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米国 北朝鮮非核化へ高官レベル協議急ぐ／nhk
2018年6月13日 6時16分米朝首脳会談
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180613/k10011475721000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_006
アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮のキム・ジョンウン（金正恩）朝鮮労働党委員長と史上初の米朝首脳会談を行い、朝鮮半島の完全な非核化への決意を確認したとする一方、その具体的な行動や検証方法では合意できませんでした。トランプ大統領は今後、北朝鮮と高官レベルで非核化をめぐる協議を急ぎ、成果につなげたい考えです。
トランプ大統領とキム委員長は12日、シンガポールの高級ホテルで史上初の米朝首脳会談に臨み、共同声明に署名しました。
共同声明では朝鮮半島の完全な非核化への決意を確認したとする一方、焦点となっていた、非核化に向けた具体的な行動や検証方法、期限は盛り込まれませんでした。
また、北朝鮮が求める体制の保証については「トランプ大統領が体制の保証を提供する約束をする」としたものの、その第１歩となると見られていた朝鮮戦争の終結宣言までは踏み込みませんでした。
アメリカとしては非核化をめぐる合意が原則論を確認するにとどまったことから、その見返りとなる体制の保証についても具体的に踏み込むことは避けたと受け止められています。
一方、共同声明で米朝双方は、首脳会談の成果を実行に移すため、可能なかぎり速やかに政府高官による交渉を行うとしていて、トランプ大統領は記者会見で、来週にも、ポンペイオ国務長官と安全保障政策担当のボルトン大統領補佐官が、北朝鮮側と協議するとの見通しを示しました。
今回の合意をめぐってアメリカのメディアからは「アメリカが長年求めてきたはずの、完全で検証可能かつ不可逆的な非核化を実現させるプロセスはほぼ含まれていない」という指摘や「これまでの声明と比べても驚くほど内容が弱い」といった声があがるなど、成果を疑問視する報道が相次いでいます。
トランプ大統領としては秋の中間選挙も見据え、高官レベルでの非核化をめぐる協議を急ぎ、日本や韓国などと協力して目に見える形での成果につなげたい考えです。
トランプ大統領「非核化で大きな進展」
トランプ大統領は日本時間の13日朝、ツイッターに「本当にすばらしいシンガポールへの訪問を終えて帰るところだ。北朝鮮の非核化では大きな進展があった」と書き込みました。
そのうえで「キム委員長ともうまくやれた。戦争を起こすことは誰にでもできるが平和をもたらせるのは最も勇気のある者だけだ」とも書き込み、首脳会談の成果を強調しました。
米議会では与野党で評価分かれる
米朝首脳会談について、アメリカ議会の与党・共和党の上院トップ、マコネル院内総務は12日、本会議での演説で「重要な交渉の歴史的な一歩だ」と述べ、トランプ大統領に祝意を表し、共同声明を支持する考えを示しました。
ただ、「次の段階では検証可能な合意に達することができるかどうかが試される。北朝鮮が合意を守らないなら、われわれは最大限の圧力を復活させなければならない」と述べました。
また共和党の有力議員で対外強硬派として知られるグラム上院議員は記者団に対し「歴史的な瞬間だった」と評価しながらも「北朝鮮がわれわれをだますなら、おそらく戦争になるだろう」と強くけん制しました。
一方、野党・民主党の上院トップ、シューマー院内総務は「共同声明は非核化の実現に向けた詳細が欠けている。あいまいで検証不可能だ」と述べました。
そのうえで「トランプ大統領はなにも得ていないのに、キム委員長がほしかったものを与えてしまったようだ」と批判しました。
さらに上院の軍事委員会に所属する民主党のヒロノ議員は「キム委員長の大勝利だ。最も力があるアメリカに北朝鮮を認めさせた。キム委員長は喜んでいるに違いない」と指摘しました。
米国民の見方は
米朝首脳会談をアメリカの人々はどう受け止めたのか、12日、首都ワシントンで聞きました。
南部 ノースカロライナ州出身の男性は「２人の首脳が直接会って話し合い非核化で合意したことはアメリカや北朝鮮はもちろん韓国など他の国にとっても喜ばしい」としたうえで、トランプ大統領が譲歩しすぎたのではないかという指摘については、「平和を実現するためには多少の妥協はしかたない」と擁護していました。
南部 テキサス州出身で軍人の男性は「非常に重要な歴史的一歩だ」と歓迎したうえで、「時間はかかるかもしれないが韓国に駐留するアメリカ軍にひきあげてほしい。トランプ大統領なら実現できる」と述べ、将来的な在韓米軍の撤退につながることに期待を示していました。
西部 アリゾナ州出身の男性は「トランプ大統領が最初の一歩を踏み出したことは歓迎するが、この先の道のりは長いと思う。北朝鮮は約束を破ってきた歴史があるからだ」と述べ、北朝鮮を信用することに懸念を示していました。
大手調査会社が先月下旬に行った世論調査で、北朝鮮との直接対話について尋ねたところ、「支持する」は72％、「支持しない」は10％と、トランプ大統領の対話姿勢は、アメリカではおおむね好意的に受け止められています。
一方、「北朝鮮が核開発を完全に断念すると思うか」という質問に対しては、70％以上が「そうは思わない」と答えていて、非核化の実現には懐疑的な見方が根強いことをうかがわせています。
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