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北朝鮮の新型SLBM、日本全土が核攻撃の標的に「北極星3号」を迎撃するための2つの条件 朝中露がミサイル増強の中、韓国バッシングに興じ平和ボケの日本
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投稿者 鰤 日時 2019 年 10 月 07 日 14:08:34: CYdJ4nBd/ys76 6dw
 

北朝鮮の新型SLBM、日本全土が核攻撃の標的に
「北極星3号」を迎撃するための2つの条件 
2019.10.6(日)
数多 久遠
韓国・北朝鮮?安全保障

10月2日、北朝鮮がSLBMを発射したことを報じるテレビニュースを見る韓国・ソウルの市民。(写真:AP/アフロ)
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(数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官)

 10月2日、北朝鮮がSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を発射した模様です。SLBMは北朝鮮にとって、核兵器の投射手段として当面の最終開発目標と考えられており、北朝鮮は、これ(と核)さえ手に入れれば、アメリカを抑止し、攻撃されることを防ぐことができると考えていると思われます。

 このため、今回の発射は、日本ではそれほど大きく取り上げられていませんが、軍事・安全保障面では非常に大きな意味のあるものです。

 以下では、北朝鮮によるSLBM保有がどのような意味を持つのかを解説します。

報復核攻撃に用いられるSLBM
 冷戦時代、核のトライアド(3本柱)と呼ばれる主な核兵器の投射手段は次の3つでした。

(1)ICBM(大陸間弾道弾)
(2)SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)+弾道ミサイル搭載潜水艦
(3)戦略爆撃機

 ただし、核兵器保有国の中でも、このトライアドを完備しているのはアメリカくらいです。

 航空機での核攻撃には航空優勢が必要で、かつ多大なコストを要します。よって戦略爆撃機での核攻撃は戦闘爆撃機(長距離は飛べない)で一部代替したり、老朽・陳腐化した爆撃機による予備的手段とする国が多い状況です。このため、現代の核保有国の核兵器投射手段は、ICBMとSLBMが主なものとなっています。

 両者は、核戦略上、異なる特質を持っています。まずICBMは、陸上で運用することから管理が容易であるなどの点からコストが低く、数を揃えやすいため、核戦力の主力と言えます。しかし、車両などによる移動式であっても、通常は自国の国土内でしか運用できません。サイロで運用するものに至っては全く移動できないため、偵察衛星などにより敵に把握されやすく、発射前に破壊されてしまうリスクもあります。

報復核攻撃を行うSLBM
 一方、SLBMはミサイル自体が複雑となるため高価です。運用する潜水艦もその運用コストを含めて非常にカネがかかりますので、費用面では負担の大きな兵器です。しかし、いったん出航してしまえば、潜水艦の存在を秘匿しやすく、敵からするとどこから撃ってくるのか分かりません。警戒が困難なため、防衛する側に負担を強いることができる兵器だと言えます。

 こうした特徴の違いから、ICBMは、先制攻撃や敵による先制攻撃を察知した際に即座に反撃するための1次的な投射手段として多くが運用されています。かたやSLBMは、敵の1次攻撃が終了した後に報復核攻撃を行い、抑止力を強化するための投射手段として整備されてきました。

SLBMはアメリカに対する最強の抑止力に
 ただし、冷戦時代のソ連は、アメリカのSLBMを報復用ではなく潜水艦の隠密性を利用した奇襲先制兵器と捉えていました。また、地上で秘匿運用されている移動式ICBMも報復核攻撃に用いられるため、現代ではその特質はあいまいになってきています。

 それでも、SLBMが、その隠密性・生残性の高さから、報復核攻撃用として優れた兵器であることは変わりません。

 そして、このことが、北朝鮮が執拗にSLBMを開発する理由です。北朝鮮によるSLBM開発の執念についてはここでは詳しく触れませんが、技術的・資金的ハードルが極めて高いにもかかわらず、北朝鮮はかなり以前から多大な労力を払ってSLBMとそのプラットフォームである潜水艦の開発を進めてきました。

 北朝鮮、もっと明確に言えば金正日や金正恩は、アメリカによる先制(核)攻撃を恐れてきました。ICBMを手に入れても、そのICBMも含めて先制攻撃で破壊される可能性があったのでは、抑止力として不十分です。ですが、アメリカが先制攻撃を行っても、SLBMを搭載した潜水艦がどこかに隠れているのであれば、SLBMによる反撃が行えます。つまり、北朝鮮のSLBMは、アメリカに対する最強の抑止力になる可能性があるのです。

