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機密権限剥奪されても、トランプは危険と言い続ける──元CIA長官(ニューズウィーク) 
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/694.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 8 月 20 日 20:46:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

機密権限剥奪されても、トランプは危険と言い続ける──元CIA長官
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/08/cia-18.php
2018年8月20日(月)20時00分 ジェーソン・マードック ニューズウィーク


Kevin Lamarque-REUTERS


<トランプ批判が災いして機密情報へのアクセス権限を剥奪されたが、批判は続けると言うブレナン>

CIA(米中央情報局)のジョン・ブレナン元長官は8月19日、ドナルド・トランプ大統領が「(国家に対して)反逆的な」行動をしたとの考えに変わりはないと述べた。

トランプがロシアとの共謀を否定しているのは「たわごと」だ、と断じたブレナンのニューヨーク・タイムズへの寄稿は、ワシントン政界に大きな波紋を呼んだ。ブレナンはまた、トランプ政権によって機密情報へのアクセス権限 を剥奪されたのは自分が政権に批判的な発言をしたからであり、「トランプに楯突こうとするかも知れない他の人々を脅して口を封じようとする試み」だと主張した。

19日にブレナンはNBCテレビのインタビューに応じ、これまでの発言を後悔してはいないし、アクセス権限の剥奪についてトランプを訴える ことも検討中だと述べた。訴訟を起こせば他の政府高官らに対する同様の措置を防止する効果が期待できるとブレナンは見ているようだ。

■「トランプのアメリカは異常事態」

「(国家への反逆だという)考えにもまったく変わりはない。今は異常事態だと思う。情報畑のプロとしての一種の訓練なのかも知れない。トランプ氏がこれまでやってきたこと、今やっていることに関して赤信号が点滅しているのを私は見てきた。彼はこの国を国際舞台から引きずり下ろそうとしている」とブレナンは述べた。

「彼はアメリカ国民に嘘をつき続けている。声を上げる必要があるというのが私の思いで、どちらかといえばこれまではやむなく声を上げてきた。そうすることが重要だと信じているからからだ。政治的な発言だとは思わない」

ブレナンがツイッターでトランプのことを「反逆的」だと発言したのは、7月の米ロ首脳会談の後だった。ロシア疑惑を完全否定したロシアのウラジーミル・プーチン大統領に、トランプがすぐさま同調したからだ。アメリカの情報機関が掘り出した証拠や裏付けよりプーチンの言葉を信じるのか、というわけだ。

ブレナンはNBCに対し、ロシアと「共謀」という言葉を使ったことが反発を招いたことは認めながら、それでも「共謀」と陰謀の間には大きな違いがあると主張した。

「これが陰謀のレベルに達するかどうかはロバート・ムラー特別検察官の判断に任せるにとになるが、(肝心なのは)ロシアが選挙介入していることをトランプが間近に知っていたかどうかだ。私が言っているのは、アメリカの個人とロシア人との間で行われた共謀の存在であって、これが何らかの刑事告発につながるかどうかはまた別問題だ」

トランプは18日、ツイッターでブレナンに反撃した。「ブレナンがCIA長官在任中に犯した過ちを見た人はいるか? 彼は最悪の長官として歴史に名を残すことになるだろう。そしてやめてからはわが国の機密をゆだねるに値しないただのほら吹きで党派的な3流政治評論家になった」

上院情報委員会の委員長を務めるリチャード・バー上院議員も17日、ブレナン発言を強く非難した。

「もしブレナン(元)長官の発言がCIA長官在任中に手にした情報に基づくならばなぜ17年に公表された(ロシア介入疑惑に関する)報告書にそれを含めなかったのか」とバーは述べた。

「もし発言が退任後に目にした情報に基づくなら、それは情報漏えいに相当する。もし発言が憶測に基づく純粋に政治的なものであれば、大統領は行政府の長として彼の機密情報へのアクセス権を取り消す十分な権限を持つ」

■「大統領は法を超えた存在ではない」

機密情報へのアクセス権剥奪の動きは情報畑の人々の間にも議論を巻き起こしている。

レオン・パネッタCIA元長官はCBSの取材に答え、トランプにはそうした決定をする権限はないかもしれないと述べた。政治紙ザ・ヒルによればパネッタは「トランプが大統領令に従っているか、きちんとした法的手続きを踏んでいるのかどうかが疑問視されるところだ」と述べたという。またパネッタは「大統領は法を超えた存在ではない」とも述べている。

