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在韓邦人は守れるか? 北朝鮮の反撃でソウルは火の海 ギリギリだった駐韓大使「帰任」 森友問題で財務省が態度を変えた理由
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/131.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 4 月 13 日 10:45:35: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 


在韓邦人は守れるか?
北朝鮮の反撃でソウルは火の海


シリア攻撃と似ているようで決定的に違う北朝鮮攻撃

2017.4.13(木) 北村 淳

「戦争の準備できている」 北朝鮮、米空母派遣を非難

韓国ソウルの鉄道駅で、北朝鮮によるミサイル発射に関するテレビニュースを眺める人々(2017年4月5日撮影、資料写真)。(c)AFP/JUNG Yeon-Je〔AFPBB News〕
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トランプ政権がシリア軍事施設へのトマホーク巡航ミサイルによる攻撃を実施した。日本のメディアの間では、「次は北朝鮮核兵器関連施設への空爆か?」あるいは「いよいよ斬首作戦(米国軍と韓国軍による金正恩排除作戦の名称)実施か?」といった憶測が飛び交っている。

シリア情勢と北朝鮮情勢の類似点

たしかに「シリアのアサド政権と米国」「北朝鮮の金正恩政権と米国」という2つの対決軸には構造的に類似した点も少なくない。

シリアも北朝鮮も、米国が忌み嫌う「大量破壊兵器(核兵器、生物化学兵器)拡散」の直接当事者である。そして米国に言わせると、シリアも北朝鮮も、アサド政権と金正恩政権という独裁者政権であり国民を抑圧している。

米国ではかつてオバマ政権が「化学兵器の使用はレッドラインを越えることを意味する」と強い警告を発していた。同様に「北朝鮮によるICBM(米国本土に届く核弾頭搭載大陸間弾道ミサイル)の完成はレッドラインを越える」という警告も発している。

また、アサド政権の背後にはロシアの存在があり、北朝鮮の背後には(表面的には金正恩政権非難を強めているが)中国が存在する。ロシアはウクライナを侵攻し、東ヨーロッパ諸国に対する軍事的脅威を強めつつある。同様に中国も南沙諸島に軍事拠点を建設し、南シナ海そして東シナ海沿岸諸国に対する軍事的脅威を高めつつある。

だからといって、「シリア+ロシア」ならびに「北朝鮮+中国」をひとくくりにして米国に対する敵勢力とみなすこともできない。米国には、ロシアとも中国とも協調しなければならないというジレンマが存在している。

現在戦闘中の対IS戦争では、アサド政権もロシアも、ISと戦っている。とりわけロシアの攻撃力はISを崩壊させるために極めて重要である。したがって、トランプ政権としても、プーチン政権によるアサド支援やウクライナ情勢などにはある程度目をつぶっても、ロシアとの協調を望んでいた。

また、中国に対しても、中国が国連決議に従い対北朝鮮経済制裁を実施すると言いつつも、北朝鮮と中国の間を石炭運搬船や貨物船が行き来している状況を米国が把握していないわけではない。北朝鮮軍情報機関が満州内のとある施設で人民解放軍情報機関と同居し活動していることも米軍情報機関は承知している。つまり、中国と北朝鮮がある意味で“仲間”になっていることは暗黙の事実だ。にもかかわらず、金正恩政権の暴走を少しでも制御するには中国共産党の力が必要なことも、トランプ政権としては認めざるを得ない。したがって、北朝鮮を押さえるには、中国による南シナ海や東シナ海での覇権主義的な動きにはあえて触れずに、中国に協力を求めるしかないことになる。

米国はこのようなジレンマを抱えつつ、「レッドラインを越えた」アサド政権に対して直接的軍事攻撃を仕掛けた。この攻撃を北朝鮮および背後の中国に対する脅しと考えることは可能である。

