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グローバル経済、減速からの「早期回復」は可能なのか(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/388.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 3 月 06 日 13:22:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

グローバル経済、減速からの「早期回復」は可能なのか
https://diamond.jp/articles/-/195927
2019.3.6 河野龍太郎:BNPパリバ証券経済調査本部長 ダイヤモンド・オンライン


Photo:PIXTA


 金融市場では、米国FRB(連邦準備制度理事会)が利上げを中断したことや、今後の中国の経済対策の効果に対する期待感から、グローバル経済の早期回復論が根強い。

 しかし、一方で、昨年10−12月期から観測され始めた中国の設備投資の冷え込みを起点とする「総需要ショック」が、日本を含む東アジアやユーロ圏などの工業国にすでに波及し始めている。

 果たして、グローバル経済の早期回復は可能なのか。

中国の投資落ち込みを「起点」に
昨年10−12月期から減速


 グローバル経済の減速の最大の原因は、中国の投資需要の落ち込みが、昨年10−12月期から各国に波及し始めたことである。

 2017年末に中国が過剰ストックや過剰債務の問題を解決すべく、財政・金融の引き締めなど構造改革路線を強化した。この結果、2018年年初から、トランプ減税で好調だった米国を除くと、中国経済の減速を起点に、グローバル経済の成長ペースの鈍化が始まった。

 この影響で、各国の輸出や生産の拡大ペースは、徐々に鈍化してきた。さらに夏場以降、米中貿易戦争の影響で、中国国内のビジネスセンチメントが急激に悪化し、中国企業や中国で生産する外国企業が設備投資にブレーキを踏み始めた。

 このため、2018年秋から、日本やドイツなどで中国向け資本財輸出が急減した。

 そもそも、グローバル経済が2016年後半から持ち直したのは、2016年前半に中国が景気刺激を始めたからだった。

 また、2017年半ばまでは、米国は利上げペースを抑え、日欧は金融緩和を続けるなど、米欧日(G3)の緩和的な金融環境も世界経済を支えていた。

 中国が構造改革路線を進めると共に、欧米の中央銀行が引き締めのピッチを上げた2017年末の直後からグローバル経済の減速が始まったのは、偶然ではない。

 世界経済の基調は脆弱で、政策的なサポートがなければ、すぐに足踏みするような状況だったのである。そこに米中貿易戦争の悪影響も加わった。

 日本では2018年中は、為替の変動分を除いた実質輸出と鉱工業生産はほぼ横ばいで、2019年1月になって共に減少を始めた。

 ただ、実際は、2018年7−9月期に、自然災害によって輸出と生産は落ち込み、10−12月期はそのリバウンドがあったため、表面上、2018年末まで横ばいが維持されていたのだと思われる。

 つまり、7−9月期の自然災害がなければ、2018年10−12月期から、実質輸出と生産の落ち込みが始まっていた可能性が高い。工業国であるドイツの成長ペースが急減速したのも、2018年10−12月からだ。

所得・支出の「負の循環」が
各国で起こるのか?


 今後を予測する上で、まず注目する必要があるのは、中国からもたらされた負の総需要ショックが、各国で、2019年1−3月期以降、所得・支出の負の循環をもたらすことである。

 つまり、輸出の落ち込みに対して、工業国を中心に設備投資など、国内の支出が抑制される可能性が高い。

 日本でもその兆候は出ている。2月のPMI(購買担当者景気指数)では、生産の落ち込みだけではなく、新規受注も落ち込んでいた。すでに国内ビジネスに悪影響が波及し始めているということである。

 昨年10−12月期までは、資本財出荷(除く輸送用機械)は堅調で、国内の機械投資は拡大が続いていたことが示唆されている。

 これは、好調だった10−12月期のGDPにおける設備投資の拡大とも整合的だが、今後、国内の機械投資にも悪影響が及んでくる。

 また、機械受注統計を見ると、製造業は昨年夏場をピークに減速が始まっていた。

 日本の大企業・製造業は、2018年度の初めに、世界経済の好調継続を前提に、かなり楽観的な高めの設備投資計画を立てていた。しかし、米中貿易戦争が深刻化し始めた夏場から、すでに一部の製造業が投資計画の先送りを始めていたということである。

 今後、輸出の底入れが確認されるまで、所得・支出の負の循環(輸出の落ち込み→生産の落ち込み→投資など支出の落ち込み)が続くとみられる。

 一国の所得が落ち込めば、輸入が抑制され、それは他国の輸出(総需要)が抑制されることを意味する。つまり、負の貿易乗数メカニズムが引き起こされる。

 こうした点まで考えると、グローバル経済の春からの回復は容易ではない。

 なお、輸出セクターの支出抑制が、サービスセクターにも波及するが、それは主に企業間の取引を通じたものである。

 日欧では、大胆な雇用リストラが簡単には取られないため(目先の問題は、両国とも人手不足である)、多少の雇用者所得の減速はあり得るものの、消費が著しく悪化することは、少なくとも当面は予想されない。