一方、19日にはジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、アクセス権限剥奪に法的問題はないだろうとの考えを示した。これはとりもなおさず、トランプ政権とロシアの間の関係を証明するかも知れない機密情報があるということだ。

「もし機密情報を使わなければ、ブレナンはトランプ大統領とロシアとのいわゆる共謀を非難できる立場になかったのではないか、と多くの人々が述べている」とボルトンはABCテレビの取材に答えた。

(翻訳:村井裕美)



 

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コメント
1. 2018年8月23日 22:49:24 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1351] 報告

愚かな国民が増え、愚か者が指導者に選ばれる国は、いずれ自滅するのは

ベネズエラやジンバブエ、大日本帝国など例を俟たない


 


 

MMT(現代金融理論)のエッセンス! ウオーレン・モズラー「命取りに無邪気な嘘 5/7」
この文書の原文の説明および、ガルブレイス教授による序言はこちら

これまでの目次

嘘1:政府は支出するために、まず税金や借入によって資金を調達しなければならない。 あるいは、政府支出は、徴税能力と借入能力に制限されている。
嘘2:政府赤字は、子供たちの世代に債務という負担を残すことになる
嘘3:政府赤字が貯蓄を奪う
嘘4:社会保障制度は崩壊している

命取りに無邪気な嘘 その5:
貿易赤字は維持することのできない不均衡で、職業や産出を奪うものである


事実:
輸入とは実質的に利益で輸出は費用だ。貿易赤字は私たちの生活水準を直接的に改善する。職は輸入が原因で失われるのではなく、政府支出の水準に対して税が高すぎるゆえに失われる。


読者諸兄はこれを見ただけで、主流派は貿易についてもやはり全部逆に捉えているのではないか、と疑うだろう。貿易の話をきちんと理解するためにはいつも忘れないでおくべきことがある。経済的に「受け取ること」は「与えること」より良い、ということだ。

輸入とは実質の利益であり、輸出は実質の費用なのだ。

別の言い方をすると、海外の誰かが消費するモノやサービスを生み出すために労働することは、経済的に良いことをもたらさない。ただし海外からモノやサービスを輸入し消費する分がなければだ。簡潔に言えば、国の富とは「自分たちのために産出し保有しているものすべて」に「輸入したすべて」を足し、「輸出の分」を引いたものだ。

結局のところ、貿易赤字は私たちの生活水準を向上させている。そうでないことはあり得るだろうか?だから貿易赤字とは、大きいほど好ましいのだ。主流の経済学者や政治家、そしてマスコミは皆、貿易問題をあべこべに考えている。残念な真実だ。

要点を理解するための例え話。第二次大戦後、もしマッカーサー司令官が「日本は戦争に負けたのだから毎年200万台の自動車を米国に送ること」と宣言していたら、それは征服した敵からの搾取である、大きな国際問題になっていただろう。第一次大戦後に同盟国がドイツに対し高額過ぎ搾取的な賠償請求を行って第二次大戦を引き起こすことになったことを繰り返しているという非難にさらされたことだろう。マッカーサーはそんな命令はしなかった。にもかかわらず、実際には日本はその後60年以上にわたり米国に毎年約200マン台の自動車を送り続けてきた。対して米国から送ったものはほとんどなかった。すると驚くべきことに、日本側はこのことは「貿易戦争に勝利」したことを意味すると考え、われわれ米国側は「負けている」という意味だと考えるのだ。しかし米国は自動車を獲得し、日本は口座にドルが入りましたという通知をFEDから受け取っただけだった。

中国も同じだ。彼らの製品が米国の小売店の棚をいっぱいにし続けている一方で、FEDからの支払い通知書以外のものは受け取っていないことから「戦いに勝っている」と考えている。大狂気だ。

毎日のように目にするマスコミの見出しやコメントを引用してみよう。

- 米国は貿易赤字に「陥って」いる
- この貿易赤字は維持不可能な「不均衡」だ
- 中国のせいで米国の職が失われている

聞き飽きたナンセンスだ。私たちは貿易赤字から膨大な利益を得ている。諸外国は数千億ドル分に相当するモノとサービスを米国に送ってきており、これは米国から諸外国に送ったモノとサービスより多い。彼らは生産して輸出したいし、私たちは輸入して消費したい。これは修正する必要がある維持不可能な不均衡だろうか?それを終わらせることを望む理由は?彼らが対価として私たちからのモノとサービスを望んでいないけれども私たちにはそれを送りたいのなら、それを受け入れるべきでないというのは何故だろう。理由などない。ただ国の指導者達は金融システムを完全に誤解して、実は巨大な実質利益なのを国内の失業という悪夢にひっくり返して理解しているだけなのだ。

