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現金を持つ我々の権利に対する陰険な戦争(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/510.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 9 月 05 日 15:20:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

現金を持つ我々の権利に対する陰険な戦争
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/post-4a8d.html
2017年9月 5日 マスコミに載らない海外記事


2017年8月21日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

現金を持っていなければ、プライバシーもないのを考えたことがおありだろうか?

三年前、一見曖昧な学術論争として始まった作戦が、今や先進世界における、いくつかの最も強力な機関による本格的プロパガンダ・キャンペーンとなっている。これは正しくは対現金戦争と呼ばれるべきものだ。対テロ戦争や、がんとの闘いや麻薬撲滅戦争と同様、本当の狙いは陰険でわかりにくい。もし、完全なデジタル銀行預金を支持して、現金完全撤廃というプロパガンダを鵜呑みにするほど我々が愚かであれば、わずかに残された自主性とプライバシーにお別れを告げるも同然となりかねない。ジョージ・オーウェルの『1984年』の強化版が実現するだろう。

はっきり申し上げよう。ここで、我々は様々なブロック・チェーン・デジタル技術、いわゆる暗号通貨について論じるわけではない。中国のWeChatなどの民間決済システムについて論じるわけではない。e-バンキングや、VisaやらMaster Cardその他の銀行クレジット・カードについて論じるわけではない。これらは進行中の陰険な対現金戦争の目標とは全く違う性質のものだ。これらは皆私的なサービスで、国家によるものではない。

我々がここで論じるのは陰謀で、主要中央銀行、一部の国々の政府、国際通貨基金が、主要国際銀行と共謀して、市民に、言い換えれば、我々に!-現金を持つことや、購買時の現金支払いをあきらめたりするよう強制する陰謀だ。現金の代わりに、我々はデジタル銀行クレジットを使うよう強制される。違いは一見ごくわずかなように見えようが、実は極めて大きい。インドでは、アメリカにそそのかされた、2016年末の狂ったモディによる対現金戦争の後、インド国民は、お金の支払い方を決める個人的自由や、お金に関するプライバシーを永遠に失うことになった。もし私が自動車を買いたくて、銀行金利を避けるため、現金を使いたくとも、そうできないのだ。銀行は、一日に引き出せるデジタル・マネーの金額を制限していているのだ。もし私が、特別な記念日を祝うために洒落たホテルに泊まって、プライバシーの理由から現金で支払おうとしても、不可能なのだ。だがこれはまだ上面に過ぎない。

Visaも参戦

今年7月、Visa Internationalは“Visa キャッシュレス・チャレンジ”なるものを発表した。技術がいかに世界コマースを変えるかについての、いくつかしゃれた宣伝文句を使って、Visaは、アメリカの一部の小規模レストラン・オーナーが、お客の現金払いを拒否し、クレジット・カード払いのみ受け付けることに同意すれば、謝礼を払うプログラムを発表した。Visaの公式ウェブサイトにはこうある。“謝礼は最高500,000ドル 。50人の資格ある飲食物提供店舗オーナー。100%キャッシュレスの追求。”年収150億ドルのVisaのような巨大企業にとって、わずか500,000ドルははした金だ。彼らは、これがこれまで現金支払いを好んできた小規模ファミレス市場におけるVisaカードの利用を増進すると考えているのは明らかだ。

“100%キャッシュレスの追求”と呼ぶものを実現しようというVisaの“挑戦”は、ただ雲をつかむような話では決してない。これは単にVisaのみならず、ごく一例を挙げれば、欧州中央銀行、イングランド銀行、国際通貨基金やReserve Bank ofインドなどによる考え抜かれた戦略の一環なのだ。

茹でガエルを攻めるIMF

今年3月、ワシントンの国際通貨基金が、彼らが“脱現金”と呼ぶものに関する調査報告書を発行し、報告書はこう勧告している。“完全なキャッシュレス化は段階的に行われるべきである。既存の事実にも触れ“高額紙幣を段階的に廃止したり、現金取引に上限を設定したり、国境を越える現金移動を報告したりなど、最初のほとんど議論の余地の無い措置が存在している。さらなる措置としては、取り引きで現金の使用を減らすことに対する経済的誘因を作り出したり、振り替え可能な口座の開設、利用を簡素化したり、金融システムを一層電子化したりすることなどが考えられる。”

フランスでは、2015年以来、“マネー・ロンダリングや脱税に対処すべく”個人が企業に現金で支払える上限は、わずか1000ユーロだ。しかも、一つの銀行口座での一ヶ月、10,000ユーロを超えるあらゆる預金や現金引き出しは、マネー・ロンダリングと戦うことを任務とするフランス政府機関、金融犯罪捜査局(Tracfin)に自動的に報告されるが、これは、“ほとんど争いようの無い措置”であり、実に不気味な兆しだ。

