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北米トヨタが60年拠点を置いたカリフォルニアを離れた理由 〜『なぜ、トヨタはテキサスに拠点を移したのか?』
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/172.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 2 月 16 日 11:09:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

北米トヨタが60年拠点を置いたカリフォルニアを離れた理由
〜『なぜ、トヨタはテキサスに拠点を移したのか?』(倉石 灯/中野 博 著)を読む

https://diamond.jp/articles/-/194234
2019.2.16 情報工場 ダイヤモンド・オンライン


トヨタ自動車が、テキサス州へと拠点を移したのはなぜでしょうか? Photo:PIXTA


視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。

地元を大切にするトヨタが
「米国の拠点を移転」という衝撃


 以前この連載にも書いたことがあるが、私は日本酒が大好きだ。好きが高じて、酒蔵の訪問を趣味の1つとしている。

 昨年は愛知県豊田市にある酒蔵を訪問した。

 豊田市は、私が住む長野県と、愛知県の県境にある。自宅から車で国道を南下し、県境の少し手前にある「道の駅」で少し休憩してから、豊田市内に入った。

 するとどうだろう。県境の前後で同じような田舎道が続いているのに、豊田市に入ると急に自動車の数が増えた。街並みも、どことなく豊かに感じられる。

 県境に近い、豊田市側の「道の駅」にも寄ってみた。先ほど休憩した「道の駅」とはそんなに離れていないのに、明らかに人が多く、にぎわっている。

 豊田市は、トヨタ自動車の本社工場がある、言わずと知れたトヨタのお膝元だ。しかし、だからと言ってこれほどの違いがあるのにはびっくりした。

 トヨタ自動車創業の1937年当時、現在の豊田市は挙母(ころも)町という名前だった。トヨタがこの土地を選んだのは、格安価格が地元から提示されたからだそうだ。

 第2次世界大戦後、大小の自動車関連企業が集まり、全国有数の「クルマのまち」に成長。挙母市(1951年に町から市に)は1959年に豊田市と地名を変え、現在は製造品出荷額等が全国トップの工業都市となっている。

 まさに豊田市はトヨタとともに、トヨタも豊田市と一緒に発展してきたと言える。

 トヨタはこんなにも地元を大切にするわけだが、同社が60年もの長きにわたって北米拠点を置いていたカリフォルニア州ロサンゼルス経済圏を離れたのをご存じだろうか。移転先は、「テキサス州」である。

      
      『なぜ、トヨタはテキサスに拠点を移したのか?
       倉石 灯/中野 博著 日本実業出版社 1500円(税別)

 日本人にテキサスのイメージを尋ねたとしたら、十中八九、カウボーイや西部劇と答えるのではないだろうか。だが、本書『なぜ、トヨタはテキサスに拠点を移したのか?』を読むと、そんな先入観は吹き飛ぶに違いない。

 実はテキサスは、ニューヨークのある東海岸、シリコンバレーを擁する西海岸に次ぐ、「アメリカ第三の経済圏」となっているというのだ。

 本書では、テキサスがなぜそこまでに発展し、注目を浴びているかを、多角的に検証。先進的な企業による「未来」を感じさせる取り組みなども紹介し、地域のさらなるポテンシャルを強調している。

 著者の1人、倉石灯(ルーク倉石)氏は、和魂リアルティ株式会社CEO。ダラス大経営大学院卒業(MBA取得)後、米国三井不動産販売株式会社を経て、現在テキサスで不動産のアセットマネジメント等、商業不動産投資専門家として活躍する。共著書に『資産家たちはなぜ今、テキサスを買い始めたのか?』(ぱる出版)がある。

 中野博氏は、作家兼実業家。早稲田大学商学部卒業。デンソー入社後、ジャーナリストとして活躍。テキサスにも5年ほど前から注目して取材や執筆を続けている。

 共著の2人は、いずれも自他ともに認める「テキサス通」だ。この2人が見た、私たち日本人が知らないテキサス像とは、いかなるものだろうか。

テキサス移転で
約3000億円の利益押し上げ効果


 まずは、テキサスの地理的条件から見てみよう。

 アラスカ州に次ぐ全米2位の広大な面積を誇るテキサス州には、メキシコ湾に面した591キロメートルもの長い海岸線がある。そこに、外国貿易高が全米1位のヒューストン港をはじめ、実に11もの巨大貨物船が入れる港がある。

 また、テキサスは北米大陸の要の位置にある。全米でも有数の経済都市であるダラス市を中心とするダラス経済圏からは、トラックで24時間以内に国内の37%、48時間以内ならば93%の地域に到達できる。

 さらにテキサス州には、国内でもっとも多くの空港がある。

 中でもダラス・フォートワース国際空港は、世界第2位のハブ空港であり、航空業界世界最大手のアメリカン航空の拠点空港でもある。

 同空港があるダラス経済圏からは、飛行機で全米主要都市に日帰り出張も可能だ。メキシコ、カナダなどにも直行便がある。

 トヨタが北米拠点を移したのも、ダラス経済圏に含まれるプレイノ市。同社は移転の動機として、上記のメリットの他に、米国内やカナダ、メキシコなどにある拠点との時差が小さい点も挙げている。

