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日本郵政が「正社員待遇引き下げ」というパンドラの箱を開けた事情 ついに非正規しわ寄せに限界が…(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/247.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 5 月 16 日 14:54:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


日本郵政が「正社員待遇引き下げ」というパンドラの箱を開けた事情 ついに非正規しわ寄せに限界が…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55671
2018.05.16 加谷 珪一 現代ビジネス


日本郵政グループが、非正規社員の待遇を向上させるため、正社員の待遇を引き下げるという、前段未聞の決断を行った。これまで正社員の待遇は一種の聖域とされてきたが、とうとうパンドラの箱が開いてしまった。

この話は決して日本郵政特有のものではなく、日本の企業社会そのものに由来している。企業の基本構造が変わらない限り、非正規社員の待遇を改善する代わりに、正社員の待遇を引き下げる動きは拡大していくだろう。



前代未聞の決断

日本郵政グループは今年4月、約5000人の正社員が受け取っている住宅手当を段階的に廃止するとともに、非正規社員に対して、これまで認められていなかった一部手当を支給する方針を打ち出した。

従来の企業社会では、正社員と非正規社員の間には、身分格差といわれるほどの待遇差があり、これを是正するため、同一労働、同一賃金に関する議論が行われてきた。

だがこの議論は、基本的に非正規社員の待遇向上が大前提となっており、正社員の方の待遇を引き下げるという概念は存在していなかった。その意味で今回の決断は、一種のコペルニクス的転回といってよいだろう。

今回の決定が、春闘の労使交渉の延長線上にあるという点も非常に興味深い。

当初、組合側は非正規社員の待遇向上を要求していた。だが、会社側は非正規社員の待遇向上を受け入れる代わりに正社員の待遇引き下げを提案。組合側もこれを了承した。正社員の待遇維持に必死になっていた従来の労働組合では考えられない決断であり、会社が直面する現実について組合側も認識していることが分かる。

もっとも今回の決断には、日本郵便の契約社員が正社員との待遇格差是正を求めて起こした訴訟が大きく関係している。一審判決では原告側が一部勝訴しており、日本郵政グループには対応を急がざるを得ないという切迫した事情があった。

だが、非正規社員の待遇を改善し、その代わりに正社員の待遇を引き下げるという動きは、決して一過性のものではない。これは日本の企業社会が持つ基本的な構造に由来するものであり、今後、この動きは徐々に各社にひろがっていく可能性が高い。

では、なぜ日本企業は、今後、正社員の待遇を引き下げなければならないのだろうか。

企業が重視するのは総人件費

多くのサラリーマンは自分が受け取る給料の額しか見ていないが、企業の経営者や人事部門は全く異なる視点を持っている。それは企業の総人件費という概念である。

企業は事業で得た付加価値(会計的には売上総利益)の中から、人件費や広告宣伝費などを捻出し、残りを利益として計上する。人件費や広告宣伝費は「販売及び一般管理費(いわゆる販管費)」という費目になっているが、販管費に占める人件費の割合は高く、日本全体では約5割となっている。

企業の経営者は、社員の年収がいくらなのかについてはあまり関心を示さない。重要なのは総人件費と、これが販管費に占める割合である。

過去5年間で日本企業全体の総人件費は3.2%増加したが、同じ期間で従業員の平均給与はほとんど変わっていない。つまり、従業員単体で見れば、ほとんど昇給が行われていないものの、従業員の数は増えており、企業が負担する総人件費は増大していることになる。

日本企業が従業員の数を増やしているのは、国内独特の雇用慣行が大きく影響している。

日本では原則として従業員の解雇はできない。だが事業環境の変化は以前より早くなっており、各企業は業態転換に追われている。諸外国の企業であれば、不要となった部門を閉鎖し、当該部門の従業員を解雇する代わりに、新しいスキルを持った社員を新規に雇用するだろう。

日本企業はそれができないため、既存社員の配置転換で業態転換に対応せざるを得ない。だが新事業のノウハウは社内に存在しないことが多いので、ある程度は外部から社員を雇わざるを得ない。

新規事業を実施するたびに社員の数が増えていくので、総人件費も同時に増えていく。企業は何らかの形で社員の待遇を引き下げなければ、コストの増加をカバーできない仕組みになっているのだ。



非正規にシワ寄せするのはもう限界

これまでは、下請けに対して値引きを強要したり、コストの安い非正規社員への切り替えを進めることで何とか人件費の増大をカバーしてきた。だがこうしたやり方もそろそろ限界に達しつつある。この状態に追い打ちをかけたのが、空前の人手不足によるパートやアルバイトの賃金上昇である。

企業の現場では、アルバイトやパートなど多数の非正規社員が業務を回しており、彼等抜きでは、日常的なオペレーションもままならない状況となっている。

アルバイトやパートの賃金は、正社員とは異なり市場メカニズムで決定されるので、企業が恣意的にコントロールすることはできない。このところ大都市圏のアルバイト、パートの時給が大きく上昇しており、企業の利益を圧迫している。

