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日米首脳会談、長い握手が示した日米の力関係 上向いた日本経済に忍び寄るトランプリスク 公務員に求められる変化を楽しむ気質
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/646.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 2 月 14 日 01:40:01: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

日米首脳会談、長い握手が示した日米の“力関係”

ニュースを斬る

異様だった「19秒の握手」でトランプ大統領が誇示したもの
2017年2月14日(火)
日野 江都子

異例とも言える19秒間のトランプ大統領と安倍首相の握手(写真:ロイター/アフロ)
 「滑稽」「ぎこちない」と形容されながらも、トランプ大統領が日本の首相と19秒も握手をしたことが話題になった。

 一部の報道ではこの握手を、日米間の固い信頼の証しとも解説しているようだが、イメージコンサルタントである私の立場から見ると、この握手には強い違和感を覚えた。

 握手では、トランプ大統領が終始、力任せに安倍首相の手をグイグイと引っ張り、安倍首相はトランプ大統領に引っ張られる通りにならないよう、何とか踏ん張っていた。安倍首相の様子は、まるで腕相撲の強い相手に弄ばれているかのようだった。

 2人の座る位置関係も影響しているが、安倍首相は握手をする手を遠くから差し出す姿勢を取らねばならず、しかも報道陣に向けて体を正面にしようとしており、どうしても腕に力が入りづらくなったのだろう。

 それを知ってか知らずか、脇をしめ、肘の角度を90度に固定したまま、腕に力を込めるトランプ大統領。わずか19秒の握手でさえ、トランプ大統領は安倍首相の不意を突き、そして自分の“やり方”を貫いていた。

 この19秒間の握手の最中に、トランプ大統領は2度ほど、握手している手とは別の手を握手の上に添え、ポンポンと軽く叩いていた。

 通常、握手の最終にもう片方の手を添えるのは強い親愛の情を示す。しかしトランプ大統領のこの仕草は、まるで自分よりも小さく、弱い存在を可愛がるような印象で、安倍首相への強い親愛というよりも、安倍首相との力関係を報道陣に見せつけたいという狙いが透けて見えた。

握手直後、「参った」表情を撮られた安倍首相

 握手は、米国では非常に重要視されるコミュニケーション手段で、政財界のあらゆるシーンで欠かすことはできない。

 基本は、相手に向かってまっすぐと腕を伸ばし、相手の手をがっしりと強く握り、目と目を合わせて、笑顔で挨拶をしながら、握った手を上下に数回振る。あまり細かく振るのは落ち着きがなく見え、振らなすぎるのもやる気がなく見える。

 だが今回の安倍首相のように手首を曲げてしまうと、それだけで“パワーレス”の印象を与えてしまう。首脳会談など、政治的なメッセージを発するシーンでは本来ならば、特に注意をしなくてはならなかったのだ。

 握手後、トランプ氏は親指を立て、ご満悦の様子でポーズをとっていた。対する安倍首相はといえば、強い握手から解放された直後の「参った」という表情を、うかつにも報道陣の前でさらしてしまい、その表情はテレビやネットを介して世界中に広がった。

 今回の握手は、終始トランプ大統領が力関係の違いを見せつけたという点で、極めて異様で、日本人にとっては非常に残念なものだった。

 唯一、評価できるとすれば、潔癖性で知られるトランプ大統領が、19秒に及ぶ長い握手をしたことの意味だ。少なくともトランプ大統領は、安倍首相のことを「嫌いではない」、むしろ「身近な存在」と感じており、「可愛がっておこうか」と思っているように”見える”ということだ。


このコラムについて

ニュースを斬る
日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/021300568/?

 

 

上向いた日本経済に忍び寄る「トランプリスク」
上野泰也のエコノミック・ソナー
米国の動き次第で、日本の輸出・生産に下振れ懸念
2017年2月14日(火)
上野 泰也
鉱工業生産、12月0.5%上昇 10〜12月2.0%上昇
 経済産業省から1月31日に発表された昨年12月の鉱工業生産速報で、生産指数(2010年=100)は100.4(前月比+0.5%)になった(2か月連続の増加)。2016年8月以降、前月比マイナスになった月は1つもない<■図1>。そして、10-12月期の鉱工業生産は前期比+2.0%になった(3四半期連続の増加)。経済産業省は基調判断を「持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
■図1:鉱工業生産 生産指数・在庫率指数(季節調整済)

