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安倍総理が他人を信頼していないと思える「これだけの理由」 国民は「まっとうな政治」を期待するが…山下 祐介(現代ビジネス
http://www.asyura2.com/17/senkyo235/msg/582.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 11 月 11 日 19:50:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


安倍総理が他人を信頼していないと思える「これだけの理由」 国民は「まっとうな政治」を期待するが…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53430
2017.11.11 山下 祐介 首都大学東京准教授 社会学  現代ビジネス



「拝啓 安倍晋三殿」からはじまった総理への手紙前回は加計学園問題から総理の危うさを考えました。最終回は、安倍総理がいま本当にしなければならないことについて。



国民は自民党に何を期待しているのか

今回の選挙の結果を踏まえて、国民が自民党に期待しているのは何だとお思いですか。

私はそれは、あなたが嫌いな(保守政治家は本当はそうあってはいけないのですが)立憲民主党が掲げた「まっとうな政治」なのだと思います。

ところで国民は、今でも自民党は真っ当に動いていると信じて投票したと思います。少なくとも急ごしらえの希望の党では「まっとうではない」と感じたのでしょう。

それに対し、自民党を信じられない人が、立憲民主党に入れたのだと考えると、この二党に票が集中した理由がよく分かります。両党のシンパの本意は同じです。

だがここまで書いてきたように、もはや自民党の政治はまっとうには動いていませんね。それはご自身がよくおわかりだと思います。

やらなければならないことを外れて、やらなくてもよいことばかりをこの前の国会では議論しました。森友とか、加計とか、その前には自衛隊の日報問題とか。それにあなたはキレて解散を選んだようですが、でもそうなったのは、あなた自身のせいなのです。

政治を真っ当なものにするためには、あなたが誰かにかわるか、身を引くかしかありません。あなたにはもはや非常に悪いものが憑いており、悪い力を次々と引き寄せています。

あなたの周りの方だって、一人ひとりを見れば正義と信念に基づいて仕事をしているのかもしれませんが、全てが悪いものへとかわっていく。

「これをやってはいけない」とまともな声は上がっているのに、それを強引に押し切って、無理な政策が推し進められています。

東京オリンピックも、リニア新幹線も、早急な原発再稼働も、そしてそもそもアベノミクスも、本当に国民にとって必要なものなのでしょうか。だれがその必要を本当のところ信じているのでしょう。



このおかしな力はもうあなたと一体になってしまっているので、悪い部分だけを引きはがすことは出来ません。

それよりも財政再建化、格差の是正、人口減少阻止、そして海外との適切な外交と防衛――こうした適切で着実な政策運営こそが優先されるべきではないですか。

私はあなたが掲げる政策の一つひとつに反対するものではありません。でも国民がこれだけ疲弊していては、あなたが言う「稼ぐ力」や「一億総活躍」どころではありません。

何かおかしな力に押し流されて、政策があまりに一方に偏りすぎてしまい、この国はいま大きくバランスを崩してしまっています。この状態で国民にさらなる負担を強いるのは、もうやめなくてはいけません。

野党分裂の今、まずは自民党を立て直し、おかしな政策は国会以前に党内で自浄されるよう、しっかりとした党内ガバナンスをはかるべきです。これは内閣と省庁との関係においても同じです。

私の見る限り、あなたのこれまで政権の後半は、本来やってはいけない政策や事業を、次々と国民に押しつけてきたように思えます。それは従来の自民党では考えられないような内容です。

各省庁も本当は、もうこの政権とお付き合いするのは嫌でしょう。でもあなたやその取り巻きが怖いので、意見をすることもできないようです。

でもそうするとあなたにすり寄る人々だけが、政策を自由に立案し実現していけるようになっていくということになります。そしてこうした状態こそが、この国がいま抱えている最大の難点なのです。

人を信頼してください――自民党を、国会を、国民を

そして――思い切って申し上げましょう。私は、こうなった理由は、あなたが、本当の意味で人間を信頼していないことからきているように思うのです。

あなたはまず自民党の党首として、自民党の方々をもっと信頼しなくてはなりません。党内の議論をもっと解放したらどうでしょうか。

そして国会議員の一人として、野党を含む議員のみなさんを信頼すべきです。

例えば改憲の発議についても、前編でふれたように、つい数日前まで(10月23日)「国会で合意形成できない場合は、改憲に前向きな勢力だけで行う」とまでおっしゃっていたようですね。

これはいったいどういうことなのですか。



彼らも国民の信任を得て出て来た議員なのですよ。自民党だけが信任されたのではない。

憲法改正は、まずは国会議員全員できちんと議論をつくすのが当たり前のやり方です。その上で国民に問うべきです。

国会には、自民党にも野党にも、衆院にも参院にも、よい政治家がいっぱいいます。必ず良い案はできます。他人を信用してみてはいかがですか。

そもそも人間は多様です。いろんな意見があるのが人間集団の当たり前の姿です。そして多様な意見が重なり合って、はじめて適切な解が導かれるのです。

他者への信頼なしに政治はできません。驚くことに、あなたはこの時、「政治だから皆さますべてに理解をいただけるわけではない」とまでおっしゃったようですが――。

そしてなにより行政の長として、官僚たちを信頼しなくてはなりません。が、何よりもお願いしたいのは、国民をもっと信頼してほしいということです。

「数で勝る自分たちで何でも決めるぞ」というやり方、「それをするのが正義だ」「自分たちは決定することができる選ばれた人間なのだ」――そういう思い上がりがあるのではないでしょうか。