これまでの「無邪気な嘘」を思い出してほしいが、米国は常に国内の生産をサポートし、国内の完全雇用を維持することが可能だ(減税または政府支出、あるいはその両方によって)。たとえ中国やその他の国が国内産業のライバルとなるモノやサービスを送ると決めたとしてもだ。外国が売りたいものと、私たち自身が完全雇用の水準で生産できるものの全部を買うのに十分な購買力を維持すればいいだけのことだ。その結果として一つかそれ以上の産業は失われるかもしれない。それでも適正な財政政策をもってすれば、働くことができて働く意思のある人々を全員雇用し、民と公が消費するためのモノやサービスを生産しつつ、十分な購買力を維持することは常に可能だ。実際に、ずっと貿易赤字は高水準だったにもかかわらず、低い失業率を最近まで保つことができていた。

では、米国は支出の習慣を賄うため、酔っぱらった水夫のように外国から借金しまくっているというあの話は?それも嘘だ!中国が国債を買うかあるいは別の方法でわれわれの支出を賄っていて、それに依存している、なんてことは全然ない。実際に起こっていることはこうなのだ:「米国の信用創造が海外の貯蓄を賄っている」

これはどういう意味か?例として典型的な取引で見てみよう。米国に住んでいるあなたが中国製の自動車を買うと決意する。米国の銀行に行き、その自動車を買う資金の借入が受理される。あなたは借入れた資金を自動車と交換した。中国の自動車会社は銀行預金を得、銀行の帳簿にはあなたへの貸付金と中国の自動車会社の預金が記載されている。参加者は皆「ハッピー」だ。あなたは資金より自動車を持っていたかった。借りていなかったら変えないのだからあなたはハッピー。中国の自動車会社は自動車よりも資金を持っていたい。車を売っていないとそうならないのだから彼らもハッピー。銀行は貸付金と預金を持ちたいが、貸し出さないとそうならないのだから、やはりハッピー。

「不均衡」はどこにもない。全員が満足しきっている。まさしく望みの物を実際に得ている。銀行は貸付金と預金を得たのでハッピー、そして貸借は一致。中国の自動車会社は貯蓄として米国ドルの預金を得たのでハッピー、そして貸借は一致。あなたは欲しかった自動車を得、納得の上で支払いをしたのでハッピー、そして貸借は一致。この時点で全員が望みの物を得てハッピーな状態だ。

そして、この中国人が望んだ米国ドルの銀行預金を賄っているのが米国内の信用創造、つまり銀行貸出で、私たちが「貯蓄」とも言っているものだ。さて「海外資本」ってどこに?そんなものはない!米国は海外資本に何か依存しているという考えは当てはまらないのだ。それどこか、米国ドルという金融資産を貯蓄したいという彼らの希望を賄っているのは米国の信用創造プロセスなのだから、彼らがこれに依存している。私たちは、外国の貯蓄が何かを賄っているということに依存していたりはしない。

再度言うが、これは私たちのスプレッドシートだ。もし私たちのドルを貯蓄したいのなら、彼らは私たちの砂場の中で遊ぶしかないのだ。また、海外の貯蓄者がドル預金を使うことにはどんな選択肢があるだろう?特になにもありはしない。別の金融資産を誰か売りたい人から買うか、モノやサービスを売りたい人から買えるだけだ。その取引が市場価格でなさるなら売り手も買い手も双方ハッピーだ。買い手は欲しかった、モノやサービスや金融資産などを獲得する。売り手も欲しかった、ドル預金を獲得する。不均衡などあり得ない。なので、米国の海外資本依存の可能性は毛ほどもない。この手続きのどこにも海外資本は登場していないのだから。


07/22/2018 – 2:54 PM
By erickqchan
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← パブリーナ・R・チャーネバ 「貧困、失業、そしてジョブギャランティ」(2011年8月9日)

 


 

  
MMT(現代金融理論)のエッセンス! ウオーレン・モズラー「命取りに無邪気な嘘 4/7」
この文書の原文の説明および、ガルブレイス教授による序言はこちら
嘘1、嘘2、嘘3、嘘5
本翻訳は@やまぐろさんに大半をやっていただいたのです、感謝です。

命取りに無邪気な嘘 その4:
社会保障制度は崩壊している


事実:
政府の小切手は不渡りにならない

国会議員が全員信じているようなものがもし何か一つあるとすれば、それは「社会保障制度は崩壊している」ということだろうか。かつてオバマ大統領(候補)が「そのお金はいつか尽きているだろう」と言ったかと思えば、ブッシュ大統領は「破産」という言葉を一日に四度も口にした。マケイン上院議員もしょっちゅう「社会保障制度は崩壊している」と主張しているのだから。全員、間違い!

