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転職先を「年収」で選ぶと大失敗するワケ 年収を維持できればいいほう(PRESIDENT)
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/753.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 7 月 14 日 20:47:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

転職先を「年収」で選ぶと大失敗するワケ 年収を維持できればいいほう
http://president.jp/articles/-/25551
2018.7.12  フリー編集者 遠藤 成 PRESIDENT 2018年5月14日号


人手不足のニュースが流れ、転職のCMが目に付くこの頃。転職のチャンスと早とちりしてはいけない。人口の減少と産業構造の劇的な変化で転職の常識は大きく変わりつつある。

「外食産業、建設会社は採用に非常に苦戦」

深刻な人手不足が続いている。有効求人倍率は1.59倍(2018年1月)と10カ月連続、バブル期の最高水準1.46倍(1990年7月)を超えている。

人手不足の大きな原因は景気がいいからというよりも人口の減少だ。18年で定年を迎える人が多い1958年生まれ(60歳)が165万人なのに対し、大学を卒業する年頃の1996年生まれ(22歳)は120万人。45万人も少ないのだ。

     

「実感としても外食産業、建設会社は採用に非常に苦戦しています。あと中小企業や地方の企業も。新卒採用しようとしても、そもそも応募者が来てくれないなんてことも」と語るのは転職エージェントの森本千賀子さん。

働く人を確保できず、受注したくても受けられない。予定していた仕事もこなすことができず、売り上げが落ちてその結果経営が破綻する、いわゆる人手不足倒産が増えているという。

その一方で、メガバンクは3行合わせて3万人を超える人員削減に取り組んでいる。業績不振が続く電機業界でもNECが国内8万人のグループ社員の約4%に当たる3000人の希望退職を募り、富士フイルムホールディングスも国内外で1万人の人員削減。店舗閉鎖や業態転換と苦しい百貨店、ジェネリック医薬品の台頭で厳しさを増す大手製薬会社にもリストラの嵐は吹き荒れている。

つまり今日本では「人手不足」と「人手過剰」が同時に起きているのだ。

人員削減の大きな原因のひとつは産業構造の変化だ。

「現在はインターネット革命による産業の変化が進行中で、自動車や電気の登場が社会に与えたインパクトと同じような規模の構造変化が起きているのです。おそらく40〜50年くらいかけて変化すると思うのですが、インターネットが一般的になり始めた年を95年とすると、自動車で例えると現在はT型フォードが誕生したくらいで、まだトヨタも登場していない段階。これから古い産業と新しい産業がどんどん入れ替わるはずです」とミドル世代専門転職コンサルタントの黒田真行さんは言う。今まで当たり前にあった仕事がデジタル化され、人工知能、ロボットに代わりつつある。

そんななか転職市場はどうなっているのだろう。働く人が不足しているなら、人を確保するために賃金は上がるはず。積極的な転職で年収アップを図るチャンスがありそうだが、実際はそうではない。黒田さんに職種をカテゴリーに分類していただいた(図2)。

     

「Aは不動産や生命保険、自動車などのセールスのように個人で生み出す成果が重視される高付加価値な職種で、固定給が低めで、成果型の報酬比率が高いケースが多い。ハイリスク・ハイリターンな印象もあって、希望者が少なく常に人手不足な領域です。

経営者、法務や金融系のスペシャリスト、事業企画のプロなど、組織としての成果を最大化する責任を負い、求人数は少ないですが、場合によっては年収3000万円クラスの求人もある超高付加価値型の領域がBです。

Cは営業事務、一般事務、販売・接客、警備など、派遣、パートも含め、最も求人が多い領域です。業務パターンがシンプルで定型的。賃金水準も雇用の安定性も低い傾向にあります。

いわゆる総合型の正社員として組織貢献を求められる管理職などの領域がD。高付加価値な組織成果が求められる領域ですが、日本の場合、スペシャリストとしてのキャリアを積みにくく、何でも屋に陥りがちな側面があります。年齢が上がるほど求人件数は少なく、この領域で転職先が決まらずCの領域へという人も少なくありません」

厚生労働省の発表でも有効求人倍率が高い職業は、建設躯体工事10.47、保安(警備員など)8.29、家庭生活支援サービス(訪問介護員、保育士など)7.39と肉体を使う仕事。人手不足の職種は長く働けるという利点もある。ただ、問題はこれらが希望する仕事とマッチしているかどうかだ。今まで日本の中産階級の多くを占めていたホワイトカラー事務職の求人は0.41と低い。