人手不足が今後も継続することはほぼ確実であり、もはや正社員の待遇を引き下げるしか利益拡大の余地がなくなっているのだ。

では、企業には利益を多少犠牲にしてでも、正社員、非正規社員ともに待遇を向上させるという選択肢はないのだろうか。

先ほど、企業の総人件費は増大していると述べたが、一方で、企業が計上する利益はそれを上回るペースで増加している。過去5年間で日本企業が稼ぎ出した当期純利益は約2倍に増えており、この利益を正社員の待遇改善に回すことは理論的には不可能ではない。

もうひとつの大きな課題

だが日本の市場環境はこれを許さない状況となっている。安倍政権はコーポレートガバナンス改革を推進しており、企業に対して、より多くの利益を株主に還元するよう求めている。

コーポレートガバナンス改革には、株主を軽視してきた日本の資本市場を諸外国並みに改革しようという目的があるのだが、実はそれ以上に大きな理由がある。

それは公的年金の維持である。

日本の公的年金は、高齢者に給付する年金の額が、現役世代から徴収する保険料収入を大きく上回っており、慢性的な赤字となっている。安倍政権が公的年金の運用を安全第一の国債中心から、株式を中心としたリスク運用に切り替えたのは、積立金の運用益で年金財政の赤字を補填するためでもある。

すでに日本の上場企業における筆頭株主は、公的年金か日銀という状況になっており、企業に利益を還元するよう強く求めているのは、いわゆる資本家ではなく、公的年金を通じた私たち自身なのである。

つまり、企業が利益を減らしてしまうと、株主(公的年金)への配当が減って年金が危なくなり、企業が利益を重視すれば、従業員の待遇を下げなければならないという、完全な板挟み状態となっている。



もし日本で解雇規制を撤廃し、ドイツのように企業が自由に解雇できるようにすれば、正社員の数が減る代わりに、賃金も大幅にアップするだろう(ドイツは解雇が自由な代わりに、失業者への支援が手厚い)。

だが現時点において日本社会がこうした決断を行う可能性はゼロに近く、このまま現状が維持されるのであれば、正社員の待遇を引き下げるしか対処する方法はない。

個人に残された選択肢としては、副業による収入アップということになるだろう。だが副業の世界は完全な自由競争であり、どれだけ稼げるのかは、人によってかなりの差がある。

終身雇用という形で市場メカニズムから逃れることができても、結局は副業で市場メカニズムにさらされてしまう可能性が高い。




 

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コメント
 
1. 2018年5月16日 18:47:53 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[755]

>日本郵政が「正社員待遇引き下げ」

生産性の低い企業や衰退産業では、必然的に起こることが、起こっているだけ


2. 2018年5月16日 18:53:13 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[756]

いずれ米国でも同じことが起こる

トランプのamazon批判は完全に見当違いだが

このままでは、米国の凋落も止まるどころか加速していくことになるだろう

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53099
巨額の赤字を続ける米郵政公社が民営化できないわけ
損失をアマゾンのせいにするトランプ大統領だが、本当の理由は別に
2018.5.16(水) 堀田 佳男
財政難の米郵政公社、ファッション業界に進出
米カリフォルニア(California)州ロサンゼルスで、速達便を届ける米郵政公社(USPS)の配達員(2013年2月6日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Kevork Djansezian〔AFPBB News〕

 エッ、まだ民営化されていない――。

 そんな声が聞こえてきそうなのが、米郵政公社(USPS:以下「米郵便局」)である。

 米国だからこそ、民間でできることは民営化するという動きがあるかに思えるが、米郵便局だけは今でも連邦政府によって運営されている。

累積損失は約7兆円
 しかも赤字が膨らんでいる。過去10年の累積損失は650億ドル(約7兆円)である。

 過去、債務不履行に陥ったこともある組織だが、いまだに民営化の道筋を辿れていない。

 日本が郵政民営化を行って日本郵政グループを発足させたのは2007年のことである。諸外国をみても、1995年のドイツをはじめ、オランダ、ベルギー、オーストリア、英国なども郵便事業を民営化させてきた。

 なぜ米国だけ民営化できないのか。

 その前に、記憶に新しいドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)の米郵便局擁護の発言を振り返りたい。昨年12月、トランプはこうツイートした。

 「なぜ米郵便局が損失を出し続けているのだろうか。アマゾンは利益を出し続ける一方、米郵便局は損失を増やし続けている。アマゾンにもっとコストをふっかけるべきだ」

 今年4月になってもアマゾンを批判するツイートは続いた。4月3日、こう記している。

 「やはり米郵便局は、アマゾンの商品を運び届ける『配達屋』になっていた。そのせいで多大なコストがかかっている。アマゾンが支出を支払うべきだ。納税者を利用すべきではない」

大統領のツイートで約4360億円減少
 トランプのこうしたアマゾン批判の背景には、トランプに批判的な論調を展開するワシントン・ポスト紙の存在がある。

 アマゾンのCEO(最高経営責任者)ジェフ・ベソス氏がワシントン・ポスト紙を買収したのは2013年で、以来トランプはポスト紙だけでなくオーナー会社のアマゾンにも攻撃の矛先を向けている。