すでに論じてきたように、政府が自国の貨幣を「持っている」とか「持っていない」とかではなかった。政府は、わたしたちの銀行口座の数字をただ変更するだけだ。社会保障制度もその一つ。政府が社会保障費を適宜支払う能力に上限などない。

社会保障信託基金の口座残高の数字がいくつだったとしても別段問題はない。Fedにあるすべての口座は皆そうだが、信用基金とは帳簿の「記録」に過ぎないからだ。社会保障費を支払うときに政府がしなければならないことと言えば、受取人の口座の数字を増やし信託基金の口座の数字を減らす、それで全部だ。仮に信託基金の数字がマイナスになったとしても問題ない。それは単に、社会保障費の支払いによって受益者の口座の数字が増えたことを表しているのに過ぎない。

社会保障制度の民営化の是非は、ワシントンでなされる主要な議論のひとつだ。読者はもうおわかりだろうが、この議論は全く意味をなしていない。まずはそれを片付け、その次の話に進むことにしよう。

社会保障制度の民営化とは具体的にはいったい何だろう?そしてそれは経済や私たち個人に対しどのような影響を及ぼすのだろう?

民営化の考え方は、こうだ。
1. 社会保障の徴収と支給を共に減額する。
2. 社会保障費としての徴収が減る分で被雇用者は優良株式を購入する。
3. 徴収が少なくなるので、政府の財政赤字がいったんかなり拡大する。財務省は「それを賄う」(彼らの表現)ために国債を売る

これでわかっただろうか?簡単な言葉に置き換えよう。
- あなたの給料から社会保障のために引き落とされる金額は少なくなる
- あなたはこれまで引き落とされていた分の資金で株式を買うことができるようになる。
- あなたが将来リタイアした後にもらえる社会保障費は少々少なくなる。
- 但し、その時あなたは株式の所有者となっている。社会保障支払いを途中でやめた分よりも価値がついている可能性がある。

個人の視点からは興味深いトレードオフであるように見える。ただし、あなたが買った株式はかなり時間を掛けてゆっくり値上がりしていなければならない。案に賛成な人は、こう考える。

「これによりいったんは財政支出が大きく拡大するが、それは後の社会保障給付の抑制によって埋め合わせられる。そして、社会保障費として徴収されていたお金は株式市場に流れ込むことで、経済の成長と発展につながる」

案に反対な人は、2008年の大暴落を引き合いに、社会保障の代わりとして株式市場に資金を投入するなど危険性が高すぎると主張する。

「もし人々が株式市場で敗北したら、政府は退職者を貧困から救うために年金支給を増やさなければならなくなるだろう。だから、私たちが多数の高齢者を貧困ラインを下回るような危機に晒そうと思わない限り、政府がリスクを負うことになるのだ。」

両方とも、ひどい間違いだ!(いったいだれがこんなこと思いついたんだ!)

これはメディアの議論でよく現れる典型的な間違いで、「合成の誤謬」と呼ばれているものだ。教科書的な典型例を挙げよう。フットボールの試合を観戦中に、もっとよく見ようと立ち上がるとする。では、全員が立ち上がって観戦すれば全員が試合をもっとよく見えるようになるだろうか?そうはならない。全員が立ち上がってしまったら、誰一人立つ前よりよく見えるようにはならないどころか、立ち上がる前より見えなくなってしまう。

彼らはみな、社会保障制度への参加者という立場からのミクロレベルでしかものを見ておらず、国民全体をマクロなレベルで見ていないのだ。

マクロ(大きな絵、トップダウン)レベルで見たときに何が根本的に間違っているかを理解するためには、まず最初に「社会保障制度への参加とは、機能的には国債の購入と同じだ」ということを理解する必要がある。説明しよう。

現行の社会保障制度においては、あなたが今政府にドルを渡すと、後日ドルが戻ってくる。これはまさしく、あなたが国債を買うとき(もしくは普通預金口座にお金を預けたとき)に起こることだ。

いま政府にドルを渡し、後日ドルが戻ってくる。加えて利子がつく。そう、社会保障制度は結果としてよい投資ということになって多めのリターンをもたらしてくれるかもしれない。しかし利回りがいくらであるかという点を除けば、国債とほぼ同じなのだ。(なお、今やこのことを知ったあなたは議会よりも一歩先に進んでいる。)

