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グーグルら巨大IT企業の自動運転技術は、コンセプト面で日本車メーカーに歴然たる差(Business Journal)
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/734.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 3 月 30 日 02:29:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

グーグルら巨大IT企業の自動運転技術は、コンセプト面で日本車メーカーに歴然たる差
https://biz-journal.jp/2019/03/post_27266.html
2019.03.29 文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役 Business Journal


「Gettyimages」より


 今、非常におもしろいのが自動車業界です。特にAI(人工知能)が本格的にディープラーニングを身に着けた2012年以降に開発が進んだ、最新の自動運転技術搭載車が、日本車のラインナップの中で増加しています。

 ただ、たとえばトヨタ自動車はこれらの技術を自動運転と呼ばないようにしています。消費者が自動運転だと誤解して事故を起こす可能性があるからです。とはいえ今回の記事は自動運転技術のことを論じる記事なので、自動運転の世界共通の定義に従って、日本車メーカーの現在地とこれからの課題を説明したいと思います。

■自動運転の現在地

 自動運転の世界的な定義では0から5までの6段階があって、レベル0は運転手がすべて自分で操作をする普通の車のことです。場所に関係なくすべての道路で自動運転が行われる車がレベル5と呼ばれる段階、高速道路など特定の場所なら運転者が不要というのがレベル4の段階ですが、現時点では世界のどのメーカーも、まだこの段階には達していません。

 ほとんどのメーカーは自動ブレーキを導入しているといったレベル1か、高速道路で運転手の負担を減らす自動追随走行ができるシステムを導入したレベル2といった運転支援が実現している段階にあります。これから数年かけて、高速道路など特定の場所であれば基本的にシステムが運転を行い、緊急時だけ運転手が操作をするというレベル3の自動運転車の開発に期待がかかっていきます。

 具体的な商品でこの現状をみてみましょう。トヨタ自動車では現在、サポカーというブランドネームでさまざまな車種に対して安全サポート技術を導入しています。レベル1の技術に相当するものでは、前方に歩行者や車などがいて、このまま直進すると衝突することを検知してブレーキアシストが作動するという仕組みがあります。こうした自動ブレーキの技術は、多くの車種で採用されています。

 また走行レーンをはみ出したら警告音がするとか、信号待ちの際に前の車が動きだしたのに気づいていなければ警告音がするといった具合に、運転手の注意力不足から起きる失敗をアラートしてくれる仕組みも、サポカーには同様に備わっています。

 こういったレベル1の運転支援技術は他の日本車メーカーでも、すでに多くの新車に広まろうとしているのが現状です。

 一方で、高速道路で速度を一定に保ったり、車間を一定に保ち、かつレーンを認識しながらハンドルも自動で操作をするようなレベル2の運転支援技術となると、まだ各社で導入にばらつきがあります。

 トヨタでいえば17年にレクサスの一部機種にこの機能が導入され、トヨタブランドの中上位車種にレーダークルーズコントロール機能が導入され始めています。日産の場合、セレナ、リーフ、エクストレイルといった一部の乗用車にプロパイロットというブランド名でこのレベル2の技術が導入され、19年にはラインナップが拡大される予定です。また、ホンダでもアダクティブ・クルーズ・コントロールは幅広い車種に導入されています。

 古くからこのレベル1、レベル2の技術に取り組んできたといわれているのがスバルで、インプレッサからフォレスターまで、かなり幅広い乗用車ラインナップにアイサイトというブランド名のレベル2の自動運転技術を搭載しています。

 このアイサイトは高速道路などで使う運転支援技術で、ドライバーがハンドル操作やアクセル、ブレーキ操作をしない場合でも、一定のスピードで走行し、前の車がいれば減速し、いなくなればまた加速して元のスピードに戻るという機能です。渋滞時にはのろのろと自動で前の車についていってくれるので楽ですし、混雑走行時にも一定の車間を確保しながらスムーズにカーブも曲がってくれるので、ドライバーの運転の負担がかなり軽減されるという評判です。

 あくまで私見ですが、現在、市場に出ている国産車のレベル2の自動運転技術の導入車両の中で、パフォーマンス的に一番優れていると感じるのはスバルです。とはいえ、これから他社でも優れたレベル2の技術が、より安価な価格帯の乗用車に対しても搭載されるようになるでしょう。