北朝鮮軍事攻撃に立ちはだかるハードル

しかしながら、シリアと北朝鮮では数々の相違点がある。

まず、シリアも北朝鮮もそれぞれ大量破壊兵器を保有しているが、北朝鮮の場合は米国本土に届くICBM(大陸間弾道ミサイル)を手にする秒読み段階にまで達している。

また、シリアには米国本土や米国の前進拠点に対する反撃能力はないが、北朝鮮には韓国や日本の米軍諸施設はもとよりグアムの米軍基地にすら反撃を実施する弾道ミサイル戦力が存在する。したがって、北朝鮮が米国にとっての「レッドライン」を超えた場合、米国すらも直接被害を被りかねない。シリアをミサイル攻撃する場合は米軍の損害を考える必要はないが、北朝鮮の場合は韓国や日本に展開する米軍も損害を被ることを織り込まねばならないのだ。

それだけではない。シリアの軍事攻撃目標は、今回のミサイル攻撃の状況を映し出したロシアのドローンの映像でも明らかなように、地上にむき出しの航空施設や建造物がほとんどである。それに対して、北朝鮮の軍事攻撃目標の多くは地下施設や山腹の洞窟施設である。

それらの地下式施設を、今回のシリア攻撃で用いたトマホーク巡航ミサイルで破壊することは不可能に近い。そうした強固な軍事施設を破壊するには、どうしても大型貫通爆弾(GBU-57 MOP)が必要である。これは巡航ミサイルには装着できず、B-2ステルス爆撃機(一機に2発搭載可能)で攻撃する必要が生ずる。

B2ステルス爆撃機に装着されたGBU-57大型貫通爆弾
http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/c/b/400/img_cb1c303e43ea155b83e3cab641aa9632133349.jpg

さらには、シリア軍の軍事施設や化学兵器関連(と米国がみなす)施設の所在はおおかた判明しているのに反して、北朝鮮の大量破壊兵器や弾道ミサイルに関連した地下施設の大半は位置すら判明していない状態だ。いくらステルス爆撃機で接近可能であっても、また、大量の巡航ミサイルを精確に撃ち込むことが可能であっても、攻撃目標の正確な位置が判明していなければ攻撃できない。

韓国への反撃は確実、おそらく日本にも

そして何よりも決定的な問題点(米国にとっての)は、北朝鮮に対する軍事攻撃は“確実に”韓国(とりわけソウルとその周辺)に対する激烈な報復攻撃と、“おそらくは”日本に対する報復攻撃も引き起こしてしまうことである。

すでに本コラム(2017年3月30日「米国で北朝鮮攻撃が議論の的に、日本は備えを急げ」)で指摘したように、米国による北朝鮮軍事攻撃の直後に、ソウルとその周辺に対しては無数の砲弾とロケット弾が雨あられと降り注ぐことになる。その事態をどのように考えるのかが、米国軍関係者の間では議論の焦点になっている。

いずれにせよ、トランプ政権が北朝鮮への軍事攻撃を決断するには、広島・長崎に原爆を投下した際と類似した理論を持ち出さざるを得ない。

つまり、「韓国や日本における一般市民の犠牲は、米国本土がICBM攻撃された場合に生ずる損害を防ぐためにはやむを得ない犠牲と考えざるを得ない。また、北朝鮮が核兵器を手にした場合、韓国や日本自身でもさらに多くの人々が犠牲になりかねない。そのような悲惨な事態を抑止するための軍事攻撃であり、そのための犠牲は甘受せざるを得ない」──といった正当化理論である。

米国第一主義を掲げるトランプ大統領にとっても極めてハードルが高い決断にならざるを得ないだろう。

極度に困難な立場の日本政府

今回の米国によるシリア攻撃に対して、日本政府は「化学兵器拡散を抑止するための正しい決断であった」とトランプ大統領の決断を高く評価し、支持を表明した。

しかし、米国による北朝鮮攻撃に対して日本政府はこれまで通りに「イエスマン」であり続けるわけにはいかない。

「大量兵器拡散を抑止するための北朝鮮軍事攻撃」がトランプ政権のテーブルの上にあがっている現在、日本政府は「報復攻撃の結果生ずる在韓邦人の犠牲や、日本への弾道ミサイル着弾による惨状」を避けつつ北朝鮮の暴発を抑止しなければならないという、極度に困難な立場に立たされているのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49703


