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日本がインフレになって、金利上昇するのはいつなのか? --- 内藤 忍 
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/313.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 8 月 27 日 19:52:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

日本がインフレになって、金利上昇するのはいつなのか? --- 内藤 忍
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180827-00010004-agora-bus_all
アゴラ 8/27(月) 17:35配信


日本経済新聞から


資産運用において、最も興味を持って注目しているデータは、日経平均でもドル円の為替レートでもありません。日本のインフレ率(CPI)です。

日本銀行は消費者物価指数が2%を超えるまで、現状の金融緩和政策を続けるとしています。逆に言えば、インフレ率が2%以下で推移する限り、現状の低金利は変わらない可能性が高いということです。

低金利の継続は、定期預金や債券のような金融商品の魅力を低下させ続けます。個人向け国債の金利は少し上昇したとはいえ、年利わずか0.09%に過ぎません。

一方で、お金を借りる人にとっては、低金利は有利な借入条件を享受できます。「お金を借りる力」を活用したい人にとっては良い環境です。

最近、問題になっているのは、日本の消費者物価指数はどうやったら正しく計測できるかという、データの根幹に関わる疑問です。

実は、物価が上がっているかどうかを数値化するのは簡単ではありません。卵の値段のように昔から変わらないものはあまり問題ありませんが、パソコンや携帯電話のような技術進歩しているモノはそれを価格に反映させるのは極めて困難です。

例えば、パソコンは昔より明らかに性能が良くなっています。価格が変わらなくても、スペックが向上すれば実質的には値段は下がったことになります。では、これを価格にどう反映させれば良いのでしょうか?経済学者でも頭を悩ます、とても難しい問題です。

日本経済新聞によると、日銀は国内の消費者物価指数の計測方法を見直し、ネット経由の販売等の価格を反映させる方針を打ち出しました(図表も同紙から)。2020年から、消費に占めるネット経由の購入比率が高いものを対象に範囲を拡大していく方針としています。

これによって統計上の物価上昇率は、さらに下方にシフトする可能性が高まります。それは金融緩和と低金利をさらに長く続かせる可能性を示唆するものです。

「借金=悪」という日本の常識の呪縛から3年前に開放され、借入を大きく膨らませています。今週も都心の物件を決済。さらに来月ももう1戸区分所有物件を購入予定です。

いずれ、金利が上がる可能性は否定できません。しかし、早く始めれば始めるほど、手前で低金利のメリットを長く享受できます。

であれば、お金を借りるならなるべく早くというのが私の意見です。

お金を借りる力を使った資産運用について知りたい方は、初めての企画であるこちらのセミナー(http://everevo.com/event/45637)にご参加ください。


※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年8月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログ(http://www.shinoby.net/)をご覧ください。

内藤 忍


 

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コメント
1. 2018年8月28日 07:37:01 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1382] 報告
矛盾が内在する日銀「緩和修正」を解読する
上野泰也のエコノミック・ソナー
決めたのは「金利上昇促進」?「低水準固定」?
2018年8月28日(火)
上野 泰也