注:生産の直近2か月は製造工業生産予測指数(前月比)を用いた試算値
(出所)経済産業省資料より筆者作成
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/021000081/photo01.jpg

 また、出荷指数は前月比▲0.3%(4か月ぶりの減少)、在庫指数は同+0.2%(4か月ぶりの増加)で、在庫率指数は108.8に上昇した(同+0.9%)。出荷と在庫のバランスは12月には若干悪化したものの、気にする必要があるほどの動きではない。むしろ、在庫率指数が11月にかけて急速に低下しており、在庫と出荷のバランスは大幅に好転した状態となっている。
輸送機械や電子部品・デバイスなどが好調
 主な品目について向こう2か月の生産計画・予測を示している製造工業生産予測指数は、2017年1月が前月比+3.0%、2月が同+0.8%で、いずれも上向きである。これらを用いて鉱工業生産の1・2月平均を試算すると、2016年10-12月期の水準から4.2%も切り上がる計算になる。
 ただし、予測指数は実現率がマイナスになりやすい(生産の実績は計画・予測段階の数字を下回るのが常となっている)。そうしたことも勘案して経済産業省が作成した1月の鉱工業生産の先行き試算値(季調済)は前月比▲0.5〜+1.5%で、最も可能性の高い最頻値は同+0.5%となっている。
 製造工業生産予測指数が示すほどの強さではないが、主力業種(電子部品・デバイス工業および輸送機械工業)が好調を維持する中で、鉱工業生産は当面、緩やかな増加を続けると見込まれる<■図2>。
■図2:鉱工業生産  生産指数(季節調整済)  輸送機械工業、電子部品・デバイス工業

注:生産の直近2か月は製造工業生産予測指数(前月比)を用いた試算値
(出所)経済産業省資料より筆者作成
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/021000081/photo02.jpg

輸出の強い動きが、鉱工業生産の増加につながった
 この間、実質輸出(日銀が試算している数量ベースの輸出)がかなり強い動きとなっている。そうした中で出荷と在庫バランスが改善方向に大きく動き、在庫の水準が下がった。そこで、在庫補てんのため鉱工業生産が増加し、いわば実質輸出の動きにキャッチアップしてきている構図だとも言える<■図3>。
■図3:実質輸出指数と鉱工業生産指数

注:生産の直近2か月は製造工業生産予測指数(前月比)を用いた試算値
(出所)経済産業省・日銀資料より筆者作成
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/021000081/photo03.jpg

 加えて、国内需要の面では、新車販売台数(登録車)がニューモデル効果を原動力に足元で好調である。また、不振が続いてきた軽自動車でも販売が上向きに転じる兆しがある。自動車は生産面で、鉄鋼業など素材業種への波及効果が大きい。
輸出や生産の直近の強い動きの持続性には疑問符
 もっとも、輸出に関しては、@自動車を中心に生産拠点の海外シフトが相当進んでしまっていること、A電子部品のうち足元好調な中国メーカー向けを含むスマホ関連需要には製品サイクルの関係などから遅かれ早かれ一巡感が出てくるとみられること、B米国のトランプ政権が日本の対米貿易黒字を問題視していることなどから、輸出や生産で見られている直近の強い動きの持続性に、筆者は懐疑的である。
 なお、日銀は2月1日に公表した展望レポートの背景説明(BOX1)財別輸出の動向の中で、上記Aの関連で、「情報関連について、企業からの聞き取り調査などによれば、最近は、スマートフォンの新製品向けだけでなく、中国スマートフォンのメモリ大容量化や、クラウド化に伴うサーバー需要の拡大、車載向け製品の増加など、電子部品需要の裾野に拡がりがみられてきている」と記述した。これは確かに明るい動きである。だが、足元の生産予測指数の伸びがあまりに急激であることも考え合わせると、それらの輸出にはやはり、一巡感が早晩出てくるのではないか。
「トランプ発」の自動車貿易摩擦や円高のリスク
 また、言うまでもないことだが、「トランプラリー」の反動で為替が円高ドル安方向に大きく揺り戻して輸出に悪影響を及ぼすことを警戒する必要もある。
 1月30〜31日に開催された日銀金融政策決定会合は、金融政策の現状維持を決定した。すでに述べたように電子部品などの輸出・生産が足元で好調に推移している上に、昨年11月からの「トランプラリー」で円安・株高が進んだことが追い風になっており、日銀の景気見通しは強気に傾いている。黒田総裁は昨年12月26日に、「日本経済は、これまでは、いわばグローバル経済の『逆風』の中で奮闘してきましたが、世界経済が新たなフェーズに入る中で、これからは『追い風』を受けてさらに前進していくことが可能な状況になってきていると思います」と述べた。
 しかしその後、米トランプ政権の保護主義的な施策が世界経済に混乱を巻き起こすことが警戒されるようになっており、自動車を巡る日米貿易摩擦の再燃リスクも意識されている。
 これまでの「追い風」と、今後起こり得る強い「向かい風」の両方を考えると、日銀としては今後の景気・物価見通しで、過度に強気に傾斜するわけにもいかない。1月31日に公表された日銀の「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)では、実質GDP(国内総生産)の見通しが2016・2017・2018年度いずれについても上方修正される一方、消費者物価指数(除く生鮮食品)の2017・2018年度の見通しは上方修正されず、据え置かれた。そして、物価の前年比が2%程度に達する時期については、「見通し期間の終盤(2018年度頃)になる可能性が高い」という、昨年10・11月の前回展望レポートの表現が維持された。さらに、中心的な見通しのリスクバランスは今回も、「下振れリスクの方が大きい」とされた。

