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沖縄県知事選での玉城氏の圧勝は、翁長知事が生んだ「自公連携」の“終わり”の始まり(ハーバー・ビジネス・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/senkyo252/msg/641.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 10 月 24 日 01:44:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

沖縄県知事選での玉城氏の圧勝は、翁長知事が生んだ「自公連携」の“終わり”の始まり
https://hbol.jp/177067
2018.10.23 横田一 ハーバー・ビジネス・オンライン


「オール沖縄方式」を全国に広め、政権交代も視野に入れた玉城知事


古巣の自由党への挨拶周りでは、3度目の政権交代実現が悲願の小沢一郎代表に「(政権交代実現までは)引退できませんよ」と玉城知事は声をかけた

 10月12日、安倍晋三首相と初面談をした玉城デニー・沖縄県知事は、その後の野党挨拶回りで県知事選を振り返りながら、早期の訪米に加えて野党連携による政権交代にも関与する意欲を示した。古巣の自由党では県知事選のキャッチフレーズ「新時代沖縄」を「新時代日本」に置き換え、政権交代が悲願の小沢一郎代表に向かって、こう呼びかけた。

「(玉城県政で)本当に沖縄の可能性をしっかり実現できれば、日本全体に広がっていくし、それが政権交代をした時に『ほら』という新しい政府の姿になっていくと。いやー、小沢代表。まだ引退できませんよ(笑)。大事なところですよ。私たちの船出は始まったばかりです。新時代日本に向かっていきます」

 同行記者から「知事就任の挨拶回りで『政権交代』という言葉が飛び出すとは!」という驚きの声が上がった。そこで、直後のぶら下がり取材で「(小沢代表に)『政権交代』と言ったのは、今回の県知事選をモデルに衆院選で勝って行くということですか? オール沖縄方式を全国に広げていけば、政権交代につがなるということですか?」と聞くと、玉城知事からはこんな答えが返ってきた。

「私たちの船出の目的地は政権交代ですから。『漕ぎ抜いて行こう』という気持ちですね。政権交代、新時代日本を実現するまでは、小沢一郎先生は引退できません。沖縄から発信していきます」

 当然の帰結ともいえる。安倍首相と菅官房長官との初面談で突きつけられた現実は、県知事選で示された民意を無視した、辺野古新基地建設を進めるという政府の強行姿勢。そこで玉城知事は、早期訪米でアメリカ世論に訴えかけると同時に、国内では野党連携(選挙協力)で政権交代を果たし、辺野古新基地中止の新政権誕生を目指す。早期訪米と野党連携による政権交代の“両面作戦”で、翁長前沖縄県知事の遺志である新基地阻止を実現しようとしているともいえる。

沖縄県知事選の完敗で、安倍政権の“終わり”が始まった!?

 社民党への挨拶回りでは、又市征治党首が「あなたの勝利が野党共闘の弾みにもなっている」と言ったのに対し、こう意気込んだ。

「野党共闘の次の形へのスタートがこの国会から必ずできると思います。そういう意味では、野党共闘について全国各地で私が何か話す場面があれば、どんどん発信、行動します」

 今回の沖縄県知事選では、これまで自公推薦候補勝利の原動力となってきた「名護市長選方式」(自公合同選対を組んで水面下で企業団体や創価学会員に支援要請)の不敗神話が崩れ去った。菅官房長官と佐藤浩・創価学会副会長が生み出した「勝利の方程式」を、野党と市民が連携した「オール沖縄方式」が打ち破ったともいえる。

 とすれば、今回の沖縄県知事選での手法を共有し、全国各地の重要選挙に広げていけば、自公連立政権を交代に追い込む可能性も出てくる。沖縄県知事選での与党の完敗を受けて、「安倍政権の“終わり”が始まった」と複数の永田町ウォッチャーが口にするのはこのためだ。野党挨拶回りでは当然、県知事選勝利についても玉城知事は語った。

 自由党への挨拶回りでは、自公が勝利した名護市長選や新潟県知事選で横行した「ネガティブキャンペーン」対策を勝因の一つにあげた。

「(玉城陣営では)みんなが『思い思いのことを、できることを勝手にやろう』ということになった。そうしたら(いくつものグループが)逆に切磋琢磨して違うような形で選挙活動が上手くできました。最初、ネガティブ(な情報)がガンガン流れていたのですが、『#玉城デニー』でポジティブなものにどんどん代えていったら、検索してもポジティブなものしか出てこなくなり、ネガティブなものを拡散しなくなった。『いろいろな形があるのだな』と思いました」