日銀の異次元緩和はまさに「エンドレス」の様相(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
 日銀は7月30、31日に開催した金融政策決定会合で、何を決めたのか。市場金利は上がるのか、下がるのか、それとも動きが激しくなるだけなのか。ふだん金融市場に接していない人々のほとんどは、マスコミ報道などに接しても「よくわからない」というのが、正直な感想ではないだろうか。市場のプロの世界でも、見方にはけっこうばらつきがある。
 それもそのはず。日銀はこの会合で、アベノミクス景気にとってダメージが大きい急激な円高進行を回避するため「金融緩和を強化する」という体裁をとりつつも、実際には、現在行っている実験的で大規模な金融緩和が今後さらに長期化することへの備えやそれに伴う副作用の軽減という名目で、市場で金利が上昇する余地をこれまでよりも拡大することを画策した。正反対のことをひとつの政策パッケージに盛り込んだわけで、メリハリが利かない、わかりにくい政策決定になるのはもともと避けられなかったと言える。
日銀がアナウンスした柱は4本
 7月31日の昼頃のディーリングルームは、日銀会合が終了して決定内容がホームページで公表されるのを、久しぶりに緊張感を持って、かたずを飲んで待ち続けた。時事通信をはじめとするマスコミ各社の事前の観測報道から、2018〜20年度の消費者物価見通しの引き下げ(金融緩和のさらなる長期化はやむなしということ)、それに伴う銀行収益への累積的な悪影響や債券市場の流動性低下・株式市場のゆがみといった副作用を軽減するための策を日銀が決めるだろうという見方が、市場の内外で強まっていたからである。
 筆者の場合も、いつ会合が終わるか分からず、終わった瞬間から決定内容を分析評価するレポートの執筆にとりかかる必要があるので、ほかの仕事に手をつけるわけにもいかず、ひたすら画面をにらんで待ち続けた。
 通常よりも長く、13時すぎまで時間をかけた議論の末、日銀は「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を決定したことをアナウンスした。柱は以下の4点である。
@政策金利のフォワードガイダンス(先行きの政策運営についての約束)を導入
 具体的には、「日本銀行は、2019年10月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している」とされた。
A長期国債買い入れの弾力的な運用
 長期金利(10年物国債金利)のターゲットは「ゼロ%程度」で据え置きつつ、「金利は、経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるものとし、買入れ額については、保有残高の増加額年間約80兆円をめどとしつつ、弾力的な買入れを実施する」とされた。公表文には全く書かれていなかったが、10年物金利の変動幅を従来の「倍程度」にすることで大まかな合意が成立し、黒田東彦総裁がアナウンスした(後述)。なお、「金利が急速に上昇する場合には、迅速かつ適切に国債買入れを実施する」との脚注が付され、日銀が長期金利急上昇を放置するわけではないことが明示された。
Bマイナス金利がチャージされる日銀当座預金残高の減額
 日銀当座預金残高の三層構造<図1>のうち、真ん中にある「マクロ加算残高」(ゼロ金利が適用されるため日銀からの支払いも日銀への支払いも発生しない)の基準比率引き上げ(30.5%→33.0%)によって、「政策金利残高」(▲0.1%が適用される)を現在の水準(平均して10兆円程度)から減少させる。銀行収益への配慮という位置付けになる。
■図1:三層構造になっている日銀当座預金(月次・平均残高)

(出所)日銀
 ただし、日銀が発表している業態別の日銀当座預金残高の7月分によると、この月にマイナス金利をチャージされて日銀に支払っていたのは、「その他準備預金制度適用先」に分類される銀行と、信託銀行がほとんど。都市銀行のマイナス金利適用残高はゼロで、地方銀行・第二地方銀行はきわめて少額である。したがって、今回の措置は幅広い業態の銀行にメリットがあるわけではない。
CETF(上場投資信託)の銘柄別買い入れ額の見直し
「年間約6兆円」という買い入れペースは不変だが、TOPIX(東証株価指数)に連動するETFの買い入れ額を増やして(銘柄数が少ない日経平均株価に連動するETFの買い入れ額は結果的に減少)、株価形成におけるゆがみの軽減を狙った。
 また、「資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う観点から、市場の状況に応じて、買入れ額は上下に変動し得るものとする」とされ、カレンダーの区切り目での買い入れ実績の数字をにらんだ硬直的・義務的なETF買い入れを行うわけではない(株価の騰落に応じてETF買い入れにメリハリをつける)ことがアナウンスされた。
 以上の内容を踏まえつつ、日銀が7月の会合で決定した内容についての追加的な解説を、Q&A方式をとりながら4つのテーマについて行いたい。
(Q1)日銀による決定内容の受け止めには国内と海外で「温度差」があるようだが。


(A1)国内では、直前に観測報道が重なったことに加え、金融機関の「悲鳴」が身近な話であることから、「長期金利の上昇容認」が真の狙いという受け止めが主流である。
 一方、欧米では、フォワードガイダンスによる「当分の間」の利上げ封印に関心が集まった。8月1日の英経済紙フィナンシャルタイムズの記事の見出し「『非常に低い』金利にこだわることで日銀は中央銀行のトレンドに従わず(BoJ bucks central bank trend to stick with ‘extremely low’ rates)」が、象徴的である。
為替が円高に動くのを回避か
 日銀は、対外公表文の最初にフォワードガイダンスを置くことにより、今回の決定内容を材料にして為替が円高に動くのを回避しようとしたと推測される。為替市場でシェアが上昇しているとされるアルゴリズム取引を意識して政策パッケージのタイトル(英文では“Strengthening the Framework for Continuous Powerful Monetary Easing”)を工夫したのではないかという説もある。日銀内部からも「アルゴリズムの機械的な反応で円高・ドル安に振れないよう、表現を工夫したとしても不思議ではない」との声が漏れるという(8月5日 日経ヴェリタス)。
(Q2)今回決定された政策金利のフォワードガイダンスは、19年10月の消費税率引き上げを不確実性の例として示しつつも、カレンダー型(ある四半期や月まで政策金利を変更しないといった、カレンダーの上で時期を特定しているタイプのガイダンス)にはなっていないが。


