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くすぶる米景気懸念、ドル円に下方リスク 今年こそ1ドル100円 逆イールド本当に「恐怖の使者」か 忍耐、強調のFRB議長
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/541.html
投稿者 うまき 日時 2019 年 1 月 11 日 19:19:02: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

外為フォーラムコラム2019年1月11日 / 13:05 / 3時間前更新

くすぶる米景気懸念、ドル円に下方リスク

亀岡裕次 大和証券 チーフ為替アナリスト
4 分で読む

[東京 11日] - 円の急騰で年明け104円台まで急落したドル/円は、一時109円まで反発した。他通貨に対するそれぞれの動きからすると、ドルの上昇というよりも、円の売り戻し、つまり円安が原因である。昨年のクリスマス前にかけて進んだ米株安に歯止めがかかり、リスクオフの円高からリスクオンの円安に転じたのだ。

これは4つの要因が複合的にもたらしたものと考えられる。1つは景気減速懸念で米国の利上げ期待が後退、長期金利の低下が大幅に進み、株価の割高感が薄らいだこと。2つ目は、米金融当局者の発言が経済や市場の動向次第で利上げ見送りを支持するハト派的なものへ変化したこと。一段の金利低下を促し、景気減速への懸念を和らげる働きをしたとみられる。

さらに、昨年12月の米非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回る増加幅だったこと、米中通商協議が合意に至って対中追加関税が回避されるとの期待が高まったことが、景気減速懸念を緩和した。

<リスクオンは一過性か>

なかでもリスクオンに大きく寄与した要因は、雇用統計の強さだろう。いくら株価下落や金利低下が進み、利上げが見送られるとの期待や通商合意への期待が高まっても、経済指標が市場の予想以上に悪化している状況では、景気減速懸念が強まりやすい。市場予想を下回る指標が増えつつある中で、雇用増や賃金上昇が逆に予想を大きく上回ったことは、景気への不安を鎮める働きをしてリスクオンを誘発したとみられる。

ただ、米国の景気減速懸念がこのまま後退していくとは考えにくい。昨年10月以降の米株安を受け、消費者マインドは先行き期待を中心に悪化し始めており、消費支出が抑制される可能性が高いからだ。減税効果が薄れることと合わせ、資産価格下落による逆資産効果が個人消費を減速させやすい。

海外経済の減速を受けて景況悪化が進む製造業に比べ、堅調に推移してきた非製造業の景況感も悪化し始めているのは、個人消費減速の兆しを示しているのかもしれない。これまでは個人消費が堅調だったことから雇用は大幅に増えてきたが、消費が減速すれば企業は採用に慎重になるだろうし、雇用が鈍化すれば消費減速を助長する。

12月の雇用統計は予想外に強かったが、求人件数は8月をピークに減少し始めている。米国の輸出、住宅投資、設備投資が鈍るなかでも堅調に推移してきた個人消費が減速すると、経済に負の連鎖が起きる恐れがある。

<ドル/円も米景気次第>

足元の米株価は戻しつつあるが、これでリスクオフの動きが収まり、リスクオン基調が続くか否かは、結局のところ経済の行方次第だろう。米10年国債利回りからS&P500株式益回りを差し引いたイールド・スプレッドは、株価下落と金利低下により、12月にマイナス4.55%と2016年6月以来の低水準まで低下した。

米供給管理協会(ISM)が発表する製造業新規受注指数は、2018年11月の62.1から12月には51.1へと急低下した。株式市場や債券市場の動きは、まるでこうした景気指標の悪化を事前に察知していたかのようだ。

今後、指標が下げ止まるのであれば、株価や長期金利は景気減速を十分に織り込んだことになり、上昇に向かうだろう。しかし、下げ止まらなければ株価や金利は十分に下がったとは言えず、頭を抑えつけられるだろう。

ドル/円の水準も、米国の景気指標次第で変わるはずだ。ドル/円は2017年までは米10年国債金利とS&P500株価指数変化率による推計値に連動していたが、2018年は米保護主義の影響によるドル安で、推計値を6―12円下回るケースが多かった。だが、12月以降は大幅な米金利低下と株価下落で推計値が急低下し、その幅は2―8円程度に縮まった。

例えば、米10年国債金利が2.4%に低下し、株価変化率(25日前比)がマイナス10%になると、推計値は109円程度となる。実際のドル/円がそれを2―8円下回るなら、101―107円となる。こうした為替水準はあくまでも目安に過ぎないが、米景気指標が市場予想を下回り減速懸念が強まると、リスクオフの円高と米金利低下のドル安でドル/円は下落しやすくなるだろう。

