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プーチンは何をすべきか?(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/18/kokusai23/msg/821.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 9 月 10 日 02:05:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

プーチンは何をすべきか?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/post-87d4.html
2018年9月 9日 マスコミに載らない海外記事


2018年9月4日
Paul Craig Roberts

 アンドレイ・マルチャノフが http://www.unz.com/article/russia-as-a-cat/ 私の疑問に対応してくれた。
https://www.paulcraigroberts.org/2018/08/31/can-war-be-avoided-and-the-planet-saved/ 日本語訳

 私はマルチャノフの意見全てに同意する。だが私の疑問は答えられないままだと思う。

 おそらく私が悪いのだ。たぶん、私が疑問を余り激しく書きすぎたので、プーチンの冷静な政策に対する攻撃のような印象を与えてしまったのだ。それと“ほかの頬を差し出す”という私の表現が、重大な責任に対する、彼の冷静さと、人間味のあるやり方に対する私の称賛というより、プーチンに対する中傷のほのめかしになった可能性もある。

 プーチンの政策を私は理解している。道理にかなう政策はそれしかないというマルチャノフに私は同意する。軍事力の相互関係が、劇的にロシアに有利に変わったというマルチャノフにも同意する。だが別の表現を使えば、茶わんを口に持っていくまでのわずかな間にもしくじりはいくらでもあるのを懸念しているのだ。挑発が過激になり過ぎ、事態の収拾がつかなくなる前に、ワシントンの挑発を止めるために何かがなされる必要があると私は思う。

 歴史的に、挑発は、しばしば手に負えなくなりがちだ。

 次の対シリア・ミサイル攻撃のための口実を得るために、ワシントンが作業中だった偽旗化学兵器攻撃を、事前に暴露することで、シリア国内におけるワシントン代理軍最後のとりでを、シリアが絶滅するのを邪魔するため、ワシントンが考え出した攻撃を、おそらくロシアは防いだのだ。ワシントンが、ロシアを無視し、シリアを再度攻撃するため、実際、明白な偽旗化学兵器攻撃をしようとしたことは、その力が、かつてのものではないのを、ワシントンが理解していることを示してはいない。ワシントンはそれを理解すべきだというマルチャノフに同意するが、ワシントンが理解しているという確信は私にはない。

 ワシントンが、新たな勢力の相対関係を理解していない更なる証拠は、おそらくアメリカ最高のロシア学者、スティーヴン・コーエン教授に対する、政界、学界、マスコミによる扱い方だ。コーエン教授は、私が見ている現在の緊張水準のあらゆる危険を見抜いているのに、公平な分析ゆえに、プーチンの傀儡だと中傷されている。CIA、あるいはジョージ・ソロス、あるいは全米民主主義基金、あるいはイスラエル・ロビーが資金提供するPropOrNotの“ロシア代理人/手先”リストに、私は掲載されている。実際、私が最近批評した、マルチャノフ本人の素晴らしい著書は、ワシントンがその中で暮らしている驚くべき神話を説明している。マルチャノフがそう考えているように見えるような、2014年から、2018年までの間に自分で作った『マトリックス』から、ワシントンが脱出できているとは私は思わない。アメリカのように、連中に満ちた国々は、解決策の無い、本質を突いた、軍事的敗北や経済崩壊無しには、四年間では目が覚めない。実際、マルチャノフは、彼の素晴らしい著書を、1837年のアレクシ・ド・トクビルによるアメリカうぬぼれの分析で始めている。「うぬぼれ」は、アメリカの存在そのものの定義だ。

 あるいは、例えば、これをお考え願いたい。ノヴォロシアの傷口は悪化している。ワシントンは、ウクライナに兵器を注ぎ込んでいる
https://russia-insider.com/en/trumps-envoy-kurt-volker-us-eager-drastically-expand-military-aid-ukraine/ri24663
クリミア“併合”とされるものに加えての、更なる“併合”というヨーロッパの恐怖をワシントンのプロパガンダで煽らせたくないがゆえに、プーチンはこの傷口を開いたままにしているのだと私は思う。これはマルチャノフの説明と一致する正しい判断だが、非現実的になる傾向があるとマルチャノフが正しく理解しているネオコンにとっての好機でもある。連中が非現実的になった時が危険なのだ。

