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小泉進次郎ら自民党若手議員による国会改革案や参議院に提出された公職選挙法改正案は「改革の皮を被った党利党略」 
http://www.asyura2.com/18/senkyo247/msg/558.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 7 月 11 日 02:54:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

小泉進次郎ら自民党若手議員による国会改革案や参議院に提出された公職選挙法改正案は「改革の皮を被った党利党略」
https://hbol.jp/170162
2018.07.10 田中信一郎 ハーバー・ビジネス・オンライン


「党内改革派」的な動きで持ち上げるメディアも多い小泉進次郎議員(写真中央)だが…… 写真/時事通信社


 2018年6月、立て続けに2つの国会改革案が、自民党から示されました。一つは、参議院に提出された公職選挙法改正案。もう一つは、自民党の二階俊博幹事長に提出された同党議員による国会改革提言。前者は選挙制度、後者は国会審議に関するもので、内容は異なるものの、国会のあり方に影響を及ぼす点で共通します。

 これらの改革案は、国会の充実をもたらすのか、それとも国会の形骸化を助長するのか。改革といっても、前者に資するのか、それとも後者を促すのかで、賛否を考える人も多いでしょう。とはいえ、選挙制度は複雑で、国会の制度も分かりにくいため、案を見ただけでは判断しにくいと思われます。そこで、国会研究者の視点から、解説します。

自民党の参院選挙改革案は党利党略

まず、自民党の参院選挙改革案(公職選挙法改正案)です。これは、有権者数の多い参院埼玉選挙区で定数2議席(改選1議席)を増やし、参院比例区で定数4議席(改選2議席)を増やすものです。その上で、比例区の上位2位まで、候補者名の得票数に応じて議席順位を決める(非拘束名簿式)例外の「特定枠」とし、事前に決めた順位(拘束名簿式)で議席を配分するものです。

 このうち、問題は比例区の定数を増やす点です。埼玉選挙区の議席増は、一票の格差を是正するもので、賛否は別にしても理解できるものです。けれども、参院比例区は全国区のため、一票の格差が生じません。

 自民党が、比例区の定数を4議席増加させ、その分だけ特定枠にするのは、合区となって立候補できない候補者を救済するためです。一票の格差を是正するため、鳥取選挙区と島根選挙区、徳島選挙区と高知選挙区は、それぞれ合区され、合計8議席あった定数が4議席になりました。いずれも自民党の強い選挙区で、自民党は実質的に4議席を失った格好となりました。それぞれの自民党県連は、これに強く反発した上に、県連間の候補者調整も紛糾し、党内の大きな火種になっていました。そこで、候補者を降ろす側の県連の候補者を、比例区の上位に位置付け、確実に当選できるようにすることで、党内を調整することにしたのです。

 つまり、もっぱら自民党の党内事情に基づく、参院選挙改革案というわけです。自民党執行部に党内を治める力が足りず、選挙制度を変更することで、党内のもめ事を解決しようとの提案です。党の内部事情を、国家制度に転嫁するのは、党利党略としか表現しようがありません。

 もちろん、国よりも党を優先する選挙制度改革が、国会の充実をもたらすことはありません。なぜならば、国民の利益よりも、党の利益を優先することで選ばれる候補者が、優先的に議席を得てしまうからです。各党には、そうした候補者を比例区に立候補させないようにして欲しいところですが、少なくとも最大政党の自民党においては、動機からして無理な相談です。

自民党案に「ある条件」をプラスして正反対の意義にする

 このように党利党略の自民党案ですが、国会の充実をもたらす効果も潜在的に有しています。ある条件を加えれば、魔法のように変化し、これまでと少し違う国会の姿をかたちづくります。

 それは「特定枠を女性にする」という条件です。すると、当選可能性の高い各党の参院比例区の上位2名には、かならず女性が並ぶことになります。これは、本年5月に全会一致で成立した「政治分野における男女共同参画推進法」の趣旨にも合致します。