私はこんな手紙を書いて、実は本当に怖い。あなたにいわれなく制裁されるのではないかと。

だが、あなたは国民の王ではない。あなたは公僕にすぎない。もしあなたを王のように扱う者がいたら、その人たちこそ警戒しなくてはなりません。

権力を明け渡しましょう

どうも、あなたには人間に対する信頼が見えない。それが自分に跳ね返っているのではないかと思います。もはやあなたは、政治家として何かをしようとしても、これからはすべて裏目に出るでしょう。

あなたのところに集まってくる政策は、本当にきちんと練られたものでしょうか。それは誰かを犠牲にし、誰かを優遇するものではありませんか。

あなたが実現したかったことはもっと別にあるのかもしれませんが、もうそれは別の人に託すべきです。すでに暴走の域に入っているあなたの政権を、止められるのはあなたしかいません。はやくこの暴走に終止符を打たなくてはなりません。

まずははやく政権を手放すことです。手遅れにならないうちに。

そしてそれは、あなたと同様に――あるいはそれ以上に――この国の未来を憂えている自民党の仲間たち、国会議員の人々、そこに関わる有能な官僚や専門家たちに、この国の行く末を委ねればよいだけなのです。

絶対的な権力にしかできないことがあります。

それは権力の解体です。まずは国会内になぜこれほどの権力集中が生じたのか、この権力集中をほどくために何をすればよいのか、どういうやり方がこの国の権力バランスにとってふさわしいのか、特別調査会を設置し、調査検討しなくてなりません。

その上で小選挙区制を廃止し、中選挙区制に戻し、また内閣府を一度解体し、政治主導を改めましょう。そして特別調査会の結果を待って、総理として最後の解散を宣言しましょう。

もちろんせっかく獲得した政権を、そう簡単にあなたが手放すとは私も思っていません。残念な気持ちはわかります。改元も、オリンピックも、憲法改正も、みんなあなたがその手でできるチャンスをつかんでいるのですから。

でもその先を考えてみてください。

あなたがこの絶対的権力から遠ざかったとき、それまで抑え込まれてきた不満が爆発し、あなたに対する批難が広くわき起こって、あなたへの崇拝は一転して痛烈な徹底的批判にかわるでしょう。

この国をこんなひどい状態にしたのは安倍だと、とんでもない悪政だったと。そして「実はこんなことが」と、あなたが知らないことまで、あなたの不正の暴露としてわき上がってくるに違いありません。

しかもそれが非常に身近な人々から。そうなるのが目に見えるようです。絶対的な権力は、腐敗した後、必ず奈落の底にたたき落とされるものなのです。

でも今なら間に合います。平成天皇がご在位中に政権をお返ししましょう。そうすれば平成の名首相として、あなたの名前はきちんとこの国の歴史に残るはずです。

身内こそ疑わなくてはいけない

最後に、以前、2013年の年頭に私があなたに感じたことについてふれておきます。

この頃、私は福島県のある町の原発事故強制避難者の団体活動を手伝っていました。彼らが自分たちの町の町長・議長の出席を取り付け、住民を集めて行う公開討論会を企画したとき、その会合への出席を各大臣にも要請することになりました。

その際、彼らが安倍総理にもこういう討論会を予定していますということを知っていただきたいというので、私がその手紙を代筆しました。

まずは議員会館のあなたの事務所に、そうした事実関係をお知らせするファックスをお送りしておき、その上で、詳しい内容をお手紙をもってお伝えしに、彼らと一緒に衆議院議員会館をたずねました。

このときの復興大臣は根本匠氏、そして環境大臣は石原伸晃氏でした。お二人の秘書は手紙を受け取られ、根元大臣の秘書の方とは(さすが福島県選出の方ですね)しっかりお話しできました。残念ながら、お二人とも、討論会への出席はかないませんでしたが。

さてあなたです。あなたのところでは、こんな対応をなさいましたね。議員会館の受付をまずおたずねすると、私たちに対し、こう言うよう指示されたと受付の人に言われました。

「私の部屋をたずねてはいけない。手紙など、ものもおいていってはいけない」

議員の各部屋には郵便受けのようなものをおいている人もあるわけですが、「あなたたちは決して来てはいけないし、手紙などを投函してはいけないと、強く伝えるように言われています。絶対に何もおいていかないでください」と、そう言われました。

事前にファックスをしていたのだから、私たちがどういう立場でどういう用件だったのかはご存じですね。

私は受付の女性の(あなたの秘書ではなく、議院会館の受付です)「絶対においていったりしないでください、そういわれていますから」という切迫したものの言い方に、何か強い恐怖を感じました。