 次に経済面だ。

 テキサス州のGDPはカリフォルニア州に次ぐ全米第2位だが、過去10年の成長率を見ると、カリフォルニア州を大きく上回っている。

 さらにテキサス州を1つの国とみなすと、世界の名目GDPランキングで、カナダ、韓国、ロシア、オーストラリアを抜き、世界で10位以内に入る。

 そもそも、テキサス州では20世紀初頭に油田が発見され、その後、石油が地域発展と工業化を牽引してきた歴史がある。

 それに加えて、近年話題のシェールガスやシェールオイルなどの資源開発も進む。英国の大手金融グループHSBCは、テキサス州を国とした場合、ロシアとサウジアラビアに次ぐ世界3位の石油産出量に相当する可能性を指摘している。

 こうして財政が豊かになったテキサス州では、州の法人税や個人所得税が、なんとゼロなのだ。連邦法人税は取られるが、これは企業を呼び込む上で大きすぎるメリットといえるだろう。

 こうしたさまざまなメリットにより、トヨタでは今回の移転で2919億円もの利益押し上げ効果があったそうだ。

 テキサスの「地の利」や経済的なメリットを狙うのは、もちろんトヨタだけではない。同州には、多くの企業が本拠を移すなど、続々と集まってきているのだ。

空飛ぶタクシー、自動運転……
テキサスは「未来の実験場」に


 エネルギーについてテキサスが得意とするのは、前述の化石燃料だけでない。再生可能エネルギー(再エネ)も得意だ。まだ広い土地が安く手に入るので、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設に適している。風力発電の適地も豊富だ。

 アマゾンやフェイスブックなどは、事業に用いる電力を100%再エネで賄おうとしている。そうした目標を掲げる先進IT企業は、こぞってテキサスに、再エネによる電力供給を前提とした大規模拠点を建設している。

 それでなくともテキサス州は、今後の米国経済を牽引する新たなイノベーションセンターになろうとしている。ITや宇宙開発などのハイテク分野で新たな技術開発やビジネス展開を図ろうとする企業を、意欲的に集めているのだ。

 例えばテキサス州の州都オースティン市とその周辺には、すでに700社から800社もの最先端IT企業があるという。同州は、「シリコンヒルズ」と呼ばれるこの地域に、安い地価や州法人税ゼロを武器に、大手企業からベンチャー企業まで、積極的に呼び込む動きをしている。

 狙いはおそらく、近年地価や物価が高騰し、敬遠され始めているシリコンバレーに、シリコンヒルズが取って代わることだろう。

 さらにこの地域には、州立の「テキサス大学オースティン校」がある。

 ニューズウィーク世界大学ランキングで第27位。ノーベル賞、ピュリツァー賞、アメリヵ国家科学賞といった各賞の受賞者など、数々の分野で優秀な人材を多く輩出。インキュベーション施設などの企業支援や育成施設にも力を入れている大学だ。

 つまり、シリコンバレーにスタンフォード大学があるように、シリコンヒルズにもテキサス大学オースティン校を中心とするエコシステムを構築できる環境が整いつつあるのだ。

 テキサスに集まった先進企業は、すでにさまざまな実験を開始している。


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 トヨタとの関連で言えば、テキサスには自動運転関連のベンチャーも多く、すでに州内で実証実験を進めている。

 また、2020年にはウーバーが“空飛ぶタクシー”の試験飛行をダラスで実施予定だ。2023年には商用サービスを開始する見込みだという。

 ちなみにトヨタは、昨年8月にウーバーに5億ドルの出資を行い、自動運転技術を活用したライドシェアサービスの開発促進と市場投入をめざした協業関係を結んでいる。

 日本企業とテキサスの関係で言えば、JR東海が技術協力するテキサス新幹線が、ダラスとヒューストンの2大都市を結び2022年開業予定だ。

 著者らは、開業後の都市内交通の中心は、自動運転車によるライドシェアや、空飛ぶタクシーになると予測する。

 テキサス州は、カリフォルニア州よりも規制緩和が進んでいることもあり、こうした先進的な取り組みも進めやすい。

 翻って日本はどうだろう。現状、既得権益保護の考え方が強く、ライドシェアサービス1つとっても規制緩和がなかなか進まない。だからと言って日本国内で手をこまねいているばかりでは、世界からおいてけぼりになるだろう。

 テキサスの成功を見てもわかるように、イノベーションには、立地も重要な要素となる。例えばテキサスに自社が拠点を置くとしたら、どんなメリットが得られ、どのような可能性が広がっているか、考えてみてはいかがだろうか。

 本書で、まずは米国の、いや世界の経済を牽引するかもしれないテキサスの先進性をしっかりと理解し、自社のイノベーション戦略に生かしてほしい。

(文/情報工場シニアエディター 浅羽登志也)















 

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コメント
1. 赤かぶ[4591] kNSCqYLU 2019年2月16日 11:09:56 : 90EZJT5uPI : 4gKn5wchQzA[1095] 報告


2. 2019年2月16日 19:02:41 : o4ZxWSpuaU : GJN2zyS682U[157] 報告
「敵を刺せ!」 だから移した テキサスに

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