 この条件を設ければ、国会の女性議員の少なさを改善する上で、大きな効果を発揮するでしょう。内閣府男女共同参画局の作成する「女性の政治参画マップ」によると、国会の女性議員割合(衆院9.5%/参院15.7%)は、他国と比較して154位という低さです。

 もし、前回の参院選で、比例区の上位2議席が必ず女性であれば、女性議員割合は大きく増えていました。前回の参院比例区では、定数48議席のうち、女性の当選者は12人でした。単純に、各党の上位2位までの男性候補者が女性候補者に入れ替わったと仮定すれば、女性議員が9人増えた計算になります。すると、参院の女性議員の割合は、19.4%に上昇していました。

 この条件には、もう一つの利点があります。知名度がなくても、団体の後ろ盾がなくても、専門的能力の高い女性を参院議員にしやすいということです。

 それは、国会審議を充実させることに寄与します。想像してみてください。例えば、働き方法案の審議において、労働法制に通じた女性の大学教授が、首相や厚労相に直接、様々な疑問点を質問していれば、審議がより充実したでしょう。いわゆる「ご飯論法」を封じることができたかも知れません。

 これは、政党側にとっても、能力のある候補者を口説くときにも有効です。選挙で候補者になるよう口説くときに困るのは、当選の可能性が見通せないことです。とりわけ、優秀な人ほど、現在のポジションで重要な役割を果たしているため、候補者になってもらうのは容易でありません。非拘束名簿式の参院比例区は、候補者の個人名での得票数が順位を決めますので、議員となれば間違いなく人々のために活躍できる人であっても、知名度や団体の後援がなければ、当選しにくいのです。

 拘束名簿式のメリットは、候補者の知名度や団体後援を問わないことです。政党の候補者選抜さえしっかりしていれば、一般的な知名度をもたない専門家であっても、議席を得られます。

 自民党案の動機が党利党略にあることは明白で、衆参ともに選挙制度の抜本改革が必要と考えています(あるべき選挙制度については機会を改めて論じたいと考えています)。それを前提としつつ、与党が数の力で自民党案を押し切ろうとするならば、この条件を付けるよう野党から求めることも、一つの選択肢です。

小泉進次郎「国会改革案」を読む

 自民党の若手議員でつくる「2020年以降の経済社会構想会議」(橘慶一郎会長)は、6月27日に国会改革提言「よりオープンに、より政策本位で 〜政治不信を乗り越えるための国会改革〜」を二階幹事長に提出しました。同会議の小泉進次郎会長代理の知名度の高さから、小泉改革案などと報じられています。この提言についても、内容を精査してみましょう。

“行政の公正性に疑義が生じる場合、国会に特別調査会を設置し、国政調査権を発動することを認めるべきだ。(略)同調査会は、確立されたルールの下、参考人や証人の招致、資料提出等を通じて、エビデンスベースで冷静かつ客観的な調査を行い、徹底的に事実究明を行う。その上で、調査報告書をとりまとめ、これを公表することで、一定の結論を出す。”

 一見すると、なるほどと思えますが、実は既存の「常任委員会・特別委員会」でも同じことができます。国会法も、衆参規則も、一切変えなくて大丈夫です。国会多数派(=与党)が開催を決めれば、明日にでも可能です。

 議案の審議に影響を与えたくないならば、衆院の「決算行政監視委員会」、参院の「行政監視委員会」で行えばいいのです。どちらの委員会も、提言どおりの機能を既に有しています。ちなみに、1月から始まった今国会(第196回国会)では、7月1日までの間、衆院決算行政監視委員会は2回、参院行政監視委員会は1回しか開かれていません。

“内閣の説明責任を強化するため、2週間に1回、党首討論や大臣討論を開催すべきである。党首討論を夜に開催し、より多くの国民が視聴できるようにするなど、充実した討議が行われる環境を整備すべきである。”