沖縄を含む日本全土が射程に
 次に、韓国軍の発表、防衛省の発表の他、北朝鮮の労働新聞が写真入りで発表した情報を元に、今回発射された北極星3号SLBMの実力を考察してみます。

北極星1号より大幅に性能向上
 防衛省は今回のミサイルについて、水平飛距離約450キロメートル、最高高度は約900キロメートルであったと発表しています。韓国軍の発表でも飛距離は同じで、最高高度は約910キロメートルというロフテッド弾道(高い角度で打ち上げて飛距離を抑える弾道)でした。もしもこのミサイルを射程が最大となる最小エネルギー弾道で発射すると、飛距離は2500キロメートルにも及ぶ可能性があります(防衛省発表)。

 今回発射されたミサイルは、北朝鮮発表では「北極星3号」となっています。2016年8月に発射された北極星1号SLBMと比較すると大幅な性能向上が図られていることになり、北朝鮮の沿岸から撃った場合、沖縄を含む日本全土が射程に入ります。

 しかし、この飛距離では、北朝鮮沿岸からアメリカ本土やグアムには到底到達できません。アメリカ本土を攻撃するためには、西岸のサンフランシスコなどが目標であったとしても、ハワイと米本土の中間付近まで進出する必要があります。静粛性に乏しい北朝鮮の潜水艦では、その位置まで到達するのは到底不可能でしょう。そのため、北朝鮮が最終目標とするSLBMによる対米抑止には不十分です。

 ただし、これは今回の発射が、このミサイルの最大性能での射撃テストであったことを前提としています。今回のテストが、意図的に性能を押さえられたものであれば、飛距離はもっと長い可能性があります。

極めて憂慮すべき存在、嘲笑するのは危険
 北極星3号の性能に関して、日本として1つ懸念されることがありました。それは、防衛省の当初発表では今回の発射が2発だったと報じられ、後に修正されたことです。

 北極星3号は、以前発射された北極星1号との比較や、北朝鮮が公開した画像から2段式のミサイルと見られています。


10月3日に北朝鮮の「労働新聞」に掲載された新型SLBMの写真
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 2016年に沖縄を飛び越えて発射されたミサイルは3段式でした。1段目は韓国西方の黄海上に、2段目はフィリピン東の太平洋上に落下し、3段目以降はさらに南方まで飛翔しています。こうした観測も行い、経験を積んだ防衛省・自衛隊が、なぜ2段式のミサイルを2発のミサイルだと誤認したのでしょうか。

 その理由としては、分離された2段目が点火しなかった、あるいは2段目に燃焼材が少ししか入れられなかったなどの理由で点火後にすぐ燃焼を停止したため、1段目と2段目が非常に近い経路を通って落下した可能性が考えられます。なお、弾頭部も分離しますが、防衛省・自衛隊が弾頭部の分離を2発のミサイルと誤認するとは思えません。

迎撃するための2つの条件とは
 なお、弾頭部も分離しますが、防衛省・自衛隊が弾頭部の分離を2発のミサイルと誤認するとは思えません。

 この推測が正しければ、2段目のロケットモーターが本来の性能を発揮した場合、飛距離は今回の発射よりも大幅に伸びる可能性があります。発射後、韓国軍が、慌ててGSOMIAに基づいた情報提供を依頼してきた理由も、2段目が本来の性能を発揮したのか否かを知りたかった可能性が考えられます。

 以上のことから、北極星3号を搭載した北朝鮮の潜水艦は、まだ米本土への直接脅威となる可能性は高くありませんが、極めて憂慮すべき存在であると言えます。

 ネット上では、最大飛距離が2500キロメートル程度に留まり、プラットフォームが静粛性に乏しい潜水艦であるため嘲笑する向きもありますが、これは危険です。防衛省・自衛隊は、レーダーの情報だけでなく、おそらく発射地点近傍で観測していた潜水艦が得た情報などを総合し、詳細な分析を進めているでしょう。

迎撃するための2つの条件
 冒頭で述べたように、北朝鮮SLBMの本来の最終的な目標が米本土であることは間違いありません。しかし、現段階のSLBMが、射程やプラットフォームである潜水艦の能力不足により米本土に対して使えない代物であれば、北朝鮮はこれを日本と在日米軍基地(あるいは韓国や在韓米軍)に対して使用する可能性を考えなければなりません。

