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29歳の全国最年少市長が「脱利権」のために行ったこと  四條畷市長 東修平氏 インタビュー
http://www.asyura2.com/18/senkyo251/msg/547.html
投稿者 うまき 日時 2018 年 10 月 01 日 11:02:52: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

2018年9月30日 加藤年紀 :株式会社ホルグ代表取締役社長
29歳の全国最年少市長が「脱利権」のために行ったこと
 織田信長が行ったとされる比叡山の焼き討ちなどは、堕落した寺社の既得権益にメスを入れるものでもあったという。当時から400年以上の時を経て、平成がその役割を終えようとしているにもかかわらず、依然として既得権益者は世の中にはびこっている。歴史を振り返ってみても、まるで人間の本能に備わっているかのように、権力は腐敗し利権が生まれていく。しかしながら、大阪府四條畷市の取り組みを取材すると、脱利権を推進できる可能性を強く感じた。本稿では現在の政治利権について簡単に整理を行うとともに、有権者やメディアがどう行動していくべきかを記していきたいと思う。

不正ができない時代になりつつある

四條畷市ホームページより
 どんな世界にも既得権益があり、自治体行政に関するメディアを主催する筆者はこれを問題視しているが、一方で既得権益者の立場が日増しに弱まっているとも感じている。政治、経済、教育、文化等々の権力者への尊敬・忠誠心の低下とともに、インターネットの普及が不正を明るみにしてしまうことは既得権益者の立場を弱める大きな要因と考える。

 昨今のスポーツ関係者のパワハラやセクハラ、特定の者に有利な判定などと指摘される事象についても、既得権益者の力が相対的に弱まった一つの表れともいえるだろう。世間を賑わした日大アメリカンフットボール部の件も動画の存在がなければ、そして、インターネットによって拡散されることがなければ、あそこまで大事になることはなかったはずだ。しかし、補助金などに関わる特定組織はまだまだ大きな既得権益を得ているところも多い。

税金を最適配分できない理由は政治と既得権益者のしがらみ
 政治利権に話を戻す。時代や状況の変化とともに補助金の優先順位は見直されるべきだが、一度交付した補助金をなくすのは地方自治体にとって骨の折れる仕事だ。

 わずか1万円の補助金をカットするにも不平不満を言われ、対応する職員はもちろん、政治家である首長も大きな反発を受ける。政治家の場合は分かりやすく選挙に影響し、一度交付した補助金のカットは大きなリスクだ。特に医師会などの有力団体との対立は、政治家として命取りになりかねない。

 国民は、こうした背景によって、特定の組織が自らの利権を守るため、政治行政を歪めているという構図を認知しなければならない。

四條畷市は市民が互いの補助金をチェックし議論を公開
 しかしながら、明るい兆しもある。2017年1月、大阪府四條畷市に全国最年少市長が誕生した。東修平市長は外務省、野村総研インドなどを経て28歳で市長に就任した。

 東市長は「市民に向き合える組織を作る」と掲げ、旧態依然とした既得権益者が職員、ないしは行政の正しい振る舞いを歪めていると懸念する。行政は本当に必要なところに人やお金を投入すべきで、「市民に向き合える組織を作る」ためには既得権益者と対峙せざるをえないと感じていた。

 東市長は自らと利権団体が二者で会う構図はほとんど作らない。興味深いのは、その代わりに住民との意見交換会で各利権者から同時に話を聞くことである。利権というと秘密裏に密室で行われるような印象があるが、東市長はオープンな場所で議論を行う。意見交換会を市の全21地区で開催し、その場の様子や発言は全て動画で撮影され、ノーカットで市のホームページに公開される。

 ある時、某団体の代表者が「例の補助金、来年も頼みますわ」と言った時には、「それは、おかしくないか?」と他の市民が感じ、会場に険悪な空気が漂うこともあった。各団体がお互いの補助金の内容を知ると、「それだったら他のモノに使おうよ」と意見が出て、税の適正配分が市民間でも議論されていく。これは今までにはあまり見られなかった光景だろう。

 オープンな場で利権団体と接触することは、首長や周囲の職員に大きな負荷がかかることは間違いないが、やろうと思えばどの自治体でも始めることのできるシンプルな取り組みでもある。これによって、全国の自治体は限られた予算をより優先順位の高いものへ投下することができるようになるのではないか。

住民は選挙の際に支持母体を把握すべき
 政治家にもジレンマがある。それは、選挙に勝たなければ、政治家は政治信条を果たせないということだ。そこで、政治家は特定の支持団体の力を借りるのだが、そうなると、支持団体の不利益になることは進められない。むしろ、利することが求められ、利益誘導と言われるような政治票と団体利益の交換が生まれる。

 住民としては政治家の立場を理解した上で、支持母体をできる限り把握すべきだろう。先の東市長は無所属で勝っているからこそ、どの組織にも肩入れせず自由闊達な議論を行うことができている。もちろん、無所属であるということが絶対的な条件ではない。大切なことは、政治家としての行動力・判断力があり、かつ、当選した際にその力を発揮できるかどうかを見極めることだ。

