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支持率低下のプーチン「小さな戦争」画策か?ロシアのクリミア併合から戦い方が変わった 米中対決を新冷戦と呼ぶのは正しくない
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投稿者 うまき 日時 2018 年 11 月 20 日 19:59:57: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

支持率低下のプーチン、「小さな戦争」画策か?

2018/11/20

岡崎研究所

 ロシアの独立系テレビネットワークRTVIのジャーナリストTihon Dzyadko が、Project Syndicateのサイトに「不人気なプーチンの危険」という論説を10月31日付けで寄せ、プーチンの人気に陰りが見えること、およびプーチンは人気回復のために何かをやりかねないことに警告を発している。論旨は、次の通り。


(andrewgenn/Julia August/iStock)
 7か月前、プーチンは77%の得票率で4期目の再選を果たした。しかしロシア世論調査センターによると、今大統領選が行われたとすると、プーチンは47%しか得票できず、決選投票を余儀なくさせられるという。これはロシアと世界にとり危険である。

 プーチンは2000年生活水準を上げ、ロシアを世界的強国とするとの約束で選ばれた。幸運にも石油価格が急騰した。彼は名前を変えたソ連の復活のために働き始めた。米国の世界的指導力と西側の民主化に対抗しようとした。

 最初からプーチンはメディア検閲で権威を強めようとし、石油価格上昇を含め、すべての成功を自分の成果と称した。

 失敗は、プーチンのせいではない。2007年、経済成長が鈍くなり、社会的格差が広がったとき、プーチンはミュンヘン安保会議で米国による世界経済の支配を非難し、バルト諸国へのNATO拡大はロシアに向けられていると示唆した。突然、すべてのロシアの問題は西側が始めた新冷戦のせいにされた。2008年のコソボ独立、ロシアのジョージア戦争はプーチンの「包囲された要塞」の物語を強化した。しかし2013年、プーチン支持率は記録的低さになった。そこでプーチンは大砲を持ち出した。ロシアはウクライナに侵攻し、クリミアを併合した。プーチンの支持率は85%にもなり、ロシア人の大多数にとり、プーチンの権威は絶対的になり、彼の決定は受け入れられるようになった。

 プーチンは、ニコライ2世の内務大臣プレーブの助言、「革命を避けるには、小さな勝利の戦争が必要である」に従っている。プーチンの「小さな戦争」は、彼の立場を強め、反対派を黙らせたが、クリミア併合に対し課された厳しい制裁のため、長期的な結果は深刻である。この制裁のため、ルーブルはドルに対し半分に減価し、物価は上がり、生活水準は落ちている。財政難からロシア政府は定年退職年齢を引きあげたが、90%がそれに反対し、プーチンの緊急アピールも幅広い支持の獲得につながっていない。

 プーチンの18年の統治が何かを教えてくれたとすれば、彼の支持率の低下は誰にとっても良いニュースではないということである。ロシア人は疲れているかもしれないが、プーチンはそうではない。もし彼が彼の権威が弱まっていると感じれば、彼は他人の犠牲において勝利を収める時だと決定するかもしれない。

出典:Tihon Dzyadko,‘The Danger of an Unpopular Putin’(Project Syndicate, October 31, 2018)

 この論説は、プーチンの人気が低迷し始めていることを指摘している。正しい観察である。ロシアでは、生活水準が低くなってきており、国民の不満は高まってきている。その上、平均寿命66歳のロシア人男性の年金開始年齢を65歳にするとのメドヴェージェフ首相の提案は、政府への信頼感を著しく傷つけた。ロシア人は「生活第一」である。国威が発揚されているので、生活上の不満は我慢する、ということにならない。プーチンの「西側が悪いのだ」という宣伝にもロシア人はあまり納得していない。特に、サッカー・ワールド・カップで多くの西側の人々がロシアを訪問したが、彼らは、ロシアを包囲し困らせようとしている敵のイメージからはほど遠い人々であり、政権の「西側に包囲されたロシア」との宣伝は有効性がなくなっている。

