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北極を着々と軍事拠点化し始めたロシア 米軍対策だけでなく、中国の進出も警戒
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投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 4 月 28 日 18:51:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

           米航空宇宙局の衛星が撮影した北極域の海氷〔AFPBB News〕


北極を着々と軍事拠点化し始めたロシア 米軍対策だけでなく、中国の進出も警戒
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49852
2017.4.28 小泉 悠 JBpress


 ロシアでは毎年5月9日に第2次世界大戦の対独戦勝利記念日が祝われる。

 その目玉と言えるのが各地で行われる軍事パレードで、最も大規模なのはもちろん首都モスクワで行われる赤の広場でのパレードだ。

 このパレードでは時折新兵器が披露されることもあり、2年前の対独戦勝70周年記念日には新型戦車「T-14」をはじめ、数々の新型装甲戦闘車両が一挙に登場して注目を集めた。

■北極圏用防空システムが初お目見え

 一方、今年のパレードには北極圏用防空システムが初めて登場する見込みだ。

 これは陸軍などで運用されている「トール」や「パーンツィリ」などの防空システムを雪上車に搭載したもので、モスクワ北方の演習場で行われているパレード訓練の場で初めて目撃された。

 さらに、これらの防空システムを搭載する「DT-30」雪上車も、そもそもは北極圏で活動するロシア軍のために開発された専用装備である。また、ロシア軍で標準的に運用されている「Mi-8」ヘリコプターについても、北極の極低温下でも運用可能な改良型が開発されており、すでに引き渡しが始まっている。

 4月には北極圏でも活動可能な耐氷性能を有する多目的艦「イワン・パパーニン」型の1番艦が起工された。同艦は2019年にもロシア海軍に引き渡される予定であり、2番艦も近く起工されると見られている。

 このように北極圏用装備が続々と開発されている背景には、北極圏におけるロシアの軍事プレゼンスの高まりがある。

 例えば今年4月に入ってから、ロシア国防省は北極圏のフランツ・ヨーゼフ島に建設した軍事基地の映像を公開した。

 「アルクティーチェスキー・トゥリリーストニク(北極のクローバー)」と名づけられたこの基地は、北極圏の防衛を担当する北方艦隊の防空部隊用基地として建設されたものであり、その名の通りに3つのドームがクローバーのように放射状に配置されているのが特長だ。

 建物は鮮やかなロシア国旗カラーに塗られ、零下80度という環境でも150人のロシア軍人の活動を支えることができるとされる。

 北方艦隊はこれ以前にも北極圏のコテリヌィ島に基地を設置していたが、問題の「クローバー」は北緯80度47分38秒という高緯度にあり、固定式の建造物としては世界最北であるという。

■ソ連時代に放棄した飛行場も再建

 北極圏における軍事プレゼンスの拡大はこれにとどまらない。

 ロシア軍は2014年に北極での作戦を専門とする北極部隊を創設するとともに、海軍の北方艦隊に統合戦略コマンド(OSK)の地位を与え、北極圏内の陸・空軍部隊を北方艦隊司令部の指揮で統合運用する体制を整備した。

 さらに今後は北極圏に沿岸防衛師団、防空師団などを配備するほか、ソ連時代に建設されたのちに放棄された飛行場ネットワークの再建にも着手している。

 問題は、ロシアがこれほど熱心に北極圏の軍事化を進める理由であろう。

 北極は核ミサイルを搭載した弾道ミサイル原潜のパトロール海域であり、米ソが互いを狙う弾道ミサイルや爆撃機の飛行ルートにも当たっていた。

 それだけに冷戦中から北極は戦略的重要海域ではあったが、当時の北極は厚い氷に覆われていた。それゆえに水上艦艇はまず進出することができず、「戦場」は海中と空中に限られていたと言える。

 これに対し、地球温暖化の影響で北極の氷が減少傾向にある近年では、状況が変化しつつある。例えば従来、北極海に潜むロシアの弾道ミサイル原潜を狩り出すことができるのは、米国の攻撃型原潜だけであった。

 しかし氷が溶けてしまえば、対潜哨戒機や対潜艦艇もそこに加わることができるようになる。

 あるいは弾道ミサイル防衛システムを搭載したイージス艦が北極海に進出してくれば、ロシアから発射された弾道ミサイルの迎撃に絶好の位置を占めることになる。

 ロシアとしては、核抑止力を維持するために北極圏での制海権・制空権を握っておくことが必須になってきたのである。

■中国の北極進出への懸念

 北極圏の軍事化については、欧亜間を最短距離で結ぶ北極海航路や膨大なエネルギー資源の保護も理由として挙げられることがある。

 これらも当然、ロシアが北極を重視する理由の一端ではあろうが、現今の急速な軍事化の理由とするにはやや弱い。北極海の航路も資源も経済的にペイするのはかなり先の将来であると見られているためである。

 ただし、ロシア側が長期的な観点から航路や資源の保護を重視しているらしいことは窺われる。

 なかでもロシアは、中国が北極海での経済活動を増加させる可能性を懸念していると見られる。これに伴い、通商や資源権益を保護するために中国海軍が進出してくる可能性も存在するためである。

 中国は今のところ、北極にまでは軍事プレゼンスを及ぼしてはいないが、2011年にはオホーツク海、2015年にはベーリング海と、中国艦隊の活動領域は少しずつ北に広がって来ている。

 中国の軍艦が北極海を航行する日は遠からず訪れるだろう。北極圏におけるロシアの軍事プレゼンスもまた、「その日」を視野に入れていると思われる。


 

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