★阿修羅♪ > 国際20 > 677.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
ミャンマーのロヒンギャ弾圧の背景
http://www.asyura2.com/17/kokusai20/msg/677.html
投稿者 福三 日時 2017 年 9 月 23 日 10:04:02: VSVEkkXNUZz4I lZ@OTw
 

ミャンマーにおけるロヒンギャ弾圧問題について、少し書いておく。
アウンサンスーチー氏が批判の的に晒されているが、これには複雑な歴史的背景が横たわっていることを知らなければならない。
まして、まだまだ軍の影響が大きいミャンマー政府にとって、歴史を覆すようなことは国内に更なる混乱を齎すことが分かっているから、スーチー氏も明確な発言を控えている。
ミャンマー軍は今でも軍事クーデターを企てているし、国際社会の批判など、彼らには通用しない。

もともと王政が支配していたミャンマー(旧ビルマ)は、常に近隣国との紛争を抱えていた。詳細はウィキペディアにでも聞いていただければ良いが、問題はロヒンギャではなく軍政が黙らせたいのはラカイン族の反政府勢力だ。ロヒンギャ族自体は古くから弾圧の対象になっており、ミャンマー国内におけるイスラームの一派である。それは悪名高きイスラム国と同じスンナ派である。多くの日本人がロシアのチェチェンが何故、ロヒンギャ弾圧問題を批判するのか?に疑問を持っているが、チェチェンも同じスンナ派だからだ。
一方、ラカイン族もイスラームだが、シーア派に属す。シーア派とスンナ派はその根本教義から違うので、双方が一歩も譲らない態度を示している。
ロヒンギャ族にしてもラカイン族にしても、王政の時代から政治利用されてきた。特に酷かったのはイギリスが植民地支配をしていた時代で、ロヒンギャ族の宗教指導者をイギリス統治に利用してきた。ラカイン族は反対に、イギリス統治そのものにも反対していたし、ビルマ独立後から軍政時代に至るまで反政府勢力の中枢であった。
ビルマの軍政は社会主義でその背後には中国がいる。もともと、東南アジアへの影響力を高めたい中国は、北ベトナムのホーチミンを利用し、ビルマのネ・ウィン将軍を利用して社会主義国建国を画策してきたのだ。王政時代に国を混乱に陥れたとの理由で少数民族が弾圧され、軍政後も敬虔なイスラームである少数民族は弾圧されてきたのである。ロヒンギャ族はそのような政府の横暴に対して戦わない道を選んだ。だから、隣国のバングラデシュに難民となって流れていった。反対にラカイン族は、少数民族を弾圧する政府に真っ向から反対し、ミャンマー民主化の中心的な働きをして、表面だけでも軍政からの脱却を図ることが出来た。軍の影響が強いミャンマー政府のタカ派が、現在のロヒンギャ族弾圧の主犯であるが、それは、温厚なロヒンギャを悪者に仕立ててラカイン族を黙らせることを目的にしている。
では何故、ミャンマー政府が軍部の横暴を止められないか?背後に中国がいるからだ。中国はビルマ時代に軍政を抱き込むために、早くから天然ガスと石油のパイプラインをビルマに敷いた。
それは、ミャンマー政府となってからも同様で、エネルギーの乏しいミャンマーを助けるという美名のもと、水面下で軍部とつながり、エネルギーを人質にミャンマー政府の首根っこに匕首を立てているのだ。それが分かり過ぎるほど分かっているアウンサンスーチー氏は、いつまた軍事クーデターを起こされるかも分からないギリギリの状況で政権運営を行っている。少数民族弾圧について発言が出来ないのは、根本にそれがあるからだ。
UNの難民問題委員会の調査だけでも、実に30万人ものロヒンギャが難民となり、虐殺されたのは10万人近いのではないか?との推計がある。
その殺され方はイスラム国やルワンダのそれに勝るとも劣らないもので、辛うじて弾圧から逃れた人々の証言は、筆舌に尽くしがたい凄惨を極めるものだ。