ドナルド・トランプ米大統領の発言や行動に、日本経済が振り回され続ける可能性がある。(写真:ロイター/アフロ)
日銀の緩和策を「円安誘導」と批判してくるリスクも
 政府関係者は「金融政策にまで口出ししてくると面倒なことになる」と述べ、米国が日銀の緩和策を「円安誘導」と批判してくるリスクを否定しきれないと漏らしていた(1月28日 日経)。数日後、1月31日のトランプ大統領発言で、それが早くも現実になった。
 また、同じ1月31日の英紙フィナンシャルタイムズには、対中強硬派として知られており新設の国家通商会議(NTC)のトップに就任したピーター・ナバロ氏が、「暗黙のドイツ通貨・マルク安が貿易交渉の障害になっている」として、為替市場でユーロが安くなっていることを強く批判した発言が掲載された。
 これらの発言は、トランプ政権の保護主義的な姿勢がいかに強固なものであるかを、市場に強く印象付けた。「米国第一」の下での米製造業「復活」のためには、自国通貨ドルが他国の通貨に対して強いことは、明らかにネガティブである。
「強いドル政策」を財務長官は示唆するが、上昇余地は限られる
 トランプ大統領から財務長官に指名されたスティーブン・ムニューチン氏は1月19日に上院で開催された指名承認公聴会の席上、「強いドルは長期的に重要だ」「ドルは最も魅力的な通貨で、海外から米国に投資を呼び込んでいる」と発言した。これは、クリントン政権のロバート・ルービン氏以降、米国の歴代財務長官が継承してきた「強いドル政策(strong dollar policy)」を、トランプ政権も採用する考えを示唆したものだろう。@基軸通貨としてのドルの信認を保つこと、Aそのことによって経常赤字国である米国への投資マネーの安定的流入を確保する狙いが背景にある。
 だが、話はそこで終わるわけではない。ドル高が行き過ぎれば、輸出減少・輸入増加を通じて、トランプ大統領が忌み嫌っている米国の貿易赤字が拡大する。
 1980年代前半のレーガン政権は、大型減税・高金利政策・ドル高に由来する「双子の赤字」で行き詰まり、1985年9月には国際協調でドルを押し下げる「プラザ合意」が成立した。「レーガノミクス」の失敗を、「トランポノミクス」が繰り返さないためには、ドル高が行き過ぎないようマネージする必要がある。トランプ大統領の頭の中にあるとみられる世界観は1980年代のそれではないかという印象を、彼の言動から抱いているのは、筆者だけではあるまい。
在庫補てん一巡後の鉱工業生産については、楽観視できない
 したがって、「強いドル」政策という「看板」はこれまでの政権と同じように掲げながらも、トランプ政権はドル相場がここから大きく上昇するようなことは極力回避しようとする可能性が高い。つまり、ドル相場の上昇余地は限られるということであり、「トランプラリー」の下で昨年11〜12月に急進行したドル大幅上昇の反動がこの先も続きやすいという見方である(市場には、ある1つの方向に限界を見出した場合、その反対側を試しにいく性質がある)。
 以上のように考えを巡らせると、在庫の補てんなどが一巡した後の鉱工業生産の足取りは過度に楽観視すべきでない。米国の動き次第ではむしろ日本の輸出・生産に下振れリスクが急浮上しかねないと、筆者はみている。