 これも、現在の国会法、衆参規則を変更せずに、国会多数派(=与党)が開催を決めれば、明日にでも可能です。それどころか、帝国議会では、現在の国会法に相当する議院法での根拠なしに、議員たちが先例を積み重ねて、同じことを実現していました。戦後の国会も、一時期まで行っていました。それが、廃れてしまっただけです。

 それどころか、日本以外の議院内閣制の議会では、同様のことを議会のもっとも重要な役割として重視しています。議会が首相を選出する以上、議会には常に政府をチェックする役割があるからです。そのための制度を「質問制度」と呼びます。

「質問制度」は、議員が質問し、政府が答弁することを原則とします。議会が政府をチェックするための制度だからです。その上で、政府側に反問権を認めることもあります。「質問制度」は、口による「口頭質問」と、文書による「文書質問」に分かれます。イギリス議会では、開会中の月〜木曜日、決まった時間に本会議場で「口頭質問」を実施しています。大臣が日替わりで登場し、議員の質問に答弁します。毎週水曜日は、首相答弁の日で、慣例で野党党首が質問に立ちます。

 日本の国会法と衆参規則も「質問制度」を明記し、口頭も文書も可能になっています。ちなみに、文書質問は「質問主意書」と呼ばれます。単に、定例の口頭質問を実施していないだけなのです。

 大切なことは、政局と無関係に、口頭質問を定例開催することです。イギリスは週4回、フランスとドイツは週1回、開催しています。2週間に1回という提言は、各国と比べて随分と及び腰です。せめて、毎週水曜日、夕方5時から8時までの3時間、開催してはどうでしょうか

モリカケも「スキャンダル」ではなく政策の問題

“特別調査会の設置を容易にすることを前提に、予算や法案の審議を行う委員会では、個別の「スキャンダル」案件の追及ではなく、法案審議を優先的に行うなど政策本位の審議を行うべきである。”

 これも、国会多数派(=与党)次第で、明日から変えられます。野党が予算委員会の集中審議を提案してきたら、議案のない衆院決算行政監視委員会や参院行政監視委員会の開催で、切り返せばいいのです。衆院決算行政監視委員会の委員長は立憲民主党ですし、野党も受け入れることでしょう。

 それよりも、ここで気になるのは「スキャンダル」という言葉です。何をもって「スキャンダル」というのでしょうか

 まず、森友問題や加計問題、裁量労働制の拡大問題、防衛省日報問題は、政策の問題です。森友問題は、国有地の処分という政策決定過程の問題です。加計問題は、成長戦略の目玉とされる国家戦略特区の政策決定過程の問題です。裁量労働制の拡大問題は、政策根拠の問題です。防衛省日報問題は、政策検証過程の問題です。

 次に、副総理の失言や財務事務次官のセクハラ問題、文科省局長の収賄問題は、政策執行を担う政府高官の適性の問題です。これらも、政策執行の問題です。

 これらについて、予算委員会や他の委員会での質疑を制限するのは、政策本位の議論を遠ざけるだけです。もし、これらの問題の追及を止めさせたいならば、政策決定過程の記録を細かく残し、洗いざらい公表すればいいのです。それらの記録に問題がなければ、追及はすぐに静まります。

“党首討論や大臣討論により内閣の説明責任を強化する代わりに、総理や大臣の国会出席を合理化すべきである。(略)副大臣や政務官についても、国会出席の合理化を進めるべきである。”

 内閣の説明責任を強化するには、口頭質問の定例化に加え、質問に真正面から答えない答弁に対し、与野党ともに「問責」できるようにすることが必要です。1955年に削除された国会法第77条には、質問において政府がいい加減な答弁をした場合、問責できる規定がありました。これを復活すればいいのです。それをしないとしても、委員長と与党理事が、大臣に厳しく指導することが必要です。