ギリギリだった駐韓大使「帰任」のタイミング北朝鮮への対応と日韓合意の行方
2017.4.13(木) 新潮社フォーサイト

新潮社の会員制国際情報サイト「新潮社フォーサイト」から選りすぐりの記事をお届けします。
日本政府、駐韓大使らの一時帰国発表 釜山の少女像設置を受け
慰安婦を象徴する少女像(右端)が設置された韓国・釜山の日本領事館前で、警備に当たる警官ら(2017年1月2日撮影)。(c)AFP/YONHAP〔AFPBB News〕
(文:フォーサイト編集部)

韓国・釜山市の日本総領事館前に慰安婦像が設置されたことへの対抗措置として、今年1月から一時帰国していた長嶺安政駐韓大使が4月4日夜、帰任した。

岸田文雄外相は3日、帰任の理由について「5月9日の大統領選挙を控え、次期政権誕生に備えた情報収集」と「北朝鮮問題に対処するうえでの日韓の緊密な情報交換と連携の必要性」を挙げ、菅義偉官房長官は「諸般の事情を総合的に検討した結果であり、邦人保護に万全を期すとの観点も踏まえたもの」と説明している。

一時帰国から3カ月、そもそもなぜここまで長引いたのか。そしてなぜこのタイミングだったのか。朝鮮半島政治が専門の小此木政夫・慶應義塾大学名誉教授に聞いた。

「今しかなかった」

大使を帰任させた当初は、ここまで長期化させるつもりではなかったのではないか。1〜2週間の「一時帰国」で韓国側が折れ、釜山の少女像は撤去されるだろうと、政府は読んでいたはずだ。

ところが韓国政府は、朴槿恵(パク・クネ)大統領のスキャンダルで、当事者能力を失っていた。そこに「一時帰国」という対抗措置をとることに意味があったのか。結局3カ月も引っ張ったうえ、少女像もそのまま。質のいい外交とはいえない措置だった。

その意味で帰任は当然の措置なのだが、ギリギリ最後のタイミングだった。外相や官房長官は大統領選挙と北朝鮮問題を理由に挙げているが、これはもっともな話で、まさに今しかなかった。

北朝鮮の瀬戸際政策への対応

1993年1月、アメリカではビル・クリントン氏が大統領に就任し、2月には韓国で金泳三(キム・ヨンサム)政権が発足、そして3月には米韓合同軍事演習が行われた。そんな中、北朝鮮はNPT(核拡散防止条約)から脱退し、「核開発」を武器に、アメリカを相手に瀬戸際政策を展開した。結局翌年10月に米朝枠組み合意が成立。これは北朝鮮にとって大きな成功体験になった。

実は現在は、この第1次核危機と非常によく似た状況になっている。1月にスタートしたトランプ政権の新政策が固まる前に、北朝鮮は「核ミサイル」をちらつかせて米朝交渉を迫る、という瀬戸際政策を始めているのだ。アメリカは対北朝鮮政策が整っていない段階で、何らかの決断をせざるをえないところに追い込まれており、軍事的なオプションの可能性さえ取り沙汰される状況になっている。

そういったときに駐韓大使が韓国に不在だというのは、日本にとってはきわめて不利だ。その意味で、帰任はギリギリのタイミングだった。

新政権に日韓合意の履行を迫る

駐韓大使には、さらに大きな任務がある。それは慰安婦問題を巡る日韓合意の履行を迫ることだ。

先にも述べたように、大統領が不在の現政権には当事者能力はない。もちろん黄教安(ファン・ギョアン)大統領代行に対して引き続き履行を促すことも重要だが、より大事なのは、5月9日の選挙の結果誕生する新政権に「日韓合意を守る」と言わせることである。

今のところ、大統領選の有力候補者たちは全て、日韓合意の破棄や再交渉を主張している。つまり日韓合意をあまりにも軽く考えているのだ。そうした候補者や側近に対して、日本側の真意を今のうちから伝える必要がある。

