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ヘンデル オペラ 『フラーヴィオ』
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投稿者 中川隆 日時 2020 年 1 月 22 日 12:28:25: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: ヘンデル オペラ 『アグリッピナ』 _ ヘンデルのオペラ・オラトリオはどんな曲でもモーツァルトのオペラより上 投稿者 中川隆 日時 2020 年 1 月 21 日 16:47:02)

ヘンデル オペラ 『フラーヴィオ』


Georg Friedrich Händel - Flavio HWV 16


FLAVIO, RE DE' LONGOBARDI HWV 16
Dramma per musica in tre atti di Nicola Francesco Haym


FLAVIO: Jeffrey Gall
GUIDO: Derek Lee Ragin
EMILIA: Lena Lootens
TEODATA: Bernarda Fink
VITIGE: Christina Högman
UGONE: Gianpaolo Fagotto
LOTARIO: Ulrich Messthaler


ENSEMBLE 415 - René Jacobs



▲△▽▼


日本ヘンデル協会:ヘンデル《フラーヴィオ》


実演では10年ぶり(!)に接するヘンデルのオペラへ。
やはり、ヘンデルは天才です。改めて、ヘンデルの音楽(オペラ)がどれだけ見事に創り上げられているかということを実感しました。


オーケストラの編成はシンプルですし、歌手も多くはない(当然、合唱隊やバレエも無し。ラモーのあの華やかさとの違い!)。限られたもので最上のオペラを作り上げていく、それはひとえにヘンデルの音楽が雄弁にドラマを創り上げていくからにほかなりません。もちろんカストラートを始めとした歌手の力を忘れてはいけませんが、それもヘンデルの音楽がベースにあってこそ、その魅力を最大限に発揮できたに違いありません。


このオペラは、ヘンデルの中でも好きな作品の一つですので、今回の公演を楽しみにしていました。作品自体も、質の高いものだと思います、上演していただけるだけで、嬉しい限り。
久し振りのヘンデルに、あっという間に心が鷲掴みに。なんといっても実演はダイレクトに音楽に浸ることができます。
ヘンデルの音楽はやはり素晴らしい、ということをずっと感じていました。時代を超えるというのはこういうことだなと。


日本でもカウンターテナーが増えてきて、嬉しいことですね、10年前とは変わりました。一回きりとの公演とは、本当にもったいない限り。
近いうちに、またヘンデル作品の上演に触れたいものです(オペラをまた是非!)
https://marupuri23.exblog.jp/23444365/


ヘンデル《フラーヴィオ》


HWV番号16の作品。1723年5月14日にロンドン、 ヘイマートの国王劇場で初演された。


台本作者はニコラ・ハイム(Nicola Francesco Haym)。 初演の時のメンバーにフラーヴィオがにアルト・カストラート(去勢歌手)の ベーレンシュタッット(Gaetano Berenstadt (alto-castrato)),グイド役 にフランチェスコ・ベルナルディ(通称セネジーノ)(Francesco Bernardi, called "Senesino" (alto-castrato)),エミーリア役に クッツォーニ(Francesca Cuzzoni (soprano))が出てます。又 ヴィティージは歌劇「アグリッピーナ」 にも出ていたソプラノのマルゲリータ・ドュラスタンティ(Margherita Durastanti (soprano))が当たっています。又再演の際も女性が演じて います。粗筋から見ても解る通りヴィティージはズボン役と言う事の様です。


初演の練習の時にテノールのゴードン(Alexander Gordon)と言う歌手が ヘンデルのハープシコード伴奏についていけず,「あんたのハープシコード に飛びのって演奏をやめさせてやる」と脅した所,ヘンデルは「それは 良い。君の歌よりずっと観客に受けるから本番でやってくれ」と軽く いなしたと言う話もあるそうです。これはウゴーネ(唯一の)の 第二幕のアリア"Fato tiranno e crudo"の事です。 歌手の我儘にはヘンデルは随分悩まされたみたいです。


