百貨店というのは、ありとあらゆる商品を売っていた。それらを見に行くのが、高度成長時代の親子連れの楽しみでしたが、あちこちで子供がすねているのを見たものです。

家電製品も百貨店で売っていましたが、大丸だとアマチュア無線機も売っていましたね。買えないから、見ていただけですが。それでも、ラジオ組み立てキットを買ってくれましたよ。

1980年代になって、専門店との競争に敗れて家電売り場も書籍売り場も消えていった。いつの間にか化粧品や婦人服や贈答品ばかりになって、店離れが進んでいった。あの時点で百貨店は、五十貨店に転落していたんです。売れない商品を抱え込む余裕がなくなった時、百貨店はテーマパークの座から降りた。

こうやって見てみると、百貨店はバブルの時代以前に終わっていたのではないかと思います。辛うじて富裕層相手の外商部門で存続していると。昔のほうが、庶民の店でしたね。

その百貨店は市内にあった二つの百貨店の内の大きい方でしたが、ライバルは30年前に潰れ、本尊も20年前に潰れました。温泉は福島事故前までは生き残っていたはずですが、今は生死不明ですね。

百貨店がほんきになって、客のことを考え商売をおこなえば
まだまだ、お客をとりもろせるんじゃないか