それは新政権が発足してからでもいいではないか、と考えるむきがあるかもしれないが、それでは遅い。当選直後の大統領は、任期の中でもっとも強く国民に訴えることのできる時期である。必要なのは、大統領が「日韓合意は守らなければならない、それを反故にすることは国際合意や国際儀礼に反すること」と国民を説得することなのだ。そのためには、選挙戦中から候補者にアプローチする必要があり、それができるのは大使だけなのである。

その意味でも、大使の帰任はこの時期でなければならなかったのだ。

◎新潮社フォーサイトの関連記事
・「原発」と「食品」で安倍政権の揺さぶりを狙う中国の「計略」
・法律・条約による核兵器の制御
・「国家安全保障戦略」から日本の防衛を考える
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49691


 


【第133回】 2017年4月13日 山田厚史 :デモクラシータイムス同人・元朝日新聞編集委員
森友問題で財務省が「交渉記録データ復元」に態度を変えた理由


 森友学園への国有地払い下げで、財務省は交渉経過を書き留めた書類を「破棄した」としてきたが「電子データなら復元できる可能性あり」と態度を変えた。

 防衛省の「南スーダン日報問題」と似た展開になった。防衛省は日報を「破棄した」と言い張り、ウソがバレそうになると「電子データならある」と認めた。財務省も同じコースを歩むのか。

 書類が存在していることは、3月2日の『世界かわら版、財務省の「交渉記録は残っていない」は本当か』に書いた通りである。私文書として保存するのは官僚の常識。それを「ない」と言い張るのは無理がある。資料がないなら、当事者に聞いて報告すればいい。調べる意思はなく、第三者による調査もしない。そんな当たり前のことさえ拒む。国民への背信を続ける役所が「増税」を叫んでも、誰も相手にしないだろう。

パソコンで作り電子で残す時代に
「残っていない」は無理がある

 いまどき行政文書を手書きする役人はいないだろう。会議の報告書や面談の応答記録はキーボードを叩いて作る。手元にはプリントされた文書が残っても役所の記録は電子データだ。

 財務省の佐川宣寿理財局長は「短期間で自動的に消去され復元できないようなシステムになっている」と国会で答弁していた。

 これもウソだったようだ。10日付朝日新聞によると、財務省が2013年に導入した現在のシステムには「自動的にデータを消去する仕組みはなく」、データの消去は手作業だと職員は言う。消してもシステム上に残る。佐川局長が頑なに「消去された。復元できない」と言い張ったのは「文書を見せろ」と言われると困るからだろう。だが、そこに無理があった。

「ないことにしよう」という方針が揺らいだのは、大阪地検特捜部の動きと絡む。

 豊中市議らが「国有地を格安で払い下げ、国に不当な損害を与えた」として近畿財務局を背任罪で告発した。地検特捜部は4月5日この告発状を受理した。

 起訴か不起訴か、特捜部は判断することになる。交渉経過をまとめた書類は、重要な手掛かりになる。「破棄しました」「ありません」は通用しない。自発的に出さなければ家宅捜索される恐れが出た。財務省は「電子データならある」と態度を変えた。

 かつて「大蔵省」だった頃、接待汚職で地検特捜部の家宅捜索を受けた。メモや手帳など私文書をごっそり持っていかれた苦い体験。あの二の舞はゴメンということだろう。「出せる資料は出す」という方針に変えざるを得なくなった。

「都合のいい資料は出す」に転換
姑息とはまさにこのこと

 反省して態度を改めたのか。残念ながら、そうではなさそうだ。朝日新聞によると「復元できるかを調べるためには、相当の費用と時間がかかる」と同省情報管理室は説明している。消去された文書は、2週間経つと新たなデータが上書きされる。つまり「残っていないデータもある」と匂わせている。

 ポイントはここだ。「出せるデータ」と「出せないデータ」を分ける、ということだ。「情報公開は都合が悪いからしない」という方針から「財務省にとって都合のいい資料は出す」という態度に変わった、ということだろう。