(A2)黒田総裁は記者会見で、「リスクのかなりの部分は海外の話で、これはどうなるか全く分からない点です」「当面、日本経済に内在する不確実性の例として、2019年10月の消費税率引上げの影響を例示的に示すことによって、どういった不確実性を考えているかを示しているわけです」と述べた。消費増税は「例示」という扱いである。
 けれども、政治的には(自民党総裁選終了後の延期アナウンス説を筆者はとっているが、仮に予定通りに実行されるならば)、財政を引き締めるわけであり、非常に重要なマターである。財政を緊縮する場合、通常のポリシーミックスは金融政策の緩和強化である。日銀が利上げ(長短の金利ターゲット引き上げ)に動くつもりは全くありませんという姿勢を政府・与党サイドにアピールしておく狙いも、為替の円高の回避に加えて、今回のガイダンスに込められているのではないかと、筆者は推測している。
 また、カレンダー型にしなかったことで、先行き追加緩和の必要性が生じた場合、ガイダンスを強化してカレンダー型にするという(小さな)カードを1つ手にしたとも言える。
(Q3)日銀金融市場局は、長期金利が急上昇していた8月2日午後に、予定になかった長期国債買い入れ4000億円を実施して市場を落ち着かせた。アグレッシブに国債イールドカーブをスティープ化させようとする(長期・超長期ゾーンの金利上昇を通じて利回り曲線の右肩上がりの傾斜をきつくする)姿勢が、日銀には見えていないが。


(A3)雨宮正佳日銀副総裁は8月2日の講演で、日銀が対応する必要のある問題を「信認確保」「持続性強化」の2つに集約した上で、「経済・物価の見方などを反映して長期金利がある程度変動することを許容し、市場機能を維持することが必要と判断しました」「ただし、長期金利の操作目標は『ゼロ%程度』から変えていません。金利が急速に上昇する場合には、迅速かつ適切に国債買入れを実施する方針であり、金利水準が切り上がっていくことを想定しているものではありません」と明言した。
 日銀政策委員会にリフレ派が3人いる中での妥協の産物ではあろうが、上記が日銀のスタンスであり、能動的に長期・超長期ゾーンの金利を持ち上げようとする意図はないと解される。
(Q4)金融政策決定会合終了後の対外公表文には具体的な記述がなかったにもかかわらず、黒田総裁の記者会見で10年債金利の変動許容幅を従来の倍程度に拡大するとのアナウンスが行われた。日銀の組織運営・権限分担上、どうなっているのか。


(A4)雨宮日銀副総裁が8月2日に京都で行った記者会見の席上、以下の発言があった。
 「政策決定会合で議論して、政策委員会で、『上下にある程度変動し得るものとする』というところまでを決定文として決定しようということで合意したということです。それに対し、具体的にどの程度がこの変動幅、『上下にある程度変動し得る』幅かということについては、多少委員の間でも微妙な感覚の違いはあるわけですが、その中で、これまでの『イールドカーブ・コントロール』導入後の変動幅であった±0.1%の倍程度ということは概ね合意され、総裁が『それは記者会見で説明しましょう』というところまで合意して、総裁が言及したということです。この範囲そのものが、執行部の判断で変わるということはありません」
 こうした運営は、非常にグレーだと言わざるを得ない。
 「上下にある程度」変動するというところまでは決定会合で決めて、あとは金融市場局に「丸投げ」するのは、授権する範囲が大きすぎる感がある。すなわち、政策金利変更の幅と同じくらいの市場金利変動を、執行部の現場部局の裁量に委ねることには、疑問が生じる。
 しかしながら、決定会合で長期金利の変動許容幅を数字で決めた上で公表文に落とし込むと、為替市場が事実上の金利引き上げだとみなして、円高に動くリスクがどうしても警戒される。
 そこで、「±0.1%の倍程度」だという合意を決定会合で取り付けた上で、金融市場局に指示する形をとったものの、公表文には明記せず、後ほど総裁会見で口頭で説明する扱いにしたのだろう。決定会合で多数の合意が得られた事項ならば、公表文に明記するのが、フェアではあるまいか。
異次元緩和はエンドレス
 日銀の金融政策は、「非対称性のわな」とでも呼べそうな状況に陥ってしまった感がある。日本の童謡にある「行きはよいよい、帰りは恐い」という表現も当てはまる。
 金融緩和の強化は、円滑に進めることができる。緩和の効果により円安・株高が進めば、日本経済にカンフル剤が打たれるわけで、政治サイドからも、反対論はまず出てこない。
 だが、金融緩和の除去(=金融引き締め)は、難渋すること必定である。それによって市場が円高・株安に動く可能性が高いわけで、政治サイドから反対論が出やすい。景気・物価への下押し圧力の大小、財政政策とのポリシーミックスにも目配りする必要がある。
 そうした「非対称性」について事前に十分に考えを巡らせることなく、あるいは「短期決戦」に失敗した場合のプランを事前にしっかり用意することなく、黒田日銀はバズーカを撃ってしまい、その後に追加緩和も実行した。中長期的な戦略を欠いた、どうにも悲しい戦いぶりだと言わざるを得ない。日銀の異次元緩和はまさに「エンドレス」の様相である。