このコラムについて
上野泰也のエコノミック・ソナー
景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/021000081/


 


 

公務員に求められる、変化を楽しむ気質

地方にはタカラの山が眠っている

内閣府の派遣者が見た「リアルな地方創生」(後編)
2017年2月14日(火)
日経トップリーダー
地方創生の目玉施策の一つが「地方創生人材支援制度」だ。中央省庁、民間企業、大学から、多

様な能力と個性を持つ69人が結集。彼ら派遣者(日本版シティマネージャー)たちは、夢と希望と

、いくばくかの不安を抱きながら、人口5万人以下の小さなまちに、それぞれが着任した。派遣者

7人が1年間の活動を座談会という形で振り返った。前編では、住民が、自分のまちの未来や強み

に「気づく」ことの重要性が指摘された。後編では「変化」に焦点が当たる(前回の記事はこち

らをご覧ください)。
【座談会メンバー】
伊藤耕平/山形県寒河江市・さがえ未来創成課長(派遣元は経済産業省)
小濱哲/山梨県丹波山村・前顧問(派遣元は横浜商科大学=当時、現在の所属は一般財団法人 公

共経営研究機構)
西野由希子/茨城県常陸大宮市・創生特別顧問(派遣元は茨城大学)
早川卓也/千葉県いすみ市・参事(派遣元は総務省)
深谷信介/茨城県桜川市・参与(派遣元は博報堂)
藤井延之/秋田県湯沢市・副市長(派遣元は総務省)
横山喜一郎/徳島県三好市・政策監(派遣元は野村総合研究所)
(司会は北方雅人・日経トップリーダー編集長)

PDCAを回したり、KPIを設定したりすることを国が地方の自治体に求めているのも、仕事の進め方

を変えようとしているからです。そうした改革が進めば、地方創生も加速するのでしょうか。


横山喜一郎・三好市政策監(徳島県)
横山:民間企業なら当たり前の基本動作が、これまでの自治体にはなかった。中長期のゴールを

設定せず、毎年、同じことを繰り返ししているから、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)もない