スティーブ・ムーア

さて、これでCATO研究所の経済学部長のスティーブ・ムーアと私との数年前の会話について話す準備が整った。彼は現在CNBCのレギュラー出演者で、長年社会保障の民営化を推進しようとしてきた人物だ。スティーブは私が主催したある会議で、社会保障についてスピーチするためフロリダにやって来たことがある。彼は、国民に社会保障の支払いをさせるのではなく、その資金を株式市場に投入するに任せたほうが、退職して時間が経ったときには彼らにとって良くなるのだとする講演を行った。また彼は、政府の財政赤字の一時的な増加もそれには十分な価値があり、株式への資金が景気の拡大と繁栄を助け、それ続く景気拡大により長期的にはおそらく”払い戻されているだろう”と主張した。

その時点で私は質疑応答のセッションに持って行った。

ウォーレン:「スティーブ、あなたの言う、お金を政府に社会保障税の形で与え、後でそれを取り戻すというのは、機能として見れば国債を買うのと同じです。つまり、いま政府にお金を渡し、後であなたに返ってくるという機能という面においてです。唯一の違いは、高齢者がどのくらいのリターンを得るかですね。」
スティーブ:「そうだが国債の方が利回りが大きい。社会保障は2%の利子が付くだけだ。社会保障は個人にとって悪い投資だ。」
ウォーレン:「オーケー、投資面についてはあとで触れるつもりですが、あなたの民営化案では、政府が支給する社会保障の額を減らし、社会保障制度に参加していた被雇用者はその分のお金を株式市場に投入するということになりますね。」
スティーブ:「そうだ。1ヵ月あたり約100ドル、承認された優良銘柄のみに対してだ。」
ウォーレン:「なるほど。そして財務省は、徴収が減る分を埋め合わせるために追加の国債を発行し、それを売却する必要があるのですね。」
スティーブ:「そう、それは将来の社会保障支給という財政負担を減らすことにもなる。」
ウォーレン:「そうですね。私の論点を続けますが、株式を買うことになる被雇用者はその株式を別の誰かから買うわけで、株式の所有者は変わりますが経済に新しい資金が投入されるわけではありませんね。」
スティーブ:「そうだ。」
ウォーレン:「株式を売った人たちはそれによってお金を得ますが、それが追加国債を買うお金になると見ることができますね。」
スティーブ:「そうだ。そのように考えることはできる。」
ウォーレン:「するとどうなるでしょう。我々がすでに同意したように、被雇用者は国債を購入することと機能的に同義である社会保障への支払いをやめて、株を買うと。そしてその株を売った方人の方は、その代わりに新しく発行された国債を買うと。これをマクロのレベルから見てみると、いくつかの株式の所有者が変わり、またいくつかの国債の所有者が変わっているというだけです。社会保障を債券として捉えれば、株式総数も発行済国債も総数はほぼ変わりありません。ですのでこのことが経済や総貯蓄、その他のことに影響を与えることはありません。せいぜい取引手数料が発生するくらいでしょう。」
スティーブ:「そうだ、そのように見ることもできる。しかし私はそれを民営化だと捉えている。政府よりも人々の方が上手な投資ができると確信している。」
ウォーレン:「オーケー。しかし人々が持つ株式の量に変化はないとあなた同意しましたよね。するとこの提案では経済全体に変化はありません。」
スティーブ:「しかし、社会保障制度の参加者にとって変化は確かにある。」
ウォーレン:「そうです。そしてそれ以外の人にまさしくちょうど逆の変化が起こるということです。そしてこの点に関しては議会も主流の経済学者もまったく議論してきていないのではないでしょうか?あなたがたは提案の実態よりも、民営化という言葉に対してイデオロギー的なバイアスを持っているように見えます。」
スティーブ:「私はこの案がいいと思っているのだ。民営化を信じている。民間は政府よりも上手な投資ができると信じる。」

私はスティーブとの話をここで打ち切った。彼の提案は決して株式の数を変えないし、アメリカ人一般が投資のためにもつ株式の数も変えない。ゆえにマクロレベルでは、国民が「政府ができるよりも優れた投資」をできるようにはならない。そして、スティーブはそれを知っているが、彼にとって重要なことではない – 彼はこの話が非論理的だと知りながら、ただ話を続けるのだった。