このコラムについて
上野泰也のエコノミック・ソナー
景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。


2. 2018年8月28日 16:00:36 : BKp9sEFIfM : oXZkSU4iVrs[1] 報告
突っ込みどころしかない記事なので添削を。

>資産運用において、最も興味を持って注目しているデータは、
>日経平均でもドル円の為替レートでもありません。日本のインフレ率(CPI)です。

まずいきなり、ハァ?なことを。

>日本銀行は消費者物価指数が2%を超えるまで、現状の金融緩和政策を続けると
>しています。逆に言えば、インフレ率が2%以下で推移する限り、現状の低金利
>は変わらない可能性が高いということです。

すでに日銀は2%目標を取り下げました。

>最近、問題になっているのは、日本の消費者物価指数はどうやったら正しく
>計測できるかという、データの根幹に関わる疑問です。

>実は、物価が上がっているかどうかを数値化するのは簡単ではありません。
>卵の値段のように昔から変わらないものはあまり問題ありませんが、

昔の卵は高かった。また日銀や関係者が重視しているコアCPIやコアコアCPIには生鮮食料品は含まれません。

>パソコンや携帯電話のような技術進歩しているモノはそれを価格に
>反映させるのは極めて困難です。
>例えば、パソコンは昔より明らかに性能が良くなっています。
>価格が変わらなくても、スペックが向上すれば実質的には値段は下がったことになります。

ハァ?それを含めてコアCPIでしょう?何言ってるんですか?

>では、これを価格にどう反映させれば良いのでしょうか?
>経済学者でも頭を悩ます、とても難しい問題です。

素直に定義どおりに当てはめればいいと思います。

>日本経済新聞によると、日銀は国内の消費者物価指数の計測方法を見直し、
>ネット経由の販売等の価格を反映させる方針を打ち出しました(図表も同紙から)
>。2020年から、消費に占めるネット経由の購入比率が高いものを対象に
>範囲を拡大していく方針としています。

ネットを使えない老人はどうするんでしょうね?市場物価を無視する気でしょうか?

>これによって統計上の物価上昇率は、さらに下方にシフトする可能性が高まります。
>それは金融緩和と低金利をさらに長く続かせる可能性を示唆するものです。

日銀には消費者物価を上げたくない意図があると言うことですね。
その理由を調べてきてください。

>「借金=悪」という日本の常識の呪縛から3年前に開放され、借入を大きく
>膨らませています。今週も都心の物件を決済。さらに来月ももう1戸区分
>所有物件を購入予定です。

お前の事情を一般論として語るな。

>いずれ、金利が上がる可能性は否定できません。しかし、早く始めれば始める
>ほど、手前で低金利のメリットを長く享受できます。
>であれば、お金を借りるならなるべく早くというのが私の意見です。

「お前一人で借金火達磨になってろ。他人様を巻き込むな。」と言うのが私の意見です。

3. 2018年8月29日 12:19:19 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1338] 報告
2018年8月29日 / 12:02 / 10分前更新
UPDATE 1-どんな良薬にも副作用、金融政策の影響注視=鈴木日銀審議委員
1 分で読む

(内容を追加しました。)

