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ゴーン氏を破滅させた「投機的預金取引」の全貌! スクープ! 作家・黒木亮氏が独自取材をもとに解説 新生銀行からの提案か
http://www.asyura2.com/19/hasan132/msg/190.html
投稿者 うまき 日時 2019 年 4 月 16 日 14:43:05: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

ゴーン氏を破滅させた「投機的預金取引」の全貌!
スクープ! 作家・黒木亮氏が独自取材をもとに解説
2019.4.16(火) 黒木 亮
保釈期間中に都内で目撃されたカルロス・ゴーン氏(写真:つのだよしお/アフロ)
(黒木 亮:作家)

 オマーンの販売代理店に支出された日産の資金を不正に流用した疑いで4度目の逮捕を受けた日産のカルロス・ゴーン元会長。これまでの逮捕容疑を振り返ってみると、1回目と2回目は、有価証券報告書に実際の報酬より低い額を記載した金融商品取引法違反、そして3回目が、自身の資産管理会社が運用していたデリバティブ取引で生じた18億5000万円の損失を日産自動車に付け替えた特別背任(会社法違反)である。

デリバティブ付き「仕組み預金」
 筆者はこの3回目の逮捕容疑に、少々ひっかかるものを感じていた。逮捕の原因とされる「為替スワップ」がどんなものか調べても、実態がさっぱり分からないからだ。さる1月8日の東京地裁でのゴーン氏の「意見陳述書」では、取引は「FX Forward contracts(為替先物取引)」であると述べられている。

 それによると、日産での報酬が円建てだったが、米国に住んでいる子どもたちや、レバノンなどで使うためにドルが必要で、為替先物取引契約を結んでいたという。しかし単純な為替の先物取引であれば、時価評価すれば評価損が出るのかもしれないが、それが大問題になるという話が腑に落ちない。たとえば、毎年10億円を何年間かにわたって1ドル=115円でドルに交換するという契約をしていた場合、1ドル=80円という円高になっても、当初想定していたドルの手取りが減るわけではない。引き続き毎回約870万ドルをもらい続けることができる(もし為替の先物契約をしていなければ、円高で相手に渡す円が6億9600万円で済むというメリットを享受できなかったというだけの話である)。

 他方、メディアや捜査関係者は当たり前のように「為替スワップ」という言葉を使って解説しているが、それを読んでもますます何のことか分からない。FXは確かに通貨の交換(スワップ)ではあるが、単純なFXや為替の先物予約は、スワップなどのデリバティブが登場した1980年代よりもっと前から存在しており、金融の実務ではこういうものを「為替スワップ」とは呼ばない。たぶん使っているほうもよく分かっていないのだろう。

 このように3度目の逮捕容疑は、私にとって判然としないものだった。そこでゴーン氏の資産管理会社の取引について色々当たってみたところ、ようやく内情を知る人から情報を得ることができた。

 それによれば、18億5000万円の含み損をもたらした取引は、為替先物取引や為替スワップなどではなく、デリバティブ付きの、いわゆる「仕組み預金」なのだという。ゴーン氏の資産管理会社が(たぶん円建てで)預金をし、ドルのプットオプションを売って、そのオプション料で預金の利回りを高めるという取引である。ドルのプットオプションは、オプションの行使期間中であれば、あらかじめ定めたストライク・プライスでドルを相手に売りつけることができる(そしてその対価として円を受け取ることができる)権利だ。

ゴーン容疑者を「フランスで公正な裁判に」、仏弁護士が政府に訴え
都内の日本外国特派員協会で公開された、カルロス・ゴーン容疑者の動画の一場面(2019年4月9日撮影)。(c)AFP PHOTO / Representatives for Carlos Ghosn〔AFPBB News〕

 オプション料は、ストライク・プライスの水準、行使時期、市場のボラティリティ(変動率)などによって異なる。読者に分かりやすいようごくごく大雑把に言えば、想定元本の5〜10%というイメージである。

預金の元手となったのは新生銀行の融資
 ストライク・プライスがどのレベルかは想像するしかないが、ゴーン氏の意見陳述書によると、この契約をしたのが2006年と2007年で、当時の為替レートはそれぞれ1ドル=約118円と約114円で、その後、2008年から2009年の金融危機の時には、1ドル=80円以下にまでドルが下落したという。