 北極星3号は、今回の発射が最大性能のものだったとすれば、弾道ミサイルとしての能力はノドンミサイルと大差ありません。イージスSM-3とパトリオットPAC-3ミサイルで迎撃できるでしょう。

 ただし、これには2つの条件が付きます。

 1つは、北朝鮮潜水艦の位置を把握できており、弾道ミサイルを迎撃する準備ができていることです。

 詳しい説明は省きますが、弾道ミサイル警戒を行うレーダーは、あらかじめ方位を絞り集中監視を行う必要があります。(詳しい理由は、もう7年も前に書いたブログ記事ですが、こちらを参照して下さい「脅威の旧式ミサイルJL-1(巨浪1号)」)

 SLBMを搭載した潜水艦が出航し、その位置を自衛隊が把握できていない場合、アメリカの早期警戒衛星がSLBMを感知しても、弾道ミサイル警戒を行っているレーダーの設定変更が間に合わず、目標の発見が遅れた結果として、迎撃が間に合わなくなる可能性があります。

 もう1つの条件は、潜水艦が日本に近づき過ぎていないことです。

なぜこのタイミングだったのか?
 接近されていた場合、弾道ミサイルを発見できたとしても迎撃が間に合わなくなる可能性が高くなります。また、今回の発射とは逆に、到達高度の低いディプレスト弾道で発射された場合には、弾道ミサイル迎撃の主力であるイージスSM-3での迎撃が不可能となるかもしれません。

 つまり、このSLBMが日本にとって脅威であるか否かは、ひとえに北朝鮮の潜水艦の動向を常に把握し続けられるかどうかにかかっていることになります。

 現状では、日米の対潜水艦作戦能力は、北朝鮮潜水艦の能力大きく凌駕しています。ただし、「能力的にできる」ことと「実際にできる」ことは同一ではありません。北朝鮮がSLBMを開発していたことも鑑みて、海上自衛隊は潜水艦の拡充や対潜戦能力の拡充を図っていますが、複数の北朝鮮潜水艦を常時監視するとなれば、自衛隊にも大きな負担がのしかかることは間違いありません。

 なお、こうした日本にとっての問題は、韓国と在韓米軍にとっても同じです。特に、韓国の場合、北朝鮮潜水艦が出航すると、警戒・ミサイル迎撃するための方位が、地上発射の弾道ミサイルからの方位から大きくズレてしまうため、問題はより深刻です。日本にある在韓米軍や自衛隊レーダーの情報で補完できるので問題はないという意見もありますが、レーダーによる目標捜索・追尾や迎撃ミサイルの運用は、それほど単純ではありません。また、韓国の場合、角度が大きく異なるため、ランチャーの設置方位も動かす必要が出るかもしれません。

なぜこのタイミングだったのか?
 最後に、なぜ今発射実験が行われたのかについて触れておきたいと思います。

 北朝鮮は、数カ月前より、イスカンデル類似ミサイル、放射砲と呼称するロケット弾、ATACMS類似ミサイルの発射を続けてきました。これらは最大射程で撃てば日本まで届くものが含まれていたものの、基本的には短射程のミサイルでした。

 しかし、今回のSLBMは、ロフテッド弾道での発射だったため450キロメートル程しか飛んでいませんが、本来の能力では2500キロメートルも飛翔するものでした。

 当然、北朝鮮は、国連決議違反などを理由として批判を受けることを予想していたでしょう。特に、停滞しているアメリカとの交渉が決裂し、軍事攻撃を受ける可能性さえ予想したに違いありません。にもかかわらず、北朝鮮は発射を強行しました。

 今のタイミングならアメリカは動けないことを読んでいたと思われます。

 サウジアラビアの石油施設に対する巡航ミサイルと大型ドローンによる攻撃にイランが関与している疑いから、アメリカとイランの関係は急速に悪化しています。軍事行動の可能性さえ噂される状況ですが、中東に加えて、極東でも軍事行動を行うほどの余力は、今のアメリカにありません。

 北朝鮮とイランは、ともにアメリカと敵対していることもあり、弾道ミサイル開発などで協力しています。今回のSLBM発射は、1週間ほど前にはアメリカの北朝鮮分析サイト「38ノース」が発射準備の兆候を報じていましたが、実際に準備を始めたのはもっと早かったはずです。北朝鮮は、9月14日に行われたサウジアラビアへの攻撃を事前に聞いており、この機を狙ってSLBMの発射を行ったとみるのが妥当だと思われます。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57835?page=5

