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家電量販店の“最安値保証”は実はライバル店への「脅し」だった(ダイヤモンド・オンライン) 
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/214.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 8 月 17 日 10:56:00: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

家電量販店の“最安値保証”は実はライバル店への「脅し」だった
https://diamond.jp/articles/-/177597
2018.8.17 塚崎公義:久留米大学商学部教授  ダイヤモンド・オンライン




 昨年秋、小売り大手が相次いで値下げをしたことは記憶に新しい。労働力不足で人件費が上昇しつつある中での値下げだから、これは「過当競争」である可能性が大きい。

 消費者にはなじみが薄いが、実は銀行の貸出金利も過当競争で下がり続けている。それを見た金融庁は、このままでは地銀が共倒れになるとして、地銀の統合を進めようとしている。

 零細企業であれば、経済のことがよく分からず、誤った価格設定をすることがあるかもしれないが、大手の小売業や地方銀行などが誤った価格設定をするはずがない。問題は、各自が「合理的な選択」をしているがゆえに、皆がひどい目に遭っている、ということだ。

 個別の事情を見ていけば、「薄利多売を狙って値下げをするのは合理的だ」といった可能性もあるが、本稿では一般論として過当競争が起こる理由について考察してみよう。

ライバルがどうしようと
値下げはすべし


 ある日、A社の社長は考えた。「B社が値下げをするか否かは不明だ。わが社はどうすべきだろうか」と。しかし、悩む必要がないことに気がついた。

 まず、B社が値下げをしないとしよう。「わが社も値下げをしなければ現状維持だから、両社ともに普通に儲 けが出る。一方、わが社が値下げをするならば、B社から客を奪えて、わが社は大儲けできる。B社は大損をするが、それはわが社の知ったことではない。つまり、B社が値下げをしないならば、わが社は値下げをすべきだ」と考えた。

 では、B社が値下げをするとすればどうだろう。「わが社も値下げをするならば、両社とも利益が減って小さな儲けになってしまう。しかし、わが社が値下げをしなければ、B社に客を奪われるので大きな損を出し、B社だけが大儲けする。つまり、B社が値下げをするならば、わが社も値下げをすべきである」と考えた。

 そして、「ということは、B社が値下げをしてもしなくても、わが社は値下げをすべきである。何も悩む必要はない。値下げをしよう」とA社の社長は判断したのだ。

 同じ頃、B社の社長も「A社が値下げをするか否かは不明だが、わが社はどうすべきだろう?」と考えていた。そして、同じ結論に達し、値下げに踏み切った。

 いかがだろうか。A社もB社も大会社だから、社長はそれなりに賢い人のはず。両社が「合理的な選択」をしたため、結局、両社とも小さな儲けしか出せなくなってしまった。両社ともに価格を維持していれば、ともに普通の儲けを得ることができたにもかかわらずだ。

 問題は、翌日も同様のことが繰り返され、「両社が小さな儲け」から「両社が小さな損」になり、翌々日は「両社が大きな損」になってしまう可能性があることだ。むしろ、そうなる方が自然であり、そうならない方が不思議なくらいだ。

 最悪のケースは、値下げ合戦が無限に続き、体力勝負になってしまうこと。例えばA社とB社がともに大手小売りであれば、安売り合戦に巻き込まれた零細小売店が淘汰され、大手が満員御礼になったところで値下げ合戦が止まるかもしれない。

 あるいは、最後に残った2社が公正取引委員会の目を盗んでカルテル(これ以上値下げしないとの約束)を結ぶ可能性もある。あるいは、最後に残った2社のいずれかが倒産するまで、死闘を繰り広げるかもしれない。

 余談だが、どこまで安くなるのかは業界のコスト構造による。路上で営業しているマッチ売りの少女2人で安売り競争をしても、赤字にはならない。仕入れ値より安く売ることはないからだ。しかし、2人が店を借りてマッチを売っているとすれば、話は変わる。店の家賃もマッチの価格に上乗せして売らなければならなくなり、相手が安く売ってきたら、対抗値下げをせざるを得ないからだ。

 相手が仕入れ値プラス1円で売るとして、対抗値下げをすれば当然赤字になるが、対抗値下げをしなければ家賃分だけそっくり赤字になってしまうので、1円でも赤字が小さい方がマシだからだ。

 このように、設備や装置があると過当競争が生じやすい。離島に2件だけガソリンスタンドがある場合を想定してみよう。ガソリンスタンドは、耐震構造のタンクなどに巨額の投資が必要だが、それでも仕入れ値プラス1円までは値下がりする可能性があるわけだから、その競争は熾烈だ。ただ、生き残った方は独占利潤が期待できるから、戦いがいは満点だが。

カルテルを結ぶのは
それほど有効ではない


 とはいえ、カルテルを結ぶことは、実はそれほど有効ではない。相手がカルテルの約束を破ったら損をしてしまうので、互いにカルテルを守ろうとしないからだ。

 しかし、明日以降のことを考えれば、違う発想も浮かんでくる。A社の社長は、カルテルの契約を結んだ際、B社に対して以下のような宣言をするのだ。「今日、わが社は約束を守って値下げをしない。そして、御社の値札を見にいく。今日、御社が値下げをしていなければ、わが社は明日も値下げをしない。しかし、今日御社が値下げをしていれば、わが社も明日から対抗値下げをする」と。

 そうすればB社は考えるだろう。「今日のことだけを考えれば値下げをした方が得だ。しかし、明日以降のことも考えれば、値下げをしない方が得だ。それなら、値下げはせずに価格を維持しよう」と。

 これで、世の中は平和に収まるというわけだ。ただし、公取委にカルテルが見つかって罰せられなければの話だが。

ライバル会社を脅す狙いの
「最安値を保証します」


 では、公取委に見つからない方法はあるのだろうか。A社は考えた。B社と契約をするからいけないのであって、単独で行動すればいいのだと。そこでA社は店頭に大きな張り紙をした。「わが社は、この街で最安値を保証します」と。

 顧客向けの広告のようにも見えるが、実はこれ、B社に対する脅しなのだ。B社のスパイがA社を視察しにくることを前提とし、B社に見せるための張り紙なのだ。「分かっているだろうな。お前が値引きをしたら、俺らも直ちに値引きするからな。もちろん、お前が値引きをしなければ俺らもしない。仲良くやろうぜ」という意味なのだ。

 こうした張り紙は、家電量販店などで、よく見掛けるはずだ。売っている商品がライバル店と同じなので、価格の比較が容易だからだ。

 しかし、大型の小売店はプライベートブランドで勝負するとライバルとの価格比較が困難だし、銀行融資はライバルとの価格比較(借り手の信用力、金利、担保などの条件比較)がそもそも困難だから、なかなか過当競争が止まらないのである。

(久留米大学商学部教授 塚崎公義)




 

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