マスメディアは政治家だけではなく、業界団体にも取材を行うべき
 とはいえ、日々忙殺される民間人、一般市民が候補者の支持団体をくまなく調べるのは現実的には難しい。そこで、マスメディアには政治家の支持団体の意向を伝える役割が求められる。

 本来、政治家が自らの支持団体や関係者にあからさまな利益供与を行うのはリスクである。癒着や不正という批判が高まれば、その団体以外からの集票力を落とすことになるからだ。ましてや、それが犯罪にまで発展すれば政治生命を断たれることすらある。

 そういったリスクがあるにもかかわらず、なぜ毎年のように政治家から逮捕者が出るのだろうか。政治家が合理性のない妙な動きをしている場合には、後ろで何かの力が働いている可能性は十分にある。これは企業の営業マンが時に不正ギリギリのラインで売り上げを高めようとせめぎ合う様子に近いかもしれない。

 政治や政治家を歪める力学は必ずしも政治家が起点になっているわけではなく、政治家の裏で手を引く既得権益者が数え切れないほど存在し、ここに起因することが少なくない。マスメディアがこれらに光を当てることで、偏ったバランスを正すことも可能となるはずだが、果たして何がそれを許さないのだろうか。

全ての関係者が既得権益者になり得る
 政治家は良くも悪くも票を取るために行動を行う。選挙に勝たなければ何事もなせないからだ。そして、彼らにも生活がかかっているのであるから、この行動原理を理解しておくことは重要だ。

 民主主義、選挙というシステムが今後も継続される以上、この根本的な構造は今後も大きく変わることはないだろう。だとすると、行き過ぎた既得権益者の力が明るみに出ることになれば、政治家もうかつに既得権益者を優遇することはできなくなる。

 自治体、住民、メディアが既得権益者に対して少しでも意識を傾ければ、行動が変わり、利権構造も大きく変わっていくはずだ。ただ、最後にひとつ付け加えると、視点をずらせばこの3者自身が既得権益者側に回る状況も間々ある。つくづく、世の中の仕組みは一筋縄ではいかないものだと思う。

(株式会社ホルグ代表取締役社長 加藤年紀)
https://diamond.jp/articles/-/180815


【四條畷市長 東修平氏 インタビュー】
2018/09/09

【四條畷市長 東修平 #1】「働き方改革」は市民に向き合える組織を作ること
東修平 1
【東 修平 経歴】
1988年大阪府四條畷市生まれ。四條畷高校、京都大学工学部卒業、同大学院工学研究科修士課程修了(原子核工学専攻)。その後、外務省、野村総合研究所インドを経て、現役最年少市長となる(当選時28歳)。全国初の取り組みとして、民間人材サービス会社とのコラボによる副市長公募や、コミュニケーションアプリを用いた協働のまちづくりシステムの構築など、新しい基礎自治体のあり方に挑み続けている。
−最近、「働き方改革」という言葉がよく聞かれるようになった。働き方というのは、組織の目的に沿って答えが変わるモノであるから、分かりやすい正解がない。そんな中、四條畷市では、全国最年少で市長に就任した東修平市長が肝いりで「働き方改革」を進める。
 東市長は何を目的に、そして、どのように「働き方改革」を行っているのか、また、「働き方改革」に直結するという利権の問題、さらには将来の展望についても伺った。

四條畷市の働き方改革とは
加藤(インタビューアー):四條畷市の働き方改革の話を、耳にすることが増えてきました。

東市長:前提として、東京では「働き方改革」という言葉は浸透しているかもしれないですけど、地方ではまだまだ。「働き方改革? 何それ、おいしいの?」くらいの感じなんですよ。東京で流行っているワードだからと言って、さほど広まってないのが実情です。

 ただ、僕自身、働き方改革は公務員の世界でこそ重要だと思っています。生産性を上げようとした時に、企業は例えば売上を労働時間の投入量で割ればいいと思いますが、行政にはいわゆる売上に相当するものがないですよね。

 となると、何を目標に我々は働くのかをブラッシュアップしないと、行政にとっての働き方改革ができないんです。これまでは「こういう会議を何回しました」「予算をこれだけ使いました」というのを成果としてみるのが当たり前でしたが、これからは「新規創業が何件増えました」「健康寿命が何歳伸びました」ということを成果指標とした働き方に変えなければいけません。

市民に向き合う組織を作るには
東市長:僕にとってのゴールは、とにかく市民に向き合える組織を作ることなんです。そのために大事なことは2つあって、1つは市民にとって価値のない作業に時間を使わない組織にすること。

 もう1つは組織を多様化させることです。例えば、家族を介護しながら3時間しか働いてない正職員が市役所にいても本当は良いじゃないですか。市民が多様化しているんだから、職員も多様化してないと、制度や運用なんて考えられないですよね。いま、民間から子育て中の女性の副市長に入ってもらっていますが、それも多様性の確保につながっています。

加藤:選挙の時に働き方改革をするという話もされたのでしょうか?