 プーチン政権は2024年まで続くものの、支持率は長期的には低落していくと思われる。そして、プーチンの次の政権は欧米との関係を重視する政権になる可能性が高いのではないだろうか。後継者の一番手、メドヴェージェフは反対勢力の代表であるナヴァルニーにその汚職ぶりを攻撃され、評判は良くない。スターリンのあと、短いマレンコフ時代があり、その後、西側との関係を重視したフルシチョフが出てきたような経過が最もありうるように思われる。プーチン亜流の長期政権は考え難い。

 Dzyadkoが予想する「小さな戦争」をプーチンが画策することはあろうが、バルト諸国はすでにNATO加盟国であるから、「小さな戦争」では済まなくなる。モルドバ、ジョージアで何かやっても、ロシア人の熱狂的支持を得るのは難しい。あまりいい「小さな戦争」の候補は見当たらない。ただ、プーチンはそういうことを画策する人であるとの指摘は的確であるので、注意しておく必要はある。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/14507


 

ロシアのクリミア併合から戦い方が変わった

「トランプ時代」を生き抜くための防衛政策
小野寺五典・前防衛相に聞く新たな防衛大綱

2018年11月20日(火)

森 永輔

 政府は今年末をめどに「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」を改訂する。前回の改訂から5年。この間に北朝鮮は核・ミサイルの開発を大幅に前進させた。トランプ政権が誕生し、米国の安全保障政策は内向きの度合いを強める。

 改訂に当たって我々は何を考えるべきなのか。小野寺五典・前防衛相に聞いた。同氏は「ロシアのクリミア併合を機に戦い方が変わった」ことへの対応を重視する。

(聞き手 森 永輔)

今なぜ防衛大綱を改定するのでしょう。小野寺さんが防衛相を務めていた今年1月に見直す方針を表明しました。2013年の前回の改訂から、まだ5年しかたっていません。大綱は10年の期間を念頭に、防衛力のあり方と自衛隊が保有する防衛力の水準を定めるものですね。

小野寺:前回の改訂の時も、私が防衛相を務めていました。あの時と比べて、日本を取り巻く安全保障環境が大きく変化しました。一つは、北朝鮮が核ミサイルの能力を著しく増強したこと。昨年9月に実施した実験の爆発規模は、広島に投下された原爆の10倍以上の威力があったと推定されています。弾道ミサイルも日本を射程に収めるものを400発配備しているといわれています。


小野寺五典(おのでら・いつのり)
衆院議員。1983年に東京水産大学を卒業、1993年に東京大学大学院法学政治学研究科を修了。宮城県庁、松下政経塾、東北福祉大学助教授などを経て、1997年、衆院議員に初当選。以降、外務大臣政務官、外務副大臣、防衛大臣などを歴任。現在は衆院外務委員会の筆頭理事を務める(写真:新関雅士)
 もう一つは、戦い方が大きく変わったことです。ロシアが2014年、ウクライナに軍事介入し、クリミアを併合。この時に各国はサイバー戦や電磁波戦の重要性を目の当たりにしました。ロシア軍の動きを検証したところ、次の段取りだったことが判明しました。衛星通信やレーダーを遮断したり、重要インフラにサイバー攻撃を仕掛けたりして社会をかく乱。こうしてウクライナ側の“目”をふさいだうえで、軍事攻撃を仕掛ける

いわゆるハイブリッド戦を展開したわけですね。

小野寺:はい。このような時代になったことを踏まえて、大綱の見直しを決めました。

ミサイル防衛を機能させるにも宇宙やサイバー対応が大事
北朝鮮による核ミサイルの能力増強が理由なら、ミサイル防衛システムが改定の中心になるのですか。

小野寺:ミサイル防衛そのものについては、すでにいろいろな施策を進めています。

イージスアショアの導入がすでに決まっていますね。

小野寺:ええ。しかし、ミサイル防衛システムを十分に生かすためには、宇宙を回る衛星で必要な情報を収集したり、それをネットワークを介して適切に受け取ったりする仕組みが欠かせません。したがって宇宙、サイバー、電磁波戦といった新たなドメインを横断的に防衛する能力を構築する必要があります。戦い方が変わったことに合わせて、守り方も変える必要があるのです。

