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“手詰まり”の日銀が次の景気後退に備える一手「タームオペ」とは(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/19/hasan132/msg/538.html
投稿者 赤かぶ 日時 2019 年 6 月 05 日 09:49:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

“手詰まり”の日銀が次の景気後退に備える一手「タームオペ」とは
https://diamond.jp/articles/-/204583
2019.6.5 井上哲也:野村総合研究所金融イノベーション研究部主席研究員  ダイヤモンド・オンライン


Photo:PIXTA


米中対立や保護主義の長期化
「持久力」のある政策が必要に


 米中貿易戦争などの通商摩擦の深刻化や地理的拡大に伴って、堅調とされる国内経済の先行きにも慎重な見方が徐々に広がっている。

 日本銀行にとっては、直ちに追加緩和を求められる状況でないにしても、今後の景気や物価の下方リスクに対する備えが重要になっている。

 ただし、今回はリーマンショック時のようにドラスティックな政策対応が求められるよりも、米中対立の長期化などで、景気や物価が慢性的に下押しされることへの対応が重要だ。

 このため、日銀の対応も一定の期間、政策効果が期待できる「持久力のある手段」が必要だ。その一つが「タームオペ」だ。

 米中貿易戦争のエスカレートや長期化で、世界経済の「変調」がいわれる中、いまの日本銀行には「量的・質的金融緩和」のようなドラスティックな政策対応をもう一度繰り返す余地は少ない。

 しかし幸いなことに、次の景気後退は、国際金融システムの不安定化を伴う危機的事態になるというよりも、むしろ、米中間の対立が長期化したり、保護主義的な動きが米国以外の先進国や新興国でも広がったりすることで、世界の経済成長が慢性的に下押しされることの方が蓋然性は高い。

 それだけに、日銀の政策対応も「持久力」があることが重要である。

「慢性病」への対応として、金融政策がふさわしいのかについては議論の余地がある。むしろ制度や慣行など構造問題への対応を進めるべきだが、構造改革によって潜在的な成長力や競争力を高めるといっても時間がかかる。

 また、巨額の政府債務を抱える財政状況を考えれば、一時的にはともかく、財政拡張で継続的に需要を喚起し続けることには相応のリスクが伴う。

 それだけに、金融政策が一定の割合を担うことはやはり重要である。

 持久力のある政策対応に求められる最大の要件は、柔軟性があることだ。

 つまり、長い期間にわたって効果を発揮し続けるとともに、政策の継続に伴う副作用を抑制する上では、時間の推移に伴って変化する金融経済状況に即して、政策を柔軟に運営し得ることが不可欠である。

5〜10年の期日物オペでの
金融機関に対する資金の貸付が選択肢


 このことを考えると、日銀が5〜10年といった長期にわたる資金を金融機関に直接貸し付けること、つまり「タームオペ」を活用することが一つの選択肢として浮かび上がる。

 いまの「量的・質的緩和策」の枠組みのもと、追加緩和策を巡る関心が、国債やETFなどの資産買い入れをどう拡充するかに向けられている中で、この選択肢は突飛に映るかもしれない。

 しかし、市場オペによる金融機関に対する資金の貸付は、日銀にとって長らく主力の政策手段だった。

 しかも、長期のものも、貸出支援基金の下では最長4年間に及ぶ資金供給を既に行っているほか、「イールドカーブ・コントロール」(長短金利操作)を導入した2016年の政策決定の際には、必要に応じて長期の資金供給を行う用意があることを声明文で明示している。

 もちろん、筆者が「タームオペ」を提案するのは、これらのように銀行貸出の支援や「イールドカーブ・コントロール」の補完といった特定の目的に限定されたものではない。

「タームオペ」によって金融機関に長期資金を貸し付けることで長期金利に働きかけ、一定の水準に誘導するという、国債買い入れと同じ政策目的のために活用してはどうかということである。

 その場合には、「タームオペ」の条件――つまり、日銀が金融機関に対して5年とか10年といった期間で資金を貸し付ける際の利回りは、「イールドカーブ・コントロール」における市場金利の誘導目標と同じように政策金利になる。

 この点は、欧州中央銀行が主要リファイナンシングオペ(MRO)の条件を政策金利として位置づけているのと同じだ。

満期構成、柔軟に変えられる
国債の「玉不足」問題なくなる


 長期金利へ働きかけることを目的にする場合、「タームオペ」は国債買い入れに比べて柔軟性が大きい。

 なぜなら、国債買い入れはあくまでも政府の国債発行計画を所与とした上でしか実施できないため、国債発行のタイミングや満期構成によっては、中央銀行が望ましいと考えるイールドカーブを実現しにくいこともある。

 このことは、政府短期証券の大量発行の結果として、米連邦準備制度理事会(FRB)が短期金利の抑制に苦慮していることからも理解できるはずだ。

 日銀に限らず米欧の中央銀行が今後の金融緩和を進めるうえで、課題になっている中央銀行のバランスシートの「質」(満期構成)を柔軟に変えていく上でも、「タームオペ」は有効な手段となり得る。

 というのは、日銀が国債買い入れによって保有資産の満期構成を機動的に変えるためには、すでに保有している国債を売って、市場から新たに買い入れるといった大掛かりな対応が必要となる。