。民間だったらありえないでしょう。ゴールがないから、会議の進め方も遅い。事前にアジェン

ダ(議題)を示して、会議ではホワイトボードを使って建設的に議論して、という仕事のやり方

が身につけば、いろいろな物事がスムーズに動き出すと思います。
 私たち派遣者は1年か2年しかいません。その短期間で、まちを変えることは無理です。だから

こそ地方創生の戦略そのものも大事ですが、戦略のベースとなる仕事の進め方を変えることは、

同じくらい大きな意味があるのではないでしょうか。

身の丈に合った戦略を考えてPDCAを回すだけ


西野由希子・常陸大宮市創生特別顧問(茨城県)
西野:総合戦略を短期間でつくるのは大変な作業でしたが、数値目標を設定するという新しい発

想が、一斉に各地の自治体に導入されました。数値目標を定めたことで、現実に、職員の意識も

仕事の仕方も変わってきています。「別の課の事業と一緒にすると、より効果が出るのでは」な

どど、考えを広げるきっかけになっています。


深谷信介・桜川市参与(茨城県)
深谷:自分たちの身の丈に合った戦略を考えて、それをしっかりPDCAサイクルで回していけば十

分なんです。加えて、住民がもっと参画できるような状況をつくると、地方創生のスピードが速

まるように思います。ただ、東京の時間軸で物事を考えてはいけないと思います。それぞれの地

方には、それぞれの文化や価値観、住民同士のつながりなどがあります。また、平成の大合併に

は功罪がありますが、罪のほうの部分が強く出ている市町村もあります。そうしたところは、性

急に議論を進めるのは難しい。

これまでの役所組織はモノカルチャー

これからの公務員にはどのような人材が求められるのでしょう。


藤井延之・湯沢市副市長(秋田県)
藤井:公務員が地方でできることはまだまだたくさんあります。地域経済の中で、市役所の扱う

予算規模は大きいし、まちのルールをつくることもできる。公務員のバリューは大きいと思うの

ですが、いったん役所に入ってしまうと、どうしても役所の都合で物事を考えてしまいがちなの

が残念です。役所内のものさしではなく、自分が担当している仕事が役所の外ではどのような意

味を持つのか、市場価値で考えるようにしたほうがいい。

横山:以前は安定志向の学生が公務員になりましたが、最近は「まちを良くしたい」という純粋

な思いに駆られて、公務員の道に進む学生が増えているような気がします。私は、まちづくりほ

どクリエーティブな仕事はないと思っています。まちづくりには、複雑な要素がたくさん絡み合

う難しさはありますが、その分、それらをどのようにつなぎ、組み立てるかという道筋は様々な

ので、実に面白い。
 ただ、これまでの役所組織はモノカルチャーで柔軟性に欠けていました。これからの公務員に

は、他の役所や民間企業の情報をどんどん取り入れていくような働き方が必要でしょう。


伊藤耕平・寒河江市さがえ未来創成課長(山形県)
伊藤:1つのまちを取ってみても、多様なエリアがあり、多様な人たちが住んでいます。日本全国

で見ればそれこそ千差万別です。そうした多様なまちに必要なのは、多様な人材です。こういう

人材でなければいけない、というのはないでしょう。そうして公務員一人ひとりが多様性を追求

していれば、地方ではもっと面白いことが起きていくはずです。
 寒河江市では職員を1年間、東京の大手広告代理店に研修に出しています。若い職員は、民間企

業や国など、どんどん外に出たほうがいい。そうしたW他流試合Wを通じて、いろいろな考え方

や働き方を学べば、そこで身についた多様性が地方創生の過程で必ず生きてきます。

西野:同じ世代で横につながることも必要ではないでしょうか。自分が働いている役所だけで問

題を抱え込むのではなく、他の役所の職員と情報交換しながら、より良い問題解決の方法を探る

。今後はそんな動き方が求められると思いますし、私自身、多くの学生を役所に送り出している

大学教師として、そうした連携の場を自治体の皆さんと一緒に、つくっていきたいと考えていま

す。

地方も切磋琢磨しなければ……

深谷:連携という考え方には大賛成です。私は、地方公務員を総合職と専門職に分けるのも、選

択肢の1つだと考えています。例えば観光事業を極めたい人は、他の自治体の観光担当者と密に情

報交換し、切磋琢磨もしながらベストな施策を打つ。他の自治体に一時出向し、観光のノウハウ

を共有しても面白いでしょう。一方の総合職はマネジメント力を極めるのです。都道府県単位、

あるいは国で、そうした公務員の育成システムを構築してほしいですね。


早川卓也・いすみ市参事(千葉県)
早川:いすみ市では、2015年に周辺の市、町と一緒にフィルムコミッションを立ち上げました。

これは映画やテレビドラマ、コマーシャルなどの撮影を誘致し、まちを活性化していくための組

織です。こうしたことが実現できるかどうかは、リーダーシップを取る人がいるかいないか。自

分の市のことだけを考えるような人だとできない。公務員の中から、広い視野、高い視点を持っ

てリーダーシップを発揮できる人がたくさん現れるといいですね。


小濱哲・丹波山村前顧問(山梨県)
小濱:その意味では、この派遣者制度は大きな意義があると思っているんです。これまで中央官

庁が日本を良くしようといろいろな施策を打ってきたけれど、なかなか地方は動きませんでした

。唯一動いたのが、田中角栄の日本列島改造論くらい。
 けれど、今回の地方創生に対する国の危機感は相当強い。何としても地方に動いてもらわなけ

ればと考え、この派遣者制度をつくって霞が関の魂を伝えさせた。特に、民間企業の人が国のお

墨付きを得て、地方のまちづくりのために散らばるという試みは、これまでありませんでした。

産官共同の新しい形ですよ。地方自治体のあり方は、今まさに刻々と変化しています。そうした

変化を楽しむことができる人が、これからの公務員に求められる資質ではないでしょうか。

(本記事は『未来につなげる地方創生 23の小さな自治体の戦略づくりから学ぶ』を再編集しまし

た)


日経BP社では『未来につなげる地方創生 23の小さな自治体の戦略づくりから学ぶ』を発行しまし

た。本書は内閣府地方創生人材支援制度の第一期派遣者たちによる、地方創生のリアルな現場の

克明な記録です。派遣者たちは地方で何を見て、どう感じ、どんなことに取り組んだのか。「地

方創生」の歴史はここから始まります。くわしくはこちらをご覧ください。

このコラムについて

地方にはタカラの山が眠っている
地方創生の動きが本格化する中で、東京などの大都市から地方に進出するベンチャー企業が増え

ている。住民や行政とネットワークを築きながら、ITなどの技術を駆使して社会の困りごとを解

決し、新しいビジネスを生み出していく。小さな事業の種を都市とパイプをつなげることにより

、大きく伸ばしていくことができるのも魅力だ。地方創生の担い手として注目が集まるベンチャ

ー企業やその経営者の奮闘にスポットライトを当てる。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/112600053/021000007