<米中が通商合意すればリスクオンか>

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は4日、市場が織り込む経済の下振れリスクに敏感であり、必要に応じて政策スタンスを大幅に変更する用意があるとし、柔軟に対応する考えを示した。FRBが利上げの見送りや、保有債券の再投資縮小(バランスシート縮小)の打ち切りに前向きな姿勢を見せれば、米景気に対する市場の不安とリスクオフを抑える要因にはなる。

しかし、FRBがハト派的な金融政策へシフトすることが、必ずしもリスクオンを誘発して米株価と長期金利、ドル/円の上昇につながるとは限らない。FRBが政策を変更するとの期待があっても、米指標の悪化が続けば市場の景気見通しは改善しにくく、リスクオフに傾きやすくなる。利下げ見通しが米金利低下とドル安を促すことにもなるだろう。

米中の通商協議が貿易分野で合意すれば、ドル高/円安に振れる可能性はある。ただ、知的財産権侵害や技術移転強要といった構造問題の解決には時間がかかる。米国がそれまで対中追加関税の発動を猶予しても撤回しないと、通商摩擦を巡る不透明感は払拭されにくい。

中国が米国から輸入する農産物やエネルギーを増やしても、米国景気を回復させるのは困難だろう。また、安全保障上の理由から、米国企業が中国製通信機器の利用を制限されることになれば、中国景気に悪影響を及ぼしリスクオフ要因となる。米中が貿易面で合意しても、世界経済が回復に向かう可能性が低いとなれば、リスクオンの円安は進みにくいだろう。

(本コラムは、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

(編集:久保信博)

亀岡裕次氏(写真は筆者提供)
*亀岡裕次氏は、大和証券の金融市場調査部部長・チーフ為替アナリスト。東京工業大学大学院修士課程修了後、大和証券に入社し、大和総研や大和証券キャピタル・マーケッツを経て、2012年4月より現職。
https://jp.reuters.com/article/column-useconomy-forexforum-yuji-kameoka-idJPKCN1P508C
 


 

2019年1月11日 The Wall Street Journal
逆イールドは本当に「恐怖の使者」なのか

FRBはいずれにせよ債券投資家の声に耳を傾けるべき
マーケット
Photo:Reuters
――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター

***

 「イールドカーブの逆転」と題する新たなホラー映画がやって来た。ウォール街を席巻するこの映画の目玉は、身も凍るような正体不明の力だ。それは人々の心の中に忍び込み、ケーブルTVのニュースに一喜一憂させ、金融市場にパニックを起こす。

 長期債の利回りが低下して短期債の利回りに近づくにつれ、われわれが幾度となく思い起こすのは、過去5回の景気後退(リセッション)に先立って逆イールドが発生していたことだ。調査会社プラトルの分析によると、企業の電話会議(特に金融機関)では、イールドカーブ(利回り曲線)に言及する回数が着実に増えている。だがどの程度心配すべきかについては、逆イールドが本当に景気後退の予兆となるのか、または景気後退を引き起こすのか、あるいはその両方なのかということが決定的な要因となる。

 短期金利は米連邦準備制度理事会(FRB)が決定し、長期金利は債券市場の投資家が決める。FRBが雇用とインフレを安定させながら景気の「ソフトランディング」を目指し、金利を緩やかなペースで引き上げる中、イールドカーブは過去2年にわたりフラット化の傾向にあった。だがこの数カ月のフラット化を主導したのは債券利回りの低下だった。一般的な解釈は次のようなものだ。投資家はFRBが利上げを急ぎすぎており、経済を景気後退に陥らせる恐れがあると考えている。

 これは、イールドカーブがリセッションを予兆しているという意味だ。しかし利回りが反映するのは将来の見通しだけではない。利回りは債券の需給に応じて変動する。2000年代初め、中国などの貿易黒字国は手にした資金を米国債につぎ込んだ。このいわゆる「過剰貯蓄」により債券価格は高止まりし、利回りは低下した。2008年以降は、FRBや各国・地域の中央銀行が景気刺激策として数兆ドル規模の国債買い入れ(いわゆる量的緩和=QE)を実施した。FRBのアナリストの推定では、QEにより2017年末時点で利回りは約0.85ポイント低下した。

