルな思想が要求する理想的な対話環境として想定されたインターネットは、今や岐路に立たされている。

 

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コメント
 
1. 2017年8月29日 20:52:57 : Ek79VkjREs : qsGl7QfhQhM[3]
世界共通のインターネットって、幻想ではないだろうか。情報をどう咀嚼、評価するかということ自体、一定の文化、思想、宗教的バックボーンに支配されているのは明らかだ。技術的に世界共通、つまり何処でも、何時でも、誰でも、同一の情報に接することができるということだとすると、極論すれば、情報へのアクセスの問題に過ぎない。解放は必ずしも絶対的な自由を保障しない。むしろ一見解放と見えたものが、その裏に、邪悪な目的を秘めているのはインターネットを広めた某国が
実証しているのではないか。

2. 2017年8月29日 22:31:26 : STiVZic24k : fqaLpIaZjQI[31]
そうそう、御用メディアのWEDGEも終焉を迎えるよ。

安倍政権、経団連言いなりのクソ御用メディアは嘘ばかり書くと言うこともわかってきたよ。


3. 2017年8月30日 16:26:44 : aG2jraRWNo : LfwFpVoy4I0[5]

要らないなインターネットとエレベーター。

エレベーターなければ高層ビルはイラナイ。鳥みたいに空中で眠ることもない。

インターネットなければ知りたくないこと知らないで平穏だ。


4. 2017年9月01日 12:42:24 : bpNbq9rUMc : ODjqQuQ9piY[113]
日本もインターネットはやめて、国内独自の通信網を構築すべき。

インターネットはアメリカの軍用通信網。
常にアメリカ人に通信を監視され情報を利用されている状況は愚かの極み。
普通の日本人は外人と通信なんかしないし、したくもないから国内限定仕様の通信網で何の問題もない。世界の共通認識?いらんわ、そんなもの。
日本独自の規格、仕様にすれば、セキュリティ万全だし、日本人に分かりやすいシステムを構築できて開発もしやすくなる。


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