まちづくりほどクリエーティブな仕事はない

地方にはタカラの山が眠っている

内閣府の派遣者が見た「リアルな地方創生」(前編)
2017年1月31日(火)
日経トップリーダー .
地方創生の目玉施策の一つが「地方創生人材支援制度」だ。中央省庁、民間企業、大学から、多様な能力と個性を持つ69人が結集。彼ら派遣者(日本版シティマネージャー)たちは、夢と希望と、いくばくかの不安を抱きながら、人口5万人以下の小さなまちに、それぞれが着任した。派遣者7人が1年間の活動を座談会で振り返った。
【座談会メンバー】
伊藤耕平/山形県寒河江市・さがえ未来創成課長(派遣元は経済産業省)
小濱哲/山梨県丹波山村・前顧問(派遣元は横浜商科大学=当時、現在の所属は一般財団法人 公共経営研究機構)
西野由希子/茨城県常陸大宮市・創生特別顧問(派遣元は茨城大学)
早川卓也/千葉県いすみ市・参事(派遣元は総務省)
深谷信介/茨城県桜川市・参与(派遣元は博報堂)
藤井延之/秋田県湯沢市・副市長(派遣元は総務省)
横山喜一郎/徳島県三好市・政策監(派遣元は野村総合研究所)
(司会は北方雅人 日経トップリーダー編集長)


横山喜一郎・三好市政策監(徳島県)
派遣者として地方創生に深く関わった皆さんの目に、地方の活力はどのように映りましたか。

横山:地方にも元気な企業はたくさんあり、一概に活力が低下しているとは言えません。ただ、人口は確実に減っているので、何とかしなければという焦燥感のようなものが地方にはあると思います。焦燥感はあるけれど、具体的に何をどうすればいいのかがまだ見えないので、将来に対して明るい希望が持てない。そんな状態ではないでしょうか。


早川卓也・いすみ市参事(千葉県)
早川:私が派遣された千葉県いすみ市は県内では平均所得が低いほうですが、住民の生活は豊かです。風光明媚で、山海の幸がたくさん採れ、イセエビの漁獲量は日本で1、2を争う多さ。地方は疲弊しているという人がいますが、そんな地方はどこにあるんだろうと考えてしまうくらい、元気な人が多い。人口減に対する危機感を口にする人もいますが、ごく一部です。

 ただ地元の人たちは、自分のまちがどれほど魅力的かということにあまり気づいていません。東京には特急電車で1時間余りと近いのに、アピールも不十分。物事を大きく変えるのは「よそ者、わか者、ばか者」と言われます。よそ者である私のような人間が、新しい視点をまちに持ち込まないといけないと感じました。

派遣者の役割は新しい視点を持ち込むこと

深谷:都会の目線で見ると、地方は人口が減って、商店街も人通りがまばらで大変だ、となるのでしょうが、住んでいる人たちに悲壮感はありません。少なくとも、私が派遣された茨城県桜川市はそうでした。緑豊かで、今日、明日の生活には困らない。東京など大都市のまちのほうがよほど疲弊していると思います。

 ただ、まちの人口減少に何も手を打たないと10年後はどうなるかという話をすると、「それは問題ですね」と気づく。目線を少し遠くに向けてもらい、新しいまちづくりの必要性に気づいてもらうという作業が、私たち派遣者の大きな役目なのでしょう。

住民の人たちが「気づく」というのが、地方創生の第一歩なのかもしれませんね。まちの未来の姿に気づく。自分たちの強みに気づく。どちらも大切なことです。


深谷信介・桜川市参与(茨城県)
深谷:まちには、高齢者もいれば若者もいます。年金生活をしている人もいれば、バリバリ働いている会社員もいます。いろいろな人がいる中で、どうすれば気づいてもらえるかということを考えながら、とにかくいろいろな人に会ってきました。まちによって違うのでしょうが、私の体験では、長年家業を営んでいる人は、比較的すっと共感してくれました。やはり、代々継いでいくことの大切さと難しさが、体で分かっているのでしょう。