東市長:していないです。働き方改革というのは、それだけを聞くと職員のためとしか聞こえないですよね。単に労働時間を短くするように聞こえますし、市民にとって直接の変化としては分かりにくいですから。

 ただ、市長に着任した5日目くらいに、「労働時間革命自治体宣言」という、組織を挙げて業界や社会全体の働き方改革を促進する宣言に、四條畷市として賛同しました。もちろん議会にもご了承いただく必要があったので、すぐに職員に相談して進めましたが、着任直後でもあり少し大変でした。

着任1週間で部長級の人事異動
加藤:取り組むうえで初めは何に気をつけていましたか?

東市長:小さく始めないことです。働き方改革をスモールスタートさせると、会議の短縮化とか、資料を一枚にまとめるとかそういう話になりがちです。そうなると、働き方改革の本質を見失って、小手先の業務改善になってしまう。それを非常に恐れていました。だから、就任直後の議会における所信表明で、働き方改革を最重要課題に位置付けたものの、実際に始まったのは半年以上経った秋くらいです。

 ただ、その前段階として着実に進める体制を作るために、人事課長に理解、納得をしてもらいました。実は、うちのいまの人事課長はプロパーで30代です。この年齢で人事課長は珍しいのではないでしょうか。ただ、うちの課長の中で一番若いのに、熱い思いと馬力があります。抜擢人事で市役所内がザワザワしましたが、僕が着任して2週間後から人事課長を務めてもらいました。

 実際、着任直後に一番力を注いだのが人事異動です。着任して1週間しか経っていないうちに、部長級でも重要なポストにいる幹部を多く動かす内示を出しました。そうすることで、何をしている人が評価されるのか、一番分かりやすいメッセージになりますよね。

加藤:1週間でどう判断材料を集めたのでしょうか?

東市長:当選(1月15日)直後から、就任(1月20日)までの間、寝る間も惜しんで元職員や市役所関係者等から徹底的に庁内の情報を収集しました。そのうえで、就任してから実際に職員とやり取りするなか、聞いていた内容とイメージのすり合わせを行い、有無を言わせず内示表を「これ」と渡したんです。反論は認めないと(笑)。ただ、2ヶ月後の新年度4月1日付の異動は、課長級以上全員と一対一で面談して、課長代理級以下とはランチミーティングを実施しました。この時は譲れない部分だけ指示を出して、他は人事課長に任せました。

加藤:改革に向き合う状況が整ったわけですね。

東市長:はい。その後に具体的なアクションが始まります。

【四條畷市長 東修平 #2】「働き方改革」は残業を減らすことではない
東修平 2
肝は数値目標を定めないこと
加藤:働き方改革を進めるために具体的にはどう動かれたのでしょうか。

東市長:まず、約1700万円の予算を取りました。ソフト事業費で、システム改修費などは入れない額です。四條畷市の一般会計予算は約200億円ですので、これは通常では考えづらい額なんです。本市規模において、業務支援費は普通、300万円くらい。だから、議会からは「額が大きいのではないか」とのご指摘をいただきました。

 初めての大型補正予算だったので大変でしたが、「これが将来跳ね返って来るので信じてください」と話をして、認めていただきました。しかし当然ながら、議会からはその成果をどうやって測るのかを聞かれました。例えばよくあるのは、「残業をこれだけ減らす」という目標ですね。ただ、ここが一番の肝でしたが、数値目標は決めないと言い続けました。

 というのも、「残業をこれだけ減らす」と言ってしまうと、それがゴールになるんですよ。そうすると、家に持ち帰って仕事をしたり、本質からズレていく。目標は市民に向き合える組織を作ることであって、残業時間が減るというのはその過程で生まれる結果なんです。

市民にも市の働き方改革を理解してもらう
東市長:その後、ワークライフバランス社の小室淑恵さんを四條畷市に招き、働き方改革がなぜ必要かと言う講演会を、市で一番大きなホールで開催しました。マインドセットから始めないと失敗すると思ったからです。

 その講演会に、市役所の幹部をほぼ全員集めましたが、それだけではなく、市議会議員や市内事業者の社長さん、自治会役員、民生委員、教職員、保育士の方などにも来てもらいました。市のキーパーソンの方々に講演を聞いていただいてから、働き方改革に取り組み始めたので、市役所が働き方改革をやる目的が明確に伝わり、理解が得られやすくなったと思います。

改革の風土を醸成
東市長:その後、役所の課を「窓口業務の多い課」「現場によく出ていく課」「基本的に庁内勤務の課」「団体との調整が多い課」という4つのタイプに分類しました。そして、働き方改革にチャレンジするモデル課を公募して、各タイプから1つずつ選びました。いきなり全てを変えようとすると抵抗が大きく、とん挫する危険があったので、まずは各タイプでの事例を作りたかったんです。

 また、別の取り組みとして、約40人いる市役所の課長・課長代理級といった管理職のうち、半分の約20人を公募で集め、働き方改革のリーダー研修を行い、半年間かけて働き方改革がどういうものか腹落ちしてもらいました。研修では働き方改革の重要性や考え方を学べますが、具体的な手段を教えてくれるわけじゃないんですよね。だから、それはあくまで風土作りです。

税務課の残業時間が4割減
加藤:具体的にはどのような結果が生まれましたか?

