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トランプが仕掛ける「貿易戦争」の2つの顏
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投稿者 佐藤鴻全 日時 2018 年 3 月 07 日 19:36:01: ubCRqOmrnpU0Y jbKToY2DkVM
 

◆貿易収支と中国の覇権◆
3月1日、米国のトランプ大統領は自国に輸入される鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を課す方針を表明した。その後ロス米商務長官は、これを「非常に幅広い構想だ」と述べ、4日、ナバロ通商製造業政策局長はTV番組で、「現時点では国単位での例外措置はない」と語り、国単位ではなく、国内調達が難しいケースなどで、一部製品の例外化を検討するとみられる。なお、正式発表は、今週末か翌週となる見込みだ。

これは、輸入制限は安保上の脅威を理由に一方的な対抗措置を取ることができると定めた、米通商拡大法232条に基づく措置である。だが安全保障上の脅威というのは多分に建前であり、実体は輸入制限を実施することで、貿易赤字全体の縮小を図る一方、中間選挙も見据えて関連する米国メーカーの要求に応えるものである。

今回の輸入制限措置は、貿易戦争への口火を開きかねないが、それには2つの側面がある。即ち中国をターゲットにした側面と、それ以外の国もターゲットにした側面だ。

6日にコーン米国家経済会議(NEC)委員長が辞任したが、関係者によると、中国により厳しい姿勢を取る必要性についてコーンはトランプと一致していたが、カナダやメキシコ、欧州連合(EU)にも打撃を与える鉄鋼やアルミニウムへの関税の適用は、逆効果と考え辞任を決断した模様だ。

先ず、1つ目の迂回ルート経由も含めた中国製品を主なターゲットにした側面について考察したい。この時期にトランプが表明したのには、前述の中間選挙を見据えてと言う他に、北爆実行の如何に係わらず、北朝鮮対応で中国に揺さぶりを掛けてディールに持ち込み協力を促す狙いがあるのかも知れない。

また、より本質的には、北朝鮮処理後に、貿易で富とパワーを溜め込む中国と本格的に覇権を掛けた貿易戦争に乗り出す布石もしくは瀬踏みとも考えられる。なお、これは前述の北朝鮮処理に纏わる揺さぶりと相反せず両立し得る。

筆者は、米国から中国への覇権交代は人類の最大多数の最大幸福のためには阻止すべきであり、中国に対する措置については、このために必要な布石であると考える。

◆2国間と多国間貿易バランス◆
もう1つは、トランプ政権の言葉通りに、各国に対する(必ずしも覇権を掛けない)貿易戦争の序曲である側面だ。

トランプは、以前から特にダボス会議から今回に至るまでレシプロカル(相互的)という言葉を多用している。恐らくトランプの頭の中では米国と各国との2国間で貿易収支がバランスすることを考えているのだろう。トランプがこれまで君臨してきた不動産業の世界では相手との2者間のディールが基本だ。だが2国間貿易バランスを追求すれば、自由貿易主義者のコーン前委員長が懸念したであろうように、貿易、進んでは世界経済が縮小均衡してしまうだろう。

しかし、トランプの懸念にも理解できる点はある。

これまで非常にラフな図で言えば、賃金と通貨価値の低い国には製造コスト安によって輸出ドライブが働き、やがて豊かになりコスト高になり、高賃金、通貨高の国と長期的に見て収支はバランスするとされてきた。

また、リカードの比較優位論によって、例えば精密機械の得意な国は精密機械を作り、コーヒー豆作りが得意な国はそうする事により、基本的に適材適所で世界経済は回り、各国の相互依存関係により戦争のリスクは減り、各国民はハッピーになるという大前提で、世界は貿易の自由化へ向けて進んできた。

しかしこれでは、低賃金、通貨安国に製造と輸出をさせるグローバル企業、国際資本が儲け、米国はじめ先進国の国内雇用が失われ、貧富の格差により国内が二極分化するという現象も起きた。

トランプは、年間8,000億ドルに及ぶ貿易赤字を何とかしたいと考えている。1月のダボス会議で恐らくはトランプ自ら指示してムニューチン財務長官に「弱いドル政策」を示唆させて各国に匕首をチラつかせ、直ぐに自身でそれを打ち消し「強いドル」へ軌道修正を図る等、涙ぐましくも細かい芸も繰り出している。基軸通貨であるドルの下落を米国自身も各国も望まない。

世界経済は、IA化ロボット化が進んで行き、消費者の消滅へと向かう可能性も高く、各国政府は雇用税制等で雇用を創出する必要も生じる。

筆者は、前述したようにトランプが考えているであろう2国間の貿易バランスではなく、多国間の貿易バランスが図られるための何らかの新しい仕組み作りは、今後検討される余地があると考える。

手の内を見せない事をディールで勝つための定石とし、政治外交手法としてもこれを用いる事を公言して憚らないトランプの出方は、この「貿易戦争」に限らず予測し難いが、我々は変化の時代の中で座標軸と海図を試作しつつ、その挙動の是非を見て行く必要があるだろう。


佐藤総研 http://blog.livedoor.jp/ksato123/  

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