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「ブラック企業度」は非公開、若者雇用促進法の看板倒れ 75歳で「年寄り扱い」は正しいか、雇用と年金から考える
http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/382.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 4 月 19 日 12:49:51: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

2017年4月19日 週刊ダイヤモンド編集部
「ブラック企業度」は非公開、若者雇用促進法の看板倒れ

 2018年卒業予定の大学生の就職活動は今が真っ盛り。国が「働き方改革」推進で労働環境の転換を図る中、学生はミスマッチをしたくないと例年以上に「働く条件」にもシビアなチェックを入れている。

 そんな学生に判断材料を提供しようと、国が推すのが若者雇用促進法。16年3月から新卒募集する企業に下図の職場情報12項目の開示を促した。ホームページなどでの公開のほか、学生側から個別に求めがあれば、メールまたは書面で応じる必要がある。
http://dol.ismcdn.jp/mwimgs/d/9/-/img_d941f66b0d0b8a00bc95fd3519392168192309.jpg

 人材業界関係者によると、「昨春の就活シーズンは施行直後で企業のアクションも学生の認知も追い付いておらず、今春が本格運用1年目といえる」。企業の情報公開を促す意味で「総論OK」は誰もが認めるところだが、その実効性に疑問符が付いている。
 同促進法が企業に開示を求めるのは、「募集・採用に関する状況」など3カテゴリーの計12項目。各カテゴリーで「一つ以上」開示するよう義務付けているが、企業は都合の良い情報を任意で選んで公開し、「義務を果たした」と対外的に取り繕うことができる。
 そもそも「開示義務」といえども、履行を担保する罰則がないので「ゼロ回答」もまかり通ってしまう。

主戦場の3項目を隠す

 今年2月のアイデム人と仕事研究所企業調査(901社が回答)によると、「できれば情報提供・公表したくない」項目として、「過去3年間の新卒採用者数・離職者数」「前年度の月平均所定外労働時間の実績」「平均勤続年数」が上位に挙がった。いずれも企業のブラック度の参考になる数字だ。面白いことにこの3項目は、同研究所が3月に調査した「学生が知りたい情報」(685人が回答)の上位にも並んでいる。
 12項目の多くは、企業にとって公開しても痛くもかゆくもないもの。主戦場はこの3項目である。
 人気企業ほど“強気に”消極的な姿勢を見せている。例えば就職先人気ランキングで上位にくる大手銀行、保険会社の情報を大手就職サイトで見ると、ほとんどが前出3項目のうちゼロか、1項目しか公開していない。個別に聞けば答えてくれるのかもしれないが、学生側が自粛することは想像に難くない。
「出したくないからといって伏せると、不信感を抱かせるだけ」と別の人材業界関係者。オープンにした方がミスマッチを防ぎ、結果的によりよい学生が採れるはずだ。
 売り手市場の追い風もあり、「昨春に比べれば情報公開が進んではいる」(業界関係者)。それでも、学生が本当に知りたい項目で今後も企業側に歩み寄りが見られないならば、国は働き方改革で掲げる「納得のいく働き方を実現する」ため、罰則などインセンティブを検討する必要性に迫られよう。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)
http://diamond.jp/articles/-/125137

 

2017年4月19日 山崎 元 :経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員
75歳で「年寄り扱い」は正しいか、雇用と年金から考える


65歳から74歳は
なかなか微妙なお年頃

 日本老年学会と日本老年医学会が、現在「65歳以上」とされる高齢者の定義を「75歳以上」に引き上げるべきだとの提言をまとめた。

 2016年12月1日現在の総務省の人口推計に基づくと、わが国には、65歳以上75歳未満が1766万人、75歳以上90歳未満が1506万人、90歳以上が196万人いるとされている。つまり、定義上の高齢者の数が半減する訳だ。

 先の二つの学会は、それぞれの区分を、「准高齢者」、「高齢者」、「超高齢者」と呼んではどうかと提言している。現在、75歳を境に「前期高齢者」と「後期高齢者」を区別しているから、ある意味では呼び名を変えるだけだとも言える。

「高齢者の比率がどんどん高まっている」と言われて数字を示されると、心理的に圧迫感があってどんよりとした気分になるが、高齢者比率が半減すると、国民の気持ちが少しは軽くなるかもしれない。確かに、昔の65歳よりも、今の65歳の方がずっと元気なので、「65歳から高齢者」という定義をずっと変えないのは、社会を把握する上で不正確な面がある。

 もっとも、65歳〜74歳は、なかなか微妙な年頃であるように思える。

 15年時点で、平均寿命は女性が87.05歳、男性は80.79歳だが、厚生労働科学研究所の推計した健康寿命(13年時点)は女性が73.62歳、男性が70.42歳と、平均寿命までかなりの差がある。女性の健康寿命は男性よりも約3年長いが、それでも75歳には達していない。「助けを借りずとも、不自由なく生活できる」あるいは「働くことができる」といった状態を、多くの人が65歳から74歳の間に失うのだとすると、高齢者の定義を変更することに異議はないが、現時点で「75歳になるまでは、高齢者ではない」とまで言い張るのは少々無理があるように思う。

70歳まで働くとすれば
必要な貯蓄は所得の15〜17%

 現在の「65歳」が、多くの人にとって問題なのは、再雇用の期間などを含めて雇用が65歳までであること、通常のケースでの公的年金の支給開始が65歳からであることの2点によるところが大きい。