東市長:例えば、税務課では残業時間が4割減りました。ここで大事なことは、残業の目標は掲げていないにもかかわらず、それが起きたことです。実際、税務課長は始めの頃、「働き方改革? 自分には関係ないわ」という感じでした。

 でも、だんだん腹落ちして、業務の可視化を始めたり、窓口対応をする必要がない集中タイムという制度を作ったりと、効率を高めていきました。もちろん、新しい取り組みをすると、トラブルはたくさん発生するんですよ。税務課長も、部下から「見える化するための時間が逆に労働時間の上昇や!」、とかもたくさん言われたようです(笑)。

加藤:ありがちですね(笑)。

東市長:しかし、そうした声に対し、根気よくコミュニケーションを取りながら改善していった結果、残業を集計したら4割減っていた。去年行なった取り組みで、最初は積極的ではなかった職員が、むしろ推進派になるという事例作りができたんです。

うまくいかなかった部署でも次の改善につながる
加藤:うまくいかなかった部署はありましたか?

東市長:「団体との調整が多い課」のモデル課が一番うまくいきませんでした。そこは地域団体との付き合いにおける属人化の度合いが強く、課内で情報共有を行い、複数の職員が対応できるようにしても、「やっぱり、◯◯さんじゃないと」という団体の声がどうしてもあります。それがわかったので、僕を本部長とした部長級職員で構成される行財政改革推進本部という組織体の中で、「団体事務における指針」を作ることを、市として決めました。

 もし、ある1つの課だけ団体への対応を変えてしまうと、別の課での対応が違う場合に問題となってしまうので、全庁的に方針を決めるようにしました。全庁で決めたら、職員も「市のルールで決まりました」と、説明しやすくなりますよね。地味ですが、うまくいかなかったものでも、原因を突き止め一つひとつ変えていく感じです。

市民と職員の手間が削減
加藤:他にも具体的な事例はありますか?

東市長:全国初の取り組みとして、LINEを使って市民に道路の破損情報を通報してもらえるようにしましたが、最近、担当の建設課長と話していると、「これも働き方改革につながっています」と言うんです。

 どういうことかと言うと、いままで道路に問題が起きると、市民から電話がかかってきて仕事を止めざるを得なかった。また、「いつ対応するのか」「対応は終わったのか」といった電話が度々かかってくるという状況でした。でもいまは、LINE経由の問い合わせについては、データベース化され、自分たちのタイミングで課内会議を行い、対応方法を決めることができ、対応後の状況は月に1度ホームページにアップしているので、市民の誰でも確認できるようになりました。

 そうすると、市民も簡単に通報できるし、窓口に来る人や電話をかけてくる人が減って、職員も業務に集中できる。地味ですが、こういうことを広げていきたいです。

働き方改革は小手先じゃない
加藤:残業については全く目標を置かないのでしょうか?

東市長:そうなんです。「残業を」とか、「残業が」となった時点で僕は違うと思っているんですよ。本質はいかに市民にとって価値ある業務に集中し、市民に向き合える時間を作るか。

 だって、20代で多少残業してでも経験を積みたいという人もいるわけじゃないですか。僕はそこを否定したらあかんと思っていて、それはそれでやったらいい。ただ、それを全員に当てはめるのは良くない。

 働き方改革は小手先じゃないんです。このメッセージを本質から外れずに職員へ言い続けるのが僕の仕事です。

2018/09/11

【四條畷市長 東修平 #3】企業の競争環境が地域経済を強くする
東修平 3
感度の高い部長と課長を抑える
加藤:働き方改革を進める際に、幹部に動いてもらうのは難しくなかったですか?

東市長:やはり人生経験が違いますから難しさはあります。でも、反応してくれている幹部から順に声をかけていくのが大事だと思います。あと、課長から謀反を起こされると部長は仕事ができなくなるので、課長を握ることが大事です。その際に何より気を付けているのが、その分野について事前に勉強しておくこと。

 例えば、高齢福祉の分野で介護保険事業についてメスを入れなあかんとなれば、誰よりも介護保険に詳しくならないと課長と議論できない。理念だけで話しても「実務もわかってないのに、なに偉そうなこと言いよんねん」となる。そうなったら終わりですよね。

 あとエリートである財政課も難しいです。財政課だけが首長の暴走を唯一止められるというプライドもある。地方財政という複雑で難しいものを把握し、新しい制度を勉強してしっかりと議論できる状態にすることが、職員に腹落ちしてもらうために重要だと思っているんです。

 人によっては「リーダーは方向性を示して任せたらええねん」って言いますが、改革のまさにその瞬間においては、それでは無理だと思います。

2年目は全庁へ展開
加藤:働き方改革を進める中で課題はありますか?