 それに加え、各委員会で議案等の詳細審査のための小委員会を設置することを慣例化すれば、大臣出席を減らしても、国会の行政監視機能は低下しません。最近、野党が様々なテーマで合同ヒアリングを開催していますが、小委員会はそれを国会の制度として組み込むイメージです。小委員会には大臣出席を免ずる代わり、副大臣、政務官、事務次官、経済産業審議官等の次官級の誰か一人が、省庁側の責任者として出席すれば、いいでしょう。

“国会審議をより政策本位にするため、国会審議を計画的に進める仕組みを導入すべきである。(略)野党は、審議拒否を武器に、与党から譲歩を引き出すことを目指すため、国会審議は日程闘争が中心になる。”

 これも、国会多数派(=与党)が決めれば、明日から実施できます。ただ、その壁になるのは、政府案を優先的な議題とすることです。野党とすれば、問題視する議案について、十分な審議時間を確保できないまま、あるいは問題点を明らかにしても政府与党がそれに耳を傾けなければ、審議日程での抵抗をせざるを得ません。また、政府与党の議案だけを審議するのでは、野党が対案を議員提出しても、議論は深まりません。

 審議計画を実現するには、口頭質問の定例化と「野党議案の審議日」の設定が必要になります。野党議案の審議日は、議院内閣制の議会では珍しいものでなく、例えば月〜木曜日を政府与党の議案審議日とし、金曜日を野党議案の審議日とするものです。野党議案の審議では、与党が質問し、野党が答弁します。それにより、野党の政策能力も与党に試されることになります。与党としては、野党に逆襲するいい機会にもなるわけです。

自民党だからできる国会改革に挑戦して欲しい

 小泉提言の具体的項目は、いずれも自民党の国会対策レベルで対応可能なもので、内容的にはよりスムーズに政府提出議案を審議・成立させようという方向す。一部に国会審議の充実につながるものもありますが、多くは国会の形骸化を助長する危険を内包しています。もろ手を挙げて賛同できるものではありません。

 しかし、注目すべき点もあります。それは、与党の事前審査の見直し与党の事前審査の見直しです。

 与党の事前審査とは、政府が国会に提出する議案について、閣議決定前に与党の合意を条件とする自民党の慣行です。自民党の合意は、同党の総務会の決定を意味します。総務会に提出する議案は、同党の政務調査会審議会の決定を必要とし、政調審議会に提出する議案は、同党の部会・調査会・特別委員会での了承を必要とします。

 これにより、政府が国会に提出する議案は、予め与党内での審査を終え、決定まで終えているため、与党にとっての国会審議を「消化試合」と等しいものにしています。

 この事前審査について、小泉提言は「今後の進め方」の項で、歯切れ悪く言及しています。

“今後、こうした「討論のアリーナ」としての国会を目指して改革を進める場合には、さらにいくつかの課題が見えてくる。(略)英国においては、政策決定を内閣に一元化しており、与党の事前審査制度は存在しない。(略)一方、我が国では、与党が内閣の法案や予算案を事前に審査する制度を確立しており、日常的に官僚と国会議員が接触している。(略)今後、ポスト平成時代に、与党の役割は何か、政権公約のあるべき形は何か、事前審査制度の役割は何か、官僚人事のあり方も含めて政と官の仕切り線をどこにひくのか、国民的な議論が必要である。”

 国会を充実させるには、国会多数派(=与党)にとって、国会審議を「ガチ」にすることが不可欠です。現在の国会は、野党が「ガチ」であるのに対し、与党はできる限り速く議案を成立させる「スムーズ至上主義」に陥っています。事前審査が「スムーズ至上主義」を生んでいます。

 事前審査を廃止すれば、国会多数派(=与党)の国会での質問や要求がより真剣なものとなり、国会の充実に大きく寄与します。予算や法案に与党の要求を盛り込むには、国会で修正することになります。与党は現在、それらを非公開の事前審査で行っていますが、国会で行うようになれば、有権者からもその活動が見えるようになります。

