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日本国債めぐる、かつてないほどの異常事態 市場低迷がもたらしかねない6つの副作用(東洋経済オンライン)
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/760.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 7 月 16 日 16:33:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

日本国債めぐる、かつてないほどの異常事態 市場低迷がもたらしかねない6つの副作用
https://toyokeizai.net/articles/-/228734
2018/07/15 6:00 岩崎 博充 : 経済ジャーナリスト 東洋経済オンライン


日銀が出口戦略に向かったときに債券市場はどんな動きを示すのか(写真:J6HQL / PIXTA)


このところ、日本国債市場の低迷が話題になっている。10年物国債先物の利回りが10営業日連続で変化なし、といった具合に史上まれに見る膠着状態が続いている。短期国債を対象とした先物取引も取引がまったくない日が出てくるなど、債券市場はじめての低迷相場が続いていると言っていい。

こうした債券市場の低迷は、言うまでもなく日本銀行が異次元の金融緩和政策を執り、マイナス金利をベースとしたゼロ金利政策を続けているためだが、市場関係者の間では「このままの状態が続けば債券市場の取引参加者がいなくなってしまうのではないか」という冗談とも本気ともつかぬことさえ、ささやかれている。

株式市場や債券市場と並んで、金融市場にとって債券市場は不可欠な存在。現在の日本国債市場は異例の事態であり、通常の金融マーケットでは考えられない状況だ。

その原因を作っている日本銀行は、銀行の管理者であり、金融政策を担う存在だが、債券市場の崩壊を導くような現在の状況をどう判断しているのか。どんな形で正常化を図るつもりなのか――。将来的な影響はあるのか。そうしたリサーチをきちんとしているのかも含めて、数多くの疑問が残る。

改めて債券市場とはどんな役割を果たし、現在のような状況が続いた場合、どんな事態が想定されるのか。過去の歴史などを参考に検証してみたい。

変動率「ゼロ」に近づく日本国債の低迷

かつて、日本国債は証券会社間などで活発に売買されていた金融商品のひとつだ。ところが、2013年に日本銀行が異次元の金融緩和を始めて以来、かつては1%弱あった10年物国債の金利も徐々に下げて、今やほぼゼロ%水準を維持している。

利息がほとんど付かなくなった国債を売買しても意味がないから、市場参加者はどんどん減少し、さらに新たに発行される日本国債の大半は、日本銀行が買い占めてしまう。

今年6月には、証券取引等監視委員会が、日本国債の先物取引で相場操縦をしていた疑いがあるとして、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対して2億1837万円の課徴金を課すように勧告したと報道された。取引の成立しない長期国債先物市場で、意図的に大量の注文があったように見せかける「見せ玉」によって不正に価格を操作した、とされている。

こうした日本国債の取引低迷が以前からあったのも事実だが、ここにきてその状況がさらに深刻化したと言われる。その理由は、4月に黒田東彦日銀総裁が再任となり、改めて「物価目標2%を達成するまでは現在の金融緩和策を堅持する」と強調したためだ。当初2年だったはずの異次元緩和が、すでに6年経過した現在も続いており、さらに今後も継続されることがはっきりした。

実際に、3カ月物の銀行間取引金利を示す「TIBOR(東京銀行間取引金利)」を予想して売買する先物取引では、1989年6月の取引開始以来、初めて「取引ゼロ」の状況に陥った。 そのTIBORの値そのものも2016年9月下旬以降、ほとんど変化していない。

また、金融商品の変動率(ボラティリティ)を示すものに「VIX指数」というのがあるが、日本国債の変動率を示す「S&P/JPX日本国債VIX指数」も、6月あたりからじりじりと下落しており、現在ではゼロ付近で推移し続けている。ボラティリティの大きさによって価格変動のシグナルとなることから、別名「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数も、日本国債のボラティリティのなさを示している。

安定的な収益確保ができた債券市場がなくなる?

そもそも債券市場は、世界中にある金融マーケットのひとつであり、その市場規模は株式市場よりはるかに大きい。国家が発行する「国債」をはじめとして、公社や公団などの政府の関係機関が発行する「政府関係機関債」、地方自治体が発行する「地方債」もある。これらを総称して「公社債」とも呼ばれる。

そのほかに、企業などが発行する「社債」、海外の国や公共機関、企業が発行する「外国債」などもあり、それらを全部合わせて債券市場と呼んでいる。こうした債券市場は、全世界で170兆ドル(1京8700兆円、2017年)にも達しており、2012年に100兆ドル程度だったことを考えると、ここ10年で急速な拡大を続けている。

ブルームバーグTVによれば、「500年以上の歴史を持つ債券市場で、市場最大の市場規模になっている」そうで、世界的に見ても現在の債券市場はバブルに陥っていることがわかる。