 その効果はFRBが保有資産の縮小を進めたことで若干弱まった。だが一方で、欧州中央銀行(ECB)は先月まで債券の購入を続けていたし、日銀は今も資産を積み上げている。要するに、QE以前の時代ほど、逆イールドは不吉な前兆ではなくなっている。

 ただ、こうした「今回は違う」的なロジックには注意が必要だ。FRBは2006年に逆イールドを先の「過剰貯蓄」を理由に軽視していた。とはいえ、イールドカーブを読み取る際は需給状況を排除するよう心掛けるべきだろう。昨年、FRBのエコノミストはこれを実行すべく、現在の短期金利と、市場が予想する18カ月後の金利水準(投資家が考える経済の短期的な見通しをより純粋に示すもの)を比較した。このスプレッド(金利差)は、従来のイールドカーブよりも景気後退のシグナルとしての信頼度がはるかに高い。そしてこの時点で景気後退の兆しはなかった。

 残念ながらその後、この金利差もフラット化している。投資家は実際、リセッションのリスクが相当高いと考えていることがうかがえる。だがここでもう1つの疑問が持ち上がる。投資家はFRBと同じニュースやデータを入手している。それなのに投資家の方がFRBより景気動向をよく理解していることがあり得るのか? JPモルガンのエコノミスト、ジェシー・エドガートン氏は、経済指標はリセッションの予兆としてイールドカーブより優れた実績を残していることを示した。現在、経済指標はイールドカーブよりも景気後退の可能性が低いとみている。

 そこでもう1つの可能性が浮上する。債券投資家とイールドカーブは、単にリセッションの予兆なのではなく、自らそれを引き起こすのではないかということだ。例えば貸出金利(債券利回りに連動)と預金金利(短期金利に連動)のスプレッドが縮まれば融資の利ざやは縮小するからだ。

 あるいはイールドカーブが心理的に作用し、景気後退の一因となるのかもしれない。景気循環においては常に「心理」が重要かつ予測不能な役割を果たす。特に市場にパニックが発生してる時期はそうだ。投資家は安全な逃避先として債券に殺到し(そして利回りを押し下げ)、リスクの高い株式や社債を売り払う。その結果、信用供給がひっ迫し、家計資産が縮小して経済への直接的な打撃となり、さらに不安が助長されて間接的な打撃にもなる。もし投資家や企業、消費者がリセッションの足音を間近に感じれば、投資も支出も雇用も減らすだろう。こうなると、リセッションが一段と現実味を帯びる。

 FRBが最近行った調査では、金融機関の融資担当者の多くが、逆イールドが発生すれば貸し出し基準を厳しくすると答えた。単に融資による利益が減るだけではなく、景気悪化やローンの質低下のシグナルとなるからだ。

 もし本当に重要なのがファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)だけならば、FRBはいまウォール街で上映中の「イールドカーブの逆転」を無視してよいはずだ。だが、リセッションは自己実現的予言となる可能性がある。だから最後まで席を立たずに注視しなければならない。

(The Wall Street Journal/Greg Ip)
https://diamond.jp/articles/-/190643


 


 
今年こそ1ドル=100円か、無理な水準ではないとの見方も
Charlotte Ryan
2019年1月11日 12:52 JST
• ドイツ銀は今年、クレディ・アグリコルは来年100円と予想
• 円はファンダメンタル的には割安ージャナス・ヘンダーソン
円は2019年、衝撃のスタートを切った。年末年始の連休中のフラッシュクラッシュ的な動きでドルに対して短時間に4%近く上昇した。ファンドマネジャーらは1ドル=100円まで円高が進む可能性を受け入れつつある。
  ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのマネーマネジャー、ライアン・マイアーバーグ氏は「世界の成長が減速し、米金融当局が利下げをし、ボラティリティーが高まる。そんな環境になれば、円はファンダメンタル的には割安なので、1ドル=100円の水準も無理なものには思われない」と述べた。
  ドイツ銀行は円が年内に1ドル=100円に達するとの見通しを示した。ジョージ・サラベロス氏らストラテジストはリポートで、「フラッシュクラッシュ的な動きは薄れたが、円高の原動力はそれだけではないと考える」とし、「日本人投資家の行動の構造的シフト」が今年の円を支えると予想した。
  このほか、ラッセル・インベストメンツとクレディ・アグリコルは20年に1ドル=100円に達するとみている。

原題:This Might Be the Year the Yen Finally Reclaims 100 Level: Chart、This May Be the Year Japan’s Yen Finally Reclaims 100 Per Dollar(抜粋)
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4. 米銀決算始まる、CEOらに株式市場の審判も−14日にシティ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-11/PL5DI76JIJVI01