 実勢レートに近いストライク・プライスを設定すると、ちょっと相場が動いただけで、いきなりプットオプションが行使されてしまう。逆にあまりかけ離れていると、オプション料が安くなるというデメリットがある。そこで便宜的に107円のストライク・プライスだったと仮定してみる。実勢為替レートが1ドル80円になったのなら、オプションの想定元本1ドルあたり27円の含み損だから(単純化のため評価額に影響を与えるボラティリティの変化はゼロと仮定)、そこから逆算すると、18億5000万円の含み損をもたらす想定元本は約6851万ドルということになる。私が知り得た情報によると、預金には約3倍のレバレッジをかけていたそうなので、預金額は約2284万ドル程度(の円建て?)と推測される。そして見過ごしてはならないのが、情報源によれば、この預金の元本自体、新生銀行が融資をしていたのだという。ゴーン氏にとっては、元手ゼロで円をドルに換える取引にはなっているが、きわめて投機性の高い仕組みである。

ゴーン容疑者の「仕組み預金」のイメージ
 2284万ドル相当の預金が2006〜2007年の為替レート1ドル=116円程度で作られたものなら円建てで約26億4900万円で、これに含み損を反映すると、元本の約7割がぶっ飛んでいる。なお想定元本が約6851万ドルのプットオプションを売った場合、前述の通り大雑把に言って、343万ドル〜685万ドル程度のオプション料が入ってくるが、それを足してもやはり預金の元本の4割〜6割弱が消失していることになる。

 以上の数字は、読者に理解しやすくするための仮定で、これがそのまま当てはまるわけではない。たとえばオプションのストライク・プライスはゴーン氏が安心できるよう、もう少し低い水準だったかもしれないし、リーマンショック後のボラティリティの上昇で評価損が膨らんでいた可能性があるので、運用元本はもう少し小さかったかもしれない。いずれにせよ、仕組みの概要は、私が聞いた限り、上記の通りと考えて間違いないと思われる。なおこれら以外にも、色々な金融デリバティブやストラクチャー(仕組み)がくっ付いている可能性はあるだろう。ゴーン氏が陳述書の中でこの仕組み預金を「FX Forward contracts」と言ったのは、プットオプションを売る行為が、将来の為替取引を生じさせるので、非常に広い意味でそう言ったのかもしれない。あるいはこんな取引を裁判官にいきなり説明してもにわかには理解してもらえないので、単純化したのかもしれない。

http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/c/3/600/img_c33bc7c97d10f685582a0a4e8bd7236a69292.jpg

複雑な仕組み預金、新生銀行からの提案か
 こういう複雑な仕組み預金をゴーン氏が考案したとは思えず、新生銀行の提案によるものだろう。ゴーン氏の資産管理会社にプットオプションを売らせることで、新生銀行はオプション料の一部を鞘抜きし、融資の金利も稼ぐことができる(特にオプションは金融機関にとって収益性の高い取引である)。同行は2002年に富裕層との取引を推進する「ウェルスマネージメント部」を立ち上げ、ゴーン氏はその最重要顧客の一人だった。しかし、こういう投機性の高いデリバティブを駆使した金融商品を作ったり、利用したりすると、たいていろくでもない結果を招くものである。ましてやレバレッジなどかけると、リスクが倍加する。結局、新生銀行も、融資やオプション取引の担保として、日産の株価に連動した金融商品や(おそらく)預金そのものを担保にとっていたが、日産株の大幅値下がりなどもあり、融資を回収できなくなる可能性に直面し、窮地に陥って、日産自動車への付け替えを提案したということのようだ。

 含み損を抱えたゴーン氏の資産管理会社の取引を日産に付け替える交渉をした人物の一人は、当時同行のキャピタルマーケッツ部の部長で、現在は日銀審議委員を務めている政井貴子氏である。政井氏は「タンスにゴン」のCMをもじって、ゴーン氏のことを「タンスさん」と呼び、同僚などに「タンスさんって、誰のことか分かる?」と無邪気に訊いていたそうである。

 いずれにせよ、今後、ゴーン氏の資産管理会社がやっていた取引の詳細や新生銀行を含む関係者の責任は捜査によって明らかになっていくだろう。筆者個人から見ると、含み損のある取引の日産自動車への付け替えは、仮にゴーン氏が陳述書で述べたように日産に損失を与えていないとしても、ちょっと乱暴なやり方のように思われる。きちんとした取締役会決議は当然必要であり、また付け替えられた取引から生じる利益や損失はすべてゴーン氏の資産管理会社に帰属するという内容の日産自動車とゴーン氏の資産管理会社の間の「リスク・パーティシペーション」的な契約がないとしたら、契約の不備だろう。

 立派な会社役員や弁護士などでも、本業以外の投機で突如破綻したり、犯罪に手を染めたりすることがよくある。ゴーン氏の場合は、2015年(かそれ以前)に前妻と離婚してもおり、いろいろ物入りで、結局はお金のことが原因で無茶をしてしまったように思える。もしゴーン氏が、こうした投機的な仕組み預金ではなく、通常の為替の先物予約でドルを調達するようにしていれば、今回の事件は起きなかったかもしれない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56123  

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