 何より、事前審査の廃止は、自民党の意思だけでできるのです。野党が反対することはないでしょうし、そもそも野党の了解は必要ないのです。官僚も、自民党の会議出席や事前のご説明、根回しの必要性がなくなり、業務量が大幅に減って、喜ぶのではないでしょうか。安倍晋三首相と二階幹事長が合意すれば、次の国会から実現します。

 小泉議員ら自民党若手議員には、事前審査の廃止という、自民党だからこそできる国会改革に挑戦することを強く期待しています。

<文/田中信一郎>
たなかしんいちろう●千葉商科大学特別客員准教授、博士(政治学)。著書に『国会質問制度の研究〜質問主意書1890-2007』(日本出版ネットワーク)。国会・行政に関する解説をわかりやすい言葉でツイートしている。Twitter ID/@TanakaShinsyu




































 

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コメント
 
1. 2018年7月12日 01:05:45 : 7WpHIEtynE : 0JPTUTP3S58[35]

こいつも討論やらせると、弱そうだよなぁ。
 
詭弁の天災安倍みたくはいかないだろうが、関係ないことわざとらしく延々と言い続けるのだろう。

 


2. 2018年7月12日 09:52:31 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-2633]
2018年7月12日(木)

参院選挙制度

自民党案の採決強行

参院本会議 井上氏が反対討論

 自民党の参院選挙制度改定案(公職選挙法改定案)の採決が11日、参院本会議で強行され、自民、公明両党の賛成多数で可決されました。日本共産党などは反対しました。同法案は衆院へ送付されました。

 同法案は、比例の候補者名簿に順位をつける拘束名簿式の「特定枠」を設けるのが柱。選挙区の「合区」で擁立できない県の候補者を、比例区で優先的に救済する思惑があります。

 本会議に先立つ参院政治倫理・選挙特別委員会では、野党各党が、審議を中断して各会派間の協議に差し戻し、合意形成を図るよう求める中、自民党が討論まで省略する動議を提出し、採決を強行しました。採決前に共産党など5野党・会派が提出した石井浩郎委員長への不信任動議は、自公の反対で否決されました。

 本会議の反対討論で、共産党の井上哲士議員は、各会派間で合意を得る努力を尽くすべき選挙制度を「多数党が数の力で、自らに都合の良い制度へ変えるならば、議会制民主主義は壊れる」と指摘。選挙制度改革をめぐるこの1年の議論を無視して党利党略の案を強行し、委員会では討論まで封じた自民党を「合意形成への最大会派の責任を果たしていない」「国民の声に聞く耳をもたない」と批判しました。

 さらに、伊達忠一議長と倫選特の石井委員長に対しても、合意形成の努力を尽くしていないと強調。両氏と自民党に「あまりに非民主的で強権的なやりかた」だと強く抗議しました。

 井上氏は、同法案の中身も、投票価値の平等を実現するための抜本改革に「全く値しない」と強調。「党利党略の策だ」として、議論を各派間協議に差し戻すべきだと主張しました。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-12/2018071202_02_1.html

2018年7月12日(木)

自民党の党利党略

井上氏が法案を批判

参院倫選特

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-12/2018071202_03_1.jpg
(写真)質問する井上哲士議員=11日、参院倫選特委

 日本共産党の井上哲士議員は11日の参院政治倫理・選挙制度特別委員会で、議会制民主主義の土台をなす選挙制度をめぐり、自民党提出の参院選挙制度改定案は党利党略にほかならないと批判し、会派間の協議に戻して合意を図るべきだと主張しました。

 井上氏は、世論調査で自民党案への反対が69%(JNN、7月実施)にのぼると紹介。「主権者・国民の理解と信頼が得られないまま、数の力、第1党の都合で選挙制度を変えれば、政治そのものへの国民の信頼を揺るがす」と指摘したのに対し、提出者の自民・岡田直樹参院議員は全く反論できませんでした。