東市長:リーダー研修を受けた人たちとそうでない人には意識の差がありますし、モデル化でやった課とやってない課にも差があります。ですので、2年目の今年はいままでやったことを横展開して全庁に広げていきます。

 まず、昨年度に研修を受けた人たちが、今度は教える側となり周囲へ啓蒙をしてもらいます。それとは別に全庁で働き方改革のプロジェクトチームメンバーを公募し、時短、任期付などを問わず、手を上げた人は誰でも全員参加ができる組織体を作っています。そこで、評価や育成方針などの制度から広く議論して、自分たちの職場がどうありたいのかということを、みんなで考えてみんなで決めてもらう予定です。

 目標としては、年度末くらいに大阪中の自治体の人事課などにお声がけし、四條畷の取り組みと変化について発表がしたいです。究極的なゴールは四條畷でやったことが他市に広がって、日本全体が良くなっていくことですから。

文化を根付かせようとする文化が生まれればいい
加藤:どのくらいの期間が経てば、働き方改革の文化が根付きそうですか?

東市長:それには時間がかかると思っています。ただ、『文化を根付かせようとする文化』が生まれ、その推進力さえつけばいいと思っています。少なくとも市長任期4年の中で職員たちが自走してくれるようになれば、感度の高い職員がその先の成果を作ってくれると思います。

揺らぎが起きにくい目標を掲げる
加藤:市民に向き合うというのは、最終的には住民の満足度みたいなものが重要ですよね。そこは数値化をしないのでしょうか?

東市長:いわゆるアンケートで取れる住民満足度で、「いいまちだと思いますか?」「自分のまちを他人にも勧めたいと思いますか?」とかって、良いとは思うんです。そういうのも取りますけど、そうした主観的な質問は、質問の仕方や誰が聞くかで答えが変わったりするじゃないですか。

 なので、我々が追うべきものは、「要介護認定率が前年度より下がった」とか、揺らぎが起きにくいものを目標として置ける組織にしていきたいです。

長く住んでいる人こそがメリットを享受できるまちにしたい
加藤:あくまでもいまの地域や住民に目を向けるということですか?

東市長:もちろん、四條畷市のベッドタウンとしての持続可能性を追い求めると、自然減に対応するくらいの若い世代には一定程度当然入ってきてほしい。だから、シティプロモーションなどを考えると思うんですけど、うちとしてはいま住んでない人ばかりに宣伝をするのは違う、と。

 長く住んでいる人こそがメリットを享受でき、その人たちが「四條畷エエで、住んでみ」と話をしてくれるのが理想です。まちに住んでいる人がどれだけまちの良さを感じているかが重要で、四條畷はそれを一貫してやっていこうとしています。

短期的な施策と長期的な施策を並行して進める
東市長:いわゆる市民満足度みたいなものを高めるのは当然時間がかかりますよね。だから、いまはまず現実に起きている不満を拾い集める。昨年12月に、市内の各地域をまわって対話会を行った際は、事前に地域の課題について要望を出してもらって意見交換をしました。そして今年も、春と秋の2回ずつ、だいたい計50回ほど各地域で対話会を行います。その際、以前にいただいた地域の声と、それに対する市の対応を一覧化し、「実行済み」、「着手済み」、「2、3年以内に実行」、「長期的にやる」、「地域にお願いしたい」、「やらない」など、全部をオープンにしていきます。

 市長である僕が対話会を行っているので、質疑応答でいわゆる組織の縦割りは存在せず、答えはイエスかノーとはっきり出せます。そういう短期的な改善をずっとやりながら、並行して働き方改革で時間を生み出して、長期的に満足度を高めていく。最終的にはこれらのプロセスが、現場レベルでできるようになるというのがゴールです。僕が外に出てやり続けるのは、組織運営上、本来は良くない。誰が市長でも持続可能な仕組みを作らないと意味がありません。

指標を職員が決めるから推進力が生まれる
加藤:先ほど、指標の話で「要介護認定率」が例にあがりました。このような指標はいつ頃、決定するのでしょうか?

東市長:これは難しい部分があります。これを言うといやな感じになりますけど、僕の中には具体的に計るべき指標が概ねある。でも、僕が一人突き進んで指標を置いちゃダメなんです。部課長たちが「これや!」と自発的に決めてやらないと推進力は出ません。

 もちろん、部長に対する働きかけは着任後から行っています。従来からある部長マニフェストの見える化を進め、今年度からは数値目標を公表しています。そして、四條畷市の部長マニフェストで特徴的なものは、予算執行率の記載があることです。とにかく行政は予算執行率が高い方が優秀となりがちですが、工夫によっていかに低い予算執行率で目標が達成できたかがわかるようになっています。本来、少ない予算で最大の成果を目指すべきですよね。

 だから、予算を使い切らなかったことが市民からも評価されるように変えていきたいです。その時に、指標や目標がなかったら予算を全額使わないといけなくなる。だから、施策の具体的な目標を立てることが重要です。

競争環境を整え企業を伸ばすことが地域経済を強くする
加藤:自治体が予算を減らしたときに、地域経済を回してないという批判めいたものはないのでしょうか?