 ワシントンは、まだうぬぼれを放棄していないと思う。私がナポレオンとヒトラーに言及するのは、うぬぼれにふけっている連中がやりかねない途方もない過ちの例のつもりだ。普通の人々は、マルチャノフが説明しているアメリカの力の限界を理解することは、おそらくあるまい。彼らが耳にするのは、喧嘩腰のアメリカによる、ロシアに対する非難と威嚇と、ロシアとの和平を望んで、プーチンとの反アメリカ陰謀に関与したかどで弾劾されるべき売国奴としての自国大統領の描写だ。ワシントンのプロパガンダに影響されて物事を考えている、アメリカとヨーロッパの国民は、彼らの政府のロシアに対する喧嘩腰の抑制力としては機能し得ない。軍事的に無能なイギリスのマスコミを読むと、イギリスはロシアとの戦争に備えているというが、軍事力の相互関係の理解は一体どうなっているのだろう? イギリスが、対ロシア戦争に備えるというのは、地方のボーイ・スカウト部隊が対ロシア戦争に備えるようなものだ。これは全く意味をなさないが、この常識の欠如は、大いに懸念される。

 ワシントンの明白な敗北を示すような、何らかの決定的なロシアによる対応が、欧米政府が、ワシントンが勝てるはずのない出来事を挑発して、全員の命を危険にさらしていることへの認識を欧米諸国民にもたらすだろうと私には思える。中東と北アフリカでの、イスラエルのためのワシントンによる戦争からの難民に侵略されつつあることから自分たちを守ることができない、軍事的に無能なヨーロッパ諸国が、ロシア軍事力に対し、何らかのNATO抑制力として機能するという考えは全くばかげている。ジャン・ラスパイユが書いた「The Camp of the Saints」が、我々の目の前で起きている。ヨーロッパは、その存在を終えつつある。既にイギリスのロンドン市長はイスラム教徒だ。

 ロシアの超音速ミサイルに対し、全く防御不可能なアメリカ艦船を沈没させる朝飯前の仕事以外に、プーチンができることは多々ある。アメリカ海軍は、シリアを攻撃する構えだ。シリアは、規律ある国でなく、完全に混乱させるべく、シリアを打倒するためワシントンが送り込んだ“武装反抗勢力”をシリアから一層するため、プーチンがロシア人の命や資金や威信をかけたロシアの同盟国だ。プーチンは、シリアに、S-300および/またはS-400防空システムを装備できたはずだ。ロシア(と中国)は、そうと宣言すること無しの相互防衛協定条項を示唆あるいは暗示するシリアとイランとの同盟関係を結べるはずだ。これは欧米に欠如している警戒感という要素をもたらすことになろう。欧米の警戒感が高まれば高まるほど戦争の危険は減る。もしロシアが、シリアとノボロシア攻撃を傍観したり、容認したりすれば、ロシアは、ワシントンに、何の警戒も不要だと語ることになる。

 戦争で終わるものには、色々あるというのが私の懸念だ。挑発に反発しないことや、傷口に対処しないことは、戦争をもたらす二本の通だ。私が示唆しているのは、こうした可能性についても、考えられるべきだということだ。もし挑発が、意図しない決戦をもたらせば、核兵器によって行われる過ちは、人類最後のあやまちになるはずだ。

 The Sakerは、私の疑問に答えようとしている。彼の意見が聞けるだろう。この議論は、我々が、注意を喚起し、警告し、彼らの無頓着さを浮き彫りにしようとしているので、アメリカの優位を疑っているかどで、我々を“ロシア代理人” で“プーチンの傀儡”と見なされるというリスクが、我々全員にあると言えよう。ロシアを平和キャンペーンで守ろうとしているかどで、我々が非難されるのだ。