中でも、最大の市場規模を誇るのが米国の債券市場だ。現在の米国の債券市場は40兆ドル規模に達しており、米国株式市場の時価総額30兆ドルを10兆ドルも上回っている。

一方、日本の債券市場も、日本国債だけで1097兆円(2018年3月末)と、1000兆円を優に超えており、日本も債券大国と言っていいだろう。

世界はいま株高に沸いているが、株式市場に入ってきたマネーの多くは債券市場で調達されたおカネであり、株式市場がバブルだということは、債券市場もバブルであることを物語っている。グリーンスパン元FRB議長も、「現在は株式市場よりも債券市場がバブル」と発言。債券市場のバブルに対して警告を発している。

こうした債券市場で売買を行っている市場参加者は、 銀行や証券の債券ディーラーや債券トレーダー、債券ブローカーと呼ばれる金融機関のプロをはじめとして、年金や投資信託、銀行や証券会社、生損保といった機関投資家、あるいはヘッジファンドといったプロの運用機関、そして個人投資家などが債券市場に投資している。日本銀行といった中央銀行も債券市場の市場参加者の一員だ。

こうした債券市場の中核的な存在とは、言うまでもなく「国債市場」だ。

国が発行する債券は総称して「ソブリン債」などと呼ばれるが、国債の金利はその国の債券市場の中心的な存在であり、国債の金利が下落すれば公共債全体や社債などの債券金利も下落する。場合によっては、株式市場や為替市場も、国債市場の金利動向によって大きく動くケースもある。

国債の金利がゼロであるということは、債券市場に参加している投資家にとっては値動きがなく利益を上げられない市場ということになる。現在のような状況は、銀行や証券会社といった債券で利益を生み出してきた金融機関、あるいは年金や投資信託といった機関投資家にとっては運用困難な時代と言える。

機関投資家などの多くは、やむをえず収益をもたらしてくれる海外の外国債券や株式市場に資産の一部をシフトさせることで、債券市場での収益減少分をカバーしてきた。いまのところ、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が好成績を収めていることでも、それは理解できる。

しかし、もし株式市場や為替市場で大きな変動が起こったとき、収益確保の道がなくなってしまう可能性がある。これまで株価が下落したり、急激な円高に振れたりしたときは、日本の国債市場などで安定した利益を確保してきた。

国債の金利がゼロに近いことも深刻だが、先物市場なども含めてそのボラティリティがゼロに近く、市場参加者がいなくなってきていること事態が大きな問題と言える。実際に、1日数回の取引で終了し、あとはひたすら動かないマーケットを見続けている債券ディーラーなどからすれば、電気代の無駄であり、時間の無駄という声も聞こえる。転職の時期だと考えている債券の専門家も少なくない。

「QEからQTへ」で、世界で154兆円の流動性が失われる?

現在のアベノミクスを支持している有権者の多くは株式市場が上昇しているから、 あるいは前政権よりも株価が大きく上昇したから、という人が多いはずだ。しかし、現在の株式市場を支えているのは、債券市場からの巨額のマネーであることを忘れてはならないだろう。

そもそも株式市場は、周知のように10年に一度程度は暴落を繰り返しており、次のパニックもいずれまたやってくる。実際に、2000年以降だけでも「ITバブル崩壊」「リーマンショック」と続いてきた。

そうした株式市場の暴落局面において、一定の収益を確保してくれるのが債券市場の役割。にもかかわらず、その債券市場を消滅させようとしているのか。

意図的に10年物国債の金利をゼロ%に長期間にわたって据え置く現在の日本の金融政策は、さまざまな面で不都合な未来を演出してしまうかもしれない。債券市場には債券市場の役割があるからだ。

現在の国債市場は、日本銀行が新たに販売される国債のほとんどを買い上げてしまい、本来なら短期国債、中期国債、長期国債の金利は短いものほど低く、長いものほど高くなるように設定されている。こうした短期金利から長期金利をグラフで示した「イールドカーブ」は、左から右へとなだらかな上昇曲線となるのが普通だが、日本銀行はこのイールドカーブをフラット化することで10年物国債の金利低下を防いでいる。

最近では、20年債、30年債、40年債の超長期国債の売買によって、かろうじて債券市場は維持されている状況が続いているものの、イールドカーブ操作自体極めて異例であり、こうした金融政策を取った国はこれまでひとつもない。問題はその副作用だが、次の6つのことが考えられる。


(1)債券市場に投資する投資家がいなくなる
(2)特定の市場参加者に限定されることで市場の価格形成が歪む
(3)金融市場の変化を事前に察知することが難しくなる
(4)マーケットが一方向に動いたときに、ヘッジの役割をする金融商品が不在になる
(5)実質的な「財政ファイナンス」となり、国家財政の規律が失われる
(6)世界全体の債券市場が縮小したときに対応できなくなる



これらの中でも特に注目したいのは、(6)の「債券市場縮小時の対応」だ。周知のように、米国が今年すでに2回の金利引き上げを実施し、さらに年内にもう2回利上げする方針を示している。EU(欧州連合)の中央銀行に当たる「欧州中央銀行(ECB)」も、この12月までに量的緩和を終了させて、金利引き上げに向かう方向性を示した。