玉城圧勝を後押しした翁長前知事の次男や夫人の支援


翁長雄志前知事の遺志「辺野古新基地阻止」を実現しようとする玉城知事。那覇市内で行われた10月9日の県民葬にて。遺影を手にしているのが翁長樹子夫人

 名護市長選や新潟県知事選では、野党国会議員が候補者と一緒に街頭演説をしたが、野党第一党の立憲民主党の枝野幸男代表が沖縄入りした時でさえ、候補者と一緒に街宣車に乗ることはなかった。代わりに隣でマイクを握り続けたのが、翁長前知事の次男の翁長雄治・那覇市議だ。

 台風の接近で実施的な選挙戦最終日となった9月28日(金)20時ギリギリまで、風雨の中、父の強固な地盤である那覇市の首里城周辺を回って、後継指名された玉城知事を紹介する役割をしたのだ。

 9月22日に那覇市内で行われた1万人集会での、翁長樹子夫人の演説も大きなインパクトを与えた。自由党への挨拶回りで、玉城知事は次のように語った。

「(一括交付金を減額するなど翁長前知事に報復的措置を取った)菅官房長官が表に出れば出るほど(相手)候補者の影が薄くなり、『官邸対沖縄』という構図を彼らが作っていった。それが県民に火をつけたと思いますね。

 9月22日の1万人大集会の時に(前知事夫人の)翁長樹子さんが初めて出てきて、『今でも翁長が恋しい』と話した。(参加者は)雨なのに全然帰らない。僕がしゃべる時はシーンとして、(参加者の)目つきだけがギラギラしているのです。

 さすがにあの時は『腹を括らないとしゃべれない』と思いました。樹子さんが話したことが結果的に県民に対する“檄(げき)”になったわけですよ。『負けられませんよ。ぬちかじり頑張りましょうね』と。

『ぬちかじり』というのは『命の限り』という意味。この言葉がどんどん拡散して『これに答えなかったら沖縄県民ではない』という気持ちが広がって行った」(玉城知事)


立憲民主党への挨拶周りでも、自公の「勝利の方程式」を、市民と野党が連携した「オール沖縄方式」で打ち破った県知事選を玉城知事は振り返った

 立憲民主党への挨拶回りでも玉城知事は、こう熱っぽく語っていた。

「9月22日に大雨が降って、誰も帰ろうとしない中で初めて翁長樹子さん、ご夫人が挨拶をして『命の限り頑張りましょう』『政府に負けてはダメ』ということをおっしゃって、そこから県民の皆様の気持ちが高まって来て。

 そういう意味では、あの雨の中に翁長雄志さんがいたのだろう。嵐を呼ぶ男だったらしいのです。そして『翁長さんの遺志を引継ぎながら守るべきものは守ろう』ということを訴えて、結果として私に力をいただいたと思っています」(玉城知事)

翁長前知事が誕生させた「自公連携」の“負の遺産”


4年前の県知事選での公約「辺野古新基地阻止」を実現しようとした翁長雄志前知事。知事選で当確が出て万歳をした後、カチャーシーを踊る翁長前知事。隣が樹子夫人

 命を削ってでも「辺野古新基地建設阻止」を実現しようとした翁長前知事の遺志は、史上最高得票での圧勝によって玉城知事に引き継がれた。そして、新基地建設強行をする安倍政権に「ノー」を突きつけた沖縄県知事選の原動力となった「オール沖縄方式」(市民参加型野党連携)を全国各地に発信することで、自公政権に終止符を打とうともしているのだ。

 ちなみに自公連携(選挙協力)の源流は、太田昌秀・革新県政が瓦解した1998年の沖縄県知事選。当時の自民党県連幹事長だった翁長前知事が、大田県政与党の公明党を離反させて自公選挙協力態勢を作り、稲嶺恵一・保守県政を誕生させたことが中央に波及、翌1999年の自公連立政権(第2次小渕政権)誕生につながったのだ。

 自公連携の発祥地・沖縄で、その生みの親ともいえる翁長前知事の後継候補が当選した県知事選で、自公連立政権の“終わり”が始まったのだ。20年前の翁長前知事の動きがきっかけでスタートした自公連立政権は、いまや沖縄県民の民意を踏みつぶす独裁者へと変貌している。そんな負の遺産の清算を、翁長前知事は死期迫る病床から玉城知事へと託したようにみえる。

<取材・文・撮影/横田一>
ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数

































 

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