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チュート徳井問題と「中小企業不要論」を結ぶ点と線 「中小企業消えていい」 かつての暴論、今は正論?
http://www.asyura2.com/19/hasan133/msg/613.html
投稿者 鰤 日時 2019 年 11 月 12 日 08:46:21: CYdJ4nBd/ys76 6dw
 

チュート徳井問題と「中小企業不要論」を結ぶ点と線

山田 宏逸 他 3名
日経ビジネス記者
2019年11月11日
13 30%
ギフト

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クリップ
全2684文字
 「世間の皆様に不信感を与えてしまい、誠に申し訳ございませんでした。あらためて納税に対する意識、仕事のこと、自分自身のこと、しっかりと見つめ直していきたいと思っております」

 10月下旬、人気お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実氏が設立した会社「チューリップ」が、東京国税局の税務調査を受けて2018年までの7年間、約1億2000万円に及ぶ税金を申告していなかった事実が発覚した。吉本興業やテレビ各局は、問題発覚直後こそ徳井氏をかばおうとするかのような対応を見せていたが、世論の反発を重く見てか、厳しい姿勢に転換。徳井氏はその後、芸能活動を自粛し、出演番組の差し替えなどが続いている。


税金の「申告漏れ」への世論の反発は大きく、徳井氏は芸能活動を自粛。出演番組の差し替えなども続く(写真:共同通信)
法人成りで節税は「伝統的手法」だが……
 徳井氏は、所属する吉本興業から支払われる「ギャラ」などをチューリップにいったん受け取らせ、同社から役員報酬の形で収入を得ていた。個人でなく法人で収入を受け取るのは、その方が様々な税制上のメリットがあるためで、それ自体は「極めて伝統的な手法」(国税庁OB)とされる。

 ただ徳井氏の場合、こうした「法人成り」(自営業者の法人化)による節税メリットを享受するという次元ではなく、09年の設立以来、期限内に税金の申告そのものをしていなかったという。

 報道によると、まずチューリップは09〜11年度、期限内に確定申告せず、税務署からの指摘で12年6月に3年分を申告し納付。12〜14年度も無申告を繰り返し、15年7月に申告するものの今度は納付をせず、16年5月ごろに銀行口座を差し押さえられた。

 さらに15年以降も同様に無申告だったため、遡って12年度からの7年分の申告漏れを指摘される事態になったという。重加算税などを含めた追徴税額は約3700万円に及ぶ(現在は納付済み)。

次ページ炎上の背景に“自営業者たたき”?
徳井氏は10月23日の謝罪会見で、「税理士から納税をするよう言われていたが先延ばしを続けていた。自分がどうしようもなくルーズだった」と悪意のなさを強調した。ところが、個人的な旅行や洋服代など2000万円を会社の経費として計上したが認められず、しかも「所得隠し」にあたると判断されたことが分かると、「本当にルーズなら、領収書を管理し経費計上しようなどとするだろうか(むしろ税金に詳しいのでは)……」といった声も上がった。こうした“疑惑”は当の芸能界からも噴出。結局、今年6月に発覚したお笑い芸人の「闇営業問題」と同様の騒ぎに発展してしまった。

 さて、この徳井騒動。「ある意味で闇営業問題にはなかった意外な広がり方を見せており、それがネット世界の中での一段の炎上につながっている」という見方がある。

炎上の背景に“自営業者たたき”?
 「徳井さんの件を機に、自営業者が節税のために法人を設立すること自体が悪いことのように言われ始めている」。“自営業者たたき”への飛び火を指摘するのは、千葉県を地盤に活動する渡邉朝生税理士だ。「徳井さんが税金を納めていなかったことは論外」と前置きしたうえで、「個人が会社を設立する目的は節税だけではなく、事業拡大や信用力向上など様々な目的がある」と強調する。

 「収入をいったん法人に受け取らせ、そのうえで給与を決めて個人に無税で還流する」「法人税率と所得税率の差を利用し税額を減らす」「生活費を法人の経費に振り替え、法人は赤字にする」……。様々な節税メリットが指摘されている法人成り。「だが現実には必ずしも節税になるわけではないし、芸能人のほか、サラリーマンでも会社を立ち上げている人はたくさんいる」と渡邉氏は話す。


(写真:PIXTA)
 ただそうは言っても、税金にまつわる会社員の自営業者に対する不平不満は、仮に徳井騒動の方が終息に向かっても、おさまらない可能性が高い。

 例えば20年1月には「サラリーマン増税」が待ち受ける。22歳以下の扶養親族がいない給与所得者のうち、850万円を超える年収がある200万人超が増税の対象になる見通し。負担増の金額は、年収900万円なら年1万5千円、950万円なら3万円、1千万円なら4万5千円といった具合だ。

 金額の重さへの感じ方は家庭ごとに異なるだろうが、17年度の配偶者控除の見直しに続く負担増。それに対し、自営業者や高齢者の税負担はさほど変わっていない。会社員の間で「国と与党は“取りやすい人”を標的に税金を取る」との声がくすぶるのも当然だ。

 もっとも、会社員の不満は、増税の標的にされ続けることだけではない。そもそもの税制の設計自体がおかしいという声はそれこそ、昭和の時代からある。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00080/110700001/?P=2&mds


 
「中小企業消えていい」 かつての暴論、今は正論?