では、大綱の中心はクロスドメインになりますか。

小野寺:重要な要素として、これから議論していくことになると思います。精密誘導の能力が向上しています。相手国が攻撃対象とする施設を守るためには、相手の情報通信を遮断する電磁波装備などが必要になります。重要インフラに対するサイバー攻撃を防ぐ手立ても必要です。こうしたものを充実させていくことが議論の対象になるでしょう。

小野寺さんは敵基地攻撃能力の導入に賛成の立場ですね。


小野寺:そうです。相手国がミサイル攻撃をする時、防衛するのが最も易しいのは発射する前か発射した直後のブーストフェーズ です。目的が把握しやすいですし、スピードも遅いですから。一方、防衛するのがいちばん難しいのは落下してくるターミナルフェーズ。速度が非常に速い。次に難しいのはミッドコース。弾道の最も高いところです。

 なので、発射する前、発射した直後に打ち落とすのが最も好ましいわけです。ただし、この段階のミサイルは相手国の領土内にあります。日本はこれまで相手国に達するようなミサイルをもって攻撃はしない、という方針できました。なので、しかたなく、ミッドコースやターミナルフェーズで迎撃する努力をしているわけです。

敵基地攻撃能力の問題は、基本政策の一つである「専守防衛」との整合性が議論されます。

小野寺:その点については、政府が1956年に以下の統一見解を出しており、自国を守るために相手国の領土を攻撃することは憲法上許されると解釈されています。

「我が国に対して急迫不正の侵害が行われ、その侵害の手段として我が国土に対し、誘導弾等による攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだというふうには、どうしても考えられないと思うのです。そういう場合には、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、たとえば誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であるというべきものと思います。」と述べています。

敵基地攻撃能力についても大綱でふれますか。

小野寺:政府がどのような案を出すのかまだわかりません。政府はこれまで一貫して反撃能力を持つ予定はない、検討はしない と答弁しています。ただし、党内では議論を続けていくべきと考えています。

安保法制で平時の日米協力を強化
前回の改訂から今日までに起きた変化として、安全保障法制の制定があります。これに伴って大綱に新たに盛られる事項があるのでしょうか。

小野寺:安全保障法制によって何が変わったか、についてお話ししましょう。まず、日本の防衛について、具体的な想定をもって議論したり訓練したりできるようになりました。これまでも議論はしてきましたが、十分に訓練をすることはできませんでした。

 例えば、ある国が日本を攻めたとします。これを防ぐべく自衛隊が出動し、日米安保条約に則って米軍も出動する。それぞれがお互いを守りあう必要が生じます。しかし、これまではその訓練ができず、実際に有事となった時に実行することを迫られていました。

平時からの準備は、自衛隊法が改正され、平時でも米軍などの部隊を侵害から防護できるようになったからですか。


小野寺:おっしゃるとおりです。

 もう一つ、国際平和協力活動の例を挙げましょう。これまで自衛隊は、特別措置法が国会を通ると、十分な準備や訓練をする間もなく、すぐに派遣されていました。十分な活動をするのが困難な状態でした。いまは、準備や訓練をして臨むことができます。派遣される隊員の安全を保つためにも重要なことです。

 特定秘密保護法も大事な役割を果たしています。国家安全保障会議に上がってくる情報の量は増え、質は高まりました。私が前々回、防衛相を務めたときと大きく異なっています。同法が制定されるまでは、「秘密」を指定するものさしが省ごとに異なるため、情報共有に支障をきたしていました。国家安全保障会議には外務省や防衛省のほか、複数の省から人が集まるので、この点は課題でした。

 また、同法を制定したことで、外国からの信頼が高まり、質の高い情報が寄せられるようにもなりました。英米を中心に諜報活動で協力する「5アイズ」というサークルがあります。英、米、オーストラリア、ニュージーランド、カナダが参加するもの。日本は最近「6アイズの一員」と呼ばれるようになりました。