東市長:批判に対しては、本当にそうなのかなと思うんですね。もちろん、例えば四條畷市は道路整備に課題があるので、そうした必要な部分にはきっちりと投資をします。ただ実際は、皆さんが思っている以上に短期的な視点でお金が使われていたりするのも事実です。地域商業振興という名のもとに数百万円を団体に補助していたものの、それらがバーゲン時のガラガラくじの景品購入に使われているという状況もありました。そういうのは、すぐに終わらせてもらいました。

 それと、入札でも地域業者育成と言って地域を優遇しますが、優遇し過ぎるのは違うと思います。人口減少社会において、発注数は昔と違って減っていく一方です。そうしたなか、真に厳しく競争するから企業が強くなって、他の地域でも仕事が取れるようになる。それによって、その企業の売上が長期的に伸びるわけじゃないですか。

加藤:それを公言できる市長はあまりいませんよね(笑)。補助金が企業の自立的な成長を阻害するとは、よく言われます。

東市長:むしろ、競争環境を整えて企業の力を伸ばすことが地域経済を強くすることだと思います。その一方で、産業振興に関する予算はかなり増やしているんですよ。それは補助金とかではなく、考える場、いわゆるプラットフォームを提供するような形で予算を充てています。

「補助金を切ってくれてよかった」
加藤:地域団体からの抵抗はないのでしょうか?

東市長:嘘みたいな話ですが、補助金をもらったものの使い方に困っているというところもありました。着任直後、商工会に対する複数年度にわたる補助金を、成果があまり見えなかったために途中でしたがスパンと切りました。すると、実は商工会としても持て余していて、「切ってくれてよかった」と言われました。

 心ある人たちはもらった後に悩んでいるんです。それなら、行政の責任でカットしていって、例えば大学との連携や、新たな技術などを学べる場とかにお金を使いたいですね。

2018/09/12

【四條畷市長 東修平 #4】職員の悩みのタネ「利権」 地域との対話会が脱利権への道
東修平 4
団体のみとの意見交換はほとんどしない
加藤:四條畷市が目指す働き方改革で、最も難しいポイントはどこにありますか?

東市長:働き方改革は市民に向き合う行政組織にすることなので、一番難しいのは補助金です。僕が着任した瞬間から補助金見直しに着手しました。

 前提として、決してすべての補助金が悪と言っているのではありません。その補助金を出した当時には、必要だったんだと思います。ただ、税金から出す補助金については、何の目的で出すのかを明確にする必要があるはずです。なので、「昨年も出したから今年も出す」という考えを改め、一度すべてをゼロベースで見直そうと。今後は、公募によって「なぜいま補助金が必要か」という理由をもとに申請してもらい、客観的な審査ができる制度を整える予定としており、本年度の後半から新制度を適用開始いたします。

 あとはイベントですね。イベントって非常に多いんです。市主催のものは、もちろん職員が動きますが、団体主催のものでも、結局、実質的には市の職員が時間を割いて動いていることも多くあり、そこにかなり時間を使っています。職員が全面バックアップしなければならない団体主催のイベントだったら、なくなってもいいですよね。

加藤:批判を受けそうな文脈ですね(笑)。

東市長:でもね、地域の人たちも、それが問題だとうすうす分かっているんですよ。

 行政が団体と1対1で意見交換をしたら、当然、団体にとって利益を大きくするための話ばかり出てきます。でも、地域全体の中でやると全体として公平・公正であるべきという雰囲気になるんです。だから、僕は閉鎖的なところで団体と1対1の意見交換はほとんどしません。

利害関係者と政治の結びつきが行政を歪める
東市長:良かったと思うのは、僕は特定の政党や有力者の推薦をいただいて当選してないので、フラットに政策を考えることができることです。特定の人の顔色を気にせず、市民全体のことを考えられる。これまでの旧態依然とした既得権益者と政治の結びつきは、職員も葛藤していることなんです。これが、行政の正しい振る舞いを歪めてきた原因、とまで言ったら言い過ぎかも知れませんが、でも実際はそうですよね。

 特定の人だけが得するしがらみをなくして、職員が市民のために本当にやりたいと思っていることをやれるようにすることこそが、働き方改革なんです。そのために、その遮蔽物を僕が取り除こうとしている。だから、職員には「もしかしたら4年後には、この席に座ってられへんかも知らん。でも、やるべきことはやり切ってから落ちる」と説明しています。なかには忖度してくれて、「そうした難しい案件は、2期目の1年目にやりませんか?」とか言ってくれる職員もいるんですよ。でも、それじゃあ意味ないですよね。いましかない。長く市長をすること自体が目的ではないですから。

市民から市長が答えられない意見をもらいたい
加藤:どうしたら、そういう既得権益者とバランス良く付き合えるのでしょうか?