[那覇市 29日 ロイター] - 日銀の鈴木人司審議委員は29日、那覇市で講演し、長期化する強力な金融緩和の弊害を注視すべきだと語った。金融政策運営そのものに対しては肯定的な見方を示しながらも、「どんな良薬にも副作用がある」と指摘。国債市場や金融機関への影響を「虚心坦懐に見極めていくことが、政策を継続する上で重要」と語った。

鈴木委員は、金融政策の効果がもたらされる時間軸と、副作用が累積する時間軸が異なる点を認識した政策運営が求められると強調。副作用がいずれ現れてしまうと「手遅れとなるリスクがある」とし、中長期的な視点で政策の費用対効果を見極める必要があると述べた。

日銀は7月の金融政策決定会合で、金融緩和の長期化に備え、政策の枠組みを修正した。長期金利の変動幅を従来の倍程度とする方針を決めたが、鈴木委員は「金利水準の引き上げを意図しているわけではない」と指摘。長期金利が多少上昇しても、「金融機関の貸出や社債市場に与える影響は限定的」との見方も併せて示した。

金利については「市場で決まるもの」と述べ、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の下でも「日銀はその金利操作目標に向けて、市場を通じて誘導を図っていく」とした。

副作用を巡っては、国債市場の流動性低下に加え、金融機関への影響にも触れた。鈴木委員は「金融政策は金融機関のために行うものではない」とする一方、「金融政策の効果を経済に波及させていく役割を担うのは金融機関」とも述べ、金融システムや金融仲介機能への影響を注視する必要があると説明した。

物価の足取りが鈍い背景については、少子高齢化の中で将来不安が根強いためと分析。ただ、物価上昇を遅らせてきた要因の多くは「次第に解消していく」とし、物価2%に向けた勢いは維持されているとの見方を示した。「『物価だけが上がればよい』というものではなく、賃金の動向についても注視し続けていかねばならない」とも語った。

海外経済のリスク要因としては、米国の保護貿易やそれに対する各国の報復措置で「世界の貿易量の減少や国際金融市場への影響が懸念される」ことを挙げた。 (梅川崇)

 

 


2018年8月29日 末澤豪謙 :SMBC日興証券金融財政アナリスト

日銀政策修正は政権と命運をともにする「終わりなき緩和」宣言だ

 7月30・31日に開催された金融政策決定会合で、日本銀行は金融政策の修正を決定した。
 主な修正点は、(1)フォワードガイダンスの導入、(2)長期金利の変動幅の拡大(±0.1%⇒±0.2%)、(3)マイナス金利の政策金利残高の圧縮(10兆円⇒5兆円)、(4)ETFの銘柄別買い入れ額の見直しだ。
 日銀は今回の政策修正の目的として、異次元緩和(長短金利操作付き量的・質的金融緩和、YCC)の持続性の強化を挙げたが、会合後の会見で、黒田総裁は政策修正の背景として国債取引の不成立に再三、言及した。
 だが政策修正の「真意」は別のところにあるのではないか。

黒田会見で強調された
市場機能低下への対応

 確かに今年に入り、日本相互証券(BB)での新発10年国債の取引不成立日が既に6日に達している(8月27日現在)。2017は2回、2014年から2016年は1回、2013年はゼロだったことを勘案すると、今年は突出して多い。
 取引不成立は、次の3つの要因により国債市場の流動性が低下していることが背景と思われる。

出所: 日本銀行資料よりSMBC日興証券作成 拡大画像表示

 第1に、異次元緩和の累積効果により、民間金融機関等が保有する市中国債残高の減少が続いていることだ。2018年3月末段階で、日銀の国債保有割合は、国庫短期証券を除く利付国債残高の43.9%と、4割強を占めるまでになっている(図表1)。
 第2に、YCC政策の影響で、10年国債利回り(長期金利)は0.0%台での安定推移が続き、投機(スペキュレーション)的売買やヘッジ売買のニーズが大幅に減り、裁定取引(アービトラージ)の機会も減少していた。
 第3に、今年5月から、国債取引の決済期間がT+1(約定日の翌日に受け渡し)となり、新発10年債も翌日発行(本格的には7月から)となり、業者がポジションを抱える必要がなくなったことがある。
 図表2で見るように売り切り・買い切りのアウトライト取引を意味する一般売買高は、2013年4月の異次元緩和導入後、減少傾向が続いてきた。今年5月以降、売買高が増加しているのはT+1の導入の影響で、玉確保のため、急増した現先取引だ。
 また7月に、売買高が若干、増えたのは日銀の金融政策修正観測で、長期金利が久方ぶりに上下したためで、8月以降は再度、減少傾向に転じるとみられる。2013年以降も、国債の現存額は累増しているため、一般売買で見た売買回転率は過去最低を更新中である。