説明していただいた現状を踏まえて、大綱に反映すべき事項はありますか。

小野寺:これらはすでに盛り込まれています。今後は、米国との間でさらにお互いに補完しあう装備を整えていくことになります。

 CEC(共同交戦能力)の導入が一例です。日米が運用する衛星やレーダー、イージス艦などをネットワーク化するためのソフトです。例えば北朝鮮が弾道ミサイルを発射したとしましょう。これを最初に察知したのが米国の艦船だったとします。しかし、迎撃するのに最適の位置にいるのは日本のイージス艦だった。CECを介して情報を共有できれば、スムーズな連携を取ることができます。

 もちろん、これを打ち落とすかどうかを判断するのは日本政府です。

CECの導入は大綱に盛り込まれますか。

小野寺:具体的に、どの装備をいつ導入するか、は防衛省が検討していくと思います。予算の問題もありますから。しかし、米軍と補完しあって効率の良い防衛をいかに実現するかを考えるという方向性は示すべきだと思います。

豪印英仏との関係を強めていく
小野寺:加えて重視しているのは、様々な国との防衛協力の強化です。日米同盟を基軸にするのは今後も変わりません。加えて、オーストラリア、インド、英国、フランスとの関係も深めてきています。一国で国を守るのは難しい時代です。様々な国と協力して地域の安定を守ることが大切です。

 オーストラリアとの関係はかなり密接になってきました。ほかの3国との間でも芽が出てきています。いずれの国とも2+2(外務・防衛閣僚協議)を開催しています。

これまでの態勢は、米国が中心にあり、日本や韓国がそれぞれ米国と2か国関係を結ぶハブ&スポーク型の同盟構造でした。これを、スポーク同士もパートナーとして協力するメッシュ型に変えていくわけですね。

小野寺:おっしゃるとおりです。

 例えばフランスは太平洋に領土を持っています。このため、太平洋とインド洋における航行の自由に大きな関心を持っています。中国に対しても懸念を抱いている。

 中国は一帯一路政策の一環として、太平洋諸国のインフラ開発にも関与を強めています。資金を高利で貸し付け、中国企業が建設を請け負い、返済が滞ったら港湾などの長期使用権を獲得する。スリランカのハンバントタ港で起きたのと同様のことが起きているのです。

 英国はもともと海洋国家なので、インド太平洋地域の航行の自由に関心を持っています。加えて、EU(欧州連合)からの離脱を決めたので、英国とアジアとの独自の関係を築いていこうとの意識を強く持っています。

 本来なら韓国との関係も強化していきたいところです。ただ強化できるタイミングとできないタイミングがあるのでそれを見極めて進めていくことになります。

F-Xに政治が過度に関与すべきでない
防衛装備の移転についてはどうでしょう。

小野寺:2014年に、武器輸出三原則を防衛装備移転三原則に改めました。武器輸出三原則による規制は厳しく、現在導入を進めている戦闘機「F-35」の共同開発に加わることができませんでした。これが苦い経験になったからです。

 F-35には日本が開発した技術がいろいろ使われています。複合材、ステルス塗料、電子部品――。であるにもかかわらず、共同開発に参加できなかったため、導入を進めるには購入するか、組み立てを担当するかしかありません。

 防衛装備移転三原則の下では、「日本の防衛に資する」ものであれば共同開発に参加できます。

2030年ごろから退役する「F-2」の後継として「F-X」が注目されています。これは共同開発すべきとの考えですか。

小野寺:いえ、いま防衛省の専門家が検討しているので、これを待つべきです。技術的にみて最新鋭かつ最高のものを導入することをいちばんに考える。次に、どういう形であれば保有できるか、を考えるべき。もちろん日本の技術を使って開発できればそれに越したことはありません。それができるかどうかを含めて検討すべきです。

 政治が過度に関与すべきではありません。過去を振り返っても、政治が介入してよいことはありませんでした。

潜水艦や、救難飛行艇「US-2」に続いて、国産哨戒機「P-1」の輸出が注目されています。

小野寺:「P-1が必要だ」という国があるなら、活用してもらえばよいでしょう。ただ、秘匿性の高い技術や、米国から提供されている技術もあると聞きます。この点は慎重に検討すべきです。