汚いものを追い払うような、「ケガレるからあっちへ行け」というような、そういう雰囲気を感じたのです。はっきり言います。あの対応は異様です。

あの時、すでにあなたには「排除」の論理があったのだと、今になって思います。

自分に都合のいい人たちは寄ってきてもいいが、都合の悪い人たちは「あの人たち」呼ばわりして遠ざけ、近よらせない。たかが手紙です。受け取ればよいではないですか。それで国民は納得し、安心するのです。

いや、あなたは人が、国民が怖いのでしょう。「弱虫」というのも、今回の選挙で出て来たあなたへの批判の一つです。

今回の街頭演説は、あなたはどこに現れるか分からないようにして、あなたを批難する人たちが集まることがないよう慎重になさっていたと聞いています。

福島の田んぼの真ん中で行った演説は無様でした。取材された記者たちがあとでせせら笑っていたようです。しかもその後、「復興」は票にならないと分かってか、演説にも取り入れなかったのですね。これも報道されていました。

原発事故を起こされ、誤った復興政策を押しつけられている人々の立場からすると、こういう被災地の利用の仕方はあんまりです。被災地で演説をすれば、批判は出ないと思ったのですか。

自分を批判する人たちがいないところでしか、その傲慢な態度が振る舞えないのだとしたら、それはたしかに弱虫です。また、あなたは何でもすぐに話の論点をすり替えるディベート術を身につけておられますが、すり替えはすり替えにすぎません。

そして国会とは、議論をし、討議をする場ですから、すり替えやヤジ、罵声や嘲笑は本来、あってはならないものです。

あなたの国会での態度は、若い人たちに見せられるものではありません。公正な議論はああした態度では成り立ちません。ましてそれを野党ではなく、絶対的力をもつ与党の党首が絶対にしてはなりません。

国会を軽視し、国民を国民を遠ざける国会議員が、実は最大与党の党首なのだという、この現実を、私にはどうにも受け入れることができません。

あなたの演説は確かにすばらしい。でもそれは見かけだけです。あなたが時折見せる振る舞いには、人格者からはほど遠いものがあります。

私は日本という「美しい国」の国民として、今のこの国の政治状況を本当に恥ずかしいと思う。それはあなたに原因があります。あなたには私たちを引っ張るリーダーとして、それにふさわしい人であってほしいのです。

私はあなたにとって非国民なのではないか

長くなりました。

そして社会学の立場からと申し上げましたが、こういうことは本当は、小学校や中学校で先生が生徒に教えるたぐいのものでしたね。またあなたのまわりのまじめな方まで悪く言いすぎたかもしれません。

でもあなたには、なんだかこんなふうなことを申し上げねば、自分の周りの浄化ができないところまで追い詰められているのではないかと本当に心配なのです。少なくともあなたの言葉をそのまま受け取る限りにおいては。

あなたの権力は絶大です。その使い方を失敗すれば、この国は大変なことに見舞われます。あなたの決断が、数百万人の、場合によっては数千万人の命さえ奪いかねないという責任をしっかり自覚してください。

まずは異論に向き合うこと、いったんあなたのまわりの人々を取り除き、正しいことを言っているのは誰なのかを見極めることです。

だがそれはもはや至難の業かもしれません。今できることは、早くこの政権を、まったく別の勢力に委譲することです。権力への執心が最大の悪なのです。これは歴史の法則でもあります。

あなたにはやりたいことがあったのでしょう。でももうタイミングを逸しました。それを示したのが、今回の選挙の引き金となった加計問題です。

あなたが抱える権力の危うさを内部告発で身を賭して教えてくれようとした正しい官吏たちがいました。そこがもしかすると、あなたが政権を本当の意味で正しく続けていける最後のチャンスだったのかもしれません。

でも、そのチャンスを逃し、むしろそこで危うくなった権力を保持するために、伝家の宝刀とあなたが信じている、やってはいけない解散権の濫用を行ったのでした。

私は怖い。

あなたがもはや、私たち国民のためにではなく、何か別のもののために内閣総理大臣という仕事をしているのではないかと思わざるをえないことが。

私はあなたが政権を預かる日本国の国民です。あなたには私を守る責務があります。

ですが、もしかすると、こんなふうに異議を唱える私は、あなたにとって国民ではないのでしょうか。

それは、私が原発避難者に味方した時点で、すでにそうだったのでしょうか。ましてこんな公開の手紙を書く私は「非国民」になるのでしょうか。

だとすると、私が今回投じた一票は、いったいどんな意味をもつのでしょうか。

                                      敬具











































 

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コメント
 
1. 2017年11月12日 08:51:46 : heT3O0f59U : HmXmryPruY8[2]
なぜか、この手紙を読んで涙が出てきました。
どんな思いでこの手紙を書かれたのか・・・それを思うと・・・
       

2. 2017年11月12日 19:03:14 : K5k2YPoJjw : 1WY87R4JP9w[37]
カネで釣り 利用するのが オトモダチ

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