◆図表2:公社債店頭売買高の推移

出所:日本証券業協会資料よりSMBC日興証券作成 拡大画像表示

 ただ、黒田総裁はこれまで一貫して、異次元緩和の長期化にもかかわらず、国債市場の流動性や市場機能にはさしたる問題はないとの認識を示していた。
 それだけに、やや違和感を覚えた。
 黒田総裁もさすがに取引不成立が頻繁する状況に危機感を抱いたのか、あるいは、もう1つの副作用として指摘されている金融機関の収益悪化を政策修正の理由として挙げたくなかったのか、定かではない。
 確かなのは、ここへきて市場機能の低下が政策修正の「大義名分」として使えると考えたことだろう。

政治日程が影響
急遽、決めた可能性

 ただし市場機能の低下は一挙に進むものではなく、累積的なものだ。なぜ、このタイミングなのかについては、明確な説明はなかった。
 あえて言えば、物価上昇率の先行きの見通しを引き下げる中、異次元緩和の長期化が必至となったため、持続可能性を高めるためということだろう。だがそれでは手段と目標の優先順位が逆転しているようにも思える。
 当初は、2年で2%の物価上昇の到達が可能としてスタートした政策が5年半近くたった今日、今回の政策修正により、目標が達成できるとは常識的には考えにくい。
 ではこの時期に何を狙って、修正をしたのだろうか。
 このタイミングでの修正は、政治スケジュールが影響した可能性が高いのではないか。
 今回、日銀の金融政策修正に関する観測報道が出始めたのは、会合の10日前の7月20日の夜からだ。
 ロイターや時事通信、朝日新聞などの報道はタイミングが同じであり、日銀幹部と報道各社との懇談会などでなんらかの情報提供があった可能性が高そうだ。
 今年の日銀の金融政策決定会合の開催日(2日目)は、7月31日の次は9月19日、10月31日、12月20日となる。自民党総裁選の投開票日は7月段階で、9月20日との見方があった(その後、9月20日に正式決定)。
 また11月6日には米中間選挙が控えている。12月下旬はクリスマス休暇と年末・年始の休暇等の影響で、為替相場等が変動しやすい。2019年は4月には統一地方選、7月には参院選、10月には消費増税を控えており、政策変更はおろか、修正も難しくなる。
 こうしたことを考えると、米株価や米景気も堅調で、為替市場や株式市場が不安定化する心配が少ないということで、今回の会合で急遽、決定した可能性が高いと思われる。
 とすると、次回の本格的な政策変更までの距離感は相当遠いともいえそうだ。