このコラムについて
「トランプ時代」を生き抜くための防衛政策
今年末をめどに防衛大綱と中期防衛力整備計画(中期防)が改訂される。
前回の改定から5年。この間に北朝鮮は核・ミサイルの開発を大幅に前進させた。2017年11月には、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」を打ち上げ、「米本土まで届く」と主張した。 トランプ政権が誕生し、米国の安全保障政策も変化した。トランプ大統領は北朝鮮の金正恩委員長と史上初の首脳会談を実現し、完全な非核化で合意した。しかし、その進展度合いには疑問がつきまとう。 米国と覇を競う中国に、防衛費の拡大ペースをゆるめる気配はない。
防衛大綱と中期防の改訂に当たって我々は何を考えるべきなのか。
https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082800235/111400011/

 

 
米中対決を「新冷戦」と呼ぶのは正しくない理由
かつての冷戦とは大きく異なる対決の構図
2018.11.20(火) 筆坂 秀世
ペンス米副大統領、トランプ氏との不仲説を一蹴 「2人で大笑いした」
米国のマイク・ペンス副大統領(2018年11月17日撮影、資料写真)。(c)Saeed KHAN / AFP〔AFPBB News〕

(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

 米中の激しい貿易戦争が続いている。この対立が長期化することは間違いなさそうである。

 昨年(2017年)12月、米トランプ政権は「国家安全保障戦略」をまとめた。ここでは、中国やロシアを名指しして、「技術、宣伝および強制力を用い、米国の国益や価値観と対極にある世界を形成しようとする修正主義勢力」と批判し、「我々は、米国の知的財産を盗用し自由な社会の技術を不当に利用する者から、自国の安全保障の基盤技術を守る」と宣言していた。中国を盗人呼ばわりする程の強烈なものである。トランプ政権が中国に仕掛けている強硬姿勢は、この新たな戦略に基づいている。

強烈だった副大統領の対中批判
 この戦略を詳細に語ったのが、2018年10月4日、マイク・ペンス米副大統領がハドソン研究所で行った講演である。ペンス氏は、「ソ連の崩壊後、我々は中国の自由化が避けられないものと想定した。21世紀に入り、楽観主義によって中国に米国経済への自由なアクセスを与えることに合意し、世界貿易機関に加盟させた」「これまでの政権は、中国での自由が経済的だけでなく政治的にも、自由主義の原則、私有財産、個人の自由、宗教の自由、全家族に関する人権を新たに尊重する形が拡大することを期待してこの選択を行ってきた。だがその希望は達成されなかった」と述べ、以下の通りほとんど全分野にわたって中国を厳しく批判したのだ。

・そもそも中国の経済的成功の大部分は、アメリカの中国への投資によってもたらされた。過去25年間にわたって「我々は中国を再建した」。

・中国の安全保障機関が、最先端の軍事計画を含む米国の技術の大規模な窃盗の黒幕である。中国共産党は盗んだ技術を使って大規模に民間技術を軍事技術に転用している。

・中国は、米国を西太平洋から追い出し、米国が同盟国の援助を受けることを阻止しようとしている。だが彼らは失敗する。

・中国のキリスト教徒、仏教徒、イスラム教徒に対する新たな迫害の波が押し寄せている。

・中国は「一帯一路」構想のもとで「借金漬け外交」を行い、影響力の拡大を図っている。

・中国共産党は、米国企業、映画会社、大学、シンクタンク、学者、ジャーナリスト、地方、州、連邦当局者に見返りの報酬を与え、支配している。中国はアメリカの世論、2018年の中間選挙、2020年の大統領選挙にも影響を与えようとしている。

・我々は、米国の知的財産の窃盗が完全に終了するまで、中国政府に対して行動を続ける。中国政府が強制的な技術移転という略奪的な慣行を止めるまで、引き続き断固とした態度をとる。