 これも捜査が関係している。財務省は「背任ではない」と主張したい。そのためには、不正はなかった、とする証拠が必要だ。刑事事件もそうだが、証拠は権力側が握っている。その中で犯罪を立件するのに都合のいい証拠を選び、起訴状が描くストーリーに沿って並べる。

 財務省は手元にある情報から、自分が主張したいストーリーに合わせ「データが復元できた」と資料を出す、というハラだろう。

 森友学園の小学校用地にはゴミがたくさん詰まっていた。撤去するには巨額の費用が掛かる。想定される費用を値引きしたら9億円の土地が1億円になりました。そんなストーリーに合わせた資料を出そうというのである。

 姑息、とはこういうことではないか。財務官僚は競争社会を勝ち抜いてきた人たちだ。優秀な頭脳をこんなことに使うため難しい試験を突破してきたのだろうか。

 森友学園の籠池理事長は、近畿財務局の対応に「想定外の大幅な値下げ」と驚いて見せた。世間は知っている。特段の便宜を図りながら、ルール違反にならない「知恵」を官僚は持っていることを。

 人々が知りたいのは、なぜそんな「知恵」を働かせて、特定の団体や人物に得させたのか、である。特段の措置を与えるために無理はなかったか。誰が指示すればそんなことができるのか、ということだ。

 疑われるのは財務省に責任がある。払い下げ価格の開示を求める情報公開請求を、近畿財務局は拒否した。後ろ暗いことがある、と誰しも思う。

防衛省の日報問題と同じ構図
データ廃棄なら証拠隠滅だ

 防衛省の「日報隠匿」も、都合の悪い情報は国民に知らせない、という身勝手が底流にあった。こちらも情報公開を拒んだことが発端だった。

 南スーダンでは昨年7月、駐屯地近くで起きた大規模な武力衝突が起きた。状況を時系列で報告したのが日報だ。公表すると部隊が戦闘地域にいることになり、PKOの継続が危うくなる。

 ジャーナリストの開示請求に対し、防衛庁は「日報は事務連絡の書類。保存義務はない。廃棄した」と開示を拒んだ。

 PKOを継続できるかに関わる重要情報でありながら、都合が悪いから隠す、という安易な対応に、自民党内からも疑問の声が上がり、調査すると電子データが統合幕僚監部に残っていた。陸上自衛隊の複数のコンピューターにもデータはあり、不開示後に消去された疑いも浮上した。

 紙の時代とは違い、電子データは転々流通しやすく、機密情報でもない日報を防衛庁は隠しきれなくなった。

 財務省でも同様なことが起きてはいないか。近畿財務局の担当者が作成した面会記録や会議資料は担当者の端末だけでなく、財務省のデータベースで管理されているはずだ。アクセス権は誰にあるのか。籠池理事長は本省で理財局の室長に面会している。当然、室長はアクセスできるのだろう。情報データは多くの関係者が保管している可能性がある。

 調べればすぐ分かることだ。関係書類は「保管期限1年、国有地売却が決まった時点で廃棄した」と佐川局長は言うが、子どもだましの言い訳である。

 森友学園への売却は分割払いで、支払いは完了していない。カネがない学校法人である。鴻池事務所が口利きし、首相夫人付きから照会があった「政治案件」。トラブルが起きかねない案件であることは役人なら分かる。経過や対応を記したデータを廃棄するなどありえないことだ。やっていたら証拠隠滅だ。

情報公開法に反する文書管理の省令
不都合な細部はすべて「私文書」に

 財務省の情報管理に詳しいOBによると、「公開制度ができたとき、文書管理を洗い直した」という。内部の書類をすべて出すと面倒が起こりかねない。開示するのは、国会などに出す公式文書などで、交渉経過や面談記録など細部を記録したものは、担当者が保管する「私文書」として情報公開の枠から外した、という。

 佐川理財局長が主張する「文書管理は財務省令に従い」というのはこれである。財務省が勝手に決めたことで、「政策決定過程を後で検証できるようする」という情報公開法の趣旨に、明らかに反した情報管理がなされている。