東市長:いま、地域を回って市民と意見交換をしていると、例えば「○○実行委員会にはなんで◯◯万円もの補助金が出ているんだ!」みたいなことを言ってくる人がいるんですよ。それを聞いた他の市民は「それだったら◯◯に使おうよ」という意見が出たりして、税の適正な配分が市民同士で議論されていく。

 既存の補助金の理由を問われた時に、論理的に説明できるものであれば、補助金はそのまま継続しますし、逆に説明がつかないものであれば、立ち止まって考え、止めていくんです。そうすると、有力者の方などが案件に絡んでいても、その場に出て来られないですよね。本来なら「来年もよろしゅう頼むわ」みたいな閉じた空間が、全部オープンになる。

加藤:確かに、明るみに出していくと、既得権益者の力が失われていきますよね。

東市長:そうです。その地域との対話会にどんどん参加してもらい、不平不満を言ってもらう。職員からしたら、「市長が答えられない質問が市民から来たらあかん」となるんですが、実は逆なんです。僕が答えられない意見こそドンドンもらいたい。

 おそらく、それが一番効果があるんですよ。いま、地域との対話会は動画を撮っていて、編集無しのノーカットで、すべてホームページに載せているんです。透明性を確保するとともに、「言った、言わない」の世界が一番嫌いなので、それが起きないようにしています。

加藤:動画で記録に残ると、市民や団体も勝手なことは言えないので、良い緊張関係が生まれますね。

既得権益者とはオープンな場で意見交換する
東市長:他にも地域との対話会が面白いと思うのは、ある団体の代表者が「既存の補助金、来年も頼みますわ」みたいなことを普通に言うんですよ。

加藤:言うんですか?(笑)

東市長:はい(笑)。そうすると、すごい空気になるんですよ。「それ、おかしない?」って周りが思う。だから、行政と団体の二者で会ったらダメなんですよ。みんなが聞いている場で意見交換をしたらいいんです。

 たとえば、それを聞いた時に他の団体の方が「ん?」って思えばいい。その団体はその団体で何らかの利権は持っているわけですよね? 皆がお互いのことを知ればいいんですよ。

真剣に行政運営をすれば市民は市の味方になる
加藤:そういう会に利権に絡まない若年層を集めるのは難しくないんでしょうか。

東市長:確かに、団体に所属されている方が多いですが、そうでない方もいらっしゃいますし、若い人も1人2人はいるんですよ。こないだもある地域で「小学校の中に自治会館を建てさせて」というような、あまり現実的でない要望を次から次に言われる方がいて、それに対して僕が1つ1つ説明をしていると、「あの小学校の土地は、元はと言えば我々の先祖が寄付したんだ」みたいなことを言われ、紛糾したことがありました。そういう時に、30代ぐらいの男性が手を挙げて、「これは対話会なんだから、一方的な要望ばかり言うんじゃなくて、私達としても何ができるかを話さないと」と言ってくれたことがありました。

 他にもゴミ捨てに関して、カラスの対策のために、ある住民の方が「新たに市でお金出して職員で対処して」という感じのことを言ったら、別の人が「別に役所の手をわずらわせんでも、自治会で使っているネットを広くしたら解決するのでは」と言う人が出て来るんです。ありがたいですよね。

 でも、市民にそう言ってもらおうと思ったら、行政がどれだけ真剣に向き合っているかという姿勢を絶えず示さないといけない。「それと働き方改革がどうつながんねん」って結構言われるんですけど、市民に向き合える状態を作るために、いまの行政の働き方、行動や意志決定の基準を変える必要があるんです。

2018/09/13

【四條畷市長 東修平 #5】納得はされなくても、理解はされなければならない
東修平 5
適切な権限移譲が目の前の市民を救う
加藤:自治体職員が活躍するために何が重要だと思いますか?

東市長:それぞれの部署や年齢などの違いもあるので一口には言い表せませんが、いま僕が目指しているところでいくと、権限の移譲です。

 公平・公正であることと、真に困っている市民を助けることはぶつかることがあって、非常に難しい。ある特定の困っている方に対応しようと思うと一律のルールでは対応できない。行政にとって、公平性は金科玉条であり、特例をホンマに嫌うのでみんな同じ対応にする。でもこうした対応のみをやっている限り、真に困った人に対応ができないんですよ。

 公正・公平を大原則としながらも、特別に対応しなければいけないという時に対応できる組織体制にする必要があって、それに必要なのが適切な権限移譲なんです。それをどうルール化していくのかは難しいんですけどね。

加藤:いま、自治体の中でも一人の困っている人を救って、それをルールにして汎用化させていくという考え方も出てきましたよね。

東市長:職員は本来、目の前の困っている人を救いたいと思って公務員になっているわけですからね。

一人ひとりが喜びを実現できる世の中にしたい
加藤:ご自身が人生の中でやり遂げたいことはありますか?

東市長:僕が市長になる前、政治家としての自分のコンセプトを1枚の原稿にまとめました。その一行目が「一人ひとりが、その人にとっての喜びを実現できる社会をつくる」というもので、それが僕の究極のゴールなんです。

 だから、それを果たせる場ならどんな環境でも良いですね。いまのこのフェーズでは、行政がいままでのしがらみをリセットすること。公平で透明な価値基準やルールを持つことで、誰もが正しいと思う目標を立て、それを低い予算執行率で実行できる仕組みを構築することです。

 絶えず地域住民の声が吸い上げられ、協働によって課題を解決する仕組みを作るのって、どの自治体でも本来できることです。だって、それは新しくて理解が難しい概念とかの世界じゃないですよね。だから、まずそれを徹底的にやりたいですね。