津久井 悠太 他 3名
記者
2019年11月12日
2 78%
ギフト
全2592文字
 「日本は、2060年までに中小企業の数を現在の半分以下、160万社程度まで減らすべきである」

 そんな「中小企業淘汰論」を主張し、経済界で話題を呼んでいる人物がいる。300年以上の歴史を持つ老舗企業で、国宝や重要文化財の修復などを手掛ける小西美術工芸社(東京・港)の社長、デービッド・アトキンソン氏だ。


中小企業の経営を託されたアトキンソン氏は様々な改革を進め、会社を一気によみがえらせた(写真:的野 弘路)
 ゴールドマン・サックス証券(GS)のアナリストだった1990年代に、日本の不良債権の実態を暴くリポートを発表。以来、日本経済を客観的立場から分析する論客として知られてきたアトキンソン氏が、小西美術工芸社の社長に就任したのは2011年のことだった。GSを退職した後、日本の伝統文化に関心を持ち京都に住んでいたところ、後継者を探していた同社の先代社長、小西美奈氏と偶然知り合ったのがきっかけだ。

 経営を任されたアトキンソン氏は、非正規雇用だった職人を正社員にするなど様々な改革を進め、在庫管理など社内の仕組みも次々に刷新した。利益率を大幅に向上させ、従業員約80人の中小企業を一気によみがえらせた。

中小企業経営を知りぬいた上での結論
 こうして中小企業経営に期せずして深く携わったアトキンソン氏が今年9月に出版した書籍が『国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか』(講談社+α新書)だ。だが、中小企業経営を知りぬいた上で書かれたであろうその本の中身は、それこそ中小企業経営者にとって衝撃的なものだった。「中小企業こそが日本経済の停滞の原因であり、再浮揚のためにはその淘汰が不可欠」。これがこの本の骨子だ。

 「中小企業を半減させるなど、とんでもない暴論」。そう憤る人は多いはずだ。日本の企業数のうち99.7%は中小企業が占め、国民の雇用の7割を担っている。アトキンソン氏が「宝」と評価する文化財同様、中小企業もまた「日本の宝」ではないか、という声もあるに違いない。

 そんな声について、アトキンソン氏は「感情論ではなく、論理とデータを用いて冷静に議論すべきだ」と話す。

次ページOECDも日本の中小企業政策に“疑念”の目
 日本の経済成長率が1%台にとどまり、デフレが続き景気が上向かないのはなぜか。それが議論の出発点だ。アトキンソン氏は停滞の原因を「人口の急減少」と「生産性(就業者1人あたりGDP)の低迷」に分解し、とりわけ後者が日本の最重要課題だと指摘する。その上で、国が賃金の引き上げを主導し、GDPのおよそ半分を占める個人消費を刺激することで生産性を向上できる、と訴えてきた。

 この浮揚策を実現する上で最大の壁になるのが中小企業、というのがアトキンソン氏の見解だ。

 一般的に、中小企業は大企業に比べると賃金が低く、賃上げも難しい。かといって業務効率を高めようにも、小規模な組織ではIT活用や柔軟な働き方に割ける資金的な余裕にも乏しい。生産性の低い中小企業の退出を促し、本当に競争力のある企業に経済活動を集約して初めて、国全体の生産性は高まる。個人消費を増やすには毎年5%程度の最低賃金引き上げが望ましく、対応できない企業は統廃合されてよい――。


「最低賃金引き上げに対応できない企業は統廃合されてよい」というのが、アトキンソン氏の見解だ(写真:PIXTA)
 こうしたアトキンソン氏の主張は、国際統計にも裏打ちされている。例えば、OECD(経済協力開発機構)のデータによれば、従業員数20人未満のいわゆる零細企業に勤める人が働く人の全体に占める比率は、日本の製造業では18.9%(2016年)。米国(9.9%、15年)、スウェーデン(16.1%、17年)などと比べ高水準にある。そして、先進国では零細企業の比率が高いほど、国全体の生産性は低くなる傾向にある。