 
SLBM発射でトランプ揺さぶり、金正恩が高笑い
朝中露がミサイル増強の中、韓国バッシングに興じ平和ボケの日本
2019.10.5(土)
舛添 要一
世界情勢?韓国・北朝鮮?安全保障

北朝鮮のミサイル発射を報じる韓国のテレビニュース(2019年10月2日、写真:ロイター/アフロ)
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(舛添 要一:国際政治学者)

 北朝鮮は、10月2日朝、東海岸から1発のミサイルを発射し、日本のEEZ(排他的経済水域)内に落下させた。3日、北朝鮮は、発射したのはSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の「北極星3型」で、発射実験は成功したと発表した。

 今回の発射は、今年5月以降では11回目にあたり、とくに米朝実務者協議が5日に開催されることが決まったばかりのタイミングである。その裏には、北朝鮮の様々な思惑があるようである。

「SLBM実験中止」を餌にトランプを揺さぶる北朝鮮
 トランプ大統領は、これまでの度重なる北朝鮮のミサイル発射に対して、短距離ミサイルだとして容認する姿勢を貫いてきた。今回のSLBM発射については、3日、記者団に対して「どうなるか見てみよう。彼らは話したがっている。われわれは彼らと話す」と述べて、対話姿勢を貫く意向を示した。また、北朝鮮も、金正恩委員長の立ち会いがあったかどうかを報じていない。

 これは、双方とも米朝実務者協議の妨げにならないようにという配慮をして、問題をヒートアップさせないようにする意図があると思われる。しかし、国連事務総長、EU、日本などは、国連決議違反だとして厳しく批判している。

 アメリカのCNNは、今回のミサイルははしけ状の実験用海中発射台から打ち上げられたもので、潜水艦からの発射ではないと報じているが、もし実際に潜水艦からSLBMを発射することが北朝鮮に可能になれば、軍事的に大きな意味を持つ。

 戦略核のトライアド(triad、三本柱)とは、@ICBM(大陸間弾道ミサイル)、ASLBM、B戦略爆撃機の3つである。要するに、これらは、核兵器の運搬手段である。海外基地のない北朝鮮にとっては、爆撃機を対米攻撃に使うことはないが、ICBMの実験には既に成功しており、今回SLBMも成功したとなれば、アメリカにとっては大きな脅威となる。

北朝鮮が自ら核兵器を放棄する可能性はゼロ…
 今回の「北極星3型」は、発射角度を高めたロフテッド軌道で打ち上げられ、910qの高度に達し450q飛翔したが、河野防衛大臣によると、通常の角度なら2500qは飛行する性能を備えているという。これは、日本列島を射程に入れることを意味し、日本にとっては脅威が増したことを意味する。潜水艦から発射されるため、探知もされにくい。

 その際には、潜水艦の能力も重要になる。トランプが北朝鮮の短距離ミサイル実験を容認してきたのは、アメリカにまで到達しないという理由からであった。しかし、潜水艦でカリフォルニア沖まで接近し発射すれば、短距離ミサイルでも十分に米本土に到達できることになる。

 さらに言えば、トランプは、大統領再選を狙うために、「ICBMの実験は中止させた。これは自分の業績であって、アメリカは安全になった。金正恩とは良好な関係にある」と言い続けなければならないのである。

 ところが、SLBMの成功によって、アメリカ本土も北朝鮮の核の射程内に入るということになると、ICBMの実験は中止していても、何の意味も持たないことになる。安全保障の面からも、トランプ再選戦略に黄信号が灯ることになってしまう。

 北朝鮮にしてみれば、実はそれが狙いなのだ。トランプが再選を究極の目標にするあまり、「SLBM実験中止」の見返りに経済政策の解除というアメを持ち出してくるのではないかと期待しているのである。そうなると、金正恩の思うつぼとなってしまう。

北朝鮮が自ら核兵器を放棄する可能性はゼロ
 強硬派のボルトン補佐官解任の後、トランプ政権の方針は変わるのであろうか。もし、「all or nothing」ではなくて、段階的非核化・段階的制裁解除方式を採用するならば、それはヒトラーに対する「ミュンヘンの宥和」(1938年)に匹敵する愚行となろう。アメリカは、金日成、金正日によって騙され続けてきたが、金正恩によってその轍を踏まされないように交渉できるのだろうか。

