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トランプ・習近平・プーチン、2017年の「勝者」は誰か(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/17/kokusai21/msg/505.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 12 月 25 日 13:28:31: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

トランプ・習近平・プーチン、2017年の「勝者」は誰か
http://diamond.jp/articles/-/154158
2017.12.25 北野幸伯:国際関係アナリスト ダイヤモンド・オンライン


激動の2017年が、まもなく終わろうとしている。この1年で、世界のパワーバランスは、どう変わったのだろうか?世界を動かす三大国、すなわち米国、中国、ロシアを中心に見てみよう。(国際関係アナリスト 北野幸伯)

米中ロの三大国リーダーで
2017年の勝者は誰か?


   
反中でスタートしたはずのトランプを、わずか数ヶ月で見事に懐柔してしまった習近平こそが、2017年の「勝者」である。 photo:Reuters/AFLO

 世界には3つの大国がある。米国、中国、ロシアだ。米国のGDPは2016年、18兆6244億ドル、軍事費は6110億ドルと、共にダントツ世界1位だった。中国のGDPは同年、11兆2321億ドル、軍事費は2150億ドルと、どちらも世界2位。この2国が大国であることに、異議を唱える人はいないだろう。

 ロシアのGDPは、1兆2831億ドルで世界12位(韓国の次)。軍事費こそ692億ドルで世界3位の座をキープしているが、経済力で見ると米中と比べて、ずいぶん見劣りする。しかしこの国は、世界一広大な領土と、米国に匹敵する核戦力を持ち、なおかつ超資源大国である。そして、KGB出身の剛腕リーダー、プーチンのおかげで、国力に不相応な影響力を確保している。

 世界には他にも「大国らしき国々」がある。

 たとえば、日本とドイツは、文句なしの経済大国だ。しかし、この2国は、安全保障を米国に依存している。英国やフランスは核兵器を保有する経済大国だが、それでも安全保障は米国に頼っている。インドは、10年後間違いなく大国になっているだろう。だが現段階では、それほどのパワーはない。

 結局、世界情勢を知りたければ、米中ロの現状を知るのが一番早いのだ。

 さて、「この三大国リーダーの中で、2017年の勝者は誰か?」、こう質問されたら正直に「習近平です」と答えざるを得ない。なぜなら、習は「最強の敵を無力化することに成功したから」である。

 中国にとって「最強の敵」とは、いうまでもなく米国だ。

 思い出してみよう。トランプが今年1月大統領に就任した時、中国は極めてまずい状況におかれていた。トランプは昨年12月、台湾の蔡英文総統と電話会談した。これは、1979年の米中国交回復、米台断交以来はじめての出来事だった。

 さらに、新政権の布陣は反中国だった。まず、「トランプ政権の黒幕」と呼ばれたバノン首席戦略官(8月に辞任)。彼は「中国は、米国の敵」と公言してはばからなかった。国家通商会議の議長は、日本でもベストセラーになった「米中もし戦わば」の著者ピーター・ナヴァロ教授。彼は「米中戦争が起こる可能性は極めて高く、米国はそれに備えなければならない」と主張している。このように、トランプ政権は「反中政権」としてスタートした。

わずか数ヵ月でトランプを懐柔!
習近平の「工作」は大成功


 ところが4月、訪米した習近平に会ったトランプは、彼のことが大好きになってしまう。曰く、

「われわれの相性はすごくいい。

 互いに好意を持っている。

 私は彼のことがとても好きだ。

 彼の妻も素晴らしい」


 (ウォール・ストリート・ジャーナル 4月13日、太線筆者、以下同じ)

 さらに、11月に訪中したトランプは、こんな発言をしている。

<習氏に向かい、

「あなたに対して信じられないほど温かい感情を持っている。
以前にも話したように、私たちは相性がぴったりだ。

共に米中両国にとって素晴らしいことをしていると思う」と褒めちぎった。>(AFP=時事11月9日)

 この発言は、トランプの正直な感想と理解していい。トランプの特徴は、「感情がそのまま言葉や態度に出てしまう」こと。それで、ドイツのメルケル首相や、韓国の文大統領など、「合わない人」と会った時にも、露骨に表情に出てしまう。

 トランプが習近平を大事にしているのは、もちろん「北朝鮮問題で中国の協力が必要だから」である。

 しかし、それだけではない。「中国による工作の結果」そうなっているのだ。中国は、年初から今に至るまで、「国を挙げた工作」を行っている。そのターゲットは、トランプの娘イヴァンカと夫クシュナー、そして彼の親戚も含まれている。この「工作」は、アリババ創業者、馬雲(ジャック・マー)も動員されるほど、大規模なものだ(工作の詳細は「中国がトランプ懐柔攻勢、日米関係が良好でも気を抜くな」を参照)。