日本株反発、米利上げ慎重姿勢や円高一服を好感−輸出や不動産高い
長谷川敏郎
2019年1月11日 7:51 JST 更新日時 2019年1月11日 15:23 JST
• パウエルFRB議長やセントルイス連銀総裁が改めてハト派的発言
• VIXは1カ月ぶり低水準、為替は1ドル=108円40銭台

Photographer: Shoko Takayasu/Bloomberg
11日の東京株式相場は反発。米国金融当局の利上げ慎重姿勢や為替市場での円高の勢い一服から過度の業績懸念が和らぎ、電機や輸送用機器など輸出関連、化学など素材株が買われた。不動産や電気・ガスなど内需関連の一角も高い。
• TOPIXの終値は前日比7.72ポイント(0.5%)高の1529.73
• 日経平均株価は195円90銭(1%)高の2万0359円70銭
  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長やセントルイス連銀のブラード総裁は10日、改めて早期の利上げに慎重な姿勢を示した。10日の米S&P500種株価指数は昨年9月以来4カ月ぶりの5連騰、米国株のボラティリティー(変動性)の指標であるVIXは19.50と、昨年12月3日以来約1カ月ぶりの水準まで低下。為替市場では円高が一服している。
  三菱UFJ国際投信・株式運用部の小西一陽チーフファンドマネジャーは「景況感が悪化する中で米利上げが継続するようなら今年の企業業績に対する不透明感は強かったが、だいぶ修正がなされた」とし、「リセッションが無ければ企業業績が大きく崩れることはないだろう」と指摘した。
  この日は業種別では輸出関連に加え、海外情勢に影響を受けにくい不動産など内需の一角にも見直し買いが進展。個別では第1四半期営業利益が減益だったファーストリテイリングが大幅高で、通期営業利益予想を減額した安川電機は最終的にプラス圏を維持するなど、決算銘柄に対する悪影響は総じて限定的だった。「足元の決算は決して良くはないが、覚悟していた範囲内」と、三菱U国際の小西氏はみる。
  もっとも、米ダウ工業株30種平均が12月3日高値から同26日安値までの下げ幅の半値戻りを達成したのに対し、日経平均は同期間下げ幅の38.2%戻りに匹敵する約2万0380円からの上値が重かった。岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは「フィボナッチの水準から上値は長く維持できず、自律反発の域を出ていない。国内単独の材料に乏しく、3月まで下値固めが続く可能性がある」と話していた。
• 東証33業種では精密機器、不動産、電機、電気・ガス、輸送用機器、機械、海運、非鉄などが上昇
• 下落は小売り、倉庫・運輸、食料品、陸運など
• 11日の為替市場でドル・円相場は一時1ドル=108円40銭台、前日の日本株終値時点は107円91銭
• きょうの取引開始に算出された日経225オプション1月限の特別清算値(SQ)は、10日の日経平均株価の終値(2万0163円80銭)を126円87銭上回った

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-10/PL502U6S972801 

 

コラム2019年1月11日 / 11:35 / 5時間前更新
「忍耐」強調のFRB議長、ガイダンスは有効か
Gina Chon
2 分で読む

[ワシントン 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 金融政策の方向性を前もって示すフォワードガイダンスは結局のところ、米連邦準備理事会(FRB)と市場の双方の意思が通じ合わなければ全く機能しないことが明白になっている。

パウエル議長は10日、FRBが利上げについて忍耐強くなれると述べたが、以前のタカ派的なコメントは投資家を動揺させ、昨年12月の株価急落をもたらした。FRBと市場はなお、お互いを理解するための学習を続けている。

FRBの忍耐強さや政策の柔軟性を前面に打ち出すパウエル氏のメッセージは、利上げの妥当性を説明するために米経済の強さを強調した12月の内容とは対照的だった。12月の発言は株価急落や米長期金利の急低下を招いた。懸念材料はほかにも多い。今週は世界銀行が今年と2020年の世界経済見通しを引き下げ、貿易摩擦はくすぶり、米政府機関の一部閉鎖は20日目に突入した。

もっとも10日のパウエル氏のハト派的な発言にも、多少の「とげ」はある。2017年10月以降着実に縮小してきたFRBのバランスシートに関して「今後相当規模が小さくなるだろう」と述べたからだ。バランスシートを巡っては12月に「自動運転」で縮小すると語った後、先週には縮小ペースの面でFRBは柔軟になれると説明していた。

