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自動車産業が貿易戦争で直面「米中ダブル巨額投資」の恐怖(週刊ダイヤモンド)
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/545.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 11 月 21 日 16:58:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

自動車産業が貿易戦争で直面「米中ダブル巨額投資」の恐怖
https://diamond.jp/articles/-/185893
2018.11.21 週刊ダイヤモンド編集部 


Illustration by Yuuki Nara


週刊ダイヤモンド2018年11月24日号第1特集は「米中戦争 日系メーカー危険度ランキング」です。米中の技術覇権、軍事覇権を懸けた戦いは、長期戦になることが決定的です。日本企業にはどう影響するのでしょうか。特集では国家間の争い標的になる自動車産業に対する影響を調査し、記事にまとめました。

「米国は、手ぐすね引いて日米物品貿易協定(TAG)交渉の開始を待ち構えていることだろう」(自動車メーカー幹部)

 いよいよ年明けに、TAGの交渉が始まる。9月の日米首脳会談後、日本政府は「包括的な自由貿易協定(FTA)を回避できた」と成果を強調したが、交渉テーマの当事者である自動車メーカー経営陣に、楽観的なムードはない。

「日本が恐れていたのは、米国向け自動車と農産物に議論が及ぶことだったはず。(サービスなど包括的ではなく)物品についてど直球で話し合われるのがTAGであり、むしろ米国が本丸と定める土俵を日本が用意したようなものだ」(同)と憤りを隠さない。

 米中間選挙で議会の上下両院が「ねじれ」状態となったことで、2020年の再選を狙うトランプは、「より分かりやすい成果を求める」と読む識者は多い。トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車──。世界で知られたビッグネームから好条件を引き出して政権アピールに利用する戦法はトランプの常とう手段だからだ。

 そして、トランプからすれば、「貿易赤字=ロスなのだから解消するのは当然」という独自の主張を貫いているにすぎない。

 米国で販売される日本車の半数弱が米国外(日本、メキシコ、カナダ)で生産されている(下図参照)。米国はそれを是正するために、日本からの輸出にはTAGで、メキシコやカナダからの輸出にはNAFTA新協定(USMCA)で対処しようとしているのだ。



 仮に米国が主張してきた通り、米国向け自動車の関税が現行の2.5%から20〜25%まで引き上げられたならば、日系自動車メーカーは大打撃を受ける。

 ただし、トランプが狙うのは関税引き上げにとどまらない。関税引き上げや(輸出台数の)数量規制などの貿易の足かせを課すことで、「結果的に、米国への投資拡大を誘導する」(別の自動車メーカー幹部)という心積もりなのだ。

 つまり、トランプの基本路線とは、「米国で販売される自動車は、部品や完成車組み立ても含めて“米国産100%”の自動車にするべき」ということだ。関税引き上げは、途中経過にすぎない。

 現在、日系自動車メーカーには3大リスク(USMCA、TAG、米中経済戦争の長期化)が押し寄せているが、トランプ流保護主義の下では、それらのリスクを回避する有効手段が米国への投資積み増しなのである。



 これまで、日系自動車メーカーは自由貿易を前提にした国際分業戦略を推進してきた。

 経済連携を利用した最適なサプライチェーンを構築するのは至極当然の流れであり、ホンダ、トヨタ、マツダら自動車メーカーは、NAFTAの枠組みを最大限に活用できるメキシコで生産拠点の拡充・建設に走った。

 メキシコ投資の完了で、世界の主要拠点をカバーできる最適地生産が整うはずだったのだ。

保護貿易への傾斜は
「地産地消」徹底のホンダに有利


 ところが、その前提ルールは脆くも崩れ去った。

 米中の争いが通商問題からイノベーションの覇権へ発展すると、米国は自国の技術や知財を守るために保護貿易へとかじを切った。

 下表は、完成車メーカー6社にデンソーを加えた7社において、国際分業の進展度を表す「グローバル経営指数」を独自試算したものだ。



 まず、「消去・調整(自動車メーカーでは通常マイナスの値)」を外部顧客への売上高に足し戻した「グロス連結売上高」を算出。グロス連結売上高に占める消去・調整の構成比が「グローバル経営指数」である。

 グローバル経営指数が高いほど、地域間取引が盛んになっていることを示している。自由貿易主義では、効率的な国際分業を進めようとするので、この値は高く出る。

 その一方で、保護貿易主義になると、地域で完結する「地産地消」を志向するので、グローバル経営指数は低く出る。

 7社のうちグローバル経営指数が最も高いのはマツダ。これは国内生産偏重が強いためだ。最も低いのはデンソーで、完成車メーカーよりもむしろ需要地での現地生産が進んでいるとみられる。

 トランプ流保護主義の下では、この指数は高いほどリスクが大きく、低いほどリスクが小さい。トヨタ、ホンダ、日産の上位3社で比較すると、仏ルノーとの協業で最適地生産を進めてきた日産は24.0%と高くなった。一方、地産地消が徹底されているホンダは19.3%と低くなった。

米国至上主義から
サービス先進国中国へ大シフト




 世界の自動車販売数の5割は米中で占められる。グローバル企業が信じてきた自由貿易に軋みが生じようとも、特にトヨタ、ホンダ、日産の大手3社は2大マーケットから逃げるわけにはいかない。

 当座の関税対策、サプライチェーン対策はもちろん重要なのだが、それ以上に10年後、20年後をにらんだ海外ビジネスの再定義が必要なときに来ている。最悪のシナリオでは、米国と中国が分断される前提で、生産計画、研究開発体制を組み直さなければならない。

 必然的に、巨額の米中ダブル投資は避けられない。従来、トヨタやホンダはドル箱の米国至上主義だったが、「モビリティーサービスや電気自動車(EV)では中国の方が先進国。そうしたうまみがあるから中国へ投資を加速させていくことになるだろう」(木内登英・野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト)。

 米国に代わるマーケットの開拓は急務であり、米中での二重投資を惜しまないことがリスクヘッジにつながるだろう。その上で、地産地消を徹底するための現地調達率の見直し、国内生産拠点のリストラを進めなければならない。



 トランプが「貿易赤字はロス。米国に工場を造れ」と実にシンプルな要求を突き付けてくるのとは異なり、中国が日系メーカーに望むことはもう一段、上手だ。

 国ぐるみの産業政策をまい進している中国では、投資規模以上に技術の供与が求められる。電動化技術の供与や中国でのR&D(研究開発)拠点の増設が迫られるだろう。

 高度な情報収集と経営判断が求められる場面だが、最悪のリスクを先読みし難局を乗り切ることが将来のチャンスにつながるはずだ。


トヨタの生産拠点(北海道)を訪問する中国の李克強首相。トヨタは燃料電池車等の技術を供与する予定 Photo: JIJI



 

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コメント
1. 2018年11月21日 20:05:06 : mgE5D2EW6A : aCoogV03ID8[34] 報告
怯えてる ゴーンショックと リコールに

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