異次元緩和の
長期化を「宣言」

 今回の日銀の決定や黒田日銀総裁の会見を聞いていた際、筆者の頭によぎった歌がある。それは、「Endless Game」。山下達郎氏の作詞作曲で、TBS系列で1990年に放映された『誘惑』の主題歌だ。
 歌の冒頭は「心の中できしむ音が聞こえるでしょ 重ねた白い指がふるえたから」でスタートする。
 今回の政策修正の発端ないし大義名分は、国債市場における新発10年国債の取引が業者間で不成立となる日が相次いだことだと考えられる。いわば「市場のきしむ音が聞こえるでしょ、国債取引不成立が続いたから」。
「Endless Game」の2番は「いつかはこんな風になる気がした」で始まる。日銀は当初、異次元緩和の導入により、「2年程度で、2%の物価上昇を達成できる」としていたが、当時、その通りになると予想していた向きは、少数派だった。筆者を含め、市場関係者の多数は異次元緩和の長期化により、いつかは政策の修正が必要となると見込んでいた。
 まさに「いつかはこんな風になる気がした」だ。
 だが日銀はまだそうは思っていないようだ。あるいはそう思っていても、そうは歌えないのかもしれない。
 7月の決定会合で出された「展望レポート」で、日銀は2018年度(政策委員見通しの中央値+1.3%⇒+1.1%)、2019年度(同消費税率引き上げの影響を除くケース+1.8%⇒+1.5%)、2020年度(同+1.8%⇒+1.6%)の物価見通し(除く生鮮食品)を下方修正した。
 物価見通しを引き下げ、2%物価目標とのかい離が拡大する状況で、YCCの金利の操作水準を引き上げたのでは、論理的説明ができない。それだけでなく、市場が政策転換だと受け止めて、長期金利の上昇や円高・株安を招くおそれがあった。実際、事前報道を受けた7月23日の東京金融市場では、長期金利が上昇、円高・株安が進行した。
 こう考えれば、今回、政策決定のタイトルを「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」と打ったことは、「終わりのないゲーム(It's The Endless Game)」ならぬ「終わりのない異次元緩和(It's The Endless QQE with Yield Curve Control)」の継続を宣言したに等しい。
 異次元緩和の出口のハードルは、まずは、2019年10月の消費増税だが、2020年度段階で消費者物価(除く生鮮食品)の見通しが、政策委員の大勢見通しで+1.5%〜+1.8%、中央値で+1.8%にすぎないことを勘案すると、微修正、微調整を除く、本格的な出口戦略の発動時期は、現状、見通せないといえそうだ。
「Endless Game」の歌詞の「夜明けの街並みへと やがてあなたは消えて行く 途切れた夢のかけら ここに置き去りにしたまま」のようにはならず、向こう数年以内に、消費者物価が安定的に2%に到達し、晴れて、日銀が「出口宣言」をできる環境になる可能性は低いといえそうだ。
 今回の日銀の政策修正は、異次元和緩和に関し、いわば安倍政権と命運をともにすることを改めて、宣言したともいえる。

「アンチエイジング策」に
ギアを入れ替える時だ

 だが一方で、少子高齢化やグローバル化が加速し、仮に2020年代後半以降 2%物価目標が達成されたとしても、その時には金融政策の正常化、「出口戦略」などという悠長なことは言っておられず、日本経済にとって「最大の危機」への対応が問題となっている可能性が高いのではないか。
 南海トラフ地震や重大な地政学的リスクの発生の場合、そのタイミングが早まる可能性も頭の片隅に置いておくべきだろう。
 そろそろ、日銀や政府も金融政策の限界を認め、しょせん「時間稼ぎ」と認識した上で、日本経済の「アンチエイジング」策、具体的には抜本的な少子化対策や、日本の強み・潜在能力を極限まで発揮させる産業振興策など、「異次元の成長戦略」を進める政策にギアを入れ替えるべきではないか。
(SMBC日興証券金融経済調査部部長金融財政アナリスト 末澤豪謙)


 


 
FRB議長講演、ハト派的と捉えるのは間違い−ゴールドマン
Liz Capo McCormick
2018年8月29日 3:13 JST
米ゴールドマン・サックス・グループはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の先週の発言について、政策金利の道筋に関しハト派的なものだったと解釈するべきではないと指摘した。
  前週末24日の米国債市場では10年債利回りが低下。カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムでパウエル議長が「過熱のリスクは高まっていないようだ」と述べたことが材料視された。さらには、10年債と2年債の利回り差が2007年以降で最小近くまで縮小した。
  ゴールドマンの金利ストラテジストは先週、投資家が求めるタームプレミアムの回復が鈍いことを踏まえ、年末時点の米10年債利回り予想を引き下げた。だが同社エコノミストは、米金融当局が低失業率を無視するのは賢明でないと指摘したFRBエコノミストの論文にパウエル氏が同意したことを27日付のリポートで強調。これを背景にゴールドマンのエコノミストは、米当局が2018年にあと2回、19年に4回利上げするとの予想を据え置いた。

  ゴールドマン・サックスのエコノミスト、ダーン・ストゥリュイーベン氏はリポートで、「債券市場とは違い、当社はパウエル議長の講演をそれほどハト派的とは受け止めなかった。米金融当局スタッフの論文に言及したことがその一因だ」と指摘。「コアインフレ率が限定的ながら目標値を上回るだけでなく、失業率が大幅に予想を下回ると当社は予想している。そして連邦公開市場委員会(FOMC)がその失業率の大幅低下を引き続き憂慮すると考える」と述べた。
  米短期金融市場では、ゴールドマンの予想、さらにはFOMCの予測ほど積極的な利上げがあるとはみられていない。今年に関しては、9月の利上げは市場で確実視されているものの、12月利上げの可能性は完全に織り込まれていない。
原題:Goldman to Bond Traders: Your Dovish Take on Powell Is Wrong(抜粋)


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