フラーヴィオはタイトル・ロールですが重要な役柄であるかどうかは 疑問です。アリアの数も多くない様ですので,主役かどうかはちょっと 解りません。実際初演はベーレンシュタッットで,この歌手はプリモ・ウォーム を一度も歌わなかった脇役専門の歌手です(しかし有名な人です)。この歌手は ポルポラの歌劇の初演の時に二階の客席から煙草の粉末をばらまいて メチャクチャにしたと言う話があるそうです。非道い事をする物です。


物語の粗筋は以下の通りです。


中世のロンバルディア地方。その地方は当時英国の王でもあった フラーヴィオ王に支配されていた。王はウゴーネとロターリオと 言う二人の相談相手がいた。ウゴーネの息子の若い騎士のグイド はロターリオの娘の高貴な心のエミーリアと結婚するまさにその 日の事。ウゴーネには又愛らしいテオダータと言う娘があった。 彼は娘に独身時代に一人きりでいる辛さから逃れるさせようと宮 廷の女官としての口を得る様に仕向けた。彼は娘には既に秘密に している恋人がいた事を少しも知らなかった。それは王の軍の副 官であるヴィティージと言う者であった。歌劇はその恋人の逢引 の場面から始まる。


第一幕
老いたウゴーネの家の前。夜明け前ヴィティージはテオダータの 室内から抜け出し恋人達は素敵な二重唱を歌う("Ricordati, mio ben")。


ロターリオの火の照らされた部屋。グイドのエミーリアとの結婚 式が近い親戚の者と共に花嫁の父親の家で執り行われている。花 嫁と花婿は無上の喜びを歌い夜明けに王の城で行われる結婚祝賀 会までそれぞれ別の場所に行く事になっていて一時の別れの歌を 歌う。


王の城。ウゴーネが王に娘を会わせ王に仕える女官に彼女がなり たがっていると言う。フラーヴィオ王は彼女の美しさに夢中にな ってしまい、そして直に妻のエルネリンダに仕える様にさせる。


ロターリオは王を祝いの席に案内する。その時にフラーヴィオ王 は英国の長官からナルセストが年の為に自身の役目を譲りたいと 要求していると言う手紙を受け取った。王は最初は後任にロター リオを任命しようとする様に振舞う。ロターリオは自分が任命さ れる物と思い喜ばしく思う。しかし直ぐにフラーヴィオは自分が テオダータに言い寄ろうとする目的の為にウゴーネに任命する事 にしてしまう。ロターリオは自分が無視された事に大変憤慨して 怒りに満ちたアリアを歌う("Se a te vissi fedele...")。


フラーヴィオ王はヴィティージにテオダータの美しさを賛美して ヴィティージにどう思うか尋ねる。彼女との関係を隠しているヴ ィティージは何とも思わないと嘘をつく。フラーヴィオ王はテオ ダータに心を奪われたと話すのでヴィティージは嫉妬に苦しむ。


城の中庭。ウゴーネが彼の息子にむかって怒りの為に頬を紅潮さ せてよろよろと歩いて行く。ロターリオがその妬ましい同僚を侮 辱したのである。騎士の取り決めに従い侮辱に対しては復讐をし なくてはならないが、剣を抜くにはウゴーネは老齢すぎる。それ で息子に代わって決闘をする様に要求して去る。それでグイドは 彼の父に従う事と結婚したばかりのエミーリアに対する愛の間で 悲劇的な心の葛藤に悩まされる("Amor, Emilia onore,")。


エミーリアがやって来るので彼はお別れだと言う。エミーリアは 訳がわからない。何があっても彼に従って行くと言う言葉にグイ ドは彼女を抱きしめて立ち去る。彼女の混乱したアリア"Amante stravante"で第一幕が終わる。


第二幕
フラーヴィオ王がテオダータに言い寄っている。ウゴーネがそこ に急いでやってくる。王はどうしたのかと尋ねるが彼は整然と話 すには余りにも苦痛に満ちた状態にある。王は彼とテオダータを 残してその場を離れる。ウゴーネは家族の名誉が失われたと夢中 で喋る。テオダータは自分の秘密にしていた恋人の事が知られて しまったと思いヴィティージの事を告白する。ウゴーネは「何と 不名誉な中に私は生きているのだ」と言った後で怒りに満ちたア リアを歌う("Fato tiranno e crudo")。


