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「再来ユーロ危機」投資家ソロスの大胆予測と崩壊EUの処方箋(ニューズウィーク) 
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/584.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 8 月 02 日 12:34:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

「再来ユーロ危機」投資家ソロスの大胆予測と崩壊EUの処方箋
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/08/eu-135.php
2018年8月1日(水)17時40分 ジョージ・ソロス(投資家、慈善事業家) ニューズウィーク


Ruben Sprich-REUTERS


<難民や財政危機、加盟国離脱などでEUは崩壊の瀬戸際にある。本誌7/31発売号「EU崩壊 ソロスの警告」に掲載した世界的投資家ジョージ・ソロスの提言を抜粋で紹介する>

EU(欧州連合)は今や崖っぷちに立たされている。この10年間、失敗の可能性があることは全て失敗してきた。戦後の平和と繁栄を支えてきたこの偉大な政治プロジェクトは、いかにしてこんな事態に陥ったのか。

私は個人的に、EUを「開かれた社会」という構想の具現化と見なしていた。それは対等な国々が団結し、共通する利益のために自国の主権の一部を犠牲にする自発的な共同体だった。開かれた社会としてのヨーロッパという考えは、私を刺激し続けている。

だが08年の金融危機以来、EUは道に迷ったようだ。EUが選択した緊縮財政はユーロ危機をもたらし、ユーロ圏を債権国と債務国に分断した。

そして今、多くの若者はEUを、雇用と確かな未来を奪った敵と見なしている。ポピュリストの政治家は大衆の怒りを利用し、反EUを掲げる政党や運動をつくり出した。

そこへ15年以来の難民危機が来た。当初は多くの人が政治的抑圧や内戦を逃れた難民の窮状に同情したが、過大な負担によって自分たちの日常生活が混乱することは望まなかった。自国の政府がこの危機にまともに対処できないことも幻滅につながった。

実際、ヨーロッパ全体が難民危機で混乱している。不道徳な指導者はそれを悪用してきた。ハンガリーでは、オルバン・ビクトル首相が再選を果たしたが、その選挙運動の中で私は、ハンガリーを含む欧州全体にイスラム教徒の難民を流入させようとしている男として名指しされ、目の敵にされた。そしてオルバンは今、「キリスト教徒のヨーロッパ」の擁護者を気取り、EUの基盤をなす価値観に挑戦している。

アメリカもEUの存続を脅かしている。ドナルド・トランプ大統領は15年のイラン核合意から一方的に離脱し、大西洋の両岸を結ぶ同盟関係を事実上破壊した。彼の行動は、既に苦境にあるヨーロッパに追い打ちをかける格好になった。ヨーロッパが存亡の危機にあるということは、もはや言葉のあやではない。冷徹な現実だ。

■次の金融危機が迫っている?

EUは3つの問題に直面している。難民危機、 経済発展を妨げる緊縮政策、そしてブレグジット(イギリスのEU離脱)に代表される地理的分断だ。

最初に手を付けるべきは難民危機だろう。私は常に、ヨーロッパの難民の配分は完全に自発的であるべきだと主張してきた。加盟国は、望まない難民の受け入れを強制されるべきではないし、難民の側も行きたくない国への移住を強制されるべきではない。

欧州の移民政策はこの基本原則に基づくものであるべきだ。多くの難民が最初にたどりつくイタリアなどの地中海諸国に負担を強いているダブリン規約を早急に改定すべきだ。さもないと政治的に悲惨な結果が生じる。

EUの信用格付けは高い。つまり有利な条件で借金できる。なのにその能力を使っていない。自らの存立基盤が揺らいでいる今こそ、この能力を存分に生かすべきだ。借金の増加は緊縮政策全盛の時代の風潮に反するが、実は緊縮政策こそヨーロッパが直面する危機の2つ目の要因なのだ。

少し前までは、緊縮政策が功を奏しているとの見方も可能だった。欧州経済は緩やかに改善しているから、しばしの辛抱だと主張することもできた。しかし今やアメリカのイラン核合意離脱と米欧の同盟関係の崩壊という危機が迫り、どちらも欧州経済に悪影響を及ぼすことは必至だ。ドル高は既に新興市場からの資本逃避を引き起こしている。私たちは次の大きな金融危機に向かいつつあるのかもしれない。

アフリカ版マーシャルプランを発動して経済を刺激するのに、今はまたとないタイミングだ。そこで私は、その資金調達のために型破りな提案を用意している。

3つ目の問題は、ブレグジットに代表される地理的な分裂だ。離脱のプロセスでは誰もが手痛いダメージを被る。去る側にも去られる側にも害がある。しかし、この救い難いプロセスを「ウィン・ウィン」の状況に転換することは可能だ。

EU残留がイギリス経済に好影響を及ぼすのは間違いないが、それが明らかになったのはここ数カ月のことだ。本当に理解してもらうには時間がかかるだろう。その間にEUは、イギリスのような国も残留を望むことができる組織に生まれ変わればいい。

■「マルチトラックな欧州」

新しいヨーロッパは、2つの点で現在のEUとは違う。まずEUとユーロ圏をはっきり分けて考える。第2に、ユーロに未解決の問題が山積していることを認める。そうした問題に、欧州の統合を破壊させてはならない。

ユーロ圏を縛る規則は時代遅れだ。全てのEU加盟国は一定の条件を満たせば単一通貨ユーロを採用すべきものとされている。そのためユーロ導入を拒否したり先送りしたりしている国(スウェーデンやポーランドなど)は「条件未達」国として扱われるという理不尽な状況が生まれている。

影響は根深い。EUはユーロ圏を核とする組織に変質し、ユーロ圏に属さない加盟国は「二等国」扱いされている。そこには、速度こそまちまちだが加盟国は皆同じゴールを目指しているという暗黙の了解があるのだが、それは多くの加盟国が「絶えざる統合の深化」というゴールを拒否している現実から目を背けている。

時代遅れな目標は捨て、速度は違えど同じ場所を目指す「マルチスピードな欧州」ではなく、加盟国に多様な道筋を認める「マルチトラックな欧州」を目指すべきだ。メリットは広範囲に及ぶだろう。昨今、加盟国は主権を主張するばかりで協調には後ろ向きだ。だが協調がポジティブな結果をもたらせば風向きも変わる。例えば現在は有志連合で担っている防衛も、全体で取り組むようになるかもしれない。

©Project Syndicate

【参考記事】イギリス人は結局、ブレグジットをどうしたいの?(コリン・ジョイス)



 

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コメント
 
1. 2018年8月02日 19:00:03 : R78it43S7k : xlqb3FY6@qY[85]
したり顔 見せて居直る 主犯格

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