■これまでとは違ったタイプのAI技術が必要

 さて、この現在の自動運転技術と、これから先に進むための技術は何が違うのでしょうか。それを論じるために、現在のスバルの技術についてみてみたいと思います。

 スバルの技術は、そのブランド名がアイサイトというとおり、人間の目と同じような見え方をする2つのカメラを用いて、前方の状況を観察し認識するという技術です。コンセプト的には高速道路におけるレベル2の技術としては明快な考え方で、要は前方を走る車を認識し、2つの目で距離を測る。そして前方に続く道路の白線を認識し、曲がり方や距離を把握することで走行ルートを認識する。この2つの目さえ備えていれば、高速道路の走行は(あるレベルで)機械に任せておくことができるようになるという考え方です。

 つまり前方に何もなければその道路の中央を走るようにハンドル操作をし、一定のスピードでアクセルを操作する。前に車がいればブレーキとアクセルで速度を調整し、一定の距離を保ちながら追随走行をする。このように実にわかりやすいコンセプトです。

 あとは2つのカメラからとらえた情報をもとに、どのタイミングでどうハンドル、アクセル、ブレーキを操作すれば車が安定して走行するか、その点だけを人工知能に学習させれば理論的には他社でもこの技術までは到達できるというわけです。ないしはカメラだけでなくミリ波レーダーと組み合わせることで、雨や霧といったカメラが苦手な天候でも運転支援ができるような機能も各メーカーで開発が進んでいくでしょう。

 日本車メーカー各社が現在狙っているのは、その先の自動運転技術の確立ですが、ここから先は、実はここまでの技術とは違ったタイプのAI技術が必要になります。それをどう日本メーカーが乗り切るのかが問われています。

 それは画像認識技術です。スバルのアイサイトを例にとると、同社のウェブサイトでも説明されているとおり、あくまでカメラで車だと認識できる先行者でないと、この追随技術は正確には作動できません。たとえば高速道路に鹿が飛び込んできたときは、基本的にドライバーが対応しなければいけないようです。

 自動運転のゴールであるレベル5の自動運転では、高速道路ではなく一般道での走行が前提になりますので、鹿もそうですが、自転車、横並びで前を走るジョギングランナー、いきなり飛び出してくる子ども、坂道を転がってきたリンゴなど、なんでも認識して対応する必要が出てきます。

 現在、アメリカではカルフォルニア州やテキサス州など公道で自動運転技術を実験できる州においては、こういった条件下での運転技術を向上させる実験が行われています。日本車メーカーも海外の優れた画像認識技術を搭載して、このような不測の事態にどう備えるかを日夜学習しているというわけです。

■日本車メーカーの弱点

 ここで日本車メーカーには、2つの弱点があると私は認識しています。

 ひとつは画像認識技術の学習量です。AIというものはどうプログラミングをしたか以上に、どう学習させたかで育ち方に違いが出ます。その観点で、日本車メーカーのライバルであるグーグルなどは、開発コンセプトが日本車と違います。

 AIを育てる際に、街中に何百台という実験車を走らせて、クラウドの先にある大型コンピューターがその何百の実験を同時並行で学習していく。そうすることで運転手が目にする画像についての学習量が格段に違ってくる。この差が、日本車メーカーとグーグルのどちらが先に、運転に必要な画像認識技術を完成させられるかの差につながると思います。

 そしてもうひとつ、日本車メーカーの自動運転技術搭載車は、今のところスタンドアローンなのです。

 AIの判断とそれが行う自動車操作が一体で行われていることもあり、現在の日本車の自動運転技術はAIのアップグレードを想定していません。しかし普通に考えれば、AIというものは日々学習して日々上手になっていくものです。3年前に購入したAI搭載車は頭が悪いままだというのが現在発売されている車の設計思想ですが、これはユーザーからしてみればなんとかしてほしいと思うところです。

 そうではなく、画像認識とその情報をもとにした運転プログラムをもともと別々につくり、同時にどちらのプログラムも途中でダウンロードしてアップグレードできるように設計することは、IT企業的な考え方としては一般的です。ところが自動車会社はそういったITとしては当たり前の開発思想にまだ慣れていない。ですから一度購入した自動車の性能は、いつまでたっても買った日のままということです。

 この2つの課題要素を日本車メーカーがどう乗り越えるかが、今後問われてくると思います。もし乗り越えられなければ、この世界の勝者がGAFAといった大手IT企業になってしまう。なんとしてもそうならないように、日本車メーカーにはがんばってほしいところです。

(文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役)


 

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