毎年、正社員だけで200万人と言われる転職人口(パートなどを含めると500万人)。実際転職した際の動機、退職の理由を年代別に見てみると(図3)、30代は賃金への不満だが、40〜50代になると早期退職勧奨の割合が高くなる。人員削減のターゲットになるのはいわゆる団塊ジュニア世代。71〜74年生まれ、つまり現在44〜47歳は第二次ベビーブームで、毎年200万人を超える大所帯。ポストは少なく社内の競争に敗れれば、会社での居心地も悪く将来も不安。いっそ新天地を求めて転職という選択も自然な流れだろう。

しかし、転職は決して甘くない。転職した人の満足度を見ると(図4)、どの世代も半数以上が満足と答えているが「30代と50代の転職満足度は全く異質です」と黒田さんは分析する。

     

「50代ですと最初は年収1000万円の維持を希望していたけれど、50社も60社も落ち、希望額を大幅に下げて年収300万円でも仕事にありつけただけよかったと満足している人の割合も高いのです。有効求人倍率がバブル期超えといっても平均値には意味はありません。人手が足りない職種もあれば、余っている職種もある。わかるのは人手不足という全体の傾向だけです」

転職後の年収の増減を見ても(図5)転職初年度に年収が上がるのは30代まで。40代からは年収を維持するのは困難という数字がうかがえる。

     

人手の奪い合いvs仕事の奪い合い

「転職するなら35歳まで」という壁が崩れつつあるとも言われるが、黒田さんは「35歳の壁はある。全く崩れていない」と断言する。

「むしろ転職の老若格差は広がっています。45歳くらいまでホワイトカラーでやってきた人が同じような職種で転職しようと思っても、希望する仕事に簡単に就けるわけではありません。希望者に対して圧倒的に求人数が少ないためです」

偏差値の高い大学を優秀な成績で卒業し、給料もよく将来も安定した一流企業に就職したはずなのに、まさかの早期退職勧告。

「会社という大きな船に乗って働いていれば、一生安泰だった時代は終わっています。強い領主のもとで雇われていれば生き延びられた時代ではすでになく、そもそも強い領主がいない。自分自身が小さい領主になって戦っていくしかないのです」

人口が他の世代よりも多い団塊ジュニア&バブル入社世代は、これからも様々な雇用問題に巻き込まれることは明らか。どう向き合い、どんな準備をすればよいのか。転職を考える前に自分の客観的なマーケットバリューを知ることが必要だと森本さんは言う。

「大企業で育った人ほど変化対応力が乏しく、転職して苦労しているのが実情です。前職のブランドは関係ありません。自分の持っている外で通じる価値、ポータブルスキルは何か。そして変化対応力も含めたマインドセットを正しく自己診断することです」

自己診断ができていないと、自分は年収1200万円の人間だという年収の物差しでしか測れない。

「大企業出身者が、中小企業なんてと上から目線で入ってエラい目に遭うのはよくあることです。大企業では部門分けされていたのが、中小企業ではすべて自分でやらなければいけない。また大手だと部下も偏差値の高い優秀な社員が多く、企業ロイヤルティも高く、やる気もある。転職先でレベルもモチベーションも低い部下をマネジメントするのは実は非常に難しいのです」

年収を軸に転職すると間違いやすいと森本さんは続ける。

「年収を維持できればいいほうで、場合によっては2割くらいダウンしてもいいという覚悟で臨んだほうがいい。むしろ自分が貢献して会社を成長させてゲインを得るくらいの気持ちがないと続かないですね。採用する側にしても高い年収で雇えば期待値も高くなりますから、本人も苦労すると思います」

40代からの転職となると、やはりそれまでの経験を活かせる同じ業界に移るほうがいいのだろうか。

「その産業自体が長期低落傾向にあるのであれば、業界のなかで移ったとしても、瞬間的には生き残ることはできるかもしれませんが、長期的な下降トレンドから抜け出すことはできません」(黒田さん)

「各企業が今求めているのは、過去の成功体験やマーケティング結果から導き出されたものではなく、競合他社がまだ見出せていない新たなサービスや商品、要は未来のニーズやシーズを捉えてビジネスにしていくことです。他社と競合すると結局は低価格競争になってしまいます。同じ業界出身者からは先入観が邪魔をして常識を超えるアイデアが出てこない。企業が求めているのは業界経験よりもイノベーションを生み出せるビジネスプロデュース力を持っている人です」(森本さん)