西野由希子・常陸大宮市創生特別顧問(茨城県)
西野:自分のまちの強みがはっきりしたら、元気が出るし、それが目に見える形になり、まちにとって何よりの価値を持つものだと分かると自信になります。その魅力は経済的に豊かであることだけではなく、伝統文化や歴史、食など文化的なものも含まれます。

 茨城県常陸大宮市でもそうでしたが、総合戦略をつくる過程で、どこの市町村も、自分のまちの強みは何か、真剣に議論したと思います。そうして自分たちの強みに気づき、言語化することの意味はとても大きかったと思います。

高齢者に合ったスピードで変えていく

派遣先で、「都会から来た人にうるさく言われたくない」と反発されるようなことはありませんでしたか。

伊藤:私は、山形県寒河江市のサポートをしていますが、最初のうちは住民の方とお酒を飲んでいると、たぶん、そういう目で見られているんだろうなと感じた瞬間は何度かありました。

 そこで私は、別の自治体を例として示し、何もしなければこの規模まで人口が減るんですよ、と分かりやすくイメージできる資料を持って、最初に年配の人たちを重点的に回りました。その土地に長年住んできた年配者に、まちづくりの考え方を変えてもらうのは大変だからです。彼らに「よし、やってみるか」と思ってもらえれば、それから若者を巻き込んでも遅くはありません。

 地方創生において最も避けなければならないのは、世代間闘争になることです。人口減少対策のために若者にお金を使うと、多かれ少なかれ、高齢者支援が割を食うわけです。それでも人口減少対策は必要だと高齢者に納得してもらわないと、地域において世代間で分裂してしまうので、その点には気を使いました。

 

小濱哲・丹波山村前顧問(山梨県)
小濱:人口規模が大きいまちのほうが、仕組みで動かすことができる分、地方創生に向かって走り出すことは比較的簡単かもしれません。私が関わった山梨県丹波山村は、人口600人。小さなまちになればなるほど一般に高齢者の比率が高い。保守的な考えの人が多いので、意識を変えるには時間がかかります。

 だから私は、「高齢者でもできるまちづくり」というコンセプトを掲げ、高齢者に合ったスピードで、まちを変えていくことにしたんです。矢継ぎ早に施策を打つことは控え、とにかくゆっくり、ゆっくりと。「お子さんやお孫さんが戻ってきてくれる、新しいまちをつくりましょうね」と言いながら、その実現に向けて、手と手をつないで引っ張っていくイメージです。

藤井:各地の市や村はこれまで国から「あれをやりなさい、これをやりなさい」と指示され、その通りにするという仕事のやり方を続けてきました。だから、自分で考えることに慣れていません。まだ地方創生の取り組みは始まったばかりで、どのまちも成果はこれからですが、自らの力で考えようと模索しているまちには、既に変化が起きています。例えば、外部の意見を進んで聞いたり、民間と協力したり、若者の力を生かしたりして頑張っているまちは、空気からして違う。

 私が携わっている秋田県湯沢市では、いろいろな審議会に若い市民をどんどん登用して、新しい風を吹き込んできました。そうすると年配の市民も、こういう考え方もあるんだなと気づくんです。

 今の人口構成では、どうしても高齢者中心に物事が決まってしまいます。けれど、未来のことを考えるのですから、若者の声を取り入れるのは不可欠でしょう。湯沢市では、まちづくりに若者の声を十分反映させるために、例えば各種審議会の委員構成のルールだったり、市民アンケート実施に際しての配慮だったりなど様々な仕掛けをビルトインするための条例を検討しています。これまで声が出せなかった人に出してもらい、意思決定方法を変えることで、地方創生に向けた動きが本当の意味で自走し続けることができるのではないでしょうか。

意思決定の改革、という指摘は興味深いですね。民間企業では終身雇用・年功序列のカルチャーが崩れつつありますが、自治体ではまだ根強く残っているのかもしれません。

藤井:組織も縦割りで、ノウハウが組織で共有されてなかったり、同じような業務を複数の課でしていたり。もっと具体的にいえば、「ここの省庁の窓口は○○課」と明確に窓口を分けているので、補助金の情報などがその課で止まって、他の課に伝わらないということもあります。ですから、組織の情報の流れをちょっと変えるだけでも、パフォーマンスが大きく変わる。