 トランプが4月に批判ツイートを複数回行ったことで、アマゾン株は一時40億ドル(約4360億円)も時価総額を下げた。だが現在は元の株価に戻っている。

 話を元に戻したい。米郵便局が税金によって賄われながら損失を出し続けていることは紛れもない事実である。

 トランプの指摘では、米郵便局はアマゾンの商品を1個配達するたびに平均1ドル50セントの損失を出しているとのことだが、調べてみると、アマゾンと米郵便局の間には料金面で内々の合意が成立していた。

 アマゾンは大量の荷物の配送を米郵便局に依頼しているため、例外的なレートが設定されていたのだ。

 しかも米郵便局は土日の配達を中止しているにもかかわらず、アマゾンの一部商品に限っては日曜の配送も行っていた。

 実は米郵便局はアマゾンに限らず、こうした大量の荷物を依頼してくるクライアントとは特別料金を設定してきた経緯がある。

小荷物の扱い総量は増えている
 こうした流れを無視してトランプは一方的にアマゾンを攻め立てるツイートをしていたわけだ。

 アマゾン株の乱高下後、金融市場関係者は平静を取り戻した。というのも、米郵便局の多額の赤字の主因はアマゾンではないからだ。

 確かにアマゾンは小荷物の配送で、米郵便局と特約契約を交わしていたが、損失の本質はそこにはない。

 というのも、米郵便局が扱う小荷物の総量は増えているからだ。

 昨年度、小荷物の売り上げは前年比で9.5%も増えていた。フェデックスやDHLといった大手民間業者の配送料金と比較すると、米郵便局の提示する料金はほぼ半値で、実は競争力があるのだ。

 例えばカリフォルニア州サクラメント市からカナダのトロント市に20センチ四方の小荷物を翌日配送した場合、DHLは34ドル82セント、フェデックスは28ドル43セント、米郵便局は15ドル20セントで、価格面では米郵便局が最も安価だ。

 そのため、民間の配送業者にお株を奪われているかに思えた小荷物配送分野で、米郵便局は健闘していた。

 しかし売り上げが下落している分野もある。一般郵便だ。

人件費高騰と年金が主な原因
 電子メールやラインといった無料の通信ツールの普及で、一般郵便の絶対数は年を追うごとに減少している。昨年は前年比で1.4%減。1億8100万ドル(約197億円)の減収につながった。

 ちなみに米郵便局が配送する郵便物(手紙、はがき等)の総数は年間約1534億(2016年)という数字である。手紙やはがきを送る機会が減少し、米国で一般的だった個人用小切手の使用頻度も減っている。

 だがネット通販の利用者が増えていることから小荷物の総量は増え、手紙やはがきの減収を差し引いても、米国の郵便事業は前年比で1.4%増を記録している。

 それでも米郵便局としては年間13億ドル(約1400億円)の赤字を計上している。これはいったいどういうことなのか。

 からくりは65万超の職員の人件費高騰と、退職者に給付する年金、さらに配送費の高騰などによる。

 民営化の話は出てきているが、法律を改正しない限り民営化の道へは進めない。

 現在、手紙やはがきといった一般郵便物の配送は米郵便局以外には認められていない。唯一、速達などの郵便物に限り、民間業者が参入できるためフェデックスなどがエクスプレスメールを配送しているのだ。

 民営化については、米郵便局職員が加盟する労組からの反対意見が強く、連邦政府の庇護の下から出ようとはしない。

政治が動けば民営化は可能だが・・・
 しかも退職後の健康保険が確保されることから、進んで民営化を後押しする職員がほとんどいないのが現状だ。

 米郵便局の組織の近代化と使用している配送技術などの改革も求められている。ミーガン・ブレナン郵政長官も指摘している。

 「時代に適合した技術革新が必要ですし、環境の変化に柔軟に対応するために、法律を改正する必要もあります。実は頑迷な法律によって十分な利益が上げられずにいるのです」

 後は連邦議員を動かすだけである。反対派議員がいたとしても、どの国よりも改革が得意と思われている米国で郵政民営化ができないのは解せない。

 首都ワシントンにあるシンクタンク、ケイトー研究所のクリス・エドワーズ研究員も民営化の推進派だ。

 「いま米郵便局が早急にやるべきことが民営化です。世界では日本を含めて多くの国ですでに民営化を行っています。連邦議会は目を覚ます必要があります。米国も郵政事業の近代化を達成すべき時です」


3. 2018年5月17日 08:39:06 : gC4J7XRPUg : Lsp_xw@84Mc[1]
郵便局まるで役所みたいに人がいるよね、多すぎない?
機械でできること機械にさせればいいのに、
それと郵便用金高いよね、アマゾンで中国から総量込みで300円で来るよ。
それと配達いつまでもバイクとか時代遅れ軽トラぐらい使わせればいいのに。

郵便局が頭固くて時代遅れの会社なのかな?


4. 2018年5月17日 19:13:31 : wFEcZwOlgQ : dyO9pZpkGaE[305]
全身を 毒が侵すよ 民営化

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