こうした世界の中央銀行がこれまで続けてきた量的緩和政策、あるいはゼロ金利政策は金融引き締めの方向へと動き始めている。世界規模で考えると、今後の「QE(量的緩和)」から「QT(量的引き締め)」への流れによって、ざっと1兆4000億ドル(154兆円)の流動性が失われるだろうとブルームバーグは伝えている。

世界経済は再び景気後退局面に戻る可能性がある

世界の金融市場の流動性が失われるということは、これまで高く推移してきた新興市場の債券市場や株式市場などから資金が逃避することを意味し、世界経済は再び景気後退局面に戻る可能性もある。

日本国債の場合、日本銀行が特定の投資家としてその大半を買い入れることで、金利を低く保ち、債券価格としては異例の高値を維持してきた。このような状況がずっと続いている現状では、日本銀行が出口戦略に向かったときに、債券市場がどんな動きを示すのかの予想は非常に困難となる。

場合によっては、債券価格が大暴落し、金利が急騰するケースも考えられる。通常の状態では、世界一の債権国である日本の国債が暴落するはずはないのだが、国債も金融マーケットで売買されている以上、債券価格が下落し金利が急騰することも十分ありうる。

とりわけ、すでに動き始めている「QEからQTへ」の動きによって154兆円の流動性がなくなるとき、どんな事態になるのか。日本銀行、とりわけ黒田総裁にとってははじめての事態を経験することになる。これまでの経験値が役に立たない可能性もある。

























 

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コメント
 
1. 中川隆[-13450] koaQ7Jey 2018年7月16日 16:57:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-16597]
解決方法は簡単
政府がどんどん国債を発行して公共事業やればいいんだよ



[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

2. 2018年7月16日 21:27:42 : pxgwgovz2Q : W8I8Zx2GSxE[699]
重いツケ いつか我が身に 跳ね返り

3. 2018年7月16日 23:01:35 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1206]

>日本銀行は、銀行の管理者であり、金融政策を担う存在だが、債券市場の崩壊を導くような現在の状況をどう判断しているのか

無知に基づく批判だとして無視だろう

債券市場は崩壊ではなく、高値で維持されている

さらに現状で、既に日銀は緩和拡大路線を反転させている

>世界の金融市場の流動性が失われるということは、これまで高く推移してきた新興市場の債券市場や株式市場などから資金が逃避することを意味し、世界経済は再び景気後退局面に戻る可能性もある。

だから日銀もFRBもECBも緩和縮小には、過剰なほど慎重になっており

まだ資産バブル再燃のリスクすらある


>日本国債の場合、日本銀行が特定の投資家としてその大半を買い入れることで、金利を低く保ち、債券価格としては異例の高値を維持してきた。
>日本銀行が出口戦略に向かったときに、債券市場がどんな動きを示すのかの予想は非常に困難となる。
>債券価格が大暴落し、金利が急騰

ここも、よくある完全に矛盾した批判

現状の日銀メンバーでは全くありえないし

仮に安倍政権が退陣しても、緊縮派の与野党連合が日銀法を変えて、

日銀総裁や委員の過半数を入れ替えない限りは今の緩和政策を完全に停止させるのは無理

つまり当面、景気後退時の国債暴落・金利急騰が起こる確率はほぼ0ということだ


4. 年金少な[348] lE6L4I@tgsg 2018年7月17日 06:26:28 : uXbIqU2ftY : 1cd2ToLEeTU[25]
 素人が言うのも何だが

 バブルまでは 10大都市銀行 というのがあって 庶民には敷居が高かった

 バブル崩壊で 地方銀行は合併などでかなりの数が減り 都市銀行も半減した

 安倍のミス苦以降 数の減った都市銀行は さらに大規模リストラを発表

 地方銀行は 今迄の銀行業務だけでは採算が取れず 投資や保険に手を出した

 さらに 郵便局は 非正規を増やし ブラック企業になりつつある

 金融関係だけでも ずいぶんな変化だと思うが 個人の金融資産については何をかいわんやだ


5. 2018年7月18日 09:33:03 : Ef236fAa4M : IuOMV0v5Lh0[155]
>国債は返す必要がないから大丈夫

「国民に対する国の借金、これ即ち国民の貯金なのです!」
なーんて言ってる御用経済学者も沢山いるけどね

国の借金は
国民が
税金として
返すんだけどね


6. 2018年7月19日 09:20:55 : vDNAc3NemY : cG1nx7o9NbM[30]
日本は、この20年間のGDP成長率はゼロである
20年間、まったく成長していない
アベノミクスも結局というか当然というか。全くダメで負債ばかり増えている
中国はこの間、18倍に成長し、今や日本の2.5倍の大国になった
インドは6倍
イギリスは3倍
ドイツと米国は2倍
もうすぐに、中国だけではなくインド、イギリス、ドイツに抜かれることになる
自民党政権の経済政策は完全に失敗し、日本は先進国から脱落する
これも国民に本当のことを言わないマスコミの影響も大きい
国民が真実を知ったとき、おそらく10年後、日本には何も残っていない貧乏国であることに唖然とすることだろう


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