 3日、北朝鮮のキム・ミョンギル首席代表がストックホルムへ向かったので、米朝実務者協議の場所はスウェーデンとなるようである。SLBM発射実験がどのような影響を及ばすか、注目に値する。

 北朝鮮は、あらゆる射程のミサイル、核兵器の開発を続行しており、その軍事的脅威が減じているわけではない。ボルトン補佐官は、北朝鮮の脅威を強調し強硬姿勢を貫くべきだと主張したために解任されたが、「北朝鮮が自ら核を放棄することはない」と断言している。

日本政府の危機意識は弛緩していないか…
 北朝鮮は、今の体制を維持するために、核兵器を保持し続ける。北朝鮮のような小国がアメリカと対等に外交交渉ができるのは、核兵器のおかげだからである。また、核兵器や化学兵器などの大量殺戮兵器を放棄すれば、リビアのカダフィやイラクのサダム・フセインのような命運が待っていることを、金正恩はよく知っている。

日本政府の危機意識は弛緩していないか
 ところで、日本政府や国会議員には、今回のSLBM発射に対する関心も緊張感もうかがえない。まさかEEZに着水するとは思ってもみなかったようである。

「トランプは短距離ミサイルのみ容認→そこで金正恩はEEZに到達するようなミサイルは発射しない」という固定観念で、日本政府はのんびりと構えていたのではないか。このような態度は、防衛体制としては最悪である。周辺海域にイージス艦が一隻も配備されていなかったという。これでは、世界に誇る日本の対潜能力も宝の持ち腐れとなってしまう。

 北朝鮮の軍事関連情報は、衛星写真の解析などでも一部は獲得可能であるが、韓国にできて日本にできないのが、「ヒューミント」、つまりhuman intelligenceである。北朝鮮には、韓国のスパイが潜入している。彼らが命がけで収集してくる情報が重要なのである。それは、ハングルという言語や生活習慣の面でも、日本人の諜報要員では入手不可能なものである。

 その意味で、GSOMIAの破棄は、韓国のみならず、日本にとっても大きな損失である。日本政府も、嫌韓派に煽られるまま無策を続けている場合ではない。

 10月1日の中華人民共和国建国70周年記念日の軍事パレードでは、アメリカ全土を射程におさめるICBM「東風41」のみならず、新型極超音速兵器「東風17」を初公開された。後者は、音速の5倍以上の速度であり、通常のミサイル防衛システムを突破する可能性がある。パックス・シニカ(中国の天下)へ向かう中国は、着実に軍事力を増強している。


『ヒトラーの正体』(舛添要一著、小学館新書)
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 ロシアもまた、INF条約廃棄などを受けて、軍備の充実を図っている。北方領土に展開する軍事力も増強している。安全保障の観点からは、ロシアが二島ですら返還する意図のないことは明白である。

 このように、極東地域では激しい軍拡競争が行われており、日本も手を拱いているわけにはいかないのである。そのような中での北朝鮮によるSLBM発射である。頼みの綱のトランプは、自分の大統領再選しか念頭にない。金正恩に対してトランプが下手な融和策を展開した場合に、どう対応するのか、安倍首相にその準備と覚悟があるのだろうか。

 トランプの保護貿易主義や対イラン、対北朝鮮政策などは、短期的には成功しているように見えても、長期的には大失敗である典型的な例である。その失敗のツケを日本が払わされるようでは、仲良しゴルフは高くつく。安倍外交は正念場を迎えている。

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ミサイル発射直後の米朝実務者協議、北は何を得るか
米朝実務者協議が始まる。北朝鮮の狙いはただ一つ、国連の制裁決議の緩和だ。そのために切れる最大のカードは遼寧の核処理施設廃棄となる。食糧事情もひっ迫し、追い詰められた北朝鮮はどのような態度で交渉に臨むのか。


https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57832


ミサイル発射直後の米朝実務者協議、北は何を得るか
東アジア「深層取材ノート」(第6回)
2019.10.5(土)
近藤 大介
アメリカ?韓国・北朝鮮

米朝実務者協議で北朝鮮側の代表を務める金明吉・前駐ベトナム大使(左)。写真は2009年8月、アメリカでニューメキシコ州のビル・リチャードソン知事(当時)と会談した際のもの(写真:AP/アフロ)
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 いよいよアメリカと北朝鮮との実務者協議が、ストックホルムで開始する。この地は北朝鮮にとって、「米朝の中間地点」にあり、かつこれまで縁起の良い場所だ。日本との「ストックホルム合意」も、2014年5月にこの地で交わされた(残念ながらいまや雲散霧消してしまったが)。