 マルチャノフの楽観主義に対する反論として多くを語っていると私が思うのは、のけ者にされているのは、世界で最も能力があり、最善の軍備をした核大国-ロシアに対する危険で無責任な挑発に責任がある狂人連中ではなく、マルチャノフやThe Sakerやスティーブン・コーエンやパット・ブキャナンや私だということだ。狂人連中が、アメリカ国家安全保障会議、国土安全保障省、国家情報会議、CIA、アメリカ国務省、ペンタゴン、アメリカ・マスコミとアメリカ民主党を支配している。ジョン・マケイン共和党上院議員は、彼のロシア憎悪と、戦争支持ゆえに、英雄にされつつある。全米民主主義基金、様々な私的財団、外交問題評議会、NPR、CNN、MSNBC、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト-金のある、アメリカ拡声器連中全体が、ロシアと、ロシアの悪魔化に疑問を抱くあらゆるアメリカ人を悪魔化するために組織されている。アメリカ大統領候補ヒラリー・クリントンが、選挙で選ばれた、どのアメリカ大統領も決して達成できていない多数の得票で選ばれたロシア大統領を“新ヒトラー”と呼ばわるなどと一体誰が想像できただろう。ヒラリーの非難は既知のあらゆる外交儀礼に違反しているが、それでも彼女は責任を問われない。

 対照的に、マルチャノフや、The Sakerやコーエン教授やパット・ブキャナンや私に支配されているものは一体何だろう? おそらく我々は真実に支えられているのだが、真実は広く評価されてはおらず、それに耳を傾ける人はわずかだ。プーチンの戦略は重要な点で、欧米では、その見通しが芳しくない真実と善意の評価に依存している。実際アメリカ合州国政府と、それを支配している既得権益集団はあらゆる事実と真実に耳をかさなかった。

 何世紀もゲルマン民族や他の部族がローマの軍団を攻撃し続けたが、展望はなく、実に長年、打ち負かすのに成功しなかったことに考えを及ぼす必要もある。人は狂ったことをするものだが、アメリカ・ネオコン以上に狂った人間はいない。アメリカ政府を支配しているのは、この狂った連中で、連中の外交政策、連中の政策、連中のマスコミや、全米民主主義基金のような連中の組織は標的にした国々を不安定化するための連中の道具だ。

 勢力の相対関係が何であれ、ロシア政府は実に無頓着で、ワシントンが資金提供するロシア国内のNGOがロシア政府に反対して活動するのを許している。ロシア政府は、ワシントンが資金供与している新聞が、ロシア国内で、プーチンとロシア政府を悪魔のように描くのを許している。ロシア政府は、ロシアのオリガルヒやロシア企業が、没収されかねない海外に金を置いておくことを許し、ロシア政府に対する富の所有者の恨みを買っている。ロシア政府は、ヒトラーがそうだったよりも遥かに危険な現在の敵を“我々のパートナー”と表現し続けている。もしプーチン、および/あるいは、ラブロフが“我々の敵”という言葉を使った場合の、意識を変化させる効果をご想像願いたい。

 マルチャノフは正しい。ロシアは、軍事力の相互関係で優勢になっているのに、それで何をすべきか分かっていないのだ。ロシア政府は、より劣る大国からの攻撃を許しているのだ。危険なのは、これだ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/09/04/what-should-putin-do/

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コメント
1. 2018年9月10日 08:14:43 : e4RPViYhaY : e6f50HEqB2g[7] 報告
大いに異議あり!の記事ですね
あまり書けませんが
ロシアがその軍事力を誇示すれば世界は今以上にカオス
プーチンは論理と各々の国の愛国心が生かされる世界を目指している
と理解している
そのための手順があって
2. 2018年9月11日 19:35:55 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1473] 報告
世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

ノルド・ストリーム2は欧州のロシア依存を高めてしまうのか

2018/09/11

岡崎研究所

 8月18日、ドイツのメルケル首相とロシアのプーチン大統領は、ドイツ北東部のメセブルクで会談、ロシアの天然ガスをバルト海経由で欧州に直接輸送する海底パイプライン「ノルド・ストリーム2」の建設を推進することを確認した。同計画には、欧州のロシアに対するエネルギー依存を高めることに繋がるとの批判がある。

 会談に先立ち、両首脳は記者会見を行ったが、このうち、プーチン大統領の発言のノルド・ストリーム2に関連する部分の概要を以下に紹介する。


(CNuisin/RedlineVector/Multigon/MatiasEnElMundo/iStock)
 独ロ協力の優先分野の一つはエネルギーだ。ドイツはロシアのエネルギー資源の最大の買い手国だ。2017年にロシアはドイツに538億立方メートルのガスを売った。それは、ドイツの消費量の30%以上にあたる。