答えがないものに24時間向き合っている
加藤:市長のお仕事の醍醐味を教えて下さい。

東市長:民間でも地域でも解決できなかったものが行政、公務員に回ってくるわけじゃないですか。そして、公務員の中でも課員、課長、部長、副市長までで解決できなかったものが僕に上がってくる。

 答えがあるものは現場で解決してくれますから、僕は答えがないものと24時間向き合っているんですよね。それに対して4年間、常に向き合う権利が与えられていることが醍醐味だと思います。

納得されなくても、理解されなければならない
東市長:いま、市内小中学校の小規模化に伴い、統廃合を進めていますが、自分の子どもの通学時間が15分から40分になる地域もあるんですね。意見交換で、それをある保護者の方を中心にガンガン色々言われて、時間も延長して、質問が出なくなるまでやったことがあります。

 意見交換会が終わって会場を出たら、その保護者の方が自転車で帰るとこやったんです。そしたら、開口一番「おー、市長やん。言っとくけどな、私、全然さっきの納得してへんからなー!」言うんです(笑)。ただ、続きがあって「でも、あんたがたくさんの人の話を聞いて、色んなこと考えて、真剣に取り組んでいるっていうのが分かったから、そのままやってくれたらいいで!」って言い残して、チャリに乗って去って行かれました。

 そのときが、市長をやっていて良かったと思う瞬間です。「真剣に取り組んでいる」って言われたら、一番嬉しいですよね。

 行政ができることには限りがあります。特に、人口減少が進むいま、常に「ありがとう」と言ってもらえることばかりではありません。仮に、「A」と「B」という施策のどちらかしかできない場合、やらなかった施策の理由についても責任を負う。

 「A」を重んじて「B」をできなかった場合に、「B」の施策についても市民と向き合って説明をする。「B」であれば利益を得られた人たちには、納得まではしてもらえない。ただ、なぜ市として「A」を選んだのか理解されなければならない。僕は、できなかったBの施策について「理解はした」と言ってもらえることが、市長として究極的に喜びを感じる瞬間です。

編集後記
東市長の言動から、合理性のもとに行動していることが見て取れる。また、その進め方について、状況を冷静に見極めていることから、状況判断能力が極めて優れている方だと感じた。それもそのはず、東市長は京都大学院工学研究科修士課程(原子核工学専攻)を修了し、その年の国家公務員試験で該当する受験区分の受験者においてトップの成績を収めている。

 東市長の特筆すべき点はその地頭の良さのみならず、コミュニケーション能力が卓越していることもある。秀才タイプの人間にありがちなのは、論破することを目的としたり、人間の行動原理におけるコミュニケーションの重要性を低く見積ることだ。しかし、東市長はコミュニケーション能力を最大限生かしながら、多くの試みを着実につなげているように見える。

 最たる例は、住民や既得権益者とのコミュニケーションであろう。学校の統廃合の話や、商工会の話、そして、オープンな場でフラットに利権団体と意見交換する。このような試みは一見地味だが、その価値は非常に高い。

 私には利権というものに対する嫌悪がある。1995年から2期に渡り三重県知事を務めた北川正恭氏も、その利益誘導にまつわる利権構造を鋭く指摘したが、東市長の登場は時代の変化の兆しを感じさせる。

 東市長は対話会を通じて利権を解消する動きをとり、かつ、それを今回の記事のように表に発信することのできる力強さがある。それができる政治家はほとんどいない。無所属で勝ち切った選挙の強さと、優れたコミュニケーション能力が相まっているからだろう。「補助金を切ってくれてよかった」と受益者が発するのは信じられないことだ。

 時代に合わなくなったものに対して引導を渡す、そして、本来あるべき行政の姿に立ち帰る、そのような先駆的な役割が全国に広がってほしいと心から思う。全国には強い意志を持って、人知れず利権と対峙している首長や地方議員、公務員も多くいることだろう。そういう真摯で正しい想いが、世の中に伝わり評価される時代に入ってきたのではないか。

 本来は政治家が話しづらいセンシティブな内容を、世のためになるとの想いで語っていただいた東市長に心より感謝したい。
https://www.holg.jp/interview/shuheiazuma5/


【四條畷市長 東修平氏 インタビュー】
第1話 「働き方改革」は市民に向き合える組織を作ること

第2話 「働き方改革」は残業を減らすことではない

第3話 企業の競争環境が地域経済を強くする

第4話 職員の悩みのタネ「利権」 地域との対話会が脱利権への道

第5話 納得はされなくても、理解はされなければならない

【四條畷市長 東修平氏の市長選挙】

第1話 28歳で当選 全国最年少市長はなぜ生まれたのか

第2話 インド勤務時に出馬を決断 7か月後に選挙

第3話 過去10年分の議会議事録を暗記

第4話 選挙は政治哲学を市民に問うもの

第5話 コアファンを作るしかなかった短期決戦

第6話 市長選には約1000万円の資金が必要

第7話 政策協定は絶対に結ばない

第8話 「20代で市長になるのは不可能」を変えたい

https://www.holg.jp/interview/azumashuhei8/  

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