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(回答先: シューベルト 『未完成交響曲』 投稿者 中川隆 日時 2020 年 1 月 29 日 11:59:03)
メンデルスゾーン 交響曲『スコットランド』
オットー・クレンペラー指揮 メンデルスゾーン 交響曲『スコットランド』
Mendelssohn: Symphony no. 3 "Scottish" - Klemperer & Philharmonia Orchestra
Philharmonia Orchestra
Otto Klemperer
Studio recording, London, 22, 25 & 27.I.1960
オットー・クレンペラー指揮 フィルハーモニア管弦楽団
EMI。1960年1月22,25,27,28日、アビー・ロード・スタジオでの録音。
古典的名盤。
終楽章コーダのテンポの「ゆったり」さ加減が何とも言えない。私はこの録音で初めてこの曲を聴いたので、しばらくの間は、他の演奏を聴くと終楽章コーダが「軽薄」に聞こえてしょうがなかった。
なぜ、この演奏がこんなに他と違うのか、は下のライヴ録音を聴き、そのライナーノートを読んで初めて納得できた。
http://classic.music.coocan.jp/sym/mendelssohn/mendelssohn3.htm
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管(1960年録音/EMI盤)
昔から「スコットランド」と言えばクレンペラーと言われるほどの定番中の定番です。
遅いテンポでゆったりと構えているので、メンデルスゾーンの持つ音楽の明るさが減衰している印象です。常にクールで熱く成り過ぎないのです。でも、この曲にはむしろ適していると思います。特に第2楽章の遅さは、このテンポだからこそ、あのチャーミングなメロディが生きるのだと思います。他の部分も甘さ控えめで落ち着いた大人の魅力です。
こんなメンデルスゾーンは、ちょっと他の指揮者には真似が出来ないでしょう。
http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-af8a.html
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Mendelssohn: Symphony No. 3 "Scottish" ( Bayerischen-Rundfunks
& Otto Klemperer )
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Mendelssohn Symphony No 3 in A minor 'Scottish', Adagio _ Symphonie-Orchester des Bayerischen-Rundfunks
Symphonie-orchester des Bayerischen-Rundfunks
Otto Klemperer
Herkulessaal, München, 23. V. 1969
オットー・クレンペラー指揮 バイエルン放送交響楽団
EMI。ART処理されての正規発売。1969年5月23日、ヘルクレスザールでのライヴ録音。
「レコ芸」7月号のタワーレコードの広告の紹介通り、「スコッチ」の最終楽章コーダが A-Durにならず、a-mollのまま終わっていく!
これがまた実に感動的である。
しかし、上記紹介文には、A-Durになるのは1848年改訂版、a-mollのままなのは1830年の初稿、といった記述があるが、そういう改訂の事実があるのかどうかは裏がとれていない。
だが、ハッキリしているのは、ここでクレンペラーが演奏しているのは「自作のコーダ」である、ということである。ケース裏にも「Coda : Otto Klemperer」と表記されている。
英文のライナーには、こう書いてある。
As was his unvariable custom when conducting this symphony, he cut Mendelssohn's 95-bar coda to the last movement and substituted a coda of his own devising,
(つまり、自作のコーダで演奏するのが常だった。ということは、60年の楽譜通りのスタジオ録音は、名盤だが、彼にとっては特別だったのだ。)
in which he extends the movement's second subject to provide a conclusion he believed to be more suited to the general mood of the symphony than the A-major exuberance of Mendelssohn's own ending,
(長調の雰囲気に満ちたエンディングより、終楽章第2主題を用いた自作のほうが、この曲の全体の雰囲気に合っている、と彼は信じていた)
実際、クレンペラーは、自分のこの演奏に証をたてるために、このミュンヘンでの演奏会のプログラムに自身で次のような文を書いていた。
私は、H・E・ヤーコブの本に、次のような一文を見つけた。
Mendelssohn was so worried about the male-chorus character of the ending
(メンデルスゾーンはこのエンディングの男声合唱的性格を憂えていた)
(中略)
つまりメンデルスゾーン自身、このコーダに全く満足していなかったのだ。実際、このコーダは全く変だ。妙だ。(中略)
この私のバージョンは1音符たりともメンデルスゾーンによるものではない。ただ、美しい第2主題をその終結に導いてやっただけだ。(中略)この改変は多くの批判を受けるだろうが、しかし、私はこれが正しいと信じる。
だから、クレンペラーは、上のスタジオ録音で、楽譜通りのコーダを勇ましくは演奏しなかったのだ!