 ドイツはロシアの炭化水素資源の大市場であるばかりでなく、欧州の他の国々への重要な経由地でもある。6月には、ソ連から西欧へのガスの輸出開始から50周年を迎えた。

 この間、我が国はエネルギーの継続的な供給を保証し、欧州大陸のエネルギー安全保障に多大な貢献をしてきた。

 独ロは、新しいガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」に関して協働している。このパイプラインは、欧州のガス輸送システムを改善し、供給ルートを多様化させ、輸送リスクを最小化させるだろう。そして、最も重要なことは、欧州経済における、増大するエネルギー資源に対する需要を満たすことになるということである。

 私(プーチン)は、ノルド・ストリーム2計画は、純粋に経済的なプロジェクトであると強調したい。ウクライナ経由のガス輸送の可能性を排除するものではない。この点におけるメルケル首相の立場を承知している。

 私は、ウクライナのガスの経由地としての地位は経済的必要性に基づくものであるべきだと強調したい。それは、あらゆる場面において経済的に正当化されるものでなければならない。

出典:‘Russian-German talks:Talks between Vladimir Putin and Federal Chancellor of Germany Angela Merkel were held at the Meseberg residence.’(Kremlin August 18, 2018)

 上記プーチンの発言も端的に示す通り、ドイツのガスのロシア依存度は高い。2017年のロシアからのガス輸入は538億立方メートル、ノルド・ストリーム2の輸送能力は年間550億立方メートルである。2020年の稼働を目指す同パイプラインが完成すれば、ドイツは現在の倍の量のガスを輸入し得ることになる。

 経済的側面だけを見れば、ノルド・ストリーム2は合理的である。オランダとノルウェーのガス生産が逓減しつつある中、欧州にとって、とりわけ脱原子力と脱石炭を目指すドイツにとって、代替となる安定的な供給源が必要である。比較的安いロシアのガスを利用出来れば好都合であろう。また、ドイツの化学企業にとってはシェール・ガスを利用できる米国のライバルに対抗する上で歓迎すべきことであろう。東欧の中間企業を経由せずに、直接ロシアのガスプロム社からガス調達して転売することも可能になるかもしれない。

 しかし、戦略的側面を看過すべきではない。ノルド・ストリーム2は、ロシア依存を深め、固定化する。ロシアからドイツに直接ガスを供給するルートが強化されれば、ロシアが東欧諸国への介入にガスを梃として使う自由度を高めることになる。そういうわけで、ポーランドなどの東欧諸国およびバルト諸国は、同プロジェクトに反対している。これらの国々とプロジェクト参加国、とりわけドイツとの亀裂は、欧州の安全保障にマイナスである。ノルド・ストリーム2によってウクライナ経由の輸出に対する依存度が下がれば、ロシアがウクライナの全面的な侵攻を企てる障害が除去されることにもなる。欧州委員会も、供給源を多様化しロシア依存を減らすという政策に反するとして支持出来ないとの立場であるが、これまで実効性のある措置を講じてこなかった。

 トランプ米大統領は、7月にNATO首脳会議に出席した際に、ストルテンベルグNATO事務総長との会談で「ドイツはロシアの捕虜となった。ロシアから多量のエネルギーを得ているからだ」と述べた。トランプの表現は乱暴に過ぎるが、あながち見当外れともいえない。米国は、オバマ政権の時代からノルド・ストリーム2に反対している。

 ホワイトハウスは「ノルド・ストリーム2を何としても阻止する」と言っているとも報じられている。昨年8月に米議会で成立した対ロ制裁法に基づき、トランプ政権がノルド・ストリーム2のプロジェクトに参加している欧州の5つの企業に制裁を科すようなことがあれば、同計画の大きな障害となり得る。とはいえ、トランプ政権が、そこまで対ロ関係悪化のリスクを冒すとは考え難い。ノルド・ストリーム2の建設はもはや止められず、欧州の安全保障にとり不安要因となり続けるように思われる。

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