IMF報告書は、更に現金廃絶に対してこう主張している“脱現金で、脱税が減り、税徴収が改善される”。言い方を変えて、もし銀行からの送金にデジタル・マネーだけを使うよう強いられれば、現在、事実上全てのOECD諸国政府は、自国民の銀行データを合法的に入手可能なのだ。

脱現金に関するIMF報告書から一カ月後の4月、ブリュッセル欧州委員会はこういう声明を発表した。“現金支払いは、テロ活動への資金供与に広く使われている。この文脈で、現金支払い上限額の妥当性も検討可能だ。一部の加盟国は特定の上限を超えた現金支払いの禁止を実施している。”

スイスにおいてさえ、ワシントンによる執拗なキャンペーンの結果、テロ組織への資金提供を防ぐのだという人を惑わす主張のもと、スイスの伝説的な銀行の秘密は酷く損なわれた。バルセロナやミュンヘンやロンドンやシャーロッツビルでの攻撃に関する最近のヨーロッパのマスコミ見出しを一瞥するだけで、この主張がでっちあげだと分かる。

現在EUでは、ワシントンによるさらなる圧力の結果、外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)の下で、アメリカ国民が預金口座を持っているアメリカ国外の銀行は、そうした口座の資産について、アメリカ財務省金融犯罪執行機関連絡室に年次報告を提出するよう強制されている。主要タックス・ヘブンとして登場しつつあるアメリカにとって好都合なことに、この法律に規定されているにもかかわらず、アメリカ政府自身はFACTAへの参加を拒否している。

2016年、組織犯罪とテロを阻止する可能性があると主張して、欧州中央銀行は、500ユーロ紙幣の発行を停止したが、これは、まるで組織犯罪の高度なネットワークが紙幣に頼っているかのような実につまらない冗談だ。アメリカでは、元ハーバード学長ラリー・サマーズなどの主導的経済学者たちが同じ理由から、100ドル紙幣の廃止を主張している。

上限10ドル?

しかしながら、現金に対する戦争の本当の狙いは、ハーバード大学経済学教授で元IMFチーフ・エコノミストのケネス・ロゴフによるウオール・ストリート・ジャーナル論説で概略が説明されている。ロゴフは、連邦準備金制度理事会による現金発行を劇的に減すべきだと主張し。10ドル以上の全ての紙幣を流通から排除し、それにより、人々や企業が、デジタル、つまり電子決済のみに依存するよう強制するよう彼は主張している。その計画でマネー・ロンダリングを減らすことができ、それにより犯罪を減らすことができ、同時に脱税もあばけるというインチキ呪文を彼は繰り返し唱えている。

ところが、この現金に対する戦争の隠された狙いは、EU加盟諸国においてであれ、アメリカ合州国であれ、インドのような開発途上国であれ、次の不可避の金融危機時に、我々のお金を没収することだ。

2008年財政・金融危機の後、成長を刺激するのに必要だと偽って主張して、既にいくつかの中央銀行がマイナス金利政策を導入している。欧州中央銀行に加え、日本銀行やデンマーク国立銀行がこの奇怪な政策に固執している。ところが、加盟銀行に対する金利を更に引き下げる中央銀行の能力は、現金が豊富にある限り制限されてしまう。

ここで引用した上記のIMF文書は、うっかり秘密を漏らしている。文書にはこうある。“もし物理的通貨での貯蓄が水をさされ大きく減少すれば、特にマイナス金利政策は、金融政策の実行可能な選択肢となる。脱現金で、大半のお金が銀行に蓄えられることとなり、それゆえ、マイナス金利によってより影響されやすくなり、消費者に支出を奨励することになろう…”あなたがお金を預けた銀行が、銀行がもっと金を儲けるために使える場所に、あなたのお金をおいておくのを認める“サービス”に対し、あなたに請求し始めるためだ。それを避けるべく、明日という日がないかのように浪費するよう言われるのだ。あきらかに、この論議はいんちきだ。

ドイツ人経済学者リチャード・ヴェルナーが指摘しているように、マイナス金利は、銀行が事業を行う経費を上げる。“銀行は、この経費を顧客に回すことになる。既にゼロ預金金利なので、これはつまり銀行が貸出金利を上げることを意味する。”ヴェルナーは更に言っている。“デンマークやスイスなど、マイナス金利政策が導入されている国々での経験的知見は、それが経済を刺激する上で効果的でないことだ。その逆なのだ。これは中央銀行によって、マイナス金利が、金を借りる大衆ではなく、銀行に課されるためだ。

ECBのマイナス金利政策は、ドイツ銀行、HSBC、フランスのソシエテ・ジェネラル、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド、ギリシャのアルファ銀行、イタリアのモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行等の、こっそり緊急援助を受けている、財政的に腐敗した巨大銀行を優遇して、ドイツのSparkassen and Volksbankenのようなしっかり機能している伝統的で保守的なEUの貯蓄銀行を破壊することを狙っていると彼は指摘している。ECB総裁のマリオ・ドラギは、巨大銀行ゴールドマン・サックスの元パートナーだ。

なぜ今なのか?