やめるべき事業はやめるが、住民の生活は守る

 役所で新しいことを始めようとするとき、「予算がない」という言い方で二の足を踏んでしまうことも多いと思いますが、省庁が持っている補助金を賢く使ったり、官民連携でゼロ予算でしたりという工夫はいくらでもできる。そうした動きを促すには、やはり組織の風通しが良くないと難しいと思います。


藤井延之・湯沢市副市長(秋田県)
伊藤:寒河江市を含む一般的な自治体は、各年代の職員数が均等でなく、偏っています。特に若い働き手であり、組織イノベーションのキープレーヤーである30代は、全国の自治体が採用を絞った時期に入庁したために層が薄くなっています。そして人数が少ないなどいろいろな理由で、その世代を境目に上の世代と下の世代の間で役所内の情報が円滑に伝わらないという構造になっているとの印象を受けました。

 そこで私は、層の薄さを埋めるために採用された30代の社会人経験者を核として、ベテランなどの上の世代と若い世代の間で、情報が偏らないように工夫しました。そうすると、若い職員が「こういうことをやりませんか」と面白い提案をしてくれるなど、目に見えた変化がありました。


伊藤耕平・寒河江市さがえ未来創成課長(山形県)
早川:私は市長に進言して、アイデアを持ち、行動的でやる気のある職員に、活躍できるポストを与えていただきました。やる気のある職員が実務の権限を持たなければ何も動かないですから。

横山:改革ということで言えば、ゴールの設定の仕方もそうです。役所ではプロジェクトの評価をする時、予算執行率で判断することがあります。1000万円の予算を990万円使ったら、それでよしとする。本来なら、そのプロジェクトを始めた目的の達成がゴールであり、それをどの程度実現できたかで評価しなければならない。役所の職員は、少ない人数で多くの仕事をこなさなくてはいけないので大変だけれど、もっと中長期のゴールを設定したほうがいい。

小濱:首長の多くは自分の宣言したことがちゃんとできているか、自己チェックしていると思うんです。ただ、課長クラスでもそれができているかというと、ちょっと疑問ですが。

藤井:事業の改廃もなかなか難しいですよね。成果が上がっていないならやめればいいのに、そう進めようとするとかなり抵抗を受けます。でも、やめるべき事業はやめないと、新しいことができないのは自明の理です。言われたことは続けるという意識を捨て、自分の頭で検証、決断をしていかなければならない。

小濱:何かをやめることのエネルギーは、何かを始めることの100倍はエネルギーが必要。民間企業でもいったん走らせた事業をやめることは大変ですが、役所のそれは民間の比ではありません。

早川:そこに切り込めるのが、私たち外部の人間なんでしょう。事業を切ってしまえば、「勝手なことをして」と役所内で悪者扱いされるかもしれませんが、こういうやり方があるのだと知っておくことは、必ず組織のためになります。

伊藤:地方創生は地域の成長戦略の推進という側面もあるため、「選択と集中」という話になりがちです。するとどうしても、日が当たる産業と日が当たらない産業が出てきますが、スパッと支援をやめるようなことを行政はしません。円滑に「選択と集中」を進めるためにも、ある支援事業をやめることはあっても、他の手立てでケアをするなどして対応します。そのためにも行政と住民が近づいて、より良い手はないかと、もっと議論していかないといけません。

(後編に続く、本記事は『未来につなげる地方創生 23の小さな自治体の戦略づくりから学ぶ』を再編集しました)


日経BP社では『未来につなげる地方創生 23の小さな自治体の戦略づくりから学ぶ』を発行しました。本書は内閣府地方創生人材支援制度の第一期派遣者たちによる、地方創生のリアルな現場の克明な記録です。派遣者たちは地方で何を見て、どう感じ、どんなことに取り組んだのか。「地方創生」の歴史はここから始まります。くわしくはこちらをご覧ください。

このコラムについて

地方にはタカラの山が眠っている
地方創生の動きが本格化する中で、東京などの大都市から地方に進出するベンチャー企業が増えている。住民や行政とネットワークを築きながら、ITなどの技術を駆使して社会の困りごとを解決し、新しいビジネスを生み出していく。小さな事業の種を都市とパイプをつなげることにより、大きく伸ばしていくことができるのも魅力だ。地方創生の担い手として注目が集まるベンチャー企業やその経営者の奮闘にスポットライトを当てる。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/112600053/012600006/?ST=editor

 

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コメント
 
1. 2017年2月14日 20:34:58 : Ea4RtiJkvc : BWWJcOv6LC8[96]
「信頼」と 聞けば虫酸が 走る今

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