中国の景気対策の効果は
米国の“減速”を相殺するほどではない


 次の論点は、中国の景気対策の効果とそれが表れるタイミングだ。

 景気の減速に対し、中国政府は景気刺激策を打っているが、今のところ景気を底上げするには至っていない。

 それは、景気対策が効かないからではなく、即効性のある景気対策をあえて回避しているからである。

 最近も大規模な所得減税が行われたが、景気が減速し、支出性向が低下している中では、減税は貯蓄に回るため、景気刺激効果は小さい。

 しかし、そうした政策が中心となっているのは、インフラ投資など即効性のある経済対策が、中国の宿痾(しゅくあ)である過剰債務や過剰ストック、バブルの問題をこじらせる恐れがあることを中国の政策当局が強く認識しているためだ。

 そもそも潜在成長率が低下傾向にあるため、財政金融政策で、成長ペースを維持すること自体が、新たな過剰問題の醸成につながりかねない。

 当面、中国政府はむしろ、潜在成長ペースの鈍化に合わせて、緩やかな成長ペースの減速を容認すると思われる。

 これらの結果、中国経済が明確に持ち直すのは、2019年第3四半期以降にずれ込むと予想される。
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 したがって、中国の景気対策の効果が早期に表れ、今春からグローバル経済が回復するという楽観シナリオは、早晩、修正を余儀なくされる可能性が高い。

 もう1つのポイントは、仮に景気対策の効果で、2019年後半から中国経済が持ち直しても、世界経済を支えるのに十分かという点だ。

 それは、中国の景気対策の規模がそれほど大きくはないという問題だけではない。2019年後半にはトランプ減税の効果剥落が始まり、米国経済は減速を余儀なくされるとみられるからだ。

 その時に、中国経済の持ち直しが米国経済の減速を相殺するほど強いのか、という問題がある。

 これまで、例外的に米国が好調だった理由の1つは、減税によって内需が押し上げられていたことだ。これが剥落すると、米国でも景気減速が始まる。

 減税効果もあって、米国は、2018年までは設備投資は好調に推移していたが、先行指標である資本財受注はすでにピークアウトしている(日本のデータでも、11月から米国向けの一般機械の実質輸出は減少を始めている)。
 
 政府機関の閉鎖や米中貿易戦争に対する懸念から、不確実性が強まり、米企業が設備投資を抑制し始めた可能性があるだけでなく、企業減税の効果剥落が思ったより早く始まった可能性がある。

 家計向けの減税効果は、2019年前半は継続が見込まれるが、同年後半には剥落が予想される。すでに自動車販売や住宅販売は頭打ちになっているが、減税効果が剥落すると、個人消費が減速し、成長ペースは一段の減速を余儀なくされる。

 こうしたことを考えると、2019年後半に中国経済が政策効果で持ち直しても、米国経済の減速を相殺するには十分ではないと思われる。

米企業の過剰債務の調整で
個人消費落ち込めば、世界に波及


 グローバル経済が一段と落ち込む要因として、筆者が最も懸念しているのは、米国経済の減速が始まった際の米国企業の対応である。

 もし、米企業が雇用リストラを始めれば、米国経済だけにとどまらず世界経済は後退を余儀なくされる可能性がある。

 2009年6月に始まった今回の景気拡大局面で、過剰な債務を抱えているのは企業部門である。

 前回の景気拡大局面では、サブプライム・ブームの下、家計部門が過大な借り入れを行い、過剰な住宅ストックを抱えたが、現在はそうした過剰は抱えていない。

 今回は、超金融緩和の長期化を背景に、社債発行などを通じて、企業部門が過大な借り入れを抱えている。そこで得られた資金は、自社株買いやM&Aなどに振り向けられており、実体経済面で過剰ストックが蓄積されているわけではない。

 それ故、実体経済の大きな調整は避けられるようにも思われるが、ただ、米国では、金融面での過剰が問題であっても、調整が始まるとそれだけでは終わらず、同時に雇用リストラが行われる可能性もある。

 もし、そうなれば、米国の個人消費が落ち込むため、グローバル経済も後退を余儀なくされる。

 資本財のみならず、自動車やITデジタル家電などの輸出・生産の落ち込みで、日本を含むアジアやドイツなどの工業国には、大きなショックが訪れるリスクがある。

米FRBの利上げ中断と
原油安は下支え要因


 一方で、逆にグローバル経済を支える要因として、考えられるのは、これまで以上に強力になったFRBの金融政策の効果である。

 自然利子率が低下しているので、利上げ中断の国内経済への影響はそれほどではないのかもしれないが、グローバル経済への影響は明らかに増している。

 2010年頃までは固定的な為替レート制を通じて、FRBの金融緩和効果は多くの新興国に波及していたが、現在はそうした経路だけにとどまらない。

 多くの国の企業部門がドルベースの借り入れを増やしているため、FRBの金融緩和効果が、直接、各国の総需要に影響しているのである。

 2018年年初をピークにグローバル経済が減速を始めたのも、FRBの2017年末以降の継続的な利上げで、ドルの資本コストが上昇し、米国外で、強い金融引き締め効果が表れたことが影響しているのかもしれない。