言い換えるなら、ここでも中国は近隣諸国への影響力行使のために、手段を択ばないやり方なのである。ミャンマー軍がクーデターを起こす場合、燃料と武器は中国が供給する。
加えて、一帯一路構想の中にミャンマーは重要な位置を占める。一帯一路構想とは世界を巻き込んだ巨大な公共事業だが、言葉を変えればアジアからヨーロッパをも中華思想に巻き込もうとするものだ。
そのような茶番は国際社会が許す筈も無いが、北朝鮮情勢が緊迫観を増せば増すほど、ミャンマーの少数民族弾圧、南沙諸島問題、尖閣諸島問題は片隅に押しやられる。中国の思惑がここに透けて見える。こっそり、ひっそりと中国は東南アジアへの影響力を高めているのだ。習近平は中国共産党主席を復活させ、自身が死ぬまで中国の指導者となろうとしている。そのために、国民への情報統制を強め、反対勢力を権力闘争から締め出してきた。

ミャンマーのロヒンギャ弾圧の背景には中国がいることを知らなければならない。世界はそのことを報道しないし、日本のメディアも知らんぷりである。
北朝鮮情勢にばかり注目が行くが、それはそれで中国の思うつぼでもある。  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. あやみ[338] gqCC4oLd 2017年9月24日 04:52:27 : 9LyLCQettE : cup2O1eWoi8[2]
ロヒンギャ問題を扱っていただきありがとうございます。

しかし、記事の内容の一部に深刻な誤認がありますことを指摘させていただきます。

ミャンマー政府の治安部隊とともにロヒンギャのムスリムを殺戮しているラカインの暴力集団は仏教徒、しかも坊主です。シーア派ムスリムという記述は「あまりにひどい間違い」です。おそらくご参考にされた元記事に誤記、あるいは悪意の虚偽があります。念のために幾つかの糞新聞を読んでみましたが投稿者様の書かれたように「Muslim militants on security facilities in Rakhine state」とありました。これは事実隠蔽と情報操作のための虚偽でしかありません。

https://asia.nikkei.com/Spotlight/Rohingya-crisis/Myths-and-realities-behind-the-Rakhine-crisis


もう一つ、スンニ派とシーア派はともにイスラームの枠内にあり、「根本教義から違う」という認識は事実から外れています。イスラームの根本とは「神は存在し、それは唯一であり、人の子ムハマンドはその使徒である」、これだけです。そこから派生したその他の教義もそれほど変わりは無く、時代とともに細則と解釈が加わる段階である程度の相違が生まれたと言うだけです。


2. あやみ[339] gqCC4oLd 2017年9月24日 05:26:04 : 9LyLCQettE : cup2O1eWoi8[3]
追記です。ロヒンギャ殺戮の実行グループの頭目、この坊主です。

http://content.time.com/time/covers/asia/0,16641,20130701,00.html

2013年の「TIME」。当時はムスリム迫害の首謀者が仏教徒(というか仏教寺院勢力を笠に着たテロリスト)との事実は隠されていませんでした。


3. 福三[58] lZ@OTw 2017年9月24日 09:29:15 : p1HGXyk9FA : T0416_a0RwU[51]
>>01

ご指摘、ありがとうございます。
私は、AFPのリポートを引用したニューズウィークの記者のリポート(英文)を参考にしました。
ロヒンギャ弾圧に関しては、海外メディアの中でも情報が錯そうしているのが実態のようですね。
いまだ、海外メディアの受け入れを拒否している状況であり、詳細については日本に難民となって渡ってきた方のリポートも読んだことがありますが、ミャンマーを離れた難民にも情報が流れてくることは難しいようです。
実際に、政府がロヒンギャを弾圧する法的根拠は、ロヒンギャがバングラデシュに逃れミャンマーに帰国後、ミャンマー政府の発行する外国人在留証明書?を受け取るよう強要し、受け取ったものは外国人と見なされ、国内政情に反する国家反逆罪?等の名目で弾圧を加えているということのようです。

悲しいことにイラクやシリアの内情も、2011年頃から問題視されていたイスラム国の動向も、動画サイトやSNSで情報が出始めてから日本で注目され、そうなって初めて日本のメディアは上澄みほどの情報しか出しません。
ミャンマー問題にしても、ロヒンギャ弾圧は半年以上前からアルジャジーラやロイターの英文ニュースで取り上げられてきましたが、日本のメディアは無視してきました。

私も引き続きロヒンギャ問題は注目していこうと考えています。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 国際20掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
国際20掲示板  
次へ