これまでは骨を埋める覚悟で定年まで働くというロイヤルティを企業は求めてきたが、今は逆に「定年まで働きたい」と宣言されては企業も困る。

「年齢が上がれば上がるほどフリーランスのように〈株式会社自分〉という意識を持つことです。本当に実力があるのなら転職に年齢は関係ありません。出せる成果があればオファーはある。でも年齢の影響を受けてしまうのは、実力がないか、自分の価値を相手に見せられていないということです」(黒田さん)

35歳を過ぎたら、自分の市場価値を知るためにも転職エージェントを活用するのはマスト。転職エージェント選びのコツはあるのだろうか?

「弊社のようにミドル世代に強いとか、管理部門に強いなど転職エージェントにも特徴があるので、それを知って選ぶことです。できればセカンドオピニオンを聞くためにも複数のエージェントと話したほうがいい」(黒田さん)

「成功体験にこだわりすぎず、先入観を捨てて、選択肢を多岐に広げれば、思いもかけない化学反応が起こる可能性もあります。どんな球も振ってみないことには、手応えはわからないものです」(森本さん)

転職成功の秘訣は、まずエージェントに、この人をあの企業に紹介したいと思わせる人間力かもしれない。

各年代の転職のポイント
30代の転職
転職市場の主役世代。ポイントとなる年収だが、初年度だけでなく、2、3年後どのように上がるかを見据えて慎重に。
40代の転職
マネジメント能力が求められる世代。自分を雇うことがいかに利益となるか、説得力を持って提示できるかが鍵。
50代の転職
転職先が決まる前に退社しがちな傾向にある世代。望む仕事に就けるのは非常に難しいことを覚悟して活動を。

転職後に成功する人
1 固定観念に縛られない思考ができる人
2 自尊心が過去よりも未来にある人
3 慎重すぎず、無謀でもない決断ができる人
4 新たなことを学ぶのが好きな人
5 他者に肯定的で、自責志向の強い人

出典:黒田真行著『転職に向いている人 転職してはいけない人』


黒田真行(くろだ・まさゆき)
1965年生まれ。89年リクルート入社。2006年から8年間、転職サイト「リクナビNEXT」編集長を務める。2014年ミドル世代の適正なマッチングを目指し独立、ルーセントドアーズを設立。著書に『40歳からの「転職格差」』ほか。


森本千賀子(もりもと・ちかこ)
1970年生まれ。93年リクルート人材センター(現・リクルートキャリア)入社。その後、リクルートエグゼクティブエージェントに移る。2017年転職エージェントmorich設立。著書に『35歳からの「人生を変える」転職』ほか。



 

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コメント
 
1. 2018年7月15日 05:48:01 : 9hIh5RCINg : 1VtPLCZfJjg[6]
みんな経営者は、本音としてオウムのように安い人件費(修行という無料労働奉仕)にあこがれてんだね。

2. 2018年7月15日 16:52:12 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[953]

労働価格が需給で決まるのは常識だから

転職は業界の違いと、年齢の違いで大きく条件が変わる


まだ多くの成熟産業、特にITで代替されていくホワイトカラー系の分野などでは、

高齢正社員は、明らかに割高く、企業にとっては負担になっている(かなり有能であっても、高賃金での需要はない)から

そういう業界内部での転職は、あまり上手くいかないのは当然だし

年功序列賃金の幻想を捨てるのは当然のことだ

逆に言えば、労働需要が逼迫している分野では

記事にあるとおり、転職による待遇改善は普通だし


さらに長期的に拡大が見込まれる、例えばITやAIで生産性を急上昇させられる可能性が高い成長企業などでは、

今後も、需要にマッチし、若くて有能なほど、転職で待遇は大きく上昇することになる


3. 2018年7月16日 12:10:24 : ABzezkVDCk : Nd3XGeBWb5c[121]
転職エージェントが自分の業界及び自分の会社を宣伝している文章です。

この人たちもこんなことを言うだけのスキルしかありません。


4. 2019年8月27日 03:11:42 : kBiCdCYrZI : UEY1YTFIMFd1VVE=[1] 報告
まあ確かに年収だけで会社を選ぶのは間違っている。
こういうサイト(https://career-books.com/ )で年収以外の評判とか口コミあるから、参考にしたほうが良い。

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