OECDも日本の中小企業政策に“疑念”の目
 「高水準の公的支援は資源配分をゆがめ、『本来生き残れないはずの企業(non-viable enterprises)』を市場に残すことで、改革を遅らせる」。これは、前述のOECDが2年に一度出す「対日経済審査報告書」の文言であり、17年版にも19年版にも使われたもはや決まり文句である。注目すべきはやはり「日本の中小企業政策」に向けられている点だ。

 日本には中小企業向けの「手厚い支援」があり、「生き残れないはずの企業を延命している環境」が残り、それこそが日本の成長力や競争力の足かせになっている。これは何もアトキンソン氏だけでなく、国際機関の見方でもあるのだ。

 「そもそも大企業が少なく中小企業が多い状況は規模の経済という大原則に反している」。こう強調するアトキンソン氏によれば、日本で中小企業が激増した背景には、1963年に成立した中小企業基本法があるという。


時事深層

D・アトキンソン氏「賃金を上げられない企業は退場を」


1分解説

みずほ銀が中小企業AI融資に参入する事情


時事深層

「老後2000万円不足」問題で注目 中小企業向けイデコに追い風


1分解説

中小企業の救世主になる? 「外国人採用のメルカリ」目指す新サービス


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町工場の生産管理を支援、定額課金で利用しやすく


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コメント2件
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遊記

経営者 兼 技術者

 今、IT分野で一番問題になっているのが多重下請け構造である。
これによって、本来不要な中抜き企業が大量に発生し大変に効率が悪いものと化している。
 それに加えてIT技術者の派遣社員を認めてしまったため、間にある技術者が何ら技術ではない単なる技術者派遣会社となってしまい、何ら技術的蓄積がない。

 この出来事を見ただけでも、中小零細の統合にいみがあることを認めることができるだろう。
2019/11/12 06:28:52返信いいね!


holmes

庶民が歪んだ格差を感じるのは、中小企業が多いからではない。最初から大企業だった会社は国営の他にはない。経営を規模で語ることに興味を感じない。むしろ解体すべき不要な大企業があるのではないか。会社の規模による不要論は不要だ。

2019/11/12 07:06:06
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00080/110700002/?P=2&mds
 

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コメント
1. 2019年11月12日 13:56:22 : caqQOWwYSw : TVoxQjlzU1JvcC4=[3] 報告
OECDだったかIMFだったか忘れたが
どちらかは日本の広報活動拠点ではなかったか。
とするとOECD/IMF=財務官僚の主張と言うことも出来る。

>従業員数20人未満のいわゆる零細企業に勤める人が
>働く人の全体に占める比率は、日本の製造業では
>18.9%(2016年)。米国(9.9%、15年)、
>スウェーデン(16.1%、17年)などと
>比べ高水準にある。そして、先進国では
>零細企業の比率が高いほど、
>国全体の生産性は低くなる傾向にある。

スウェーデンも十分に高いと思うし欧州の場合は
印象で語り悪いが集積している印象がない。

2. 2019年11月12日 20:29:58 : 6nRcL5HbW2 : MENLU1NzU2FtdFE=[221] 報告
中小を 的に進める 弱体化

足腰を わざと弱らす 政策で

3. 2019年11月12日 20:58:44 : neR7I3xFHo : QkJYeU9Lb3pYTDI=[2] 報告
まともな賃金を払わない悪徳零細経営者がいるでしょう。その辺りの問題が解決しない以上は零細叩きは無くなるわけがない。
4. 2020年1月02日 09:58:03 : jAPRKDQoYs : S0k2bVRsMWFlNEk=[11] 報告
今現在は大企業が優遇されているのでアトキンソン氏の意見は違うだろうと思う。
日本はどちらかというと大企業向きなので中小はあまり優遇されているとはいえない。
その支援をなくす事はあまり良い方法とは思えない。
中小企業はベンチャー企業とも近い関係にあるので中小を無視することはイノベーション
にも反することになる。

効率が悪いというのは日本独特の下請け構造が原因だろう。それは一次請けである大企業
側にも問題がある。これが多重下請け構造を作り生産性を低下させているのであれば、
大企業の下請け構造を見直すだけで生産性は改善され賃金も上昇可能な環境を作る。
それは大企業の問題であって中小の問題ではないだろう。

日本ではかつて戦争の原因となった財閥があり、戦後は財閥が解体された過去もある。
当時の日本は非民主主義的社会であり、国民に選挙権がない社会であった。その日本
においては企業の大規模化はメリットをもたらさず逆に社会的格差を拡大した。
大企業化だけが良いとはいえない環境がある。

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