 井上氏は、自民党案が、合区により選挙区で立候補できない同党候補を“救済”するため、比例代表で政党が当選者順位を決める拘束名簿式の「特定枠」を設けることに言及。同党が全国35の県議会意見書を受けたものと説明するものの、これらは合区の解消や抜本改革を求めるものであることを示し、特定枠を求める意見書が一つでもあるのかと追及しました。自民・古賀友一郎参院議員は何ら示せませんでした。

 井上氏は、「地方の声」などではなく、自民党候補の当選のための特定枠だとして、「自民党の身勝手なやり方は絶対認められない」と批判しました。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-12/2018071202_03_1.html

2018年7月12日(木)

主張

自民・参院選改定案

党略以外のなにものでもない

 議会制民主主義の土台となる選挙制度の改変を、議会を構成する各党との合意もなしに突然持ち出し、「合区」で議席を失う議員のために恣意(しい)的に改悪する―。これを党略と呼ばないで何と言えばいいのでしょうか。自民党が参院の政治倫理・選挙制度特別委員会で可決を強行した参院選挙制度改定案です。自民党は本会議でも可決を強行し、衆院に送付し今国会成立を企てます。被害が広がる西日本豪雨への対応が急務の国会で、自分の党の都合だけの選挙制度改悪を、乱暴に推し進める自民党などの姿勢は極めて重大です。

改憲が頓挫して突然

 現在の参院の選挙制度は、各都道府県に定数が配分される選挙区選挙と、政党やその名簿に登載された候補者の得票を全国で合計し議席を配分する比例代表選挙の組み合わせです。選挙区選挙は人口の違いによって生じる「1票の格差」を解消するとして、2016年の参院選から、島根と鳥取、高知と徳島をそれぞれ「合区」し、定数2の選挙区として3年ごとに半数ずつ改選することにしました。それでも格差は約3倍になっており、「法の下の平等」から程遠い状況です。

 「合区」をめぐっては、どちらかの県から議員を出せなくなると、自民党内からも批判が相次ぎました。このため自民党は憲法9条に自衛隊を書き込むなどの安倍晋三首相が進める改憲と一体で、全ての都道府県から1人以上の参院議員を選ぶことにする「合区解消」の改憲案を持ち出しました。しかし、憲法9条と抱き合わせで進めようという策動に国民の批判は根強く、改憲は思惑通り進みません。こうした中、突然持ち出してきたのが選挙制度の改定案です。

 参院選挙制度改革は各党で協議を続けてきましたが、合意していません。改憲に固執したのも異常なら、それが困難になると一転、一方的に選挙制度の改悪を持ち出すのも異常です。自民党に民主主義を語る資格はありません。

 自民党の参院選改定案は、「非拘束名簿式」の比例代表選挙の一部に政党が候補者名簿に順位をつける「拘束名簿式」を、「特定枠」として導入するなどというものです。「合区」で立候補できなくなる選挙区選出議員や候補者を、比例代表選挙で救済することが狙いです。自民案は、ご都合主義と言うほかなく、全く道理がないものです。

 もともと「拘束名簿式」を廃止したのは自民党です。議席を失う議員を救うため、「非拘束」の一部に「拘束」を復活させる自民党案は、制度を混乱させ、党略でもてあそぶものです。改悪案はきっぱり撤回すべきです。

抜本的改革に値しない

 衆院とともに参院の選挙制度について、最高裁は繰り返し「1票の格差」解消を求めてきました。「合区」を導入した15年の選挙制度改革は法律の付則に「議員一人当たりの人口の較差の是正等を考慮し」、抜本的な見直しを行うことを盛り込んでいます。自民党案はこうした抜本改革に無縁です。「1票の格差」解消には得票が鏡のように議席に反映する比例代表に全面移行するしかありません。

 日本共産党は、現在の参院の議院定数を維持し、全国10ブロックの比例代表制にすることを提案しています。抜本改革に向け、各党での議論を尽くすべきです。

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-07-12/2018071201_05_1.html

[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理

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