 この他にも、日本の尖閣諸島や南シナ海での中国の軍事行動、ウイグルでの人権侵害などにも言及している。

 この講演全体を貫いているのは、中国に対する米国の幻滅と怒りである。歴代の米国政権は、中国が「改革・解放」路線のもとで、経済の自由化、政治の民主化という方向に進むことは避けられないだろうと期待して、さまざまな支援を行ってきた。にもかかわらず中国はそれを裏切り続けてきた。これを改めるまで、もう容赦はしない、というわけだ。

間抜けだった? 米国の対中外交
 アメリカが中国にだまされ続けてきたということは、3年前に発行された『China2049――秘密裏に遂行「世界覇権100年戦略』でも詳細に明らかにされている。著者は米国防総省で中国関連の要職を歴任し、2004年からはハドソン研究所・中国戦略センター所長を務めているマイケル・ピルズベリーである。この本を読んだ際の率直な感想は、これは本当なのか、本当だとすればアメリカはなんて間抜けなのか、ということだった。

 同書でも詳述されているが、アメリカは中国に対して、軍事技術をも含む技術支援、資金援助など、大規模な支援を行ってきた。だが、それによって自由化、民主化は進まなかった。

 しかし、こんなことは不思議でも何でもない。共産党一党独裁の国が簡単に自由化、民主化などできるわけがないからだ。こんな自明なことが分からなかった米国国務省の方がどうかしている、と思ったものである。

 ソ連が崩壊したのは、ソ連共産党が解体に追い込まれたからである。憲法に中国共産党の一党支配を明記し、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、ケ小平理論など特定の思想を絶対化するような国が、自由化、民主化されるのは、共産党の一党独裁体制打ち壊された時だけである。

「新冷戦」などと呼ぶのは間違っている
 こうした米中対決に対して、「新たな冷戦」の始まりだとする見方が一部でなされている。だがこれはあまりにも皮相な見方である。特に朝日新聞が「新冷戦」という呼び方が好きなようである。10月、7年ぶりに安倍晋三首相が訪中し、習近平国家主席と会談した際も、2面トップの見出しは「『新たな冷戦』日中接近」というものだった。なぜ「新たな冷戦」なのか、記事を読んでも何も解明はされていない。「米中が『新たな冷戦』と言われるほど対立を深め」とあるだけだ。

 11月18日に閉幕しアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議でも、米中の対立によって首脳宣言をまとめることができなかった。19日付の朝日新聞は、ただ米中が対立しているというだけのことを理由に、「『新冷戦』の始まりを印象づけた」と報じている。新聞記事というのは、この程度のものなのかもしれないが、ある事象に対して、新しい呼び名を付けると何か分析でもしたように錯覚してしまうのだろうか。

 冷戦というのは、単に大きな国の対決ということではない。第2次世界大戦後、東欧では、ソ連の介入によって社会主義国が次々と誕生していった。アジアでも中国革命が迫っていた。社会主義勢力の台頭に脅威を感じた資本主義陣営は、社会主義勢力の伸張を阻止するため1947年3月に、トルーマン米大統領が「トルーマン・ドクトリン」を宣言。ヨーロッパを共産主義から防衛するための大規模な経済援助政策「マーシャル・プラン」を開始した。これに対抗してソ連のスターリンは、東欧社会主義国や世界の共産党を結集したコミンフォルム(共産党・労働者党情報局)を結成した。

 ここには、資本主義体制と社会主義体制のどちらが優位か、明確なイデオロギーの対決と体制選択の対決があった。政治も、経済も画然と分断されていた。米中には国交もなかった。軍事対決という熱い戦争ではないが、どちらの体制も相手を凌駕することを目指して対決していたのだ。これが冷戦である。今では信じられないことだが、当時は社会主義思想が世界の少なくない人々を魅了する力を持っていたのだ。

 だが現在はどうか。中国に世界の人々を魅了する力などない。社会主義体制は、完全に魅力を喪失しており、体制選択の対象から外れてしまっている。「冷戦」には、対抗すべき権威や魅力ある旗印が必要だが、今の中国にも社会主義国にもそれがない。これがかつての冷戦との決定的な相違である。