ロターリオの家。エミーリアの父はもはや仇の息子に娘を渡す事 は望まず、ぶっきらぼうに彼女の結婚は無効になったと告げる。 もしグイドがエミーリアの事を望むなら彼には既に何の感情も持 っていないと告げる様に命令して退場する。グイドが現れて、エ ミーリアにロターリオはどこにいるかと尋ねる。グイドは少しの 間別れていた方が良いとエミーリアに告げ、エミーリアも彼を愛 しているがその通りにすると言い退場する。グイドの悲しみのア リア("Rompo i lacci")。


城では恋に狂ったフラーヴィオ王が軍の副官のヴィティージにテ オダータを連れて来る様に命ずる。ヴィティージはテオダータに 彼の不幸な任務の事を告げる。テオダータは彼女の父がヴィティ ージとの秘密の婚約の事を知ってしまった事を告げる。彼らは王 を暫くの間欺く事にする。ヴィティージはテオダータに王を愛し ている様な様子で欺いてくれと言いテオダータもその通りしよう と言う。


ロターリオの家の中庭。グイドがロターリオに決闘を申し込む。 老獪な戦士は若者の向こう見ずをあざ笑うが倒されてしまう。エ ミーリアがロターリオを血の海の中に見つける。彼はグイドが自 分を殺そうとした人物であると告げて死ぬ。絶望の中でエミーリ アは復讐を誓う。


第三幕
城の一室。エミーリアとウゴーネが王に裁きを要求している。エ ミーリアは彼女の父の殺人者に死罪を要求し一方ウゴーネは息子 を弁護している。色々な出来事の為、フラーヴィオ王は暫くの間 熟考したいと言い彼らを退かせる。さてヴィティージがテオダー タを伴って入ってくる。彼女の姿にフラーヴィオ王はしばし言葉 がなくし、その後ヴィティージにフラーヴィオ王は自分の心を伝 える様に言いつける、しかし当然の事ながらそれはヴィティージ にとっては気乗りしない仕事であった。そこでフラーヴィオ王は 直ちに自分から心を伝える事にした。王はテオダータを私の女王 と呼び直ちに寝室に連れていこうとする。一方ヴィティージは嫉 妬に悩まされる事になる。


エミーリアが悲しみに沈んでいる。それは彼女の父の事件の為で あり又彼女から去ったグイドの為でもあった。彼女は再び容赦の ない復讐を誓うのであった。グイドが現れ彼女に剣を渡し自分を 殺しても構わないと言う。エミーリアは剣を受け取るが故意に落 として立ち去る。グイドは愛の神に助けを求めるアリアを歌う( "Amor, nel mio penar")。


ヴィティージとテオダータがお互い嫉妬の為に言い争いをしてい る。その間にフラーヴィオ王が部屋に入って来て全てその様子を 見てしまう。ヴィティージとテオダータはお互いが愛し合ってい た事を告げる。フラーヴィオ王は失望する。


グイドが入ってくる。彼はエミーリアが自分を自分が行為のため に未だ憎んでいるなら死を賜りたいと願う。ウゴーネはそれは自 分のせいであると言う。フラーヴィオ王はエミーリアを呼びグイ ドに隠れている様に命ずる。フラーヴィオ王はエミーリアの要求 通りににグイドが処刑されたと告げる今ここで彼の首を見る事が 出来ると告げる。しかしエミーリアは跪きグイド無しの人生は無 意味であると言い自分も死なせて欲しいと言う。フラーヴィオ王 はグイドに出てくる様に合図する。エミーリアは喜びの余り気絶 しそうになる。ヴィティージとエミーリアはお互いを許すと二重 唱を歌う。


フラーヴィオ王はヴィティージに刑罰を下すと言い、それはヴィ ティージ自身の心を射た女性と結婚しなければいけないと言う事 であった。全員の喜びの合唱で幕。
https://www-math.ias.tokushima-u.ac.jp/~ohbuchi/taste/handel/flavio.html


 

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