一体なぜ今、中央銀行や、IMFのような機関による、突然急な現金廃止要求なのか、というのが適切な疑問だ。欧米世界の主要政府幹部や中央銀行総裁や多国籍企業幹部が集うスイス、ダボスの世界経済サミットの後、2016年1月に、現金廃絶という掛け声の連打が顕著に始まった。現在の現金に対する戦争攻勢、プロパガンダ攻勢はダボス会議直後に始まった。

数カ月後の2016年11月、USAIDの専門家連中やVisaに導かれ、ナレンドラ・モディのインド政府は、インド準備銀行の勧告を受け、即座の紙幣廃止、つまり、すべての500ルピー (8ドル相当)と1,000ルピー(16ドル相当)紙幣の強制排除を発表した。モディ政府は、この行動で闇経済を縮小し、違法な活動やテロに資金供給するための違法な偽札を取り締まることができると主張した。

最近インド議会が、モディの対現金戦争の影響についいての追跡調査を行ったのは注目に値する。議会紙幣廃止委員会の報告書は、表明された目標の一つたりとも実現していないことを実証している。大規模な不正所得は全く発見されておらず、脱現金は、そのような劇的政策を導入する理由として政府が挙げた理由である、テロへの資金提供には何の効果もなかった。インド中央銀行は、脱現金によって、不正所得を攻撃していたとされるが、オフショア・タックス・ヘヴンの本格的な違法な金は、直接投資によって“洗浄され”犯罪集団や企業集団によって“ラウンド・トリッピング”として知られている手法で合法的に簡単にインドに還流していると報告書は書いている。

議会報告は、実際のインド経済が劇的打撃を受けた詳細を書いている。現金に依存している何千もの小企業が倒産したため、4月の工業生産は、衝撃的に前月比10.3パーセントも減少した。主要インド・マスコミは議会報告を報道しないようモディ政府から警告されていたとも言われている。

こうした個々の事実を結びつけると、現金に対する戦争は、我々個人の自由と、生活における我々の自由の度合いに対する戦争だということがより明らかになる。我々の現金を強制的にデジタル化させるのは、EUやアメリカや他のどこであれ、次の2007年-2008年のような大規模金融危機が勃発した際の政府による没収に向けた次の一歩だ。

今年7月末、輪番EU理事会議長国のエストニアが、預金者が、銀行の“取り付け騒ぎ”を起こす前に“一時的に”国民が問題になった銀行から預金を引き出すのを、EUの国家規制当局止めることを可能にするドイツが支持する提案を提出した。EUの前例は既に、政府が僅かな日々の金額以上の現金引き出しを阻止したキプロスとギリシャで起きている。

最近の分析で、アメリカのベテラン金融専門家クリストファー・ ウィーランは、EU当局が2008年金融危機以来、銀行の混乱を効果的に処理し損ねており“通常、最大預金保険金額を大きく下回っている預金者が、預金現金が利用できないことになるという考え方は、次回、預貯金取り扱い金融機関が面倒なことになった場合、ヨーロッパで取り付け騒ぎや、広範な悪影響が確実に起きてしまうことになると指摘している。”2008年危機から九年たっても、EU銀行は悲惨な状況にあるとウィーランは指摘している。“ヨーロッパ銀行業界内には、約1兆ユーロの不良債権が残っている。これはEU経済の6.7%に当たる。これは大変な金額だ。アメリカと日本における銀行の銀行不良債権のGDP比率は、それぞれ1.7パーセントと、1.6パーセントだと彼は指摘している。

EUなり、インドなり、他の国なりの政府が、巨大銀行の悪徳商法を制御するのを拒否し、人々の現金使用を止めさせ、金融資産全てを国家が管理する銀行にデジタル預金するように強いることで、政府が次の緊急事態を宣言した際、そうした資産を国家が没収する舞台が用意される。この詐欺が易々と実施されるのを許すほど我々が愚かなのであれば、おそらく我々は
わずかに残された経済上の自主性も失うことになって当然なのだ。幸いドイツなどの国々における現金廃止に反対する民衆の抵抗は大規模だ。1920年代のワイマール共和国と、1931年に、第三帝国をもたらした金融危機としてのハイパーインフレーションの日々をドイツは覚えている。IMFの手法は、カエルをゆっくり茹でる中国のことわざそのものだ。だが人間はカエルではないのでは?

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl https://journal-neo.org/2017/08/21/a-sinister-war-on-our-right-to-hold-cash/
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コメント
 
1. 2017年9月06日 20:49:05 : 2FbCg9vijk : ylRMDBXhDG8[649]
便利さに 釣られて漏らす プライバシー

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