http://classic.music.coocan.jp/sym/mendelssohn/mendelssohn3.htm
オットー・クレンペラー指揮バイエルン放送響(1969年録音/EMI盤)
ミュンヘンでのライブ録音ですが、オーケストラは優秀ですし、スタジオ盤を上回るほどの出来栄えです。ところが、ひとつ問題が有ります。クレンペラーは、この曲の終結部が気に入らなかったようで、自分で勝手にコーダを書き換えてしまいました。
それは短調のまま静かに終わるので、確かに面白いと思います。でもメンデルスゾーンが13年かけて書き上げたものに手を加えるというのは、如何なものかなぁという気がします。聴き慣れているせいもあるでしょうが、個人的にも通常版のコーダは好きです。従って、これはあくまでもセカンドチョイスとせざるを得ません。
http://harucla.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-af8a.html
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交響曲第3番イ短調『スコットランド』(ドイツ語: Sinfonie Nr. 3 in a-Moll op. 56, „Schottische“ MWV N 18)はフェリックス・メンデルスゾーンが1830年から1842年にかけて作曲した交響曲。作品番号56。
メンデルスゾーンが完成させた最後の交響曲である。
「第3番」の番号は出版順による。
これより早い時期に作曲された第4番「イタリア」、第5番「宗教改革」の両曲はメンデルスゾーンの死後に出版された。
「スコットランド」という標題は、メンデルゾーンがこの曲を着想したのがスコットランド旅行中だったことによる。ロマン派音楽の交響曲として代表的な存在であり、4つの楽章は休みなく連続して演奏されるよう指示されている。しかし、各楽章は終止によって明確に区切られているため、連続性は緩やかであり、同じく全楽章を連続的に演奏するロベルト・シューマンの交響曲第4番とは異なって、交響曲全体の統一性や連結を強く意図したものとは認められない。
作曲の経緯
1829年3月にメンデルスゾーンは、バッハのマタイ受難曲を蘇演し、5月に初めてイギリスに渡った。スコットランドを旅したメンデルスゾーンは7月30日、エディンバラのメアリ・ステュアートゆかりのホリールードハウス宮殿を訪れ、宮殿のそばにある修道院跡において、16小節分の楽想を書き留めた。これが「スコットランド」交響曲の序奏部分であり、この曲の最初の着想となった。
しかし、翌1830年にはイタリア旅行して、第4交響曲「イタリア」の作曲にかかり、1835年にはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者となるなど、多忙のために「スコットランド」の作曲は10年以上中断された。
全曲が完成したのは1842年1月20日、ベルリンにおいてであり、メンデルスゾーンは33歳になっていた。メンデルスゾーンはモーツァルト同様、速筆で知られるが、この曲に関してはその例外ということになる。
初演
初演は1842年3月3日、メンデルスゾーン自身の指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団により行われた。
同年5月に7度目のイギリス訪問を果たしたとき、メンデルスゾーンはバッキンガム宮殿でヴィクトリア女王に謁見し、この曲を女王に献呈する許可を得た。献辞付きの楽譜は翌1843年に出版された。
楽器編成
フルート 2、オーボエ 2、クラリネット 2、ファゴット 2、ホルン 4、トランペット 2、ティンパニ、弦五部。
楽曲構成
第1楽章 Andante con moto — Allegro un poco agitato[編集]
イ短調 3/4拍子 - イ短調 6/8拍子
序奏付きのソナタ形式(提示部リピート指定あり)。
