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アベノミクスの意図せざるイノベーション 長期停滞と赤字財政をめぐる大論争 大きな政府は新たな社会主義か
http://www.asyura2.com/19/hasan131/msg/816.html
投稿者 うまき 日時 2019 年 4 月 05 日 12:53:11: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

アベノミクスの意図せざるイノベーション
長期停滞と赤字財政をめぐる大論争
2019.4.5(金) 池田 信夫

 2019年度予算が成立し、10月から消費税が10%に増税されることが決まったが、これについての意見はわかれている。「赤字財政を脱却するために増税はやむをえない」というのが経済学者の主流派だが、最近は世界的な潮流が変わってきた。ゼロ金利が続く中で、金利上昇や財政破綻を恐れる必要があるのかという疑問が広がっているのだ。

 これは世界経済の現状をどう見るかという問題とも関わる。世界経済が回復している中で、金利も物価も上がらないのはなぜだろうか。この状況は今後も長期的に続くのだろうか。いま多くのエコノミストがこの問題を論じているが、まだ結論は出ていない。

赤字財政はネズミ講ではない

 赤字財政は「ネズミ講」だといわれることがある。確かに新規加入者の出資金を既存加入者への配当に回すという意味では、財政はネズミ講である。日本の1100兆円の政府債務が維持できるのは、それを償還する財源を調達するために国債を発行して借り換えているからだ。

 このように借金を返すために借金すると、金利が雪ダルマ式にふくらんで破産する。今でもそういうイメージで、「サラ金財政」などと呼ぶ人がいるが、今の長期金利はほぼゼロ。物価上昇率を引いた実質金利はマイナスである。つまり政府が金を借りると金利をもらえるので、儲かるのだ。

 この状況がもし永遠に続くとすると、政府は国債を償還しないで、借り換えを続けることができるので、増税は必要ない。政府には税と国債という2つの財源ができるのだ。全額返済を求められたら増税すればいい。つまり国家の徴税能力が担保になっている点で、赤字財政はネズミ講とは違うのだ。
 問題は財政負担が雪ダルマ式に増えるかどうかだ。日本のここ30年の状況をみると、図1のように1990年代から長期金利が名目成長率より高かったので政府債務のGDP比は増えたが、2013年からはこれが逆転し、政府債務比率は下がった。

図1 長期金利(10年物国債の利回り)と名目成長率(内閣府)
http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/2/7/-/img_2755bc401f7ae6c3da3b420d353d24e538984.png

 この状態が今後も続くとすると、政府債務が無限大に発散するという意味での財政破綻は起こりえないが、これはいつまで続くだろうか。

 1つの見方は「マイナス金利は日銀が大規模な量的緩和で国債を買ったことによる一時的な現象で、遠からず終わる」というものだ。2012年までは金利が成長率より高かったので、それが正常な状態であり、量的緩和が「出口」を出れば金利が上がるという。
 もう1つの見方は、これが一時の金融的な現象ではなく、構造的な需要不足による長期停滞だというものだ。これがローレンス・サマーズ(元アメリカ財務長官)の議論である。
政府の財政見通しは悲観的すぎる

 今の「金利 < 成長率」という状況が今後も続くとすると、ネズミ講は続けることができるが、政府の中期財政見通しによると、プライマリーバランス(PB:基礎的財政収支)の赤字は、現実的な「ベースラインケース」では2028年には0.9%の赤字だ。

図2 中長期の経済財政に関する試算(内閣府)
http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/b/7/-/img_b76be659001fc7edb12af5baa6dee06c44611.jpg

 半年に一度、経済財政諮問会議に提出されるこの推定は、いつも「成長率の前提が楽観的すぎる」と批判を浴びるが、よく読むともっと大きな問題がある。ベースラインケースでも、2028年に長期金利が2.0%になると想定しているのだ。

 これは図1と比べると、明らかに奇妙な想定である。長期金利2%以上というのは1990年代前半の水準であり、その後ずっと金利は下がり続けている。2020年代に金利が急上昇することは考えにくい。
 今と同じゼロ金利の水準が続くとするとPBがどうなるかは、内閣府のモデルの中身が不明なのでよくわからないが、図2の「成長実現ケース」に近い数字になるのではないか。つまり安倍政権の「2025年にPB黒字化」という約束は、達成できる可能性があるのだ。
 安倍首相がそういう計算をしたとは思えないが、アベノミクスは日銀の財政ファイナンスで赤字財政と低金利を維持するイノベーションだった。これによって財政規律がゆるんで2度も増税を延期したのは、結果的にはよかったのかもしれない。

大きな政府は新たな社会主義か

 今すぐ財政破綻がありえないとすると、将来世代の負担が増えるという議論についてはどうだろうか。これについて古典的なケインジアンの議論は「内国債は将来世代の負担にならない」というものだ。
 国内の資源は、国債発行で増えも減りもしない。政府の借金は国債を買った人の資産なので、国債が将来世代に相続されるなら国民全体としてはゼロサムだ。
 しかし現役世代から高齢者に大幅な所得移転が起こるので、将来世代の可処分所得(税・社会保険料を引いた所得)は下がる。この本質的な原因は高齢者の比率が現役世代に対して大きくなるからで、社会保障支出を削減しない限り所得移転の規模は変わらない。
 所得分配を無視して、その合計を考えるとどうだろうか。これは難しいが、オリビエ・ブランシャール(元IMFチーフエコノミスト)は「金利が成長率を下回る状況が続くとすれば赤字財政で将来世代の負担はほとんど生じない」という。

 直感的にいうと「金利 > 成長率」の場合は政府支出によって金利が上がり、民間投資がクラウディングアウト(締め出し)されるが、その逆に「金利 < 成長率」の場合には民間投資の需要不足を政府が埋めることによって成長率が上がるのだ。

 つまり日本のようにマイナス金利になっている場合には、財政赤字で成長率が上がってゼロサムではなくなり、将来世代も利益を得る可能性がある。

 これに対して、ケネス・ロゴフ(元IMFチーフエコノミスト)は「現在の超低金利は世界的な過剰債務の解消による一時的なものだから財政赤字は危険だ」と警告している。債務整理が終わって金利上昇が始まっても、政府が財政赤字を縮小することは難しいからだ。

 これは専門的な論争なので決着はついていないが、世界的なゼロ金利の中で「大きな政府」への支持が広がっている。1930年代にケインズは需要不足を解決するために「一時的な財政赤字を恐れてはならない」と提言したが、低成長が慢性化した21世紀の先進国には恒常的な財政赤字が必要なのかもしれない。
 もちろん問題も多い。1930年代には大量の失業という大きな問題があったが、今の先進国は深刻な雇用問題を抱えているわけではない。政府が需要不足を埋めることは、経済を「社会主義化」して硬直化させるするリスクも大きい。そのメリットとの比較衡量が必要だろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56016
 

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コメント
1. 2019年4月05日 12:55:18 : OO6Zlan35k : L3FGSWVCZWxFS3c=[42] 報告

日本は先進国では戦後最初にMMT(財政ファイナンス)を実行してきた課題先進国であり

財政破綻など起こりようがないことを、池田も理解し始めたようだが

肝心の政府の方が、それを有効活用できていない


2. 2019年4月05日 19:58:28 : O8HL2KZeN6 : R3B5aGZLdXlFWW8=[68] 報告
加速する 「ムリ」「ムダ」「ムラ」の 社会主義

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