 結果、トランプは、極めて短期間で中国に懐柔されてしまった。

 これまで繰り返し書いてきたが、中国は、「日本に沖縄の領有権はない!」と主張している。そんな国が、日本の同盟国、米国と親密になるのは、わが国にとってあまり喜ばしいことではない。しかし、日本にとっての「善悪」はともかく、起こっていることは「あるがまま」に知る必要がある。

 習近平は今年、反中だったトランプを、見事に親中に変えた。

米ロ関係悪化は
プーチンの大きな失敗


 次に、プーチンはどうだろうか?こちらは「1勝1敗」といえる。

 ロシアの大きな転機は、2014年3月の「クリミア併合」だった。クリミアは、1783年から1954年までロシア領だった。それをプーチンは、「無血」で取り戻した。世界的には「絶対悪」と思われているこの出来事だが、ロシア国内では逆に「歴史的快挙」「絶対善」と捉えられている。

 しかし、クリミア併合の「副作用」は大きい。米国が、日本、欧州を巻き込んで、経済制裁を実施したからだ。さらに、1バレル100ドル台だった原油価格が、一時は30ドル台まで暴落し、ロシア経済を直撃した。

 結果、ロシアのGDP成長率は、2015年がマイナス2.83%、16年はマイナス0.23%。17年は原油価格が1バレル60ドル台まで上がったことから1.8%の成長が見込まれているが、ロシアの成長率が2000〜08年、年平均7%だったことを思えば、今は「停滞の時代」といえるだろう。

 ロシアがこの苦境から脱出するためには、「米国に対ロ制裁を解除させること」が最重要課題になる。米国が解除すれば、日欧も後に続くだろう。それで、ロシアには「親ロの米国大統領」が必要なのだ。

 16年11月、「ロシア愛」を公言するトランプが大統領選でヒラリーに勝利した時、ロシア国民は歓喜した。当時、ロシアでのトランプ支持率は100%近かったはずだ。

 そしてトランプの人事も、ロシア国民を喜ばせた。フリン大統領補佐官は親ロシア。そしてティラーソン国務長官は、エクソンモービルの前CEO。ロシア政府から「友好勲章」を与えられた親ロ派で、「プーチンの親友」と呼ばれている。

 しかし、喜びは長く続かなかった。そう、米国で「ロシアゲート」事件が大騒ぎになったのだ。結果、フリンは2月、辞任に追いこまれた。彼は現在、罪を認めて司法取引に応じる意向を示している。今後どんな爆弾発言が飛び出すかが注目される。

 親ロ派のもう1人の大物、ティラーソンはトランプとの対立がしばしば報じられ、「解任の噂」が絶えない。トランプ自身は、現在も「親ロシア」「親プーチン」の姿勢を崩していない。しかし、米民主党、共和党内の反ロ派、マスコミの力が強く、ロシアに接近・譲歩できない状態が続いている。

 結果、中国と違いロシアは、米トランプ政権と良好な関係を築くことができなかった。むしろ米ロ関係は、ますます悪化している。これがプーチンの、今年の大きな敗北だろう。

ロシアは中東で
米国を凌ぐ存在感に


 では、プーチンの「1勝」とはなにか?それは「シリア戦争で勝利したこと」だ。

 13年、シリアで内戦が始まった。ロシアはイランと組み、アサド大統領を支援。一方、米国、欧州、サウジアラビア、トルコなどは「反アサド派」を助けた(ISは、もともと反アサド派にいたが、その後独立勢力になった)。

 誰もが「アサドは最低でも辞任、最悪の場合は殺される」と思った。しかし、意外にも彼は激戦を耐え抜き、サバイバルすることに成功した。そして17年12月11日、プーチンはシリアで「作戦終了」を宣言する。

<プーチン氏 シリアの露軍訪問、撤退命令 作戦終了を宣言

毎日新聞 12/11(月) 21:49配信
【モスクワ杉尾直哉】ロシアのプーチン大統領は11日、ロシア軍が駐留するシリア西部のヘメイミーム空軍基地を予告なしに訪問した。軍部隊を前にした演説で、シリア空爆作戦の終了を宣言し、軍の撤退を命令した。ロシアが2015年9月末に開始したシリア空爆は「終了」という大きな節目を迎えた。
 AP通信によると、プーチン氏のシリア訪問は初めて。露国営テレビによると、プーチン氏は露政府専用機でヘメイミーム空軍基地に到着。タラップの下で待つアサド大統領に抱擁で迎えられた。>

 結果、中東におけるロシアの存在感は、米国を凌駕するようになった。親ロ勢力イラン、シリアだけでなく、従来の親米勢力トルコ、サウジアラビア、エジプトも、ロシアに急接近している。