メディアが彼を批判することもない。彼は「社会保障制度よりも株式の方が良い投資である」だとか、「政府が国債を売らなければならなくなり、それが投資に使われるべき貯蓄を奪う」だとか、「政府債務がどんどん増大るすると政府は破産の危機にさらされる」などと、私たちが「無邪気な嘘」と呼んでいるありとあらゆるナンセンスを展開しているのだが。
残念なことだが、命取りに無邪気な嘘はモグラ叩きのようにあちこちから湧いてきて、どこからまともに相手をして行けばいいのか見えにくくなってしまうほどだ。

そして議論のレベルが低くなって行く!この「世代間の」とかいう話は次のように続く。「問題なのは、30年後には今より多くの退職者が存在するので労働者人口は今よりも減少し(それ自体は真実だ)、社会保障信託基金が枯渇してしまうことだ(あたかも信託基金の口座の値が政府の支出能力を制約になるなどと、、、馬鹿馬鹿しい話だが彼らはそう信じている)。だから問題解決のため、高齢者が必要な財やサービスへの支払いをするための十分なお金を持てるようにするべく、何とかしてその方法を構築する必要がある。」その考え方がとんでもなく酷いのだ。

労働者が減少し退職者が増加する問題(”依存人口比率”と呼ばれる)だが、彼らは「高齢者が十分な購買ができるための基金を確実に作ることで問題を解決できる」と考える。

こんな風に考えてみよう。もし今から50年後、現役で働いている人はたったの一人、退職者が三億人だとしよう(単純化のために誇張している)。現役のたった一人ですべての食糧を生産しなければならず、あらゆる建物を建てメンテナンスする必要があり、洗濯をしたり、すべての医療ニーズを満たしたり、テレビ番組を制作する、エトセトラエトセトラエトセトラ・・・と、この一人はものすごく忙しいだろう。さて、いまのわたしたちは、この三億人の退職者が彼一人に対して支払うための十分な基金を確実に持てるようにしておこうと考える必要があるのだろうか?私はそうは思わない!これは明らかにお金の問題ではない。

我々がしておかなければならないこと。それはこのたった一人の労働者が十分賢く、また十分生産的であるようにしておき、またすべてをこなすために十分な資本財とソフトウェアがあるような状態を作っておくことだ。さもなくば退職者たちがいくらたくさんのお金を持っていようと深刻な問題に直面してしまう。ゆえに今の問題というのは、現役労働者を充分には生産的ではない状態に留めておくことの方で、その結果が将来の資本財とサービス不足につながってしまう。

「”支出のためお金”を多くためておく」というスローガンはせいぜい物価上昇につながるだけで、より多くの財やサービスを創出することには決してつながらない。この主流派ストーリーはいっそう酷くなって次のように展開する。「それゆえ、政府は今のうちに歳出を削るか増税をしておく必要がある。将来の支出に備えて資金を積み増しておくためだ。」これはまったく馬鹿馬鹿しい話で、われわれ現役世代の幸福だけでなく、将来世代の生活水準をも破壊する「命取りに無邪気な嘘」であることを読者はもう理解されていると信じる。

私たちはもう、政府はドルを持つとか持たないとかではないと知っている。政府は私たちの銀行口座の数値を増やすことで支出し減らすことで徴税している。税率を上げることは私たちの支出能力を下げることにはなるが、政府の支払い能力を何ら増やしはしない。もし支出が多すぎて、経済が”過熱”(経済という巨大デパートで売られているものに対する、私たちの購買力が強すぎるということ)したそしてもそれはまあオーケーだ。しかしその逆の場合、今の実態が正にそうなのだが、仮に完全雇用状態だったら生産され売りに出されるであろうものに対して支出がはるかに弱いようなときは、増税して私たちからさらに支出能力を奪ってしまうと、それは実態を更に悪化させることにしかならない。

このストーリーは、まだまだ酷くなる。主流派経済学者は、私たちが今日作ることができるもののうち、50年先も役立つ実際の財などほとんどないと言う。

そしてこう続ける。「私たちが遠い未来の子孫のためにできるたったひとつのことは、彼らが将来の需要を満たせるようにすることを確かなものにするために、彼らが知識と技術を持てるよう今ベストを尽くすことだ」、と。公共の財産を未来のために「抑制(貯蓄)」するために我々がすることは今日の支出をカットなのだと言う。皮肉なことにそれは何にもならないどころか、雇用と成長を減らし、我々の経済を後退させることにしかならない。そしてさらに悪いことに、またがっかりさせられることに、私たちの指導者が方針を誤ってまず削減したのは教育分野だったのだ。教育こそは子供たちの50年後のためにいま為されなければならないことだとは、主流派も同意するところであるのに。