 6月30日にドナルド・トランプ大統領と金正恩委員長が、板門店で3度目の首脳会談を行い、早期対話で合意した約束が、ようやく果たされることになる。アメリカ側代表は、北朝鮮側から一定の信頼を得ているスティーブ・ビーガン北朝鮮政策特別代表、北朝鮮側代表は、アメリカ担当が長かった金明吉前駐ベトナム大使である。

 トランプ大統領が9月10日、最側近の一人だったジョン・ボルトン大統領安保担当補佐官を更迭したことが、北朝鮮に対して大きなメッセージになったことは間違いない。2月27日、28日の2回目の米朝首脳会談、いわゆる「ハノイの決裂」は、対北朝鮮最強硬派と言われるボルトン補佐官が主導したものだったからだ。

 トランプ大統領としては、イラン問題が暗礁に乗り上げ、先月の国連総会の機会に、ハサン・ロウハニ大統領との歴史的な首脳会談を逃した。さらにその後、民主党からウクライナ問題を巡って、弾劾まで持ち出されて窮地に立っている。そんな中、短期的な外交成果を得たいのである。

北朝鮮でも猛威を振るうアフリカ豚コレラ
 今回の米朝協議のポイントは、北朝鮮にしてみれば、ただの一点、すなわち国連の経済制裁が緩和されるかどうかである。寧辺の核処理施設廃棄と引き換えに、最大限の規制緩和を求めてくるだろう。いわゆる核問題の段階的解決である。

 北朝鮮に対する国連の経済制裁決議は、これまで11回も出されていて、最後に出された「決議」(2017年11月)がダメ押しとなり、北朝鮮は兵糧攻めのような状態に置かれている。私は今年正月、中国の北朝鮮専門家から話を聞いたが、「このまま行けば北朝鮮がもつのはあと2年くらいだろう」と予測していた。

 それを思えば、より窮地に立たされているのは、むしろ金正恩委員長の方と見るべきである。具体的には、食糧問題と朝鮮人民軍の問題が深刻化しているのだ。

台風で農作物も大打撃…
 まず、食糧問題については、アフリカ豚コレラの感染が、北朝鮮全土に及んでいる模様である。韓国メディアの報道によれば、9月24日、徐薫国家情報院長が、国会の情報委員会でこう証言した。

「平安北道で豚が全滅した。肉のある家はないとの不満が出るほど、北朝鮮全域にアフリカ豚コレラがかなり拡散したとの徴候がある」

 6月に朝鮮労働党中央委員会機関紙『労働新聞』が、アフリカ豚コレラへの感染に対する記事を出したが、その後、事態は深刻化した模様だ。農水省の関係者に確認したところ、こう述べた。

「日本で起こった豚コレラはワクチンがあるが、北朝鮮(及び韓国)で起こっているアフリカ産豚コレラは、新種かつ強力なためワクチンがない。そのため、感染を防ぐには殺処分するしかないが、北朝鮮のような衛生状態が悪い地域は、感染が全土に広がるのもやむをえないだろう」

 私も以前、北朝鮮で衛生状態の悪い肉を食べて死にかけたことがあるので理解できるが、とにかく想像を超える不衛生ぶりだ。

台風で農作物も大打撃
 北朝鮮の食糧問題は、豚に限らず、主食のコメにも及んでいる。北朝鮮の食糧事情というのは一年の中でも一定の周期があって、本来ならいまは、収穫を終えて最も「食糧豊富」な季節のはずだ。

 ところが、9月後半の収穫を前に台風13号が北朝鮮を襲った。朝鮮中央通信は9月8日、農地4万6000ヘクタールや住宅460棟などが被害を受けたと報じた。また、金正恩委員長が6日に緊急会議を開き、担当幹部らを叱責したとも報じている。

 北朝鮮の報道には針小棒大なものもあるが、その逆もある。同時期に韓国が受けた被害から見ても、北朝鮮全土に甚大な台風被害が出たと見るべきだろう。そうでなければ、「金正恩委員長が叱責した」などという記事が出るわけもない。