 もう1つの大きな相違点は、ペンス副大統領の補佐官トム・ローズ氏も日本での会合で語ったことである。ローズ氏は、「米中関係が『新冷戦』であるというのは、『正しい見方ではない』」と語っている。その理由として、「冷戦時代の米ソは経済や文化での交流がほとんどなかったが、(現在)米中は結びつきが強い」と指摘している。グローバル化の進展で、人、物、金、情報の行き交いは猛烈なものとなっている。これもかつての冷戦との大きな違いである。

 アメリカが中国に現在の路線の軌道修正をさせるのは、簡単なことではない。それだけに間違いなく長期の対決となる。今大事なことは、簡単に「新冷戦」と名付けて分かったつもりになるのではなく、対決の行方や日本の取るべき行動を冷徹に分析することである。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54714  

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コメント
1. 2018年11月20日 23:37:14 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1542] 報告
ロシア、インドの地対空ミサイルシステムの供給入札に勝利 © Sputnik / Sergey Malgavko
経済
2018年11月20日 23:09(アップデート 2018年11月20日 23:10) 短縮 URL 0 20
ロシアは、短距離地対空ミサイルシステムの供給入札に勝利した(入札価格15億ドル)。軍事・技術協力システムの関係筋が、通信社スプートニクに伝えた。

スプートニク日本

関係筋は、「ロシアの『イグラ』(携帯式地対空ミサイルシステム)が勝利した」と伝えた。

ロシア フリゲート艦2隻のインドへの供給契約をすでに締結 総額9億5千万ドル マスコミ
© SPUTNIK / MICHAEL KLIMENTYEV
ロシア フリゲート艦2隻のインドへの供給契約をすでに締結 総額9億5千万ドル マスコミ
先にニューデリー・テレビジョン(NDTV)は、インドの軍消息筋の情報をもとに、ロシアの国営武器輸出企業「ロスオボロンエクスポルト」が、短距離地対空ミサイルシステムの供給に最も有利な条件を提示したと報じた。入札には、欧州のSAAB社とMBDA社も参加した。
ロシアとインドは、軍事技術協力分野における最大のパートナー。インド軍の全種類の武器の70%以上がロシア製。

インドは、中国とトルコに次いでS−400「トリウムフ」を購入する3番目の国となる。ロシアの最新長距離地対空ミサイルシステムS−400は、航空機、巡航ミサイル、弾道ミサイルの破壊を目的としている。射程は400キロ、射高は30キロ。

関連ニュース

露印、S−400の供給でドルは使用せず

米制裁からの離脱は世界的トレンドになるか?
https://jp.sputniknews.com/business/201811205609108/

2. 2018年11月21日 19:01:49 : mgE5D2EW6A : aCoogV03ID8[4] 報告
焦り出す 思惑通り 進まずに
3. 2018年11月22日 22:27:29 : LMW9R8r1wc : tsb@IHUXglU[4] 報告
アメリカ産軍複合体の代弁機関、岡崎研究所の記事でした。

しかしアメリカはそんなに優位ではない。すでに中国、ロシアはアメリカには従わない。将来の大国インドも同様だ。

すでに世界はポスト英米時代に入っている。

4. 2018年11月23日 13:38:13 : n6tdnZPoVE : 5aIWo5dTTmQ[6] 報告
プーチン大統領の政治指導者として信頼度は、一頃と比べると、減少しているが、大統領府としての承認度は、64%ある。

> Press release 2106 05.10.2018
APPROVAL RATINGS OF POLITICIANS, PUBLIC INSTITUTIONS, RATING OF POLITICAL PARTIES

https://wciom.com/index.php?id=61&uid=1580

5. 2018年11月23日 21:47:54 : bLaie0hnr2 : UTGeVrKS5_w[2] 報告
>同書でも詳述されているが、アメリカは中国に対して、軍事技術をも含む技術支援、資金援助など、大規模な支援を行ってきた。だが、それによって自由化、民主化は進まなかった。

それはソ連と対抗するために、中国をソ連から引き離し「西側」へ近づける必要があったからだろう。
もと日本共産党幹部がわからないわけはない。

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