もし政策決定者が、通貨システムがどのように機能しているかを正しく把握したならば、問題は社会資本そして恐らくはインフレなのであり、政府の支払い能力は問題ではありえないということに気づくことになるはずだ。

彼らが高齢者の収入をもっと確保しておきたいと考えていたならば気づくだろう。問題は単純に「便益の向上」なのであって、真の課題は「私たちは高齢者に対してどれくらい水準の実質資源を割り当てたいのか」なのだ。高齢者にどのくらい食料を割り当てるのか?どの程度の住居を?衣服を、電気を、ガソリンを、医療サービスを? 本当の問題とはこういうこと。そしてそう、高齢者により多くのモノとサービスを与えることは、残りの人たちの分が少ないということになる。私たちの本当のコストとは、高齢者に割り当てているモノやサービスの量なのだ。それにいくらを支払っているかでは決してない。それは銀行口座の「数字」でしかない。

そしてもし将来を心配するようなリーダーであるなら、その目的から見て価値が高いと考えられる教育形態に対して助成をするだろう。

しかし、彼らは金融システムを理解していない。理解するまではこうしたことを「正しい方向性」で把握することはない。

そうであるかぎり、この社会保障に関する「命取りに無邪気な嘘」は、私たちの今の幸福と将来の幸福の両方を棄損し続けるというわけだ。


06/24/2018 – 6:13 PM
By erickqchan
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Comments (2)
← ウェイン・ゴドリー 危機をモデル化した経済学者【MMTの先駆者シリーズ@道草】
パブリーナ・R・チャーネバ 「貧困、失業、そしてジョブギャランティ」(2011年8月9日) →

 

パブリーナ・R・チャーネバ 「貧困、失業、そしてジョブギャランティ」(2011年8月9日)
かなり古い記事ですが、MMT(Modern Monetary Theoty:現代金融理論。本サイトでの関連翻訳、経済学101サイトでの関連翻訳)の立場からの政策提案がどのように為されているかの例として以下を訳出
“Poverty, Joblessness, and the Job Guarantee”
New Economic Perspectives, August 9, 2011 by Pavlina Tcherneva
(ttp://neweconomicperspectives.org/2011/08/poverty-joblessness-and-job-guarantee.html)
最近出た「米国の子供の状況」のレポートには悲惨な統計が公表されていた。米国では 5人に1人以上の子供貧困状態に生きていて、国内の年齢層で比較したときに突出して貧しいのが子供たちということだった。 2008年から2009年の間に子供の貧困率は10%上昇していた。これは一年間の上昇率としてデータ史上空前の規模だ。 米国は、GDP(および億万長者)では世界で最も裕福な国だが、子供の相対的貧困率は先進国で最下位だった。