 また、2019年年初にFRBが利上げ中断を表明した途端に、新興国のリスク資産に大量の資金が流入し始めたのは、新興国の経済主体に大きな緩和効果がもたらされると多くの人が期待したからだろう。

 過大な借り入れを抱える経済主体も多く、これから借り入れが大幅に増えるというわけではないだろうが、FRBの利上げ中断で、利払い費の増大が回避できる。

 景気抑制的な要因が多い中で、FRBの利上げ中断は、グローバル経済に対し金融面でのサポート要因となり得る。

 今後、減税効果の剥落もあり、米国経済が緩やかな減速を始めれば、FRBの利上げの中断だけでなく、2019年後半以降は早期の小幅な利下げの観測も広がり、むしろグローバル経済は緩和的な金融環境の恩恵を受ける可能性もある。

 過去20年間、観察される通り、米国経済の拡大ペースが多少減速している方が、各国のリスクアセットの価格上昇が続き、新興国を中心にグローバル景気が刺激される可能性がある。

 だとすると、逆に心配されるのは、米国経済にとり、現在の金利水準が相当に緩和的で、今回の利上げ中断が米国経済の過熱をもたらすケースだ。

 今回、FRBが利上げを中断したのは、米国経済が減速を始めたからではなく、中国やユーロ圏を含めグローバル経済が減速を始めたためだ。

 文字通り、世界の中央銀行ともいえるFRBが、グローバル経済に配慮した政策を行うことで、金融的不均衡を今後、大きく膨らませる可能性がある。

 あるいは、米国景気の強さを背景に、FRBが早期の利上げ再開を余儀なくされ、それがリスク資産価格の下落と共に新興国を中心にグローバル経済の減速の引き金を引く可能性もある。

 さまざまなシナリオが考えられるが、今のところ、2019年のFRBの金融政策に関する筆者の基本シナリオは、全く動かない、というものである。

 グローバル経済を支える要因として、もう1つ考えられるのが原油安だ。

 グローバル経済の減速、とりわけエネルギー原単位の大きい中国経済が減速するため、それに伴って原油価格が下落すれば、それが原油輸入国の交易条件の改善につながる。

 多くの先進国、工業国は、米国を除くと、原油輸入国であり、それらの国では企業や家計の実質所得が改善する。

 ただ、原油安の原因がグローバル経済の減速にあるとすれば、当然ながら、グローバル経済の減速を相殺するほどの原油安にはならない。

 また、グローバル経済の減速に対応し、FRBが利上げを中断し、緩和的な金融環境を作り出すと、それが投機マネーを生み出し、地政学的リスクなどを背景に、原油価格を高止まりさせる可能性もある。

 それを考えると、それほど原油安は進まないのかもしれない。

米中貿易戦争の「停戦」は朗報か?
対日圧力は強まり、自動車輸出規制も


 最後に、日本としてもより大きな関心を抱かざるを得ないのは、米国の対日、対EUの通商交渉の行方である。

 現在、マーケットは、米中貿易戦争の早期解決の可能性を巡って楽観と悲観の間を揺れている。

 もし、米中貿易戦争が一時的にせよ早期停戦に至るなら、そのこと自体は世界経済にとって大変、望ましいことだが、トランプ政権は次に日本、あるいは、EUとの通商交渉を本格化させるだろう。

 米国にとって、EUとの交渉妥結はハードルが高いため、政治的な観点からいえば、トランプ大統領が優先するのは、比較的、無理の通りやすい日本政府との交渉だろう。

 すでにこれまでの首脳会談などで、日本は、要望として、農産物関税はTPPを下限とすることを米国に表明し、米国はそれをのむ代わりに、自動車産業の生産と雇用の維持を要望することが確認されている。

 米国の要求の意味するところは、米国の自動車業界の生産量と雇用を維持するために、日本車に輸入数量を割り当てることであり、それは日本の輸出と生産を調整弁とすることである。

 つまり、日本は輸出自主規制を余儀なくされるのではないかと筆者は考えている。

 ちなみに人気のある日本車の供給が制限されることになれば、価格引き上げが可能になるため、必ずしも日本車メーカーの業績に悪影響が及ぶわけではない。そのことは1980年代の輸出自主規制で実証済みである。

 今のままでは輸出規制は、WTO違反となるが、日米でFTA(自由貿易協定)ないしTAG(物品貿易協定)を結んだ上でなら、違反とはならない可能性もある。

 いずれにせよ、米国との貿易交渉の大きな影響が、今度は日本企業や欧州企業に直接、表れるため、米中貿易戦争が停戦合意に至っても、直ちに霧が晴れるわけではない。

(BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎)







 

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コメント
1. 2019年3月06日 19:49:42 : o4ZxWSpuaU : cmp4OUZBQlJQcUU=[274] 報告
数字さえ 弄ればできる 「回復」は

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