「アメリカファースト」で
世界から孤立したトランプ


 最後にトランプはどうだろうか?彼は、安倍総理と仲が良く、北朝鮮問題にも真剣に取り組んでいる。日本にとって、悪くない大統領だろう。

 しかし、世界的な評判は、最悪に近い。なぜなら、トランプが「破壊者」に見えるからだ。

 トランプは1月、「TPPからの離脱」を決めた。6月には「パリ協定」からの離脱を宣言している。パリ協定は、言うまでもなく「気候変動を抑制するための国際協定」だ。196か国が参加するこの協定からの離脱は、世界中で非難された。さらに10月には「ユネスコ脱退」を表明している。

 そしてトランプは12月6日、「エルサレムをイスラエルの首都と認める」と宣言した。この発言を支持したのは、世界でイスラエルただ1国。米国と同盟関係にある欧州諸国も、一体化して反対している。

<エルサレム首都認定 米国除く安保理14カ国が非難や懸念
毎日新聞 12/9(土)11:18配信
【ニューヨーク 國枝すみれ】英国のライクロフト国連大使は「エルサレムは最終的にイスラエルとパレスチナの二つの国家の首都であるべきだ」と述べ、米国の決定に「同意しない」と明言した。
 フランスのデラトル国連大使も、エルサレムを国際管理下に置き2国家共存を目指すという国際社会の合意を守ることの重要性を強調し、「国際法や安保理の正当性が危機にひんしている」と非難した。
 会合終了後、英、仏、スウェーデン、イタリアの安保理メンバーにドイツを加えた欧州5カ国の国連大使は記者会見し、「米国の決定に同意しない。安保理決議に沿わず、地域の平和に寄与しない」と訴える共同声明を読み上げた。>

 そして、米国にとって最大の問題は、トランプが世界16億人のイスラム教徒を敵に回してしまったことだろう。

 米国はトランプの言動のせいで、世界から孤立している。そして、彼によって覇権を失いつつある。米国は戦後、常に「国際秩序」の「創造者」かつ「維持者」であった。「自国に都合のいいルール」を作ることで、支配力を維持してきたのだ。

 ところがトランプは現在、「国際秩序の破壊者」になっている。米国は、秩序から離脱することで、秩序への影響力を喪失しているのだ。これは、「アメリカファースト」というトランプの哲学がもたらす必然的な結果だ(筆者は2016年4月、「トランプ大統領誕生なら米国は覇権国家から転落する」という記事を書いた)。

 彼が大統領である限り、今後も米国のパワーは低下していくだろう。

2018年、注目すべきは
中東と北朝鮮


 来年は、どんな年になるのだろうか?カギを握る「2つの地域」に注目することが必要だろう。

 1つは中東だ。トランプの「宣言」を受け、パレスチナのイスラム原理組織ハマスは、反イスラエル闘争開始を呼びかけた。この闘争に周辺のイスラム諸国が参加すれば、大戦争に発展する可能性が出てくる。

 もう1つは、言うまでもなく北朝鮮だ。戦争は起こるのだろうか?ティラーソンは、中国と戦中、戦後について話し合っていることを明かしている。

<米中 朝鮮半島有事で協議 核確保手段など詳細に
毎日新聞 12/13(水) 21:29配信
【ワシントン会川晴之】ティラーソン米国務長官は12日、ワシントン市内で講演し、朝鮮半島有事に備え中国と詳細な危機対応策を詰めていることを明らかにした。米軍が休戦ラインの38度線を越え北朝鮮に侵攻した場合、いずれ韓国側に撤退すると中国側に確約したほか、核拡散防止のため、北朝鮮が数十発保有すると見られる核兵器の確保手段についても「中国と既に話し合った」という。>

 北朝鮮との対話で問題が解決すれば一番望ましいのは言うまでもないが、それが難しい以上、米中が一体化して北朝鮮問題を解決することは、世界にとって良いことだ。

 そうでなく、中国とロシアが一体化して北朝鮮防衛に動けば、日米韓vs中ロ北の戦争になってしまう。このシナリオは「そんなバカな!」と思えるものだが、プーチンは、欧米を相手にひるむことなくアサドを守った。だから、そういう可能性も完全には否定できない。

 来年も引き続き、激動の年となるだろう。戦争が起こる可能性も、大いにある。日本は、米中ロに関する情報収集と分析を怠らず、慎重かつ柔軟に行動していく必要がある。


 

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コメント
 
1. 2017年12月25日 19:00:04 : t09dumgomc : _QSLFc9uuag[325]
核戦争 起こればみんな 共倒れ

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