 TPP(環太平洋経済連携協定)を思い出してみよう。交渉内容は「非公開」だった。何がどう話し合われているか表に出てこない。交渉担当者は「守秘義務」が課され、しゃべってはいけない。と言いながら交渉についてはレクや懇談があり、外務省や経産省の役人が記者クラブで説明する。世論対策として都合のいい部分だけ公開した。

 交渉が妥結して、分厚い協定書や付属文書が公開された。ところが交渉経過や個別会談の内容は非公開のままだ。

「真実は細部に宿る」という言葉がある。どこの誰が、いつ、どんな話し合いをしたか。その「細部」が全体の性格を映し出す。だからTPPは交渉記録を非開示にする。どこの国が、どんな要求をして、どう決着したか。そこにTPPの本質が滲むからだ。

 財務省が交渉記録を出さないのは、それと同じである。誰の圧力で、どう動いたかが分かるからだ。

 森友事件は、情報公開制度の実態を考え直すいい機会だ。鉄面皮な理財局長が「省令に従い」というが、その省令がとんでもないものであることがよく分かった。

情報公開なくして増税なし
情報公開なくして民主主義なし

 財務省だけの問題ではない。元経産官僚の古賀茂明さんも「交渉記録など大事な文書はないことになっているが、あります。担当者がちゃんと保管している。局長が、誰か持っていないか、というと『あります』と出すようになっている」と役所の内情を語っている。

 財務省も経産省も、多分その他の官庁も、同様な「抜け穴」を作っているのだろう。それが公然化したのがTPPだった。

 役人は、税金で情報を集めながら、情報は自分のものだと思っている。

 情報は権力だ。民主主義は政府に集まる情報を透明にすることなしに実現しない。

 南スーダンの日報問題も、森友学園の国有地格安売却も、発端を切り開いたのは情報公開請求、という点は意味深い。

 権力者は公開の間口を限りなく狭くする。情報公開法ができても、省令でブロックする。世間が知りたい情報は出さず、「私人である首相夫人付きの役人」への回答書という意味不明な文書などが突然出てきたりする。

「情報の非対称性」とは、こういうことだろう。権力側は情報を全て抱え込み、都合のいい「証拠」だけを小出しにする。市民の側は、請求しても「のり弁」。真っ黒に消された文書か「非開示決定」である。

 日報問題も森友事件も、安倍政権の性格を色濃くあらわす事件だった。そして情報公開がいかにおろそかにされ、権力者の都合で運用されていることを学ぶ機会となった。

 情報公開なくして民主主義なし。財務省は肝に銘ずべきだろう。情報公開なくして増税なし。政府への信頼がなければ財政再建など夢物語である。

(デモクラシータイムス同人・元朝日新聞編集委員 山田厚史)
http://diamond.jp/articles/-/124650  

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コメント
 
1. 2017年4月13日 11:53:20 : 0CejVRban6 : urcdmA9xc1s[2912]
法律的には北朝鮮の言い分に理がありますなぁ。
自衛権ですから。

2. 2017年4月13日 13:26:31 : g9Sh5YnDmc : A6YoXtWhhCw[20]
大東亜戦争のときの日本と同様の面はある。

日本はABCD包囲網で、石油、鉄鉱石 その他をSTOPされて

座して死をまたず、自衛権の行使として米英との戦争に突入した。


しかし、北朝鮮は自ら 米国に核をぶち込んでやると、挑発している、

この点は当時の日本とは異なる。


3. 2017年4月13日 13:31:56 : naS7xirrfU : C2hj2OxgcbI[2]
韓国の大使を戻さざるを得なくなって、必死で考えた言い訳がコレ。あのアホ山繁晴が必死で解説していた。

もちろん何の根拠もない。


4. 2017年4月13日 14:48:17 : M6wWJlsBiE : Nz6pH0dZ4lA[48]
一時帰国の次の一手は(公式な)大使召還。
そのためには反日大統領誕生前に帰任させておく必要があった。
北朝鮮事件は渡りに船。

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