 しかし、まだまだ元気であるのに65歳で仕事を引退するのは、本人としても社会的にみても「もったいない」し、現実にその後の生活を考えると、なかなか厳しい条件になる。

 以下に、「22歳で大学を卒業して就職し、それぞれのリタイア年齢まで働き、リタイア後には現役時代の7割の生活費支出で暮らすために、現役時代に可処分所得の何%を貯蓄しなければならないか」を計算してみた表を掲げる。本人は若い会社員であると想定しており、将来の厚生年金を現役時代の所得の30%として計算してみた。

 現状の「標準世帯」での年金の手取り受取額は、現役世代の手取り所得の53%程度(共に手取りで計算した所得代替率。塩崎厚労大臣の国会答弁に基づく)だが、これは、標準世帯のものだし、年金支給額は今後着実に減っていく(ただし、ゼロにはならないはずだ!)ので、慎重にみて30%と想定した。賃金上昇率、資産運用の利益率は、共にインフレ率並みとした。


拡大画像表示
 65歳でリタイアしようとすると、寿命95歳に備えるなら、可処分所得の19%強、100歳に備えるなら21%強を貯めなければならない。これが、70歳まで働くことにすると、それぞれ15.5%、17.65%と軽減されるのだ。

 ちなみに、読者、特に男性読者の多くは「俺は、95歳まで生きないよ」と思っておられるかもしれないが、若い読者は「平均寿命」が徐々に90歳に近づいて行くし、「平均」が現在の80.79歳だとしても、当然、平均よりも長生きする人がいるわけだし、何よりも、「奥様の寿命までの生活費!」を考えると、現在、40代、50代の男性も、自分の95歳程度までの生活費を考えておく必要があるはずだ。

 もちろん、それよりもご自身が早く亡くなったとした場合、資産が残るとご遺族のためにもなる。

75歳まで引き上げずに
間を取って70歳がいいのでは

 思うに、高齢者の定義をいきなり「75歳」まで引き上げずに、現在との間を取り、また健康寿命に近い数字で、「70歳」とするのでいいのではないか。

 そして、定義だけを変えても社会の実態が変わらなければあまり意味がないので、「70歳になるまで働いて、70歳から年金受給を開始する」といったライフプランを標準的なものとするといいと考える。

 公的年金は、マクロ経済スライド方式に従って、どんどん給付を下げていくなら破綻はするまいが、あまりに少額では生活設計上、有効に機能しにくい。そもそも、日本は世界有数の長寿国(これは、大いに誇っていいことだが)なのだから、標準的な年金受給開始年齢をなるべく早いペースで70歳に引き上げてもいいのではないだろうか。

 そして、確定拠出年金、特に個人型は、今すぐにでも加入可能年齢を70歳まで引き上げるべきだろう。

 なお、公的年金の受給開始を70歳になるまで引き延ばすことは現在も可能で、受給開始を1ヵ月遅らせるごとに0.7%ずつ年金支給額が増えるので、年金は最大42%増やすことができる。

 受給開始を遅らせる損得計算としては、81歳10ヵ月よりも長生きすると70歳まで受給開始を遅らせることが「得」になるとされているが、平均寿命は延びる傾向にあるし、また公的年金の「長生きのリスクに対する保険」の機能を有効に使うためにも、受給開始を遅らせる方策を講じる方が、おそらく有利であると同時に「より堅実」だ。

 個人としては、高齢者の定義のいかんにかかわらず、70歳を区切りとした人生設計はすでに可能だし、それは、多くの人にとって望ましいものでもあるだろう。

70歳現役時代にするためには
定年廃止と解雇規制の緩和が必要

 さて、「70歳まで現役で働くのが普通だ」という社会を考えると、世の中の仕組みのいくつかを変える方がいいことに思い当たる。

 まず、企業の「定年」という制度を廃止するべきだろう。定年は、そもそも年齢による「差別」であり、アンフェアな面があるのと同時に、定年以降も元気で有能な労働力を無駄にしているし、定年以前に意欲や能力が衰えた労働力をおそらくは過大な報酬を支払って抱え込んでいるという点で、経済的に非効率的な面のある制度だ。

 もっとも、定年がなくなると、企業は高齢社員の解雇が難しくなる。そもそも雇用契約は、働く人の能力と、雇用する側が提示する条件とを勘案して自由に決まるべきものであり、正社員に関する解雇規制を実質的に緩和することが望ましかろう。つまり、これまでの定年よりも長く雇用される人がいてもいいし、定年のずっと前であっても金銭的な補償の下に解雇される人がいてもいい。

 また、解雇規制の緩和と裏腹の関係にあるが、金銭的な補償条件についても法令に定めておくことが望ましい。

 ところで、定年を廃止し、仕組み上ひとつの企業に長く勤めることができるようになっても、本人が年齢を重ねた後もその会社や仕事に向いているかどうかは不確定だし、会社も継続しているかどうかは不確実だ。

 本人が、転職したり、独立したり、副業を持ったりといったことが、いずれも現在より自由であることが望ましい。人が、より長く元気に、同時に、より自由に働けるようになるのが、最も素晴らしい社会だからだ。

(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)
http://diamond.jp/articles/-/125310  

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コメント
 
1. 2017年4月19日 19:37:44 : a8N8t4UwQk : sCjfCbYARTA[13]
日本は国際労働機関ILOの常任理事国なのですね。

日本も様々な条約に批准しているのですが、労働者保護に関わる重要な条約には批准しておらず(・・・なのに常任理事国。)

日本で議論している国内法は、すでに批准している国際法に違反するものが散見しており、、増えているのは、 内閣法制局が今は亡きものになったから?


2. 2017年4月20日 19:54:41 : C0CDFiDX8E : 0W5ley3lsOA[126]
勤勉を 逆手に取った ブラック化

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