ミサイル発射が元山でなされた理由
 次に、朝鮮人民軍に関してだが、朝鮮中央通信は10月3日、前日に元山(ウォンサン)湾の水域で、新型の潜水艦発射弾道ミサイル「北極星」の試射に成功したと報じた。の発射は2016年8月以来だが、新型の「北極星」は初めてである。ロフテッド軌道で約450キロメートル飛び、日本のEEZ(排他的経済水域)に落下したことで、日本が騒然となったことは周知の通りだ。

 日本では、アメリカにプレッシャーをかけるために、米朝協議の直前にあえて発射に踏み切ったという分析がなされた。私は、それもあるだろうが、一番大きな理由は、朝鮮人民軍の不満が爆発寸前なのだと見ている。

 金正恩委員長は昨年、対米対抗から対米協調へと、大胆に舵を切り替えたが、これに強く異を唱えたのが120万朝鮮人民軍だった。金委員長は、対米協調によって経済発展をもたらそうと考え、その象徴として元山葛麻(カルマ)半島に、「元山葛麻海岸観光地区」を建設するとブチ上げた。いわゆる「北朝鮮のハワイ」計画である。

 だが、勇ましい核ミサイル建設を放棄し、観光地の土木工事に回された軍人たちは、当然ながら不満たらたらである。実際、この観光地の完成予定日は何度か延びて、現在は2020年の「太陽節」(4月15日の金日成主席誕生日)としている。昨秋には、金委員長がこの地域を視察した際、暗殺未遂に遭ったという確度の高い情報ももたらされている。

 こうした中、「安易な軍縮はしない」という金委員長の軍に対するメッセージが、10月2日の「北極星」の試射だったのではないか。だからこそ、同じ元山で試射に臨んだ。

 北朝鮮と、最大の貿易相手国である中国との関係もまた、不透明である。中朝国交正常化70周年を10月6日に控える中、4日になっても何も発表されていないからだ。

 10年前の60周年の際には、温家宝首相が訪朝し、金正日総書記との首脳会談で、新鴨緑江大橋の建設を決めた。中国側の丹東と北朝鮮側の新義州を結ぶ鴨緑江の中朝国境には、これまで鴨緑江大橋がただ一本かかっているだけだったため、もう一本通して、中朝間の物流を増やそうとしたのだ。実際、1億5000万ドルの建設費用を中国側が全面的に負担する形で、新鴨緑江大橋は2016年に完成した。

金正恩を「利用」したい2つの国…
 70周年を前にしても、9月2日から4日まで、中国の王毅国務委員兼外相が訪朝し、北朝鮮の李容浩外相と70周年記念行事について話し合った。王外相の帰国後には、北京の外交筋の間で、10月に李克強首相が訪朝するとか、いや金正恩委員長が訪中するのではといった話が飛び交ったものだ。

 だが北朝鮮側は今回、あえて中朝70周年の大事な日に、米朝協議をぶつけてきた。これは、北朝鮮側の中国に対する不満の表れと見てよいのかもしれない。金正恩外交は、常に米中両大国を天秤にかけながら進めているからだ。

金正恩を「利用」したい2つの国
 さて、そのような窮地に立つ金正恩委員長を「利用」しようとしている国が2カ国ある。その一方は、韓国である。

 韓国は、文在寅大統領が9月9日に、「タマネギ男」こと曹国(チョ・グク)法務長官を任命したことで、左派と右派が国を二分する争いを続けている。そんな中、文在寅大統領は、故郷の釜山で11月25日と26日、韓国(東南アジア諸国連合)サミットを開催する。

 これは故郷に錦を飾り、来年4月の総選挙の追い風にしようという思惑だが、私が得た情報によれば、青瓦台(韓国大統領府)は、このサミットに金正恩委員長を参加させるべく、北朝鮮側に強力な働きかけを行っているという。米朝協議が妥結し、国連の経済制裁が緩和されれば、北朝鮮との経済交流を図れるというわけだ。


『ファーウェイと米中5G戦争』(近藤大介著、講談社+α新書)
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 北朝鮮に熱い視線を向けているもう一つの国は、日本である。安倍晋三首相は、一日も早く平壌へ行って金正恩委員長との日朝首脳会談に臨みたい。そのためには、何らかの見返りが必要だ。国連の経済制裁が緩和できれば、与えられる「見返り」の範囲も広がるというわけだ。