序奏は、幻想的かつ悲劇的な旋律で始まる。旋律の初め、属音から主音に4度跳躍して順次上行する4音からなる音型は、各楽章の主題と関連があり、全曲の基本動機的な役割を果たしている。序奏はかなり長く、物語るように発展するが、やがて始めの旋律に戻り、主部に入る。 主部は弦とクラリネットが弱音で第1主題を提示する。主題は序奏動機に基づき、繰り返しながら急激に盛り上がる。第2主題はホ短調、クラリネットで奏されるが、弦の第1主題の動機が絡んでいるためにあまり目立たない。小結尾では弦に詠嘆的な旋律が現れる。提示部は繰り返し指定があるが、実際に繰り返す演奏は少ない。展開部は弦の長く延ばした響きで開始され、各主題を扱う。再現部は短縮されている。コーダは展開部と同じように始まり、すぐに激しく興奮するが、やがて序奏の主題が戻ってきて静かに楽章を締めくくる。
第2楽章 Vivace non troppo
ヘ長調 2/4拍子 ソナタ形式。
スケルツォ風の楽章。
短い前奏につづいて、木管がスコットランド民謡を思わせる旋律を示す。これが第1主題で、第1楽章の序奏主題の動機に基づく。第2主題はハ長調、弦のスタッカートで順次下行する。展開部では第1主題を主に扱い、各楽器がこの主題を追いかけるように奏し合う。再現部では第2主題が強奏されて効果を上げる。
第3楽章 Adagio
イ長調 2/4拍子 ソナタ形式。
短い序奏があり、ヘ長調からイ長調に変わる。
主部は、歌謡的な第1主題が第1ヴァイオリンで、それに応えるように葬送行進曲風の第2主題がクラリネット、ファゴット、ホルンで厳かに提示され、クライマックスを築く。再び穏やかな小結尾の後に、短い展開部に入るが、ここでは序奏と第2主題が取り扱われる。その後、ほぼ型通りの再現部の後、長めのコーダに入る。
第4楽章 Allegro vivacissimo — Allegro maestoso assai
イ短調 2/2拍子 - イ長調 6/8拍子 ソナタ形式。
低弦が激しくリズムを刻み、ヴァイオリンが広い音域を上下する第1主題を示す。経過句では、弦によって推進的なリズムが現れる。第2主題はホ短調、木管楽器で出されるが、弦によるハ長調の勇壮な対句を伴っている。この主題も第1楽章の序奏主題と関連がある。展開部では、第1主題と経過句の動機が主に扱われる。再現部は短縮され、コーダに入ると、第1主題に基づいて激しく高まるが、波が引くように静まって、第2主題が寂しげに奏され、いったん全休止となる。テンポを落として6/8拍子になり、低弦が新しい旋律をイ長調で大きく歌う。これも第1楽章の序奏主題の動機が組み込まれている。この新しい主題によって壮大に高まり、全曲を明るく結ぶ。
終楽章の結尾について
第4楽章のコーダで全休止の後、新しい旋律が導入されてそれまでの曲調が一変する手法は、その雰囲気と効果はかなり異なるが、ロベルト・シューマンが1845年から1846年にかけて作曲した交響曲第2番にも見られ、シューマンが「スコットランド」を聴いて影響を受けた可能性がある。
クレンペラー版
指揮者のオットー・クレンペラーは、このコーダについて批判的意見を持っていた。
クレンペラーが「スコットランド」を指揮した録音では、1960年フィルハーモニア管弦楽団とのスタジオ録音(EMI)が一般に知られているが、これは通常の演奏である。
しかし、同レーベルで1966年にバイエルン放送交響楽団を指揮したライヴ録音では、第4楽章のコーダの後半95小節分をカットし、第4楽章の第2主題に基づく独自のコーダを演奏したものが残されている。
この演奏では、イ長調の新たな旋律は現れず、音楽は短調のまま、静かに閉じられる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/交響曲第3番_(メンデルスゾーン)
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- ロベルト・シューマン 交響曲第4番 中川隆 2020/2/08 14:47:49
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