 例えば、満期構成をより長期化しようとすれば、FRBがかつて実施したように、短期国債を売って中長期の国債を買うこと(いわゆる「ツイストオペ」)が必要となる。

 こうした操作には、国債市場に不測のインパクトを与えたり、政府の国債発行計画によってその調整に時間を要したりする問題を伴う。

 これに対し、日銀が「タームオペ」を活用する場合、保有資産の満期構成を変更することはより容易になる。

 例えば、日銀が「タームオペ」の条件として、一定の条件を満たした場合に返済期日を延期し得るオプションを予め付しておけば、満期構成をより円滑に長期化することができる。

 中央銀行がオペによる資金供給の期間を事後的に変更し得るオプションを付与することは異例ではなく、欧州中央銀行の条件付長期リファイナンシングオペ(LTRO)に実例がある。

「タームオペ」は日銀が金融機関に対して資金を貸し付けるものであり、金融機関はその際に日銀に国債を売り渡す必要はない。従って「タームオペ」には、国債をほとんど保有しない金融機関や国債保有をこれ以上減らしたくない金融機関に対しても、円滑に資金を供給できるというメリットもある。

 現在は、すでに日銀が発行された国債の約半分を保有する一方、金融機関側の国債保有は、市場取引における担保や金融規制に対応するため、最低限必要な分にまで減っていて、国債保有が「岩盤」に近づいているとされる。

 このことからも「タームオペ」が活用される意味は大きい。

ソブリンリスクを
どう分担するか


 もちろん「タームオペ」にも課題はある。

 例えば、日銀が国債買い入れを止めて「タームオペ」に完全に切り替えた場合には、国債市場から日銀という大きな買い手がいなくなる結果、需給関係が悪化するために流通利回りが上昇するのではないかという懸念が生ずる恐れがある。

 原理的には、日銀が「タームオペ」によって金融機関に長期低利の資金を貸し付ければ、その資金で長期国債を買うことを促し、結果として長期国債の利回りも抑制されるはずである。

 ただし、金融機関に適切な利鞘を確保するような条件で「タームオペ」を実行することには、実務的には課題が残る可能性がある。

 また、長期金利が低下する局面であれば、金融機関には長期国債のキャピタルゲインを目指して国債買い入れを増やすインセンティブがあるだろうが、これはいつまでも長続きする現象とはいえない。

「タームオペ」によって金融機関に国債保有を促すことは、大規模な国債買い入れを通じて市場から日銀へとシフトしてきたソブリンリスクを、再び市場へと押し戻すことも意味する。

 国債の残高が顕著に減少したり、財政状況が顕著に改善したりしない限り、ソブリンリスクの負担は双方にとっていずれにせよ「ゼロサム・ゲーム」となるが、日銀と市場でどう分担すべきかよく考えるべき問題である。

 また、金融機関にとっては規制上の財務比率にも影響が生じ得る。

 日銀が国債買い入れを行う場合は、金融機関のバランスシートでは、資産が国債から日銀当座預金に振り変わるだけなので、自己資本だけでなくバランスシートの規模も不変であることに加え、保有資産の金利リスクも低下する。

 これに対し、日銀が「タームオペ」によって金融機関に資金を貸し付ける場合には、金融機関からみると負債側で日銀からの借り入れ、資産側で同額の日銀当座預金が両建てで増加する。

 このため、ともに金利リスクやクレジットリスクがゼロとカウントできても自己資本が変わらず、バランスシートの規模が増えた分だけレバレッジ は上昇する。

景気や物価の変動に伴う
機動的な政策手段としての役割も


 これらの課題を考慮すると、日銀が金融緩和手段として「タームオペ」を導入するとしても、それは、現在の国債買い入れを止めて完全に切り替えるというよりも、長期金利の誘導という共通の政策目的を達成する上で相互補完的な措置として活用することが現実的だと思われる。

 具体的に「タームオペ」に期待される補完的な役割としては、まず、発行される国債の満期構成に歪みが生じたり、国債買い入れに「札割れ」のリスクが高まったりした局面で活用するといった一時的な対応が考えられる。

 しかし筆者は、国債買い入れをストックとしては維持しつつ、「タームオペ」を機動的な政策手段として位置づけるという、より本格的な活用にも魅力を感じる。

 つまり、日銀はすでに保有している国債を再投資によって維持しつつ、景気や物価の変動に対する金融政策の調整を、柔軟性の高い「タームオペ」による金融機関への資金貸し付けによって行うというものである。

 その場合、経済成長に伴う成長資金の供給は、かつてのように国債買い入れの機械的な運営によって行ってもいい。

 これは、世界経済が踊り場にきて、バランスシートの規模や内容を世界金融危機以前の姿に戻すことが現実的でなくなった現在、より現実的な意味での金融政策の「正常化」といえるのではないだろうか。

(野村総合研究所金融イノベーション部主幹 井上哲也)






 

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コメント
1. 2019年6月05日 19:12:21 : D0QUl32qUN : OWczZmhIbUhDL3c=[169] 報告
麻薬漬け 刹那に溺れ 息が切れ
2. 空虚[2300] i_OLlQ 2019年6月06日 06:16:38 : CTMBOP7Cfg : VnM4Mzd3SzFyZEk=[11] 報告
なるほど、日銀と他行で互いの不都合を埋める

金融談合をやると。

・・・これも、G20のやってる感かね。

なりふりかまわず、アリバイ創りだわな(笑えん

山師、お祭り騒ぎだっぺ。

3. 2019年6月08日 00:11:30 : PpBr3mXSAw : Q1cucVBiMXp5QnM=[3] 報告
安部黒売国奴

手図まり偽装のMMTで

日本売り。

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