 日本は、2002年の小泉純一郎首相の訪朝時に、25万トンの食糧援助を約束していて、いまだに果たしていない。それを渡そうとしているが、北朝鮮からすれば、それはあくまでも2002年の約束であって、今回の会談実現にはさらなる援助が必要だと主張する。例えば、安倍首相がトランプ大統領から買うと約束した275万トンのアメリカ産大豆の一部などが、その対象になるのではないかと思える。

 いずれにしても、今回の米朝協議は、東アジアの地政学を再び変える可能性を秘めているのは間違いない。

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不足する医療費「上級国民に払わせろ」は正しいか
実は年金よりも深刻な医療費の問題
加谷 珪一

トランプ失脚後睨み急展開の世界情勢
中国系米国人まで「中国人」として団結呼びかけた習近平氏
高濱 賛

医療のIT化:世界一の速さで進む中国に盲点
IT機器を使えない高齢者に医者を信用しない風土・・・
樋口 朝霞

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57836  

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コメント
1. 2019年10月14日 15:31:10 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[3305] 報告
朝鮮外務省代弁人 朝鮮漁船を沈没させた日本政府に賠償し、再発防止対策を講じることを要求

〖平壌10月12日発朝鮮中央通信〗朝鮮外務省のスポークスマンは、最近、日本が朝鮮東海の水域でわが漁船を沈没させた事件が発生したことで12日、朝鮮中央通信社記者の質問に次のように答えた。

7日、日本水産庁の取締船が朝鮮東海水域で正常に航行していたわが漁船を沈没させる白昼強盗さながらの行為を働いた。

日本側によってわが船員たちが救出されたと言うが、彼らの生命安全は甚だしく脅かされた。

日本政府の当局者らとメディアは、わが漁船が取り締りに応じず、急旋回をしたために自国の取締船とふつかったのが事件の基本原因であるかのように世論をまどわしている。

日本が自国の故意の行為を正当化してみようと熱を上げて盗人猛々しく振る舞っているが、わが漁船を沈没させ、船員たちの生命安全まで脅かした今回の事件の責任から絶対に逃れられない。

われわれがすでに、わが漁船の活動に対する妨害や取り締り、その他の物理的な行動が突発的な衝突を引き起こしかねないということについて事前警告したにもかかわらず、挑発的に出た以上、それに対応して必要な行動措置を取っても日本側は言う言葉がないようになっている。

われわれは、日本政府がわが漁船を沈没させて物質的被害を与えたことに対して賠償し、再発防止対策を講じることを強く求める。

このような事件が再び発生する場合、日本が願わない結果が招かれるであろう。−−−
http://www.kcna.kp/kcna.user.article.retrieveNewsViewInfoList.kcmsf

2. 2019年10月17日 00:03:56 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[3339] 報告
http://www.kcna.kp/siteFiles/img/201910/MM00279307.jpg
金正恩党委員長が白頭山頂に登る

〖平壌10月16日発朝鮮中央通信〗朝鮮労働党委員長で朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長、朝鮮民主主義人民共和国武力最高司令官であるわが党と国家、武力の最高指導者金正恩同志が、白頭山の初雪に当たりながら自ら白馬にまたがって白頭山頂に登った。

朝鮮労働党中央委員会の幹部らが、同行した。

白頭山で金正恩党委員長が今回歩んだ軍馬行軍路は、朝鮮革命史で振幅が大きい意義のある出来事となる。

金正恩委員長は、白馬に乗ったまま霊峰に毅然と立って白頭の山岳のような信念と意志で最強国の大業を目指して突っ走ってきた厳しい戦闘的行路と激変の日々を胸熱く振り返り、またもや勇気天をつく勢いで越えるべき革命の峻嶺を眺めるように連山を見下ろした。

荘厳な白頭山頂に毅然と立っている金正恩委員長の謹厳な眼光には、吹き付けるあらゆる逆風を白頭の暴風で吹き飛ばして勢いよく自力で富強になっていく社会主義強国の進軍活路を明るく見通す天が賜った名将の崇高な光が満ちていた。

同行した活動家のみんなは、金正恩委員長が白頭霊峰で送った偉大な思索の瞬間を目撃して、またもや世界が驚き、わが革命が一歩前進する雄大な作戦が展開されるという確信に満ちて沸き上がる感激と歓喜を抑え切れなかった。−−−
(2019.10.16)
http://www.kcna.kp/kcna.user.special.getArticlePage.kcmsf

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