いま米国は4630万人の貧困層(戦後最大)を抱えていて、全人口の14.3%を占めている(2000年以降増加傾向にある)。
この大きな原因は2つあり、収入格差が大きいことと、失業率が高いことだ。
2002年から2008年の期間を通じて、世帯所得で上位0.01%の層の所得は68%増加した一方、下位90%層の所得は4%減少した(豊かな10%の家計が全所得の50%を占めていることにも注意)。私たちはこの数年、過去最大級の大きさで所得と富が最上層に移転するのを目撃していたということになる。
ひどい貧困状況のもう一つの大きな要因が失業率だ。 失業保険は300万人以上の人々を貧困から守ったが、適正な賃金でのフルタイムの雇用こそが、国内の貧困問題に取り組むための本来で唯一の方法だ。そのような政策が存在しない限り、貧困家庭は政府の支援に頼らざるをえなくなるが、現実は政府支援が減額され続けてきた上に、今後数年間も緊縮財政の圧力を受け続けるだろうとみられている。 例えば、大不況が始まって2年後の2010年に、貧困家庭一時扶助制度(TANF)が扶助した子供の人数は1996年よりも56%少なかった(議会が失業保険給付の延長を拒否していることにも注意)。
雇用がある家庭の状況もかなりひどい。年間を通してフルタイムで働く労働者のうち16.4%は貧困から脱出するのに十分な収入を得ていない。 したがって、そのような家庭も勤労所得税額控除(EITC)などの政府プログラムに頼らざるを得なかった。2008年は2,450万人の家庭がEITCの恩恵を受けたが、そのほとんどは低賃金労働者の家庭への支給だった。
貧しい人々の拠り所である政府のプログラムは小さ過ぎるか、なくなりつつある。公共の敵のナンバーワンとは、政府の債務や赤字ではなく失業率・貧困・所得格差であることを、この米国の子供の緊急事態は思い出させてくれる。
ワシントンが作りだした不合理な債務・赤字恐怖症が、この、いま一番差し迫っている経済問題から注意を逸らせてしまっている。 政府債務の利子にせよ、退役軍人への恩給にせよ、年金の支払いにせよ、自国通貨を発行管理している国が支払い義務を果たさずデフォルトしないければならなくなることについて、経済学的にまっとうな理由は存在しない。MMTの経済学者たちはこのことを何十年も論じてきたが、今やウォーレン・バフェットからアラン・グリーンスパンにいたる有名なの専門家たちが同じことを論じるようになり始めている。米国の政府支出はすべてドルでなされている。外国の通貨ではない。従って、連邦政府の財政赤字は常に持続可能だ。ただし赤字財政支出が常になされるべきであるとか常に効果的である、とは限らない。恐ろしい経済状況になっているとわかった今こそは、財政支出政策を再考し方向性を変える時だ。
その出発点として、三方面からのアプローチを提案する。
1. 子供手当制度
子供手当制度は、子供の貧困を軽減する政策として広く認知されているものだ。ほとんどの先進国(米国以外)には、何らかの形での子供手当制度がある。ある年齢以下の子供がいる家庭に対して、一人につきいくらという給付を出す制度だ。米国には子供がいる家庭に対し税控除の制度があるが、これは所得のある家庭の子供だけへの恩恵だ。失業者の子供たちはこの助成の恩恵を受けることができない。また米国の税制度は適応申請が難しいことで有名で、たとえ資格がある場合でも助成や給付を受けていない家庭がある。
2. 社会保障の強化
貧困が増加していなかった唯一の年齢層が65歳以上の層だった。高齢者の貧困率が急激に減少(データの収集を開始した50年代後半は35%以上あった)した原因は社会保障制度に尽きる。70年代半ばに給付額が増大し、それ以来、高齢者の貧困率は約9%で安定していた。それでもまだまだ減らす余地はある状況なのにもかかわらず、今にも行われようとしている社会保障給付の改革や削減は、間違いなくこれまでの成果を奪い取って行くことになるはずだ。 多くの子供たちがこの制度に頼っていることにも注意が必要だ。2009年には、300万人の子供たちが、障害者、退職者、または死亡した労働者に対する社会保障給付の恩恵を受けていた。
3. ジョブギャランティ制度(JG: Job Guarantee)
政策立案者はジョブギャランティ(JG)という提案を真剣に受け入れるべき時だ。政府が、生活可能な額の賃金で直接雇用を行うことは、失業率を下げ、失業者とその子供を貧困から守るための最も直接的な方法だ。直接雇用創出にはマクロ経済安定化機能という重要な性質がある。またその源流にはケインズの財政政策のビジョンがある。広範囲な財政支出による呼び水効果は機能するまでに時間がかかる。とりわけバランスシート不況の時期はそうだ。そこで政府、失業者自身、地域や地域社会の問題を対象として支出する必要がある。満たされていない公的なニーズは無数にある。そして公共部門は貧弱すぎる。公共財の需要は多くあるのに供給がまったく足りていない。JGこそは経済をジャンプスタートさせる最も効果的な方法だ。JGは失業率を直ちに削減し、経済を回すの車輪に潤滑剤を安定供給する。Gは重要かつ必要な公共セクターの雇用を満たすと同時に、失業者にとっては効果的な移行プログラムになるだろう。つまり、民間セクターが雇用を増やすにつれ、公共セクタープロジェクトを完了した多くのJG労働者はそこに雇用を求めることになるだろう。その移行にJGの訓練、教育、就職支援(JGプログラムのすべての援助)が役立つ。このこともJGを実施することが不可欠であるもう一つの重要な理由だ。労働者を探している企業が失業者の雇用をあからさまに拒否している事例はたくさんあるからだ。履歴書の大きな空白、いや、小さな空白でさえも、企業が好意的に扱うことはない。JGは賢明で効果的な財政政策であり、景気後退に見舞われた時の第一選択肢になるべきものだ。そして、私たちは失業率が高水準になることを許容し続けてきたために、2年前に必要だった規模よりもはるかに広範なJGプログラムが必要な状態になってしまっている。それでもなお、JGは私たちの第一の政策オプションであり得る。ウィンストン・チャーチルは言った。「米国人は正しいことをすると期待して良い。ただし、正しいこと以外のすべてをやり尽くした後に。」、と。今こそJGを導入するべき時なのだ。

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