市場はこれまでのパウエル氏の発言に過剰反応してきたのかもしれない。とはいえ、同氏の言葉選びにも多少のずさんさがあった。

昨年10月には政策金利が中立金利から「程遠い」と口にして株価を大きく押し下げると、11月には政策金利は中立金利を「わずかに下回る」水準だと軌道修正し、一時的に株が持ち直した。

今後FRBがフォワードガイダンスを撤廃し、指標動向によって政策を決めることに軸足を置いたメッセージを発する方式に移行すれば、情報発信がより厄介になる恐れが出てくる。12月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、実際にそうした移行が検討されている。フォワードガイダンスは政策金利がゼロ付近にあった局面で長期金利を低く抑える上で有効だった。政策金利が2.25─2.5%になった今は、枠組みを変えるには理想的だ。

ただし特に経済が転換期にある場合、指標の動きは一貫しない。さらにパウエル氏が今年から毎回のFOMC後に会見することで、市場との対話に失敗する可能性をもたらす機会も増える。FRBと市場の相互理解が難しくならないことを願うばかりだ。

●背景となるニュース

*パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は10日、今年の景気動向把握に際してFRBは忍耐強くなれると述べた。物価が安定している点を踏まえ、世界経済の減速と米経済の基調の力強さのどちらの影響が勝るかを見極めてから、政策金利に関する新たな判断ができるとしている。

*リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は10日、米経済の力強い成長がいつまで続くかと懸念する声が周辺で聞かれると述べ、「トレンド」成長率は1.9%程度まで鈍化すると予想した。ボストン地区連銀のローゼンスタイン総裁らほかにも何人かの地区連銀総裁が9日から10日に経済に対して慎重な見方を示した。

*9日公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、フォワードガイダンスを撤廃し、指標次第の政策に軸足を置いたコメントにする方式などいくつかの新たな選択肢が検討されていることが分かった。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
https://jp.reuters.com/article/frb-guidance-market-idJPKCN1P505A

 

FRB議長、利上げ一時停止強調「資産かなり小さく」
経済 北米
2019/1/11 3:55 (2019/1/11 14:07更新)
【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は10日の講演で「懸念は海外経済だ。市場も不安視しており、政策は様子見する時期だ」と述べた。FRBは2019年に2回の利上げを想定してきたが、株安を受けて一時停止する考えを改めて示唆した。市場はFRBの資産圧縮も注視するが「保有資産はかなり小さくなる」と述べ、当面継続する姿勢を示した。

パウエル氏はワシントン市内で質疑応答形式の講演に臨んだ。米経済については「失業率は約50年ぶりの水準に改善し、19年に入っても底堅さを保っている」と強調した。ただ、金融資本市場は世界景気の先行きを不安視しており、パウエル氏も「最も懸念するのは海外経済だ」と指摘。中国景気など経済指標を丹念に分析すると強調した。

FRBは18年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、19年も年2回の利上げを継続する方針を示したが、パウエル氏は「政策見通しはFOMC参加者の中央値にすぎず、金融政策にあらかじめ決められた経路はない」と強調した。FOMC後に強まった市場の混乱を懸念して「経済動向を見極めるため、政策も柔軟に見直して様子見する時期だ」と述べた。

金融市場はFRBが利上げと同時に進める保有資産の圧縮にも注視している。パウエル氏は「資産規模は現時点よりもかなり小さくなるだろう」と述べ、当面は「量的引き締め」を続ける考えを示した。今月4日の講演では「現時点で市場の混乱の要因になっているとは思わないが、問題が発生すれば、バランスシートの正常化も修正をためらうことはない」と述べていた。

FRB議長「金融政策を根気よく見直す」 利上げ一時停止強調
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は10日の講演で、「金融政策を柔軟に見直して様子見する時期だ」と述べ、利上げを一時停止する考えを改めて強調した。
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10日にはニューヨーク市内でクラリダ副議長も講演した。パウエル議長と同じく海外経済の鈍化と金融市場の混乱を懸念して「経済指標がどう推移するか、FRBは様子見する余地がある」と主張した。クラリダ氏はさらに「持続的に2%の物価上昇率を保てるか不透明だ」とも述べ、今後の追加利上げには極めて慎重な姿勢ものぞかせた。

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19年に利上げ減速も FRB新副議長「物価は安定」
2018/10/26 3:01
トランプ氏、FRB副議長にコロンビア大教授を指名